本部
比翼連理の生き残り
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~10人
- 英雄
- 8人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/04/14 07:30
- 完成予定
- 2018/04/23 07:30
掲示板
-
【相談】絆のもとに
最終発言2018/04/14 07:26:41 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/04/13 13:11:25
オープニング
●過去の戦い
「兄さん――」
少年は、自分と同じ顔をした青年を見つめる。
彼らは一卵性の双子であった。遺伝子的にも同一あると証明されている二人は、まったく違う表情を浮かべる。
「兄さん――」
泣きそうな顔で弟は兄を呼び、兄は微笑みながらそれに答えた。
「大丈夫だ。リョウ、お前は絶対に俺が助けてやるから」
従魔に取り囲まれて、もはや生き残りは兄弟二人しかいなかった。そのなかで、双子の片割れは片方が生き残る選択をしたのである。
「愚神。俺のライブスも肉体も、全部やるから弟を家に帰してやってくれ」
●生き残りの情報
「フジミヤ兄弟の目撃情報が入りました」
会議室に集まったリンカーに、H.O.P.Eの職員は資料を配る。資料には、そっくりな双子の写真が添付されていた。
「その二人は、H.O.P.Eのリンカーでした。そして……そのどちらかが、愚神にとりつかれているようなのです」
資料を配られたリンカーたちは、首を捻る。
「どちらか、というと?」
「分からないんです。なにせ、彼らは双子で親でさえ見分けがつかないほどそっくりですから」
フジミヤ兄弟は、主にペアで戦うことが多いリンカーであったらしい。しかし、先月の依頼の際に予想以上に多い従魔と愚神に遭遇し、一時音信不通になっている。その後、息も絶え絶えな双子の片割れが見つかったが、彼は搬送された病院から抜け出してしまった。
その後、何件か「そっくりな双子が戦っていた」という目撃情報がH.O.P.Eの元に舞いこんできた。フジミヤ兄弟なのは目撃証言からいって明らかであったが、愚神になったのが兄か弟かがわからない。
「兄でも弟でも、愚神ならば倒せばいい」
リンカーの一人が、そう発言する。
「単純に、そうはいかない理由があるんです。この双子、ちょっと変わった技を使うことで有名だったんです。比翼連理って彼らは呼んでいたんですけど……この技を互いに使えば、互いのステータスは高いほうに合わせられるんです。兄が防御力をあげる技を使って、双子がそれぞれ比翼連理を使えば弟の防御力も上がります。体力の回復についても、同じことができるそうです」
この技を使えるのは、同じ遺伝子を持つ双子だけ。
生まれる前から一緒だったから使えるのだ、と双子は言っていた。
「ですが、デメリットもあります。比翼連理を使用している最中に片方が強力なダメージを受けると、もう片方もそれに引きずられてしまうんです」
比翼連理が発動しているならば、片方が死ねばもう片方も死んでしまう。
職員は、そう語る。
「じゃあ、使わせなければいいんだな」
リンカーの言葉に、職員は首を振る。
「愚神ではないほうの双子は、現れるたびに比翼連理を使用しています。今のところ、愚神は比翼連理を使っていませんが……追い詰められれば道連れにするために使うかもしれません」
今はまだ、愚神が圧倒的に有利だから比翼連理を使わないだけかもしれない。
だが、追い詰められれば使ってくる可能性がある。
そうなれば、生き残った双子の片割れまで死ぬ。
「今回の依頼は、愚神の討伐です。そして、双子の片割れを救出してください。双子の片割れは、どうやら被害の出ないところを選んで愚神と戦ってるようです。ですから、次に現れるとしたらココでしょう」
●共に落ちるために
――コウ兄さん
双子の片割れが、自分と同じ顔をした愚神に話しかける。一月前に、兄は自分を助けるために全てをなげうった。そして、兄と同じ姿――自分と同じ姿をした愚神は誕生した。
「おまえも、本当に飽きないな。その技、俺も使わないと意味がないんだろ」
廃校になった学校の体育館。
愚神と戦っても、巻き込まれる人間も、困る人間もいない。
「比翼連理の鳥は、それぞれ目が一つ、翼が一つしかない鳥なんだ。だから、常に一つになって飛ばなければならない。片方が死んだのならば、もう片方も死ぬのが道理だ」
弟は、比翼連理を発動させる。
兄も発動させなければ意味を成さない技を、彼はいつも序盤から使用する。
弟は、兄を模した愚神を倒すことだけを望んでいた。そして、愚神が比翼連理を使用し、自分を道連れにすることを願っていた。
けれども、その願いを妨害するリンカーたちの足音が近づいていることはまだ知らなかった。
解説
愚神討伐および双子の片割れの保護
体育館(15:00)――愚神を追い込んだ体育館。廃校になってしばらく経っているため、床が抜けてしまうところがある。一般的な体育館の設備はまだ残っているが、丈夫な建物ではない。
愚神(双子の兄)――愚神。両手に金属部品を使ったグローブ、両足に金属部品をつかったブーツを身に着けている。肉弾戦を好み、武器は使用しない。
無骨の心得……グローブやブーツにライブスを注入し、強化する。自身の防御力と攻撃力も上げることができる。
無骨な炎……拳や足に炎を纏わせる。自身の攻撃力も同時に上げる。
血肉から生まれたもの……愚神が出血した場合に発動する。愚神の血から、愚神と同じ形の敵が出現する。この敵は愚神が操るものであり、従魔ではない。愚神が倒されると消えてしまう。
無骨の拳……最大威力の技。大きく振りかぶるため隙が生まれるが、大地を割るほどの威力がある。
無骨の足蹴り……小回りが利く、攻撃。素早く動くことが可能であるため、無骨の拳と違い隙を作らずに攻撃ができる。
比翼連理……ステータスが高いほうの身体能力をコピーする。体力も片割れが高ければ、その分だけ回復する。片方が死んでしまうともう片方も死んでしまうという弱点を持つ。継続時間は10分程度。時間がくると自動的に切れるが、再発動は可能。
血肉から生まれたもの――愚神の血から生れ落ちた分身のようなもの。全てが愚神と同じ姿をしており、比翼連理意外の全ての技が使える。しかし、体力や攻撃力は愚神本体の半分以下である。愚神が出血を伴う攻撃を受けるたびに、一体出現する。
双子の片割れ――生き残った双子の片割れ。兄の姿を奪った愚神を憎悪しており、同時に助けられた自分の未熟さにも嫌気が刺している。最初から比翼連理を使用している。愚神に果敢に挑み、血肉から生まれたものが出現すると頭に血が上ってしまう。
PL情報――愚神が兄。生き残りが弟。
マスターより
こんにちは、落花生です。
比翼連理が夫婦の例えだとは知っているんですが、恰好いいので双子の技にしてしまいました。
四文字の漢字って、問答無用で強そうな感じがします。
リプレイ公開中 納品日時 2018/04/17 23:31
参加者
掲示板
-
【相談】絆のもとに
最終発言2018/04/14 07:26:41 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/04/13 13:11:25