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戦闘

その舞台は美しく

落花生

形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
能力者
1人 / 5~10人
英雄
1人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2018/03/30 07:30
完成予定
2018/04/08 07:30

掲示板

オープニング

●その舞台は美しく
 その舞台は、美しい桜の話であった。
 とある事件を解決後、リンカーたちは舞台のチケットを被害者からもらった。なんでも、被害者はこの舞台の出資者の一人らしい。
「若者が気軽に見られる舞台を目指しているです。ぜひ、どうぞ」
 正義たちも、そのチケットを受け取った。

「ポップコーンにジュースも持ち込めるなんて、まるで映画みたいですぅ!」
 劇場で、小鳥は上機嫌で買ってきたポップコーンを頬ばっていた。小さな劇場だが、若者が参加しやすい雰囲気のためか、客席はそれなりに埋まっていた。ほとんどの人の手にはお菓子やジュースが握られていて、雰囲気はさながら映画館である。
 隣に座って正義は、舞台のパンフレットを眺めた。

 ――舞台は現代。
 ――醜い女は連続殺人鬼を追う刑事に恋をするが、女は殺人鬼の手にかかって殺されそうになってしまう。しかし、桜の下でもみ合ううちに殺人鬼のほうが女に殺されてしまった。殺人鬼の血を吸って、桜は赤く染まり――女は美しく変身していた。
 女は桜が血を吸うごとに自分が美しくなっていきことに気がつき、次々と殺人を犯すようになり……とうとう意中の刑事に追われることになるのだ。

「ホラーと恋愛とサスペンス全部混ぜみたいな話やな」
 主役の女は、二人一役で演じられるようだ。
 醜い女役として、それなりに名の通ったお笑い芸人が登場するらしい。正義でも見たことがある顔であった。そして美しく変身する女は、まったくの無名の女優である。若いので、新人なのかもしれない。
「正義、しょっぱいポップコーンを食べたら甘いのも欲しくなったですぅ。正義、チェロスを半分にして一緒に食べるですぅ」
 さすがにポップコーンとチェロス一本は多いらしく、小鳥は半分を正義に押し付けようとしていた。正義もチェロスは食べたかったので、買うために席を立ち上がった。

●劇場の外の真実
 劇場の外も、映画館のような作りである。
 舞台となると敷居の高さを感じるが、これぐらいなら自分でも気軽にこられるのかも知れないなと正義は人知れず思う。
「買う前にトイレにいかへんと……」
 正義はトイレを探していたのだが、知らない間に人通りの少ない通路まで来てしまった。なんとなくだが雰囲気で、スタッフ意外は立ち入り禁止ではないかと思われる雰囲気だ。
「もどらへんと、不味いで」
 正義は来た道を帰ろうとすると、ドンドンとドアを叩く音が聞こえてきた。もうすぐ開演なのに小道具大道具を作っているわけでもあるまい。音に剣呑なものを覚えた正義は、音がしているドアをそっと上げた。
「どういうことや――!!」

●美しさの幕開け
 舞台の幕が上がる。
 醜い女のもとに、刑事の男が聞き込みにやってくる。醜い女は一瞬で刑事に恋をして、もんもんとした日々を過ごしていた。そして、連続殺人鬼に狙われた女は桜の下で殺人鬼を殺してしまう。赤く染まる桜の力で、美しく変身した女の凶行が今始まる――。
「む……なんですか、正義。始まっても劇場に入ってこないで、携帯に電話をかけてくるなんて非常識ですぅ」
「今は緊急事態や!」
 携帯をとった小鳥は、首を傾げた。開演時間になっても来ない正義を心配してはいたが、携帯の向こう側の正義の声はあわてていた。
「美人なる女の役者がいたやろ。その人がな、劇場の物置からみつかったんや!!」
「その人なら……今は舞台に立っているですぅ」
 小鳥は舞台を眺めると、美しくなった女が自分の美貌に酔っている演技がなされていた。
「小鳥、よく聞くんや。物置から見つかった女優はライブスを吸われてたんや。つまり、襲った相手は愚神や」
 正義の言葉に、小鳥は顔を上げた。
 舞台の上にいるのは美しい女優ではなく――美しく化けた愚神。
「皆に知らせて、お客さんの避難をしないとですぅ」
「いいや、ダメや。この劇場のドアが開かへんのや。H.O.P.Eからリンカーを呼んでもこわせへんから、愚神の能力だと思んや」
「つまり、愚神を倒さないと劇場からは出られないですか……」
 小鳥は、再び劇場を見やる。
 薄暗い客席には、少なくはない客。
 舞台の上には、愚神。
「どうしたの?」
 一緒にやってきたリンカーたちが、小鳥の異変に気がつく。
 小鳥は正義から聞いた話を、仲間達に説明した。

解説

・愚神の撃退と客の保護。

劇場(13:00)――小さくて薄暗い劇場だが、客は30人ほど入っている。若者が多く、お菓子やジュースを飲みながら劇を楽しんでいる。座椅子が多いが、規則的にならんでいるため気をつければ足を取られることもない。

舞台――常に明るく照らされており、桜のセットと俳優たちが立っている。舞台に登場する俳優やスタッフは総勢10人である。なお、舞台にでないスタッフ5人は舞台裏に潜んでいるが、舞台裏から劇場の外には出ることができない。

美しい女(愚神)――舞台に立ち続ける、女優に化けた愚神。彼女の力で劇場は密室状態になっており、彼女を倒さなければドアは開かない。戦闘や正体がばれた際には、長く伸ばした爪を武器に、血を強化のための道具に使う。素早く小回りの効く攻撃を得意とするが、攻撃力は低い。
引き換えの美貌――自ら顔を傷つけ出血する。序盤に使用。
血まみれの爪――自らの血を爪に塗り、血を凝固させる。爪の耐久力と攻撃力が増す。
血まみれの壁――出血であふれた血を操り、それでバリアーを作る。
血まみれのドレス――血が衣装に染み付くことで、自らの防御力を上げる。
血まみれの桜――セットに見せかけていた桜を操る技。桜自体は動くことはないが、女の言葉によって根や枝といった部分だけが延びてムチのように動くことはある。根や枝が相手に突き刺されば、そこからライブスを吸収することができる。

以下PL情報。
血まみれの桜――美しい女の武器のよう命じられたように動くが、これも愚神である。美しい女が得るライブスは全て桜が吸収し、その分だけ色を赤くする。美しい女が苦戦したり追い詰められたりすると、彼女の命令がなくとも根を伸ばして客やリンカーを襲うために根と枝を伸ばす。
対価の果実――美しい女が倒された際に、使用。桜が自らのライブスを引き換えに実を一つつけて、美しい女と同等の能力・姿をもった従魔を作り出す。

マスターより

こんにちは、落花生です。
今回は桜のお話になります。といっても、劇場のなかですが……。

関連NPC

  • エージェント
    良田正義az0013
    人間|29才|男性|防御適性

参加受付中 プレイング締切日時 2018/03/30 07:30


参加にはSC1,000が必要です。

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