本部
【爻】存在証明
- 形態
- シリーズEX(続編)
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,800
- 参加人数
-
- 能力者
- 11人 / 4~12人
- 英雄
- 11人 / 0~12人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/01/31 22:00
- 完成予定
- 2018/02/14 22:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/01/29 23:57:17 -
【相談卓】
最終発言2018/01/30 20:53:42 -
質問卓
最終発言2018/01/30 09:31:31
オープニング
●null~アムネシアとガランサス
「こんなことをしている場合じゃないんだ!」
額を押さえ顔を歪めたエルナーが体当たりをして来たイルカを一体、斬り伏せた。
その直後、彼の目は見開かれた。
怪音の中でイルカは彼の相棒の姿に戻って海中に赤い血を撒き散らす。
「……ミュシャ」
屍に伸ばした手をもう一人のエルナーが掴んだ。
──リプレイスメントは英雄自身が恐れる「邪英化した自分」の幻影。それが彼を飲み込んだ。
『エルナー』
自分に斬りつけた英雄の名をミュシャは呼んだ。
死んではいないと伝えるために。
けれども、ミュシャの意識が見ている前でリプレイスメント化したエルナーは言い放った。
「あの子が居なければ、僕は僕の世界を救いに戻ることができるからね」
それは契約したあの日からずっとミュシャが恐れていた言葉で、彼女の心はひび割れた。
エージェントによって救出されたがふたりはすれ違ったままだった。
リプレイスメント化した記憶はエルナーにはない。エルナーはミュシャに問うたが彼女は謝るばかりで答えることはなかった。
そして、ふたりはすれ違ったまま、とあるヴィランを負う旅路でヌルと接触した。
ヴィランと違い、彼らは愚神ヌルの糧に成り得たから招かれたのだと知らず……互いを、なにより自分の在り方を信じられなくなった二人は結果的に愚神の誘惑に乗った。
ミュシャの言葉・思考全てを拒絶して、エルナーは共鳴した信義へ剣を抜いた。
「僕はもう少しだけ愚神を生かして欲しいだけなんだ」
「却下だ、お前たちの都合に合わせていたら被害が拡大するだけだ」
「僕はこの力で殺さなければならないヴィランがいるんだ」
「ミュシャだけ法から守る気か、ふざけるな。退け」
エルナーはまるで守るかのように巨大な珊瑚の前に立ち塞がる。巨大な珊瑚に似た愚神ゾーザンテラがぬるりと動いた。
「ぐにゃぐにゃと。スナイソギンチャクか」
毒づく信義の足を細い女の手が掴んだ。
「!」
それは、跪くライラ──だったが、彼はそれを蹴倒した。
「十指に輝くガランサスの輪よ、現世のまなざし、逆境を越える希望、慰め、そして死を運べ──幻影蝶!」
信義の両手に白い指輪が輝く。幻は消えて地面から生えたゾーザンテラの触手へと変わったが、ガランサスの力を乗せて放った《幻影蝶》による攻撃で吹き飛んだ。
「お前たちがデフェンスでその化物がオフェンスってわけか」
苦笑を浮かべたエルナーは巨大な化け物を見上げた。
「この化物、ゾーザンテラはヌルが育てた手足。これが十全である限りヌルはこのドロップゾーンでは無敵だ。
そして、ヌルの存在の継続は、平穏を約束された彼ら『アムネシア』と、善悪に括らない自由を得た僕の望むことでもある。君らは帰るべきだ。もしくは、少し僕たちに時間を与えるべきだ」
「リプレイスメント化じゃないのか」
「もっと、自発的な契約だよ」
「……こんな馬鹿でかいドロップゾーンを作っておいて、待つわけないだろうが。H.O.P.E.のエージェントはどうした? 何組が『そう』なっている? 他は」
エルナーは首を横に振った。
「アムネシアだけじゃない。彼らのライヴスのお陰でこれは動き出した。僕たちには助けるチャンスは無かった」
「だが、俺らにはチャンスはある」
信義が後ろで待機しているであろう、エージェントたちに語り掛けた。
「──遠慮するな。遠慮なく仲間をぶっ飛ばす、いい機会だと思えよ」
●Q.E.D~アムネシアとエヴァイユ
まやかしの世界で彼女を取り戻すため振るった一撃は、白イルカとなったリーナを殺した。
まどろみから目覚めたリーナは自分を殺すクリフを見た。
ふたりは戦うことなどほとんどないアイドルリンカーだ。死や邪英化などは自分たちとは縁のない事だと思っていた。
……それでも、自分の命を賭けるくらい互いを大切にしていた。
ヌルの実験は成功した。
絶望が、ふたりの、特に英雄クリフの心を殺した。
リーナにはヌルに抗う力は無かった。
──いつまでも、彼と一緒に歌っていたい──素敵な願いですね、リーナ。
──クリフ、いつまでもリーナを守り一緒に居たいという願いは、こうすることで未だ叶いますよ。
互いを失ったと思った二人は愚神の契約に了承し幻影世界へと囚われて、空っぽになった心にヌルの悪意が滑り込んだ。
それから、彼らはずっと夢の世界の無辜の住人だった。
どこまでも花咲く穏やかな草原でクリフに寄り添ったリーナは優しく歌っていた。
ふっとクリフが目を開けた。
……どこかで、歌が聞こえる、そう思った。
リーナの歌じゃない、もっと胸が苦しくなる酷い歌だ。
「クリフ?」
「リーナ……俺たち、何故ここにいるんだ?」
罪悪感が胸の奥から湧き出る。でも、理由はわからない。
「俺たち、こんなことしていちゃ駄目だ!」
はっとしたクリフが叫んだ瞬間、虹色の雲の向こうに空に廃工場が映る。
そこには苦悶の表情を浮かべたエージェントたちと……。
「リー……」
──だが、彼らは手遅れだった。
浮上しかけた意識は虚ろになって膝をつく。そして、空はまた虹色の雲に覆われた。
廃工場の室内を探索し始めたエージェントたちの後ろで、俯くリーナ。
──私は力無いグライヴァー。だが、現世界の能力者は私より力無い人間。なら、彼らはライヴスリンカーたらしめるリライヴァーを排除すればいい。
リーナの姿を奪ったヌルは長い睫毛を震わせて笑いを押し殺した。
『まだ不完全ですが、アムネシアと化したリンカーが三組。アムネシア化しないもののゾーザンテラの胎の中にリンカーがこれだけ。重畳です。このリンカーの身体もだいぶ動くようになりました。このまま次の私の身体に──ん?』
怪訝な顔をしたリーナが後ろを振り返る。
「邪魔な虫が」
ぽつりと零した彼女の言葉にエージェントたちが怪訝な顔をした。
ヌルは微笑む。
「ありがとうございます。私は結論を得ました──他の世界の誰もが屈した私の語りかけから、こうもたくさんのモノたちがすり抜けたのは貴方たちが二人一組だからなんですよね。
ライヴスリンカーが弱くとも、リライヴァーが弱くとも、また双方ともに弱くとも、支え合うことですり抜けることもある。
貴方たちは力のない私に、この世界での在り方を教えてくれました」
彼女の背後の空間がガラガラと崩れた。
夕陽を映す埃だらけの硝子窓が、壁が、巨大な珊瑚の化け物へと変わった。
「ゾーザンテラは貴方たちのお陰で充分なライヴスを蓄えることができました。ここで私は肥えて羽化する。
あとは、消化不良の残り滓を掃除しないといけません。どうか、皆様、無抵抗のまま私の糧に。
夢と現の混じり合う最後の幻影世界、『深層世界・爻』へようこそ。そして、選ばれなかった覚醒者よ、さようなら」
解説
●目的:ヌルを倒す
●特殊ルール:シリーズ称号によるチーム分け
※各人数が足りない場合は無記名リンカー描写有(味方はほぼ戦力外)
A:アムネシア含む称号持ちPC(催眠による疑似邪英化状態「アムネシア」)2名
Gからの累計ダメージ生命力1/4で正気に返る
敵対行動を取れるがヌルに従う必要は無い
催眠・正気共にエルナーへ有利
E:エヴァイユを含む- 4名
スキル「エヴァイユ」封印後はヌルに有利
G:ガランサスを含む-・新規
アイテム「ガランサス」5回使用可:幻を壊す・ゾーザンテラ・Aに攻撃有利
※新規の方は前回より参加していた描写となります
●ステージ:深層世界・爻
ゾーザンテラ正面にエルナー・A・G、背面にヌル・Eが配置
正面・背面の移動条件はゾーザンテラと対峙している敵の攻撃回避
●敵
・エルナー(ブレイブナイト):疑似アムネシア
デクリオ級相当 物攻A 物防S 魔攻F 魔防A 命中C 回避C 移動B 特殊B 抵抗B INT.E 生命E
・愚神ヌル(クリフ&リーナ):ヌルの現実体になろうとしている
リーナ姿、ドレッドノート
ケントゥリオ級 物攻B 物防B 魔攻C 魔防C 命中A 回避C 移動C 特殊C 抵抗C INT.C 生命A
スキル
エヴェイユ:DZに満ちる歌。幻影を使用しPCからの攻撃無効化、範囲DZ全体(耳栓等無効)※ゾーザンテラ半壊で封印
・ゾーザンテラ:巨大な珊瑚型愚神、ヌルのDZ内の手足
攻撃可能範囲360度68sq,1フェーズニ回攻撃、背面からの攻撃に強い
ケントゥリオ級愚神級 物攻C 物防C 魔攻C 魔防C 命中A 特殊C 抵抗C INT.C 生命C
スキル
吸収:1フェーズ1回使用、DZ内PCの生命力を範囲攻撃3~5吸収(魔攻/命中に+200/吸収による敵陣の回復は無)
片面180度(例:正面・背面どちらか)、射程DZ内無制限
幻影:攻撃時に相手の心の隙を突く幻を見せる
※ゾーザンテラのみ幻影蝶の付加効果は無効
マスターより
・リプレイスメント:ファイル所持者のみ召喚、意思を持ちヌルの味方をしないが直接的なダメージをヌルへ与えられない
こちらはMS個人のシリーズシナリオであり、能力者と英雄の関係を描くシナリオです
ミュシャペアに関しては倒せば良く、成功度に影響はでません
NPCへの語り掛けを通しての自分たちの関係性を描くのは勿論OKです
それぞれのNPCは多少ペナルティを負いますが
PC側の関係性についてを優先しひとまずの結論を出して頂ければと思います
チーム分けは称号によって行われますが称号設定は自由です
できれば多少の相談・連携を推奨します
ヌルとの最後の戦い、宜しくお願い致します
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2018/02/17 19:12
参加者
掲示板
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/01/29 23:57:17 -
【相談卓】
最終発言2018/01/30 20:53:42 -
質問卓
最終発言2018/01/30 09:31:31