本部
アーヴァンクを誘惑せよ
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/01/30 07:30
- 完成予定
- 2018/02/08 07:30
掲示板
-
人質救助作戦@美女とビーバー
最終発言2018/01/28 02:09:47 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/01/29 23:56:50
オープニング
●ビーバーがいっぱい
イギリス、ウェールズの北にある街コンウィは十三世紀の城壁都市の趣を残している。そこから少し南に離れたコンウィ川の畔では、四人の男女がバーベキューをしていた。
近くまで寄ってきたビーバーに野菜の切れ端を投げてやると、その大きな前歯で齧り付いてそそくさと川へ戻っていった。
「この辺のビーバーは人懐っこいんだな」
若い男の一人が肉に齧り付きながら暢気に言う。
「知ってるか? 最近この辺にUMAが出るらしいよ」
「マジかよ。それH.O.P.E.が言ってる愚神ってやつじゃねえの」
肉や野菜を焼きながら盛り上がる男二人に対し、女の子たちは話の輪に入ろうとすらしない。餌に釣られて寄ってきたビーバーと戯れている。
まるっきり無視されて気分がいいわけがないのだが、森の中で動物と戯れる美女というのはどうにも絵になる。大学内で美女と名高い二人を宥め賺して何とか誘ったが、二人はいかにも退屈そうにしているだけだった。
「ねえねえ! 肉焼けたよ、ほら」
わざわざ料理を持って行って甲斐甲斐しく世話をする。女の子二人は当然のようにそれを受け取る。それがまた様になっているから憎めない。二人とも背中に掛かるほど豊かな金髪を流し、いつのまにか近くに寄ってきたビーバーの頭を撫でている。
「それにしてもビーバーばっかだな。この、どけって」
椅子の上に丸まるビーバーを軽く叩いて女の子の隣に座る男。美女はそれを見て切れ長な眉を露骨に潜めた。
「ちょっと。乱暴しないでよ。こんなに可愛いのに」
そう言って毛並みを撫でられたビーバーが扁平な尻尾をぱたぱたと振って喜ぶ。
「ビーバーって普段、自分の作ったダムにいるのよ。こんなに人間に近づいてくるなんて珍しいわ」
確かにビーバーは一般的に警戒心の強い動物として知られている。普通は人のいるところまで出てこない。この辺はビーバーの生息地だが、それにしても異様に多い。いや、というよりもビーバー以外の動物が全く見当たらない。
ここへきて周りを見ていると、いつのまにか茶色い毛むくじゃらだらけになっていた。
「お、おい。これ……」
男たちが静かに気味悪がる。女の子たちは懐いてくるビーバーたちを片っ端から撫でまわしてご満悦だ。
ちょうど女の子たちが背を向けている川のほうから大きな影がのっそりと起き上がる。滝のように水を垂らして近づいてくるそれに慄き、体が硬直してしまっている。
そんなとき、コンウィ川から黒い影が競り上がり、水しぶきを奮って岸に上がってきた。見上げるような巨体を揺すって体に付いた水を払う。こげ茶色の毛並み。発達した前歯。扁平に広がった尾。まるで彼女たちに群がっているビーバーをそのまま大きくしたような姿。
「キュッ! キュイキュイ!」
巨体に似合わない可愛らしい声。それで悍ましさが薄まるわけもない。
「う、う、うわああああっ!!」
男たちがなりふり構わず逃げていくのに対し、女二人は腰を抜かしている間にビーバーの群に取り囲まれてしまった。
そんな彼女たちに顔をすり寄せ、巨大ビーバーはにんまりと破顔した。
●美女を寄越せ!
「……とんでもない眺めだなあ」
エージェントに先んじて現場に到着したオペレーターは、城壁の縁に体を預けて呆れたように呟いた。
一目でわかる茶色の巨体、通報にあった敵愚神だろう。それはのっそりと横たわっており、まるで甘えかかるように二人の女性に頭を擦り寄せている。さらに周囲は無数のビーバーが蠢いている。恐らく愚神が召喚した従魔なのだろう。
もうすぐエージェントが到達する。しかしこのままではどうにも動きが取れない。二人と愚神の距離が近すぎるため、巻き込まずに攻撃することは困難だ。
しかし急がねば二人の命が危ない。愚神や従魔は基本的に人間をライヴスの餌として見ていない。今は何の気まぐれか、あの綺麗な女性二人に甘えかかっているが、いつ牙を剥くか分からない。
時間はないが無茶はできない。リンカーの突破力で一気に制圧できる可能性に賭けるか――
そのとき、オペレーターにふと着想があった。敵は何故すぐに女性二人を食べてしまわないのか。わざわざ他に男がいたというのに、それを見逃してまで女に近づいた。
「――牡牛が引っ張らなければ、私が澱みから引き離されることはなかったのに」
隣にいた警官が怪訝そうに首を傾げる。オペレーターは彼に双眼鏡を投げつけて言い放った。
「この街の服屋に女性ものの服を供出させろ。あと床屋と美容師を集めて協力させるんだ。ああそれから女性警官でも何でもいい。ともかくメイクの出来る人間をかき集めてくれ」
矢継ぎ早の指示に警官が素っ頓狂な声を上げる。
「い、一体何をさせるつもりですか!?」
「美女が大好きなビーバー、まさにアーヴァンクだな。だったら奴の好きなものを与えてやるのさ」
冗談とは思われない声音。オペレーターは本気でリンカーたちを綺麗にして愚神を誑かそうと言うのだろう。だが美しさという点において彼は何ら心配していなかった。H.O.P.E.のエージェントには美男美女が多い。それに男だとしても化粧と服を変えて美女に仕立て上げればいい。要は人質二人を助けられる間合いまで近づければいいのだ。
解説
・目的
愚神、従魔の討伐。
・敵
アーヴァンク。巨大なビーバーの姿をしている。従魔としてビーバーを多数引き連れている。美女が好みらしく、従魔と一緒に取り囲みながらもたれかかっている。
・場所
イギリス、コンウィ川の畔。
・状況
愚神は美女の傍を離れないため、オペレーターはリンカーたちに美女として愚神に近づき、人質を救出してもらう。
マスターより
美女が大好きな愚神というけしからんやつが現れました。しかも美女二人が人質として捕らわれています。早く彼女たちを助け出し、愚神を討伐してください。
リプレイ公開中 納品日時 2018/02/07 18:32
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人質救助作戦@美女とビーバー
最終発言2018/01/28 02:09:47 -
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