本部
【ドミネーター】生きる意味
- 形態
- シリーズ(続編)
- 難易度
- 難しい
- 参加費
- 1,300
- 参加人数
-
- 能力者
- 15人 / 4~15人
- 英雄
- 14人 / 0~15人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/01/15 19:00
- 完成予定
- 2018/01/24 19:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/01/14 21:45:42 -
作戦相談卓
最終発言2018/01/15 18:13:50 -
質問卓
最終発言2018/01/15 00:37:34
オープニング
何も難しい話じゃあない。簡単だ、エージェント諸君。
目の前にいる一人を殺して大勢を救うか、大勢を犠牲にして目の前の人間を助けるかという端的な話。しかも目の前の人間とは、犯罪者だ。どうして答えの分かりきったゲームをするかといえば、それは愚問だな。
――最初からこうするつもりだったよ。
ナタリアを内部から殺すには人手が必要だ。それは権利、権限に満ち溢れた一般市民である必要がある。僕はテスの作戦に大賛成したね、ああなるほど……それは流石だと。市長という肩書を上手に使う戦略には僕も脱帽した。
だけど、僕は度重なる戦いで君らがどれだけタフなのかを知っている。巧妙な人海戦術も見破ってくるだろうという最悪なケースは想定できていた。
僕はテスに助言をした。
「実際にHOPE日本支部まで大勢で出歩けば、効果は更に高まる」
人民を沢山連れて、日本支部に! そこには沢山の人間がいる。一般市民がいた。彼らを人質に取ると思いつかない訳がない! でもどうやら、君らも念には念を入れているみたいだね。
ちなみに、爆弾が埋め込まれているのは飛行機じゃない。テスの体内だ。テスは義体された腕、足を持ってして飛行機の探知検査には逃れられなかっただろう。月並みなゲートを潜れば必ず防犯装置が働いたに違いない。
そこでHOPE職員の出番だ。その職員は僕らの仲間じゃないが、義体の説明をしてくれれば何も問題はない。体内に入り込んだミクロの爆弾には決して触れない、知らないのだから仕方ないね。
選ぶ時が来たよエージェント、君たちが本当に救いたいのはなんだ?
「罪のない人間を大勢で避難した愚民達か? それとも罪のない大勢の人々を見殺しにした罪人か。好きな方を選ぶといい」
フランメスは口角を吊り上げた。
その様子は飛行機のモニターだけではなく、音声としてインターネット上に公開されていた。
一般市民達はこう思うだろう。馬鹿げた問いかけだ、フランメスという男はただの愉快犯だと。エージェントは飛行機を救うに決まっている、もし選択を誤るならば、そのエージェントは裏切り者でドミネーター、もしくはHOPE自体が間違いを犯している。
タイムリミットはない。あるとすれば、フランメスの興が覚めた時だろう。
フランメスは目を見開いた。
銃をナタリアに突きつけた。片手は端末機を手にしていた。
「相変わらず、醜い手筈を用意してくるのね」
見れば、ジェシー・リンが座席に座って景色を眺めていた。彼女はドミネーターと契約を結んでいる愚神だ。
「来いとは一言も言ってないがね」
「ジェシーはパーティに呼ばれなかったら自ら参戦しちゃうのよ。それに、私のお気に入りの子もいるしね」
「そのお気に入りの子の寿命は今日かもしれないよ」
目の前で、ナタリアを守ろうとする少女。フランメスは少女に一瞥をくれた。
「もしその子を殺したら、ジェシーはあんたとの契約を破棄するわ。約束と違うもの」
「その時は君を殺す」
「へえ」
ジェシーは視線をフランメスの背中へと寄越し、舌で唇を舐めた。人間風情が、よく言えたものだわ。
床にはもうひとり、人形のようにキレイな少女がうつ伏せで倒れていた。ジェシーは目を輝かせて少女の隣に正座した。
「フランメス、この子も殺しちゃだめよ。ジェシーのお気に入りコレクションに追加だわ」
「どうぞ、ご勝手に」
さて、フランメスは前座の二文字を口にするとナタリアと、それを守る少女に顔を向けた。
「時間はタップリ与えているはずだ。もう答えを出してもいい頃なんじゃないか」
ナタリアは隅に蹲って「死にたくない」と何度も口にしていた。
祈りの言葉は電車の音にかき消されず、絶対的な感情を生んでいた。
「前はあれだけ僕に殺してくれ、と言っていたじゃないか。今更、死にたくないとはね」
「黙れ!」
強く怯えていたナタリアが、顔を上げて叫んだ。
「わ、わたしは……! ま……前と、ちがって! 大事な人達が出来た、できたんだ。そ、その人を別れたくないんだよ。ずっと一緒に、いたいんだよッ! だから死にたくないんだよ、くそッ!」
「君は昔からお涙頂戴の童話が好きだったからねえ。なるほど、そういう感情か。なら尚更、君の死が楽しみだね。それとも友人達を殺した方がいいかな。君に絶望を与えてから殺すというのも、悪くはない」
言葉が消えて、沈黙が流れた。列車は既に目的地を通過している。運転手は震えながら、決して後ろを振り返らない。ただ前だけを見て、殺されないためにブレーキを踏まなかった。フランメスからお告げがあったのではない。ただ、電車が止まるのは自分の人生の終着点だと思えたからだ。
混乱している。混乱した風が吹いている。
解説
●目的
ナタリアの護衛。
サンクトペテルブルク支部に向かうのは諦め、別の場所でナタリアを守らなければならないが、日本支部は先ほどの混乱の後片付けをしなければならず、坂山は新聞記者達の対応に追われている。
どこにナタリアを避難させるかはエージェント達に一任された。どこに避難させても問題はなく、そこでの滞在期間は一週間とする。
一週間立てば別の支部への移送を再び行う。
●ジェシー・リン
愚神。
彼女の能力は他の愚神からのコピー能力で、現在はトラップを使った攻撃を主流としている。電車にはトラップを仕掛けていない。
トラップはないが、両手に持ったレイピアによる素早い攻撃、防御で身を守ることも可能。
●状況
列車は四両あり、先頭車両にはアリス、氷鏡、フランメス、ジェシー、ナタリアが乗車している。
更にフランメスは救援を用意しており、ヘリコプターを使った機関銃、破裂弾での攻防、新たな敵「ドクター・リン」との交戦が廃線路で繰り広げられる。
●ドクター・リン
白衣を着た四十代の男で、フランメス、ナタリアと暮らしていたバグダン・ハウスの生存者の一人。彼はバグダン・ハウスでの事件当時、別の街に引っ越していたために難を逃れた。
錯覚、薬品を使った攻撃を得意とする。脳外科医の彼は細い針を使って攻撃し、相手の体を麻痺させてから一方的に攻撃する。所持している武器は他にリボルバーがあり、フランメス同様銃弾に薬品を仕込み、状態異常を狙う。
彼はバグダン・ハウスで起きた事件で婚約者を失っている。
「逢いたかったよ、ジュエラ」
その時に起きた精神疾患で、婚約者と近い年齢の女性を見れば、その女性が婚約者であったかのように錯覚し、攻撃の意志を無くす。
●増援
十人体制で行ってきた作戦だが、五人の増援を増やし十五人で遂行していく。坂山は五名のエージェントに作戦の全てを教え、列車へと臨場させる。
マスターより
※当MSはアドリヴ成分が多めです。
前回のリプレイは初めての試みでした。というのも、前回来てくれた人が今回も必ず来るっていう確信の下の終わり方だったからですね。自惚れている訳ではないんですが、どうして前回の終わり方になったかというと、一回で終わるような内容に出来なかったからですね……。
本当はナタリアを送り届けて一段落して、という構想が出来ていたのですが、フランメスがさせてくれませんでした。
フランメスという奴はPLだけでなく、MSも困らせる奴なんです。今回のシナリオも「お前これ、どうするつもりだ……!」ってなりながら書いてたんです。
まあでも選択権は皆さんです。空の上から見守ってます、私は。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2018/01/23 20:22
参加者
掲示板
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/01/14 21:45:42 -
作戦相談卓
最終発言2018/01/15 18:13:50 -
質問卓
最終発言2018/01/15 00:37:34