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日常

エンドロールを君と

鳴海

形態
ショート
難易度
易しい
参加費
1,000
参加人数
能力者
2人 / 4~10人
英雄
2人 / 0~10人
報酬
無し
相談期間
4日
締切
2017/10/23 15:00
完成予定
2017/11/01 15:00

掲示板

オープニング

● 命の終わりの瞬間に
 魂とは死後どこに行くのだろう。
 今までの価値観だったら、天国に上って、そして生まれ変わって……。
 でも、それが英雄だったらどうなんだろう。
 もし英雄が死んでも能力者が死んでも、再び天国で会えるのだろうか。
 そんな話を『ディシェット』は『サリア』にした。
 場面は病室。しめ切ったカーテンの向こうは夜。
 深夜に響く、ぴっぴっという断続的な音だけが彼の生存を教えてくれる。
 ベッドに横たわる能力者。
 佇む二人は英雄で、この世界の人間ではない。
「死んだ人は天国に行けるそうよ」
『ディシェット』は神魔霊獣が跋扈する世界からやってきて『サリア』は御伽の国からやってきた。そんなまったく違う世界に住まう二人と、能力者が生まれたこの世界……まったく違う世界だが天国の概念は共通していた。
 だから三人は天国の存在を信じた。三つの世界の共通認識。
 ならばあるだろう。天国は。
 きっと世界が繋がる場所。そこでは死に別れた誰もが出会えるのだと。
 三人は冗談交じりに笑い合った。
 そんな和やかな日々は遠く。いくつもの夜の向こうに消えてしまった。
 あの時の暖かな空気は今はなく。
 ここにあるのはただ、命が目減りする冷気だけ。
「今この時別れましても」
「きっとまた、私達は出会えるよね?」
 ディシェットは愛する相棒に小さく告げる。
 サリアはその体に悲しみを押し込めたように小さく告げる。 
 やがてそれが最後の別れの言葉だとでも言うように、僅かな無音が病室を満たした。
 心音が停止、直後、電子音がリズムを刻むことをやめた。
『一枷 昴流(いちかせ すばる)』享年十八歳。
 死因は任務中に仲間を庇ったことによるダメージ。頭部への著しいダメージ、つまりは脳死。徐々に身体機能が弱まり、延命装置に繋ぐこともむなしく、数か月かけて緩やかに彼の物語は終わりを告げた。
 結果、二人の少女をこの世界に繋ぎとめておくための契約が、今切れたのだ。
 霧散する霊力は暗い病室に星のように溢れる。
 瞬き煌き僅かな温もりを残して消える。
「サリア……あなたは別の契約者を探してもいいのですよ」
「ディシェットは、別の人と契約できるの?」
 サリアの言葉にディシェットは首を振る。
「新しい契約者を見つける前に、私達はこの世界から消え去るでしょう。それを死と呼ぶのかはわかりません。けれど願えるなら」
「スバルと同じところに?」
「そう、ですね」
 耳が痛くなるほど計器が鳴る部屋で。二人はただお互いの存在をよりどころに、旅立っていく彼を見送ることしか。
 できなかった。


● 契約できなかった英雄たち。
 結論から言うと『ディシェット』と『サリア』は次の契約者を見つけることができなかった。
 ともすれば、消えるのは必然。
 彼女たちの霊力貯蔵量では三日が限界だろうと言われた。 
 その三日の間に、彼女たちはやりたいことがあるのだろうだ。
 今回はそんな彼女たちのやりたいことについて聞いてあげて欲しい。
 彼女たちの願いをかなえるための三日間、それを皆さんにプランニングしてほしいのだ。


● 登場人物
*注意《》左カッコ内情報はPL情報である。

『一枷 昴流』
 男性、十八歳、受験生。
 絶零に参加するも、最終作戦一歩手前で仲間を庇い脳にダメージを負う。
 明るい性格で、まっすぐで、人とぶつかることも多かったが。それでも人とわかりあおうとすることをやめなかった。

『ディシェット』
 外見年齢は18歳程度、身長172センチと女性にしては高めの身長。
 薄い布の白いドレスをこのんで着用する、金糸の神を持つ少女で元の世界ではエルフの生き残りだと言われていたらしい。
 魔法に強く、感覚が鋭い。その力はソフィスビショップとしていかんなく発揮されていた。
 穏やかな口調だが好戦的で、自分の意に沿わない人間には攻撃してしまう短気な一面を持つ。
 感情豊かで詩情や芸術をよく理解する。
 昴流の事が好きだった。

・『ディシェット』の最後にやりたいこと。
 
1 海を見に行く。
 ディシェットには移動手段がないので海に連れて行ってくれる人が必要です、どこの海、どんな海に連れて行ってくれるのかはお任せします。

2 サリアの能力者を見つける。
 サリアがこの世界にとどまれるように能力者を見つけたいようです。
 サリアはこの世界が気に入っている様子ですし、まだ生きていたいだろうという配慮からです。

3 美味しいものが食べたい。
 ディシェットは食べることがとても好きなので、皆さんのおすすめのお店に連れて行ってあげてください。

4 《誰かが幸せになるところを見る》
 自分たちが守ったもの、昴流が護りたかったものが何かをディシェットはとても見たいのです。

5 《昴流に好きだと伝える》
 結局ディシェットは最後の瞬間まで思いを伝えることはできませんでした。それが彼女の心残りなのです。

『サリア』
 身長148センチ程度。灰色の長い髪を二つ結びにしている、普段の服装はゴシックロリータ。自分の身長ほどある兎の人形がお気に入り。
 彼女は元の世界で文明を司る女神だったそうだ。
 人の諦めない心、戦う心を気に入っており、ことあるごとに諦めないことを誓わせようとする。
 クラスはカオティックブレイドだった。
 怖がりでディシェットや昴流の影によく隠れていた。人に対しては好意的で好奇心旺盛。安全だとわかればすぐに人と仲良くなれる。
 見た目より精神年齢が幼いが。たまにナレーション口調で話をする。
 そんなときはたいてい自分の心を押し殺している時だ。
 友達がたくさんほしかったのだが、環境のせいで友達と呼べるのはディシェットと昴流くらいしかいなかった。
 この世界が好きでよく建物や人波を見に高い場所、街中。人気のない場所に出向くことがある。
 そう言う時彼女は決まって嬉しそうな顔をする。
 
 
・『サリア』の最後の願い。

1 みんなの好きなことを教えてもらう。
 皆さんの趣味や楽しいことをサリアに教えてあげてください。

2 ディシェットに置いて行かれないようにする。
 サリアはディシェットが大好きで離れたくありません。

3 戦い続けることを誓わせる。
 今回三日間を共に過ごす皆さん全員にこれから戦い続けること、諦めないことを誓わせようとします。

4 《死なない》
 サリアは死を恐れています。この世界から消える、自分がなくなる、それはいったいどんな感覚なんだろうか。ディシェットが悲しむのではないか。

5 《友達をたくさん作る》
 サリアは最初のうち、自分がすぐに消えることを理解して皆さんと接したがりません。
 それは皆さんと仲良くなって自分が、皆さんが、最後の別れの時につらくなると思うからです。
 ですが本当は沢山の友達が欲しいと思っています。


解説

目標 二人の英雄の完結を見守る。

 ただ、彼女たちは本当にやりたいことに関して気が付いていません。《》内の本当の願いに彼女たちは気が付いていないのです。この願いをうまくひきだし、その願いをかなえてあげる。もしくは願いに対する思いを解消してあげることができればきっと彼女たちは最高の最後を遂げることができるのでしょう。
 解消するというのは達するという事も含まれますが、その願いを達成しなくてもいいかなと思わせることも含まれます、二人の願いは相克する事も多いですが、きっと本当の落としどころがあるはずです。

 さらにこの物語はいずれ皆さんの身に降りかかるであろう物語でもあります。
 この戦いが終わった時どうなるのか。自分が死んだときどうなるのか。相棒はどうするのか。
 それを考え直すシナリオにもなればいいと思います。

マスターより

 今回のテーマは別れです。このリンクブレイブという物語が終わるとき英雄たちはどうなるのか。そんな想像を膨らませられるシナリオになればいいなと思ってます。
 

参加受付中 プレイング締切日時 2017/10/23 15:00


参加にはSC1,000が必要です。

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