本部
- 形態
- イベントショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 12人 / 4~12人
- 英雄
- 12人 / 0~12人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/10/15 15:00
- 完成予定
- 2017/10/27 15:00
このシナリオは3日間納期が延長されています。
掲示板
-
【相談卓】手向けの花を
最終発言2017/10/15 03:58:30 -
質問卓
最終発言2017/10/15 11:28:46 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/10/11 07:57:37
オープニング
●亜利沙の日記
○月○日
腐ってる、腐ってる、腐ってる。
腐ってるのは、世界のほう。あいつらのほう。
ありさは腐ってないんだから。
あいつらが、自分が腐ってるのをかくすために、ありさが腐ってることにしたいだけ。
だまってるやつらもおんなじ。
自分が腐っていることにすら気づいてないなんて、気持ちわるい。
この世界のぜんぶが、気持ちわるい。
だれか、たすけて。
×月×日
なくしてた国語の教科書がみつかった。
校門のそとの溝に落ちてドロドロになってた。
先生は、いきかえりのときに落としちゃったんだねっていうけど、ばっかじゃないの。
そんなわけないでしょ。
学校は、どろぼうばかり。
先生は、やくにたたない。
もっと、ちがうところにいきたい。
△月△日
うるさい、うるさい、うるさい。
あの人たち、まだけんかにあきないのかな。
さっさと別れればいいのに。
べつべつになって、この村から出ればいいのに。
そしたらありさも、この村とはおさらばできるのに。
あの人たちは、ありさの本当のオヤじゃない。
オヤってもっとやさしいはずだもん。
どこかにありさの本当のかぞくがいるはず。
ありさはここにいるよ。
むかえにきて、はやく。
はやく、はやく、はやく。
ありさが、こわれちゃうよ。
●生き残りの証言
「この子? 知ってるよ。触っちゃいけないの。喋ってもいけないの。仲間外れにされるから」
風 寿神(az0036)はソロ デラクルス(az0036hero001)を連れて生前の芽衣沙がいたという高知の村に調査に来ていた。
証言をした子供は、写真の女の子が「芽衣沙」として四国を恐怖で支配したヨモツシコメ三姉妹の一人だとは気づいていない。
なぜなら、「その子」はいつも一人で俯いている子だったから。
集合写真に写った亜利沙は各種専門家により「芽衣沙と同一人物」との鑑定結果が出ているが、くすんだ表情をしており、寿神も言われなければわからなかったほどである。
――人間だった芽衣沙は、初期の犠牲者の中にいる。
そう見当を付けたH.O.P.E.は、特に子供の犠牲者に絞って顔写真を中心に虱潰しに調査を行った。
結果、この小学校が浮上した。
「芽衣沙に似た子供」と「ヒロに似た子供」がクラスメイトとして通っていた山奥の小学校。
児童数は少なく、近くの学校と統廃合とのを検討中だったという。
しかし当時頻発していた謎の感染事件が起こり、事件当時学校にいた児童も教諭も、すべて死んだ。付近の住民も軒並み死んだ。
偶然にその日学校を休み、しかも住居が学校から離れていた何人かの児童が、九死に一生を得た。
寿神はその数人に亜利沙のことを訊ねに行った。
「遊びなの。そういう遊び。いじめじゃないよ」
証言した子は、屈託なく答える。
「亜利沙」も楽しんでいたと思うかと問えば、「あたりまえだよ、遊びの中心にいたんだから」と言う。
「子供の残酷さというのは、扱いが難しいのう」
聞き取りを終えた後、寿神はふうと溜息をつく。
小学校側が報告していたいじめ件数は、ゼロ。
本来ならば教諭達にも話を聞いてみたいところだが、残念ながら感染事件により全員死亡している。
「俺の考えじゃが、『芽衣沙』は亜利沙にとって最も恐ろしい敵、いじめっ子達を模倣したのかもしれんの……」
「ヒロ」が生前の「亜利沙」と親しくはなかったとの証言も得ている。
「同じ学年じゃなかったけど、そのくらいわかるよ。だって、あの子と仲良くしたことがわかったら、一緒に仲間はずれにすることになってたもん。仲間はずれは、ひとりだったよ」
●手向けの花を
「亜利沙になんらかの弔いをしてやりたいと思うのは、おかしいかのう、フーリ」
膝の上に座るソロに、寿神は問うた。
もしも戦場で芽衣沙と対峙していれば、寿神は『慈愛を持って殺す』ことを選択していただろう。
芽衣沙は既に多くの犠牲を出しているのだし、これ以上の犠牲を出すわけにはいかない。
ただ、異論を飲み込んででも一致して作戦を遂行したエージェント達は見事だったと思う。
愚神メイサにとっては、エージェントの仲間割れこそが最大のつけ入る隙になっただろうから。
そして……死したあとは、「亜利沙」に対して慈愛を持って弔ってやりたい。
「ヒロのことも、なにやら哀れでの」
ヒロは、亜利沙に対しては間に合わなかったのだろう。
迫害を受けている者からすれば、傍観者は最も恐るべき加害者である。
「亜利沙」と信頼を築くには……圧倒的に時間が足りなかった、と寿神は感じている。
「スーのやりたいように、やればいいよ」
ソロは尻尾をぱたぱたしながら答えた。
「亜利沙もヒロも、結局は子供じゃしのう」
ふさふさの毛の生えたソロの耳を撫でると、同意をしめすようにぴこぴこ揺れる。
「日本式の弔いというのは、どういうもんじゃろうの」
寿神は黒い司祭服に身を包んではいるが、敬虔なクリスチャンというわけではない。
ただ、人智を超えた何者かに祈るだけ。
慈悲を、赦しを。
寿神はただ祈る。
「誰かに聞いてみればいいんじゃない?」
ソロはぴょんっ、と寿神の膝から飛び降りて、くるりと振り返る。
「同じような考えの人がいるかもしれないし、怒る人もいるかもしれないし。どちらにしろ、スーは一人で抱え込むのが一番良くないんだよ?」
解説
●目的
ヨモツシコメ三姉妹の末妹芽衣沙、愚神メイサの中に残っていた人間の部分、亜利沙を追悼し、弔い方法を考える。
副題:希望があればヒロについても可。
●状況
・愚神メイサの体は崩れ去った。直接の遺留物はない。
・各種鑑定により、亜利沙=芽衣沙であることが確定している。
・亜利沙の身の回り;父、母、亜利沙の三人家族。持ち物は少なく、家の中には(両親のスマホ画像も含めて)家族写真等はきわめて少ない。机の脇には、人気アイドルグループの写真がいくつか。机の中に、学校行事の写真がいくつか。
・ヒロの身の回り;祖父、祖母、父、母、兄、ヒロの三世代同居六人家族。家族写真多数。机の中には、学校行事で亜利沙の写った写真多数。
●埋葬可能地
・無しという選択も可。(弔うものを遺さない)
・小学校跡地;亜利沙の通っていた小学校は統廃合対象の小さな学校で、ほぼ全校生徒が亡くなってしまったこと、校舎の中でも惨事が起こった跡があることから、以後学校としての利用は断念。敷地は四国で出た身元不明の死者たちの共同墓地にしようという計画がある。校舎は残すか取り壊すか未定。
・親類の墓地;亜利沙の家系の墓地は、役所では把握していない。
・個人墓地;個人墓地を購入して葬ることもできる。風寿神も纏まった財産を寄付する用意がある(PCの所持金を寄付することもできる)。
・神門と共に葬る;祟り避けの意味合いで、社を建てて祀る計画があるらしい。予定地は事件のあったビル屋上。
・高野山で供養を受ける;神門の遺した錫杖も高野山での供養を頼む案があるので、それと共に。
マスターより
いじめられっ子は大抵自分からは何も言い出せません。他人が聞き出したり、調べたり、思い遣ったりしてやることが必要なのです。
今回は、いじめられっ子視点から心を寄せるNPCとして風寿神に白羽の矢が立ちました。
芽衣沙と因縁のある方も、ない方も、別の考えを持つ方もご参加お待ちしております。
追悼シナリオという性質上、関連シナリオ、特に「グロテスク・プリンセス」及び「カバネヒメ」をお読みいただけると幸いです。
(※こちらのシナリオは、担当MSと充分な打ち合わせの上で出しております)
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2017/10/26 15:33
参加者
掲示板
-
【相談卓】手向けの花を
最終発言2017/10/15 03:58:30 -
質問卓
最終発言2017/10/15 11:28:46 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/10/11 07:57:37