本部
フード、イート、フード!!
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 6~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/06/28 09:00
- 完成予定
- 2017/07/07 09:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/06/25 23:36:38 -
対邪英フードファイト控室
最終発言2017/06/26 17:15:41
オープニング
●
「お米食べろッッッ!!!」
「いきなり何ですか大声出したりなんかして!?」
H.O.P.E.東京海上支部、その一角。デスクワークにいそしんでいた職員の一人が突然上げた奇声に隣の同僚が目を見開いた。
職員は同僚に無言で紙の束を押し付ける。
「なんですこれ?」
「エージェントたちのプロフィールだよ。まあちょっと目を通して見ろ!」
「ええ? ……いや、特に変わったところはないみたいですけど。精神状態いたって普通、英雄との関係もおおむね問題なし。健康状態にもまあさしたる危険状態は認められませんが」
「お前の目は節穴かッ!?」
「だからうるさいですってほらみんなこっち見てますよ!」
「ここ! ここよく見てみろよ!」
と指差された箇所を同僚は一度職員の顔を見やってから確認する。そこはエージェントたちの体格――つまるところ身長や体重――といった部分であった。
「ここが一体なんだって言うんですか? 先輩がそこまでエージェントの肉体状態に気を使う人だとは思いませんでしたけど」
「何か気づかねえか?」
「はい?」
もう同僚のほうは完全に変質者を見る目になっていたのだが、この職員を放置していたらますます問題を起こしかねない。世界の平和と安全を守るH.O.P.E.で危険人物を輩出したとなってはことだ。
とはいっても同僚のほうは本当に何も思いつかない。記載されているプロフィールはよくあるといえばよくある体格状態を機械的に報告しているだけだからだ。なので同僚は率直に思ったことを口に出した。
「いや……モデルみたいだな、とは思いますが」
「何ィ?」
「怖いですって顔近づけないで! あくまで所見ですが、このエージェントたちって本当に体格を見ればモデルみたいですよね。細くて軽い。背が高くてもおおよそそれを感じさせない。……いやまあ、確かに筋骨隆々なエージェントもいることはいますが、それを除けば大多数はモデル顔負けのプロポーションですよ、羨ましいぐらいに」
「そう! そこが問題なんだよ。お前は彼らのことをモデル並みだといったな?」
同僚が大して考えることもなく頷くと、職員は首を振って悲しげに言った。
「違う。答えはな、『モデルでも真似できないほど軽すぎる』んだよ」
「は?」
「俺の調べたところによると、今活躍しているエージェントのかなりの割合は平均的な身長・体重比を大きく下回っている。いわゆるBMIというやつだ。それがあまりにも低い。病気かと疑われるぐらいに」
「……ああ、だからお米食べろって……」
「その通り。俺はこの状況を憂慮している。愚神との激戦は今後も続くのに、エージェント諸君がやせぎすでは戦いのさなかにぶっ倒れるかも……とな」
「まあ、理に適ってはいますね。言動はアレでしたけど」
職員はようやく平静を取り戻したのか、同僚の言葉に大きくうなずくとペットボトルの水を喉に流し込んだ。ペットボトルを勢いよくデスクに叩きつけると、真剣な顔で訊いた。
「どうすればいい? エージェントに食べもんをたらふく食わせるには」
「発想が雑!? 実際無理でしょう、懇親会でもやろうって言うんですか? 彼らはこれが普通でやってきているんですからどうせいつもの量食べるだけです」
「せめて、そう……大食いかフードファイトでもやれれば……」
「聞いたことないですよそんな企画」
すると、突如として東京海上支部全体のパソコンにメールが送られた。送信元は首都圏一円の監視に当たっているプリセンサーからだった。同僚のほうが読み上げる。
「なになに……『都内某所でエージェントの邪英化事件発生を感知。対応できる職員は直ちにエージェントに対し依頼を発布。能力者と邪英化した英雄の情報は同じメールに添付』か。それで、これが能力者たちの情報っと」
クリックして出てきたのは鍛え上げられた肉体を誇示する浅黒い肌の男性と、線の細い小柄な少年の写真とプロフィール。それをスクロールしていくと、ある一文が今日はなぜか目についた。
能力者はフードファイターであり、数々の大会に出場経験もある。
フードファイト。
「……役者は揃った」
ぎょっとして同僚が振り向くと、先ほどまで熱弁をふるっていた職員が静かにくつくつと笑みをこぼしているではないか。怖い。
「あのー、先輩? まさかとは思いますけど、この事件を利用する気じゃありませんよね?」
「まさか。利用はしない――『活用』させてもらうだけだ」
「同じだよ!? なにその『うまいこと言ってやった』みたいなドヤ顔やめろよ!?」
「準備しろ! 事件現場周辺に空き地を見繕い会場を設営! 同時に近くの料理店及び食料品店から食料の確保! ありったけだ! さらにこの情報を意図的に流出させて邪英と能力者をおびき寄せろ!」
こんな状態でありながら権限はそれなりにある職員、すぐに部下に指示を出して用意を始めていく。隣の同僚は完全に頭を抱えて何も言いださなかった。
「……なんてこった……」
「頭抱えてる暇はねえぞ。手を動かせ」
職員はその瞳をぎらぎらと輝かせ、東京海上支部の別の部署へと内線をかけた。
「さあ――飯の時間だ」
●
「君たちに集まってもらったのは他でもない! この度発生した邪英化事件の対処のためではあるが、事態は非常に特殊になっている!
君たちにはこの邪英の鎮静化に努めてもらいたいが、我々が彼らを寄ってたかって撃破するのではあまりにも問題がある! 実際のところ戦闘ともなれば一瞬で決着がついてしまうだろうが、それで彼らが怪我をしてしまっては元も子もない、そこで!
君たちには、フードファイトで彼らと決着をつけてもらう! これが誰も怪我をしない平和的解決法である! ちなみに現場にはWNL社のカメラを呼んでネット配信もしてもらう! こんなイベント俺だけが見るにはもったいな――んんっ!! その他の邪英化事件の平和的解決の際、参考にしてもらうためだ!
さあゆけいエージェント! 食って食って食いまくれェッ!!」
解説
目的:フードファイトで勝利して邪英を鎮静化させるッ!!!
登場人物
箕輪
・邪英化した英雄・ホロウの相棒。ボディービルダーのように鍛え上げられた肉体が特徴の大男。普段は土木作業員をしている。
・日本フードファイト界では名が知られた猛者であり、数々の戦いに出場しては好成績を収めている。得意料理はアメリカンドッグ。苦手料理というものはない。若干だが麺類は好まない、という情報が入っている。
・ホロウの邪英化以降は目立った動きを見せていないが、フードファイトの情報を聞きつけてからは動きが活発化している。本能に従ってはいるもののフードファイトには参戦する気満々だ。
・現在は彼が主人格となっている。
ホロウ
・箕輪の英雄。線の細い金髪碧眼の美青年。見た目十二歳ぐらい。
・とある事故でライヴス制御に失敗し、暴走。邪英化した。現在ではいまだ破壊行動には移っていない。
・フードファイト素人。箕輪が食べるところを見るのは好きだがホロウ自身は極めて小食。お通しで半分ぐらいお腹いっぱいになるらしい。好きなものはお茶漬け。嫌いなものは量が多いもの。
野外コンサート場
・某所の野外コンサート場。扇状の立見席にWNL社のカメラが配置され、ステージに会場が設営された。周囲は木々が多い公園内で、すぐ外はオフィス街である。周囲は万が一に備え封鎖済み。
試合内容
・全部で三試合行われる。すなわち、アメリカンドッグの部、わんこそばの部、ナポリタンの部。十分間により多く食べた者の勝利である。H.O.P.E.側は一人でも勝利すればH.O.P.E.チームの勝利としてカウントする。
・一試合に何人出場してもいいが、一組の英雄と能力者が一試合に両方出場してはならない。どちらか一方のみである。また、出場できるのは一人一試合。
マスターより
山川山名です。コメディは書かないといったな、あれは嘘だ。
どのように作戦を立て、歴戦の猛者を凌駕するのか? 皆さんの手腕が試されます。
さあPCが動けなくなるまでお腹いっぱいになるところを見たいものは集えッ!! 意地と飯の張り合いがそこにあるッ!!!
リプレイ公開中 納品日時 2017/07/01 18:09
参加者
掲示板
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/06/25 23:36:38 -
対邪英フードファイト控室
最終発言2017/06/26 17:15:41