本部
妖刀・千雨の恐怖2
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~10人
- 英雄
- 6人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/05/28 15:00
- 完成予定
- 2017/06/06 15:00
掲示板
-
妖刀を撃破せよ!
最終発言2017/05/28 02:27:26 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/05/27 13:38:41
オープニング
持ち主のライブスを吸い取る、妖刀・千雨。
その正体は、従魔であった。
そして、その従魔はリンカーによって退治をされた。
――自分を犠牲にしてまで、誰かを守るセイギでいようとするヤツなんて大っ嫌いです!
小鳥はその事件以来、正義との共鳴を拒否している。
●
「従魔の行方が分からなくなっとるんか?」
つい先日、妖刀・千雨を手に持ったばかりに大変な目にあった正義はH.O.P.Eの職員の話を聞いていた。
「念には念を入れて、千雨と同じような従魔が発生していないかを調査したわけです」
刀購入後の話などを持ち主などに聞き、職員たちは刀に従魔が憑いていないかを調査した。その調査の結果、四本の刀に従魔が憑いていることが発覚。
そのうち一本は、すでに従魔がついていたことが確認され、討伐されたという。
だが、残りの三本については逃げられてしまったとのことであった。
正義は苦い顔をする。
「戦った場所が奈良県在住のため、車で移動していない限りは奈良県にいると思われます」
「あっ、そやな。千雨は一度持ったら手から離れなくなったんやった。同じ性質やったら、電車やバスには乗れへんな」
危険物を手に持ったままでは、さすがに公共交通機関は使えないはずだ。
「だから、奈良県からは出ていないと思うのです。奈良県は正義さんの故郷ですし、ぜひ一緒に行っていただきたいのですが」
「小鳥が反抗期やからな」
正義は、困ったように笑うしかできなかった。
現在、小鳥は正義との共鳴を拒否している。
故に、正義は戦うことができない。
●
『それで、どうしてプライベートで奈良にきちゃうのです!?』
人気がない神社で、小鳥は叫んだ。
近所迷惑にもなるほどの音量であったが、幸運なことに近くに民家はない。見渡す限り田んぼや畑が広がっている。
「里帰りや、里帰り。その証拠に、ちゃんと実家の近所にあるお寺さんにも遊びに来とるやろ。一応これでも、重要文化財やで」
ちょっと写真でも取ろうかー、と正義は呑気な様子でカメラを構えていた。
『奈良県では、シカと重要文化財はさほど珍しくなって言っていたのは正義ですよ』
「事実や事実。それにたまには気分転換せんとな」
『そうやって遊んでれば、小鳥が共鳴してくれると思ってるのですか』
小鳥の一言に、正義はぎくりとする。
『正義のご機嫌取りは幼稚なのです。そんなんだから、恋人もなにもできないのです』
「……それ、あんま関係ないやろ」
『でも、正義はイイヤツなのです』
小鳥は、神社に敷いてある玉砂利を力いっぱい蹴り上げる。
『イイヤツが、自分を犠牲にしてまで他人を守るなんてイヤなのです』
そのとき、子供たちの騒がしい声が境内に響き渡った。寺の階段を上がってやってきたのは、子供たちと保育士であった。
「あ、幼稚園の遠足やろか。ここ観光地でもないから、近所の人はよく散歩にくるんや」
場所を変えるのです、と小鳥は言おうとした。
だが、その言葉は紡がれなかった。
『――正義、危ないのです!!』
●
妖刀討伐のために奈良に集められたリンカーたちの耳に新たな情報が入る。彼らは妖刀が出現したと報告を受けて、今まさに現場へ向かうところであった。
「妖刀は、別の妖刀の被害者を好んで襲う傾向があるようです」
H.O.P.Eの職員は、すでに討伐された妖刀の持ち主が何者かに殺された知らせが入ったと告げる。死体の様子から言って、刀を持った従魔に襲われたようである。
「無関係な従魔に襲われたとは考えにくく、逃げられた妖刀に襲われたと考えるのが妥当でしょう。もっとも、亡くなった方以外の被害者・正義さんは別の地方にいらっしゃいますから、彼が襲われる可能性はほぼないと言えるでしょう」
どうして狙われるんだろう、とリンカーの一人が呟く。
「完全な予想なのですが……妖刀は持ち主のライブスを吸いますから、今の持ち主が弱ってくると新しい持ち主を探すようになるのかもしれません。破壊された千雨は他の従魔の呼ぶ能力を持っていましたし、もしかしたら私たちが分からない連絡方法で『この人は良いライブスを持ってるよー』と連絡を取り合っている可能性もあります」
つまり、刀にカモと判断されてしまうらしい。
「気を付けてください。千雨の時とは違い、今回の妖刀は長く持ち主に所有されています。はっきりいって、どのような変化が起きているのか予測がつきません」
●
「ボクのことを庇うなんて、何考えてるんや!」
『……少しは、小鳥の気持ちが分かったですか!』
正義と小鳥は共鳴していた。
子供たちを逃がすためにも身を守るためにも、意地を張っている場合ではなかったのだ。
「ともかく、十体の従魔なんて一人では相手できへんで。子供たちを狙わずに、こっち狙ってくれるのは嬉しい誤算やけど」
『正義、くるですっ!!』
しもうた!
と正義は声を上げた。
刀は正義の脇腹に突き刺さったが、血は一滴も流れることはなかった。
解説
・妖刀の破壊
寺(昼)……木々が多く、身を隠すことができる。古い木製で、傷つきやすい。玉砂利が敷き詰められているために足音が良く響く。
妖刀(三体出現)――持ち主のライブスを吸収する従魔つきの刀であり、戦闘が長引くと持ち主の生命が危険。相手の攻撃を受けることで、自分の強度を上げる。妖刀を持っているのはリンカーであり、刀の亡霊より肉体面は丈夫。撃破されるまで持ち主の手からは離れない。
吸収の斬撃……刀身を突き立てることで、自分のライブスを相手に流して操る。操っている間も相手は意識がなくなるが、攻撃力が上がっている。
幻の斬撃……目にもとまらぬ素早い斬撃。正面から攻撃してくるように見えるが、それは幻し。本来の攻撃は、横からやってくる。
止めの斬撃……必殺の一撃。大振りな攻撃であるが、攻撃力が際立って高い。技の発動後は数秒間の隙ができる。
偽りの斬撃……止めの斬撃を放ったふりをして、隙ができたと装う技。近寄ってきた敵に向かって、素早い斬撃を放つ。
囮の斬撃――一体が囮になり、相手が近寄ってきたところで他の刀が攻撃をしかける。
刀の亡霊(七体出現)――吸収の斬撃によって操られている人々。日本刀を持っているため、妖刀との区別がつかない。吸収の斬撃以外の妖刀の技が使用可能。一般人であるが身体能力がリンカー並みに上げられている。長期戦はライブスが枯渇する可能性があるため危険である。妖刀を全て破壊すると操られている人々は元に戻る。数に正義や妖刀は含まれていない.
正義……吸収の斬撃によって、操られている。正義は敵のライブスに抵抗することができたため、正義が手に持っている普通の刀を破壊するだけで元に戻る。
小鳥……正義が元に戻ると彼と共鳴することを拒否し、全員に逃げることを提案する。説得によっては、正義と再び共鳴することを了承する。
園児と保育士……すでに正義が囮に逃がし、寺から離れてもらっている。
マスターより
こんにちは、落花生です。
扱いがとてもひどかった正義君を恰好よくしよう! 第二弾。第一弾はこちらhttp://www.wtrpg0.com/scenario/replay/4052となっております。
あんまり、格好良くないのはご愛嬌ということでお願いします……。
奈良県ではありませんが、地元に文化財の建物をそのまま使った博物館があります。文化財だから建物に釘一本打てないし、バリアフリー化なんてもっての他だし、物を搬入しようとしても入口は小さいし……誰だよ、こんな博物館を作ったのはという職員の愚痴を聞いたことがあります。保存が大変なようです、文化財。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2017/05/31 11:36
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妖刀を撃破せよ!
最終発言2017/05/28 02:27:26 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/05/27 13:38:41