本部
ものすっごく怒られる勇気
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 5人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/12/26 09:00
- 完成予定
- 2017/01/04 09:00
掲示板
-
【相談】砂漠のキャラバンを救え
最終発言2016/12/26 01:45:07 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/12/24 07:02:02
オープニング
●巻き込まれたキャラバン
「この分なら半日で村に着くな」
座り込んだラクダに寄りかかり、砂漠を眺めてつぶやく。普通に見れば2日どころか永遠にさまよいそうな景色だが、砂漠を渡るキャラバン率いるこの男からはそう見えるらしい。
「あと少しだ。重かっただろう」
ラクダの背を優しくたたく。彼らが村に運ぶのは主に塩である。海から遠い、砂漠近郊の村々にとって塩は貴重な存在だ。従って塩鉱(岩塩採掘場)から塩を運んでくるキャラバンの一行は村の生命線と言っても過言ではない。
「よし、出発だ」
男の言葉に一行が立ち上がる。だが。
「ここだな。オーパーツがあるのは」
見知らぬ男が2人やって来た。砂漠ではありえないほどの軽装、これ見よがしにちらつかせる武器、 なによりその荒んだ目。
(盗賊共の目―)
キャラバンの敵は砂漠だけではない。キャラバンの荷物を狙う盗賊たちもまた頭の痛い存在だった。ただの盗賊なら追い払える。だが、これは違う。ヴィランだ。
「行くぞ」
男は一行を急がせた。関わるのはまずい。
「オーパーツ? そんなもの」
一行の1人がつぶやく。男はしっと鋭く言った。オーパーツの話など聞いたことがないが、そんなことは今、どうでもよかった。
「待てよ」
1台のトラックが止まる。中から同じ目をした男達が9人出てきてキャラバンを囲んだ。
「手伝ってくれよ」
(悪い。ネフェ)
息子を思い浮かべながら胸のうちでつぶやく。
(帰り、遅れる)
●それじゃ間に合わない
「おはよう。コーデ」
「おはようございます」
袴姿の女性が朝食に降りてきた。年の頃は25,6。中性的な顔立ちをしている。彼女は世界中をまわっている呉服商だ。コーデの父親とは商売仲間で今はここに泊まっている。
「こっちには慣れた?」
「うん。学校楽しいよ。友達もできたしね」
2人はテーブルについた。
「キャラバン着かないですね」
今度はコーデの父親に話しかける。話題はコーデが期待していた通り塩を運ぶキャラバンの一行の話だった。
「ああ、これで5日だ。あのキャラバンは確実に決まった日付に着くのが売りだったんだが」
コーデの父親が答える。
「警察から捜索隊は出さないんですか?」
「もう何日かしなければ警察 は動かんだろう。キャラバンの到着が何日も遅れることは珍しいことじゃない。何せ相手は砂漠だ。あのキャラバンが別格なだけだ」
「そうですか……」
呉服商は何度もそのキャラバンに同行している。彼女の会社の着物が砂漠でどれだけ通用するかテストしているのだ。
「ご馳走様」
コーデは咳をしながら席を立った。大急ぎで行くところがあるのだ。
●ものすっごく怒られる勇気
「ってわけで、捜索隊は当分来ない」
コーデはカルにそう言い終わると少し咳をする。風邪をひいているのだ。
「能天気すぎる!」
カルは鋭く言った。
「絶対何かあったんだ。でなきゃあのキャラバンが来ないなんてあるもんか。盗賊だって砂嵐だって凌いでちゃんと日付通りに来るんだ。なんで皆わかんないんだよ。なあ、やっぱり警察かHOPEに話して」
「話聞いてなかったのか? 皆父さんと同じことを言うに決まってる。大人がそうと決めたら子供が何言ったって動かないよ。落ち着けって」
ネフェはカルとコーデの親友だ。カルの気持もわかるが、ここは冷静にならなきゃいけない。
「じゃあ、ネフェにそう言うのか? 大人がこう言ってるから捜索隊は出ない。まあ仕方ないよなって。ネフェが父ちゃん帰ってこなくて、不安 かくして明るく振舞いすぎて完全に空回ってるの知ってるだろ。ふざけすぎて階段から転げ落ちるわ、ガキ大将にやたら喧嘩ふっかけるわ、宿題忘れるわ……最後のはいつものことだけどさ。でも」
「カル」
コーデはカルの言葉を遮った。深呼吸してカルの目を真っ直ぐ見る。頭が痛い。熱が出てきたのかもしれない。それでも。
「ものすっごく怒られる勇気、ある?」
●嘘から出た誠
「すぐにエージェントたちに依頼かけて」
「信じるんですか? 今の通報」
HOPE職員は信じられないものでも見るように上司を見た。
「あんなあからさまに変なガス吸い込んだあの声を? いたずらとしか思えません。もっときちんと確認してから」
「キャラバンが砂漠でヴィランズに襲われている。そのヴィランズに恨みがあって連絡した。理屈は通っている」
「キャラバンの現在地特定できません」
別の職員が言う。
「なにしろロクに電波も届かないような場所で。捜索には案内人が必要です」
「そのキャラバンですが」
また別の職員が言う。
「確かに到着が遅れています。今までそんなことは1回もなかったそうです」
「でもそれだけじゃ」
「充 分だ。いたずらならそいつを捕まえて賠償金なり何なり払わせればいい。後は私が始末書を出すだけだ。安心しろ。私は始末書の名手だ。すごく見事に書く」
あながち冗談でもないので誰も笑わなかった。
「わかりました。依頼をかけます」
●巻き込まれた呉服商
その時、呉服商はコーデのお母さんから地域に伝わる刺繍を習っていた。スマートフォンが鳴る。
「すみません」
断って電話に出た。
「HOPEの者です」
呉服商は少し緊張した。うちの社員になにかあったのだろうか。
「はい。はい……え?」
なにかあったのは、これからありそうなのはこっちだった。
「そちらから塩鉱のルート、ご存じですよね」
解説
●目的
・キャラバン一行の捜索(村から塩鉱までの道筋をたどる)
・ヴィランズの拘束
●敵情報(PL情報)
・ヴィランズ『青い血』
構成員11名。内2名がヴィランでリーダー。本来の活動拠点はロンドン。
オーパーツを手に入れ、巨大なヴィランズの後ろ盾を得ようとしている。砂漠のとある地点にオーパーツがあるとの情報(デマ)を得て現地入り。たまたま出くわしたキャラバンを拘束し、オーパーツの採掘をさせている。
ヴィラン
・ザイ
20代後半男性。体格がいい。武器はテルプシコラとリボルバー。見かけ以上に動きはすばやい。
・カムラ
10代後半男性。ぱっと見は優男。武器は清姫の薙刀とフルンティング。ケアレイ・ケアレインが使える。
*その他のメンバーは銃所持。
●敵位置
・村から徒歩で半日ほどの砂漠。近くにオアシスがある。背の低い植物が生えているのみで身を隠すような場所はない。
●登場人物
・塩を運ぶキャラバン一行
昔ながらのやり方で近隣の村々に塩を運ぶ。仕事は冬場に行い、夏はそれぞれの村で仕事をする。リーダーはネフェ(後述)の父親。トラックを用いるキャラバンより正確に荷物を運ぶ為、重宝されている。
現在、ヴィランズの計画に巻き込まれ強制労働中。
・呉服商
商用でコーデ(後述)の家に滞在中。件のキャラバンに何度も同行したことがあり、村と塩鉱(岩塩採掘場)の道を知っているため、コーデの計画に組み入れられ、エージェントたちを同行することになる。見た目も話し方も中性的だが女性。キャラバン一行の身を案じている。
・ネフェ
塩を運ぶキャラバン一行のリーダーの息子。不安を隠す為、明るく振舞っているが……。普段は元気ないたずらっ子。
・カル/コーデ
ネフェの親友。キャラバン一行が事件に巻き込まれていると踏み、HOPEに嘘の情報を流す。計画はコーデが立てたが、コーデは風邪をひいているため、実行したのはカル。全てはネフェのため。
マスターより
こんにちは。落合陽子です。
さて、今回は砂漠での依頼。登場人物がごちゃごちゃ出てきましたが、要は案内人を連れてキャラバン一行をヴィランズから助け出すってことです。
ちなみに出て来た呉服商は”【甘想】バカと性悪”http://www.wtrpg0.com/scenario/replay/1302にでて来た呉服商。3人の少年たちは”弱虫と巨人岩”http://www.wtrpg0.com/scenario/replay/838に出てた少年たちです。が、今回の話とはほぼ関係ありません。色々あったらしいけど元気にしてたんだなで充分です(また事件に巻き込まれてるけど)
ではでは、いざ砂漠の旅へ!
リプレイ公開中 納品日時 2017/01/03 18:57
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【相談】砂漠のキャラバンを救え
最終発言2016/12/26 01:45:07 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/12/24 07:02:02