本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 7人 / 0~8人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/12/18 19:00
- 完成予定
- 2016/12/27 19:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2016/12/18 00:25:45 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/12/15 19:21:59
オープニング
●過ち
ここにオレグ・ベルマンという男がいる。
彼は現在のロシア軍のおかれている状況に不満を持ち、ロシアが優れているというロシア国粋主義を掲げ、ロシア軍がよそ者であるH.O.P.E.などの手を借りることなく、独力でこの困難に立ち向かえると豪語した。
これがただの1国民の主張であれば『今ロシアで起こっている事への現状認識に欠ける』と切り捨てられるところだが、ロシア軍高官という彼の立場と、彼の意志がロシア軍上層部に反映される状況であるため、始末が悪い。
そんな彼が先日H.O.P.E.への緊急要請が必要な案件についても口を出し、現地のロシア軍にH.O.P.E.を支援しないよう指示を出していたことは『あなたたち』の記憶に新しいところだろう。
現地で住民達の救助に当たっていたロシア軍指揮官たちは上層部の動きに不審を抱きつつも、救助活動に従事していたが、そんな現場指揮官たちをさらに不安にする事態が発生する。
「援軍などもっての他だ。この神聖なロシアに外国の軍隊が土足で踏み込んでよい土地など何処にも存在しない」
異常な寒波に襲われ、愚神達の活動も報告される中、助力を申し出たアメリカ軍やNATO軍に対し、あのオレグが『ロシア軍の総意』としてアメリカ軍やNATO軍の援軍を拒絶したのだ。
その席でオレグから『愚神と同列』呼ばわりされたアメリカ軍高官は、辛うじて怒りを抑え、慇懃な口調でこう応じた。
「そこまで仰るからには、貴国は独力で事態を解決できるということですな。いいでしょう。その言動が改められぬ限り、こちらも援軍は出しません」
アメリカ軍高官はそう言い残して席を立ち、連絡を受けたアメリカのホワイトハウスもロシアの『無礼』な言動に不快感を示し、援軍の話は立ち消えになった。
既にロシアの事態は悪化の一途を辿っており、オレグの『愛国主義』はさらなる危機をもたらしたことを受け、H.O.P.E.も動き出す。
●過去
ロシアのある都市に、人一倍誰かの命を救う使命感を抱える女性の医師がいた。
彼女の名はヤナ・コトワ。とある救急病院に勤務し、死にかけた人の命を拾い上げていた。
しかし彼女の中では、命を拾い上げるとき患者に苦悶を味あわせてしまう事、いくら手を尽くしても命を落としてしまう人が出る事に、無力感と悔しさ、助けられなかった自分への怒りを密かに募らせていた。
そんなある時。彼女の前に愚神――ニア・エートゥスが現れた。
ニアはヤナに向けこう言った。
――貴方には人を今よりも救える力を得る資格があります、と。
その後どういうやりとりがあったのか不明だが、ヤナは差しだされたニアの手をとった。
苦しみや悲しみのない世界を作るために。人々を苦しみから救うために。
――今、彼らを殺して『救おう』と。
人を救いたいという信念はそのままに。行きつく先が致命的に捻じ曲がった、ソクという愚神はこうして生まれた。
以上が愚神ソク達の襲った集落の住民達がエージェント達に護送され、避難したロシア軍基地へと届けられた『証拠』の中にあった情報の1つだ。
●次の手がかりは
そして証拠に残っていた記録媒体より抽出できた、ロシアのとある集落の地図がスクリーンに映し出される。
「現地ロシア軍に問い合わせた結果、最近の異常寒波の被害を受け、住民達を避難させた集落の1つとの事でしたが」
この地域の偵察役だったポルタ クエント(az0060)は機械を操作し、映像を集落の今の状況に変える。
そこには集落周囲のみ猛吹雪に包まれた別世界――ドロップゾーンが映し出されていた。
「ご覧の通り、今はドロップゾーンと化しています」
そしてポルタと同じく現地調査に駆り出された真継優輝(az0045)がドロップゾーン内の先行調査を行い、ボロボロになりながらもいくつかの情報を入手し戻ってきた。
「先行調査の結果、ドロップゾーン内の空は猛吹雪、地表は遮蔽物のない雪原が広がる世界で、その中にこの愚神がいたそうです」
画面にロシアのある集落で遭遇した愚神の写真が映し出される。
「人間の時の名はヤナ・コトワ。今は『パラダイス・メーカーズ』(楽園の作り手達。以下PMと略)の愚神ソクです。今まで入手した証拠のいくつかがこの場所とこの愚神を指定している以上、この愚神は何らかの手がかりと共に私達H.O.P.E.を待ち受けていると考えていいでしょう」
「罠の可能性はないのか?」
部屋にいたリンカーの1人がポルタに尋ねると、ポルタは頷いた。
「もちろんその可能性は低くありません。ですが、これが愚神ソクのドロップゾーンであることは事実である以上、放置するのは危険です」
だからこそ踏み込んで中にいる愚神ソク、及びドロップゾーンを撃破する必要がある。
なお現地近くにいるロシア軍からは、上層部から『H.O.P.E.をあまり支援せぬように』との命令を聞いてはいたが、聞いたふりをしながら密かにH.O.P.E.を支援する約束をしてくれたので、『あなたたち』が現地に向かうための雪上車や雪上迷彩付の防寒具一式、無線など必要なものは人数分用意してくれるとの事だ。
また危険な任務になるので、ロシア軍上層部の目をかわしながらのやりとりだったが、報酬の増額も約束された。
「その際現地ロシア軍より『できればヤナ先生を救ってほしい』とのお願いもございました」
聞けば、ヤナ・コトワの救命治療で救われたロシア軍兵士達が現地近くに複数おり、助けられるなら助けてほしいとのことだった。
「ご判断はお任せします」
そう言ってポルタは頭を下げた。
●楽園の名は『救済』
自身のドロップゾーン内に吹き荒れる猛吹雪の中で、ヤナ・コトワ――愚神ソクは物憂げな表情を浮かべていた。
この吹雪の向こう側へと隠した場所に、オレグ・ベルマンという人間が『消せ』と命じた人間達を、ニアの指示で実際には消さずに全員昏睡させ、ニアから渡された数々の物証とともに『保管』している。
ソク――ヤナは自分が『救いたい』と願って動うとき、自分の思考や行動が操作されたものだと気付いていた。
だが止まる事はできなかった。愚神となる前にそんな感情が心のどこかにあったから。
人間達、特にH.O.P.E.のエージェント達には自分という『楽園にして試練』を乗り越えてもらわなければならない。
自分程度の災厄を乗り越えられなければ、この先人間達はさらなる苦難に押しつぶされる。
乗り越えられればよし。さもなくば苦しむ前に『殺して救う』。
「私は貴方たちの全てを赦すわ。あらゆる攻撃も。殺意も」
だから逃げずに乗り越えてほしい。私の『救済』を――暴力をもって押し付ける思想も。
それがヤナの信念から出たものか、ソクの意志であるのか。
応えるものはいなかった。
解説
●目標
ロシア軍高官オレグ・ベルマンに関わる証拠の入手及び愚神ソクの撃破
副目標:ヤナ・コトワの救助
下記従魔の撃破数は依頼達成度に影響しない。
●登場
ソク
愚神組織『パラダイス・メーカーズ』(楽園の作り手達。略称PM)所属の女愚神。ケントォリオ級。
2回行動。刀を振るう。先行偵察で以下の能力が判明。
氷柱掃射
氷柱の群れを吹雪のように放射し、標的を攻撃する。射程48sq。
氷柱雨
頭上に青い光を発射し一定時間後雨のように無数の氷柱が振ってくる。射程12sq。範囲3sq。
氷柱壁
自分の周囲に4本の氷柱を展開。範囲1sq。射程3sq以上の物理・魔法攻撃を防ぐが、射程3sq以内の攻撃には物理魔法問わず1撃で消える。
凍療
氷が傷口を覆い負傷を治療する。
フローズンジェル×無数
ミーレス級。通称『凍粘』。全長2~3m前後の不定形従魔。半透明でシャーベット状の身体をしており、氷に擬態化して無数に存在。近付いてきた獲物に群れで襲い掛かって取り付くと、身体を凍らせて相手の動きを封じ、ゆっくりと捕食する。粘着を受けた時【拘束】が時々【減退】つきで付与される。
オレグ・ベルマン
ロシア軍高官。一般人。ロシア軍上層部で幅をきかせる国粋主義者。
ロシア軍
現地ドロップゾーンのある元集落付近にいる小部隊。現地への送迎の他、連絡があれば救助用の雪上車を派遣してくれる。
状況
ロシアの元集落に広がるドロップゾーン。ゾーンルールによって中に入ると縦横各50mの遮蔽物のない雪原にしか行くことはできない。
雪原中央にソクが佇み、周囲にはフローズンジェルが大量に潜んでいる。
中は昼間の雪嵐の光景が広がり、視界は悪いが共鳴していれば影響なし。無線貸与済み。
マスターより
岩岡志摩です。オレグの後ろ暗い所業の証拠を入手する為の依頼ですが、その前に愚神ソクが立ちはだかっています。OPの●楽園の名は『救済』の部分はPL情報です。PL情報はPC情報に落とし込む作業をしないと知り得た情報になりません。
愚神ソクはヤナ・コトワに憑依後、ある程度時間が経過していることから、戻すことができるかは五分五分ですが、ソクを倒せばドロップゾーンも消え、捕まった人達も助け出され、オレグに関する証拠を入手できます。
なおヤナを助けられた場合、ヤナには愚神として動いていた記憶が残り、罪悪感を抱えるため、助けた後どうするかなどはお任せします。
分からない事がございましたらポルタが答えます。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/12/25 15:02
参加者
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相談卓
最終発言2016/12/18 00:25:45 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/12/15 19:21:59