本部
プロファイル「坂山 純子」
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~10人
- 英雄
- 6人 / 0~10人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/11/25 12:00
- 完成予定
- 2016/12/04 12:00
掲示板
-
演奏相談
最終発言2016/11/25 01:57:09 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/11/24 14:35:57 -
質問卓
最終発言2016/11/24 17:42:27
オープニング
●
剣を手にした孤高の勇者が、天から地を目指して飛び降りる。風の抵抗に抗い、高所の恐怖心を無とし、勇者は地に降り立つ。
目の前には異国の兵士たち。勇者は剣を構えて走り出した。さあ、戦いだ! 勇者は盾で敵の攻撃を防いで、自らの剣を振るい血で汚す。兵士達は必死に捕らえるべく、複数人掛かりで挑むも誰一人として、勇者に触れられない。
ついに見兼ねて、ボスがお出ましだ。勇者はより一層強い力で剣を握りしめた。ボスは大柄な躯体をして、兵士よりも強い鎧を身に纏っている。勇者は緊張に、頬を汗で濡らす。一歩の間合いで勝負のつく、この一騎打ちだ。
勇者は先手を取った。ボスは不敵な笑みを浮かべて、勇者が無闇に特攻してくるのを待った。
時がきたと、風が告げる。勇者は敵の頭上で剣を天空へ掲げ、一気に振り下ろした――しかし、その剣はボスの右腕に掴まれ、木っ端微塵に砕かれてしまった。
「ストップ!」
古江(ふるえ) 静稀(しずき)は腹から声を出した。
「今の演奏じゃ、勇者は魔王には勝てないな。ティンパニ、もう少し音を張り上げて。そしてトロンボーンは少し走ってるから、抑え気味で。盛り上がる気持ちは分かるけど、緊張感のあるシーンだっていうのを頭に思い浮かべてね」
はい、とオーケストラ団員は威勢よく返事をした。
古江は『川越セントラル交響楽団』という日本のオーケストラに属していて、今は公民ホールを借りて演奏の練習をしていた。
「後ヴァイオリンも英雄に置いてかれているよ。――さて、そろそろ休憩にしよう」
練習してからもう三時間は経過している。練習していたのは「英雄の生涯」に出てくる展開部、「英雄の戦場」だ。
奏者控室の扉に手を置いたが、古江は思い立って公民館の入り口付近にある自動販売機に向かうことにした。三時間前に買ったお茶はまだ残っているが、なんとなく控室に戻る気になれなかった。
結果的に、これが彼の転機となった。
「坂山さん!」
嬉しそうな表情を浮かべて、古江は手を振った。公民館の椅子に坂山純子が座っていたのだ。
「お久しぶりです、お元気でしたか?」
「あなたは古江君ね。覚えてるわよ」
「ああよかった。奇遇ですね、今は何をしてらっしゃるんですか?」
「暇つぶしにね、何か演奏会が開かれてないかなと思って」
坂山は以前、学校の教員をしている傍ら川越セントラル交響楽団にて指揮棒を振っていたのだ。古江はその時打楽器でオーケストラの一員として参加していた。
彼女は交響楽団内で高く評価されていた。評価されていたのは指揮の振り方等ではなく、その想像力だ。彼女の持つ音楽に対する想像を、指揮で上手に奏者に伝えて一つの音に完成させている。坂山はよく、カラヤンを目指していると口にしていた。自分もあの世界的有名奏者と肩を並べたいと。
その熱意が、団員に上手に行き渡ったのだろう。学校の教員という仕事も統率面で輝いていた。
「オーケストラの方はどう? 順調かしら」
洞察力も鋭い。古江の渋った顔を、彼女は見逃さなかった。
「私が引退してから、あなたが指揮者だったわね」
坂山が引退したのは一年前だ。エージェントになるのを切っ掛けに、交響楽団という舞台から降りた。古江は坂山が使っていた指揮棒を使って、後継者となっている。
「どんな問題があるの?」
「それが……。僕は、坂山さんの後継者になろうと頑張っていろんな本を読みました。どうすれば奏者に、上手く伝わるんだろうって色々考えて……。それで試行錯誤して実行に移しているのですが、結局全部裏目に出てしまったんですね。その結果……あまり、僕の信頼は良くなくて」
「嫌われちゃったの?」
「き、嫌われてはないんじゃないですか」
ところが古江は自信がなかった。
「直接何かを言われたことはないんですよ。でも、なんだか坂山さんの時に味わった感動が出せなくて……みんなも物足りなく思ってるはずです」
「ふうん。嬉しいけれど、なんだかあなたに申し訳ないわね。こういうと自慢げに聞こえるけれど、あなたに大きなプレッシャーを与えているのと、団員が期待しすぎているのもあると思うの」
「どうすればいいんでしょうか……」
かつて団員だった者からの悩みを、坂山は真摯になって考えた。どうすれば現状が解決するのだろう? 坂山は解決策を見出すよりも、同情してやるのが策の一つでもあると感じるも、とある妙案が思い浮かんで同情の口を閉じた。
「もう一度、私が指揮棒を取ってさ」
そう切り出された時、古江はなんともいえない驚いた表情をした。
「皆と一緒に演奏する。古江君は一年前、まさか自分が指揮者になると思ってなかったでしょうから、私が指揮をする姿を今のあなたが見れば勉強になると思う。あなたは勉強して実践するよりも、実践して実践して……そんな子だったわね」
「よくご存知で……というより、良いのですか? お仕事の方は」
「なんとか見繕うわよ。後さ、これはお願いなんだけれど」
「はい?」
「メンバーと楽曲は私に決めさせて欲しいの。できる?」
今練習している曲はひとまず放置になるのかと古江は渋ったが、だが……また坂山とセッションができる現実に喜び、すぐに頷いた。
「ありがとう。それじゃあまた、決まったら連絡するわね」
そう言って、坂山は公民館から出ていった。古江はウキウキした気持ちを抑えきれず、団員に坂山さんが来るぞ! と意気揚々に告げた。
●
坂山の事だから吃驚する事をするに違いないと古江は直感を心にしまっておいたが、それは予想の斜め上の方向から吃驚させられた。電話で彼女の言葉を聞いた時、目を瞠った。
まさか、リンカーと一緒に演奏することになるとは。
「やってみたかったの。私はリンカーの事、とても尊敬してるわ。その尊敬している人達と一緒に演奏するのよ」
そしてもう一つ、これは「やってみたかった」では留まらない、夢の話なんだけれどと彼女は言った。
「組曲、惑星をフルで演奏したいのよ。人数はリンカーも揃えば十分でしょう? やらせてよ」
今までに、全くやってこなかった。組曲を全て演奏するには労力を必要とするし、練習時間も半端ではない。坂山は、壮大な演奏会を企てているのだ。
解説
●目的
演奏会を成功させる。
●エージェントの役目
坂山の付き合いに参加してくれたエージェントは、楽器の演奏か演奏会ホールの舞台裏、楽器運搬、宣伝を任されるが、坂山からはぜひ楽器演奏に参加してほしいとお願いされる。
演奏しつつ宣伝という兼業も可能。
演奏中の共鳴、非共鳴は自由。
●シナリオの流れ
主に坂山の作成したスケジュールに沿ってリンカーに動いてもらう。大まかにはこのような流れである。
1.交響楽団に挨拶
2.予め決めていた楽器の教育指導者から、演奏方法を教えてもらう。(楽器経験者は必要なしです)
3.個人パートの練習
4.全体の練習
5.本番
6.???
坂山からは「団員とは仲良くね」とお願いがある。
●シナリオ成功条件
坂山は日本では名前のあるホールを使っての演奏会を企画。
シナリオの結果はホールに入る客数に左右されます。演奏日時は日曜日の昼十二時~十五時を予定している。
客数を増やすには演奏の上手さや、宣伝等に関わってくる。
●楽器
エージェントは以下の楽器から担当を選ぶこととなる。
・フルート
・オーボエクラリネット
・ファゴット
・トランペット
・トロンボーン
・チューバ
・トロンボーン
・ティンパニ
・打楽器数種(シンバルや鉄琴等)
・ヴァイオリン
・ヴィオラ
・チェロ
・コントラバス
・オルガン
・ハープ
・女声 (ソプラノ、テノール)
やりたい楽器が被っても問題ありませんが、原則として一番最初に選んだ楽器は変更できません。
打楽器は数種類あるので、一人が一つの打楽器をすることはなく、曲によってバスドラム、スネアドラムに変更する事等があります。
●演奏曲
惑星(組曲)
●その他
坂山はこの交響楽団に深く関わっているので団員から彼女について色々な事が聞けるが、シナリオ結果に影響はないので興味がなかったら度外視しても問題ない。
マスターより
※当MSはアドリヴ成分が多めです。
組曲の惑星はジュピターの旋律が非常に有名です。様々なアレンジが加えられて、どこかで耳にした方も多いのではないでしょうか。もし原曲を聞いた事がなければぜひ、この機会にどうでしょうか。
また、もしリプレイを書かせていただけたならば、文章をみながらユーチューブ等で曲を聞きながらの読書をオススメします。特に、後半は演奏描写をするので、そこで曲を聴きながらシーンを想像してもらえれば、自然と頭の中でキャラクターが演奏をしてくれます。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/11/28 21:53
参加者
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演奏相談
最終発言2016/11/25 01:57:09 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/11/24 14:35:57 -
質問卓
最終発言2016/11/24 17:42:27