本部
メリーさんの背後を取れ!
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 7人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/11/08 15:00
- 完成予定
- 2016/11/17 15:00
掲示板
-
メリーさんの背後を取れ!
最終発言2016/11/08 06:45:23 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/11/05 17:44:23
オープニング
●闇夜からの電話
「なあ、こんな話知ってるか? この前テレビで見たんだけどよー」
夜に公園をうろつく悪い少年達が、他愛もない会話を繰り広げている。
「夜中にさ、電話がかかってくるんだってよ。その電話を取ったらさ、いきなり女が笑う声が聞こえてくるんだってさ。フフ、フフフッてさ」
それを語る少年Aは至極楽しそうだ。周りもまともには聞かず、また馬鹿な話を始めたという顔で見ている。都市伝説に怪談の類など、突き詰めればその身に危機が及ばないと知りながら、仮初の恐怖を味わう戯れに過ぎない。真の恐怖を語る時には、コンマ一秒たりと笑みを浮かべる事など出来ない筈なのだ。
「それでそいつは言うんだ。『私、メリーさん。今、マンションの一階にいるの』って」
「で?」
「そこで電話は切れるんだ。まあ普通は悪戯電話だと思って気にしないだろ。でもな、しばらくしたらまた電話がかかってくるんだ。今度はな、『私、メリーさん。今、貴方の部屋の前にいるの』って、言うんだ。同時にピンポンも鳴るんだ。流石にビビるだろ? でも出ちゃいけねえんだ。出たらな……誰もいないんだ」
「誰もいねえのかよ!」
「そこにはゾンビが! とかじゃねえのかよ」
「うるせえなあ。こっからだよ。誰もいない……何だ。やっぱり悪戯なのか? そう思うだろ。普通なら。でもまた電話がかかってくるんだ。慌てて取るとさ、また女の高笑いが聞こえるんだ。……ダブって。受話器からも。背後からも」
「『私、メリーさん! 今、貴方の後ろにいるの!』」
少年Aがオチを決めようとした瞬間、他の少年がその言葉を奪い取ってしまった。むっとする少年A、ゲラゲラ笑う取り巻き。箸が落ちるも面白い年頃だ。
そんな時、いきなり少年Aの携帯に電話がかかってきた。突然の事に一瞬びくついたAだったが、その画面に映るのは彼女の名前。
「ちょっと電話だ。悪いな」
そういって、少年Aは取り巻きから離れて電話を取る。相手は真面目ぶってちょいと引っ掛けてやった眼鏡の美少女。ここで夜遊びがバレるわけにはいかなかった。
「な、なんだよ? こんな時間に電話なんて珍しいな?」
『うん。さっきまで勉強してたんだけど、ちょっとね――』
彼女の柔らかい声は途中で不意に途切れ、鋭いノイズが挟まった。ぴんと跳ねる音に、思わず少年は携帯を遠ざける。
「おい、どうしたんだよ」
少年は叫ぶが、そんな叫びを嘲笑う女の声が飛び出してくる。
「私、メリーさん。今、貴方の後ろにいるの」
絶望のサラウンドボイス。何が起きたかもわからぬうちに、少年の喉を真一文字に刃が走る。
「あ――」
深紅の散華が舞い散り、少年はその場にどうと倒れた。
●狡猾な殺人鬼
連日の殺人事件は街の新聞を賑わせた。『切り裂きジャクリーヌ』、『現代辻斬り』やら色々あだ名されたが、結局は『メリーさん』の名前が冠された。それは、辛くも生き延びたエージェントが、以下のような事の次第と顛末を語ったからである。
暗い路地裏を一人のエージェントが歩く。既に共鳴は終え、戦う気満々だ。彼は敢えて一人で立っていた。四人のエージェントが固まってぞろぞろと捜索に当たったが、ついぞ殺人を繰り返す何者かが現れる事は無かった。彼女は形勢の不利を少しでも悟ると、戦いを挑もうとしないのである。
故に彼は一人で立つことにした。一人でいれば、殺人鬼もこれぞ好機とばかりに攻めてくるだろうと考えたのだ。
だが、二人の仲間が物陰に控えているとはいえ、殺人鬼の奇襲を一手に引き受けるのは非常に危険な事である。
彼はたかを括っていた。まあ、何とかなるだろう。自分はエージェントなのだから。それくらいに考えていたのである。
「……」
エージェントは携帯を取り出し、HOPEに向かって発信する。聞き慣れた呼び出し音がしばらく流れ、電話はHOPEに繋が――らなかった。『こちらHOPE』の言葉も聞かないうちに、歪んだノイズがそれを遮ってしまったからである。
「フフ。フフフ……私、メリーさん。今、貴方の後ろにいるの」
構えも取れないうちに、女のしなやかな腕が伸び、紫色の刃が男の首を切り裂いた。戦い鍛えたエージェント、死ほどの傷は免れたが、それでも首から脈々と血が溢れる。
「ぐ、うぅ……」
「おい、大丈夫か!」
振り返り、漆黒のドレスを着た女にエージェントは向き直ろうとするが、構えが取れない。慌てて仲間達三人がエージェントの方へと駆け寄っていく。それを見渡した彼女は、くすくすと笑いながら右手に蒼い炎を灯す。
「フフ。やっぱりお仲間がいたのね」
言うや否や、女はやたらと火力の高いブルームフレアを投げつける。戦いに入ろうとしたエージェント達の身を、その炎は容赦なく焦がす。
「ちぃっ!」
「さようなら」
炎の処理に手間取っているエージェント達に、女はぺこりと頭を下げるとそのまま闇夜の中へと消えてしまった。どうにか火を消したエージェント達は、首から血を溢れさせて倒れた仲間の側に駆け寄る。
「おい、大丈夫か、大丈夫か!」
●メリーさんの背後を取れ
そんな苦戦続きの戦場に、君達は舞い降りる事となった。任務は一つ。メリーさんと名乗る殺人鬼を取り押さえる事。愚神ならば倒してしまえばいい。だがヴィランだと厄介だ。既に十人ほどを血塗れの肉塊に変えているが、それでも手を下してしまうことはできないのだから。
それぞれの思いを胸に、君達は戦うだろう。メリーさんは、そんな君達を嘲笑うように、闇夜の中から今も見つめている。
解説
メイン
メリーさんの撃破
サブ
メリーさんの背後から攻撃を加える
敵情報
デクリオ級相当脅威『メリーさん』
深夜の街を駆け回る殺人鬼。切り裂きジャクリーヌという名前でも噂されている。改造の施されたライヴス通信機を用いて夜な夜な人々の電話に割り込み、たっぷり恐怖を与えたところで喉元を切り裂くのが主な手口。愉快犯的な性向が見られるところから、ヴィランである可能性が指摘されている。調査に当たったエージェント達までもが、殺害には至らないながらも数名が重傷を負わされており、非常に危険。
・ステータス
命中A、生命D、その他B~C。
・通信妨害
改造ライヴス通信機を利用し、エージェント側の通信を妨害する。メリーさんがこれを発動した時点で、通信機その他を用いた仲間同士の連絡は行えなくなるため、離れた味方への救援要請は難しくなる。一方、これの発動はメリーさんが戦闘を仕掛けてくる合図とも言える。
・狡猾
基本的に四人以上で行動しているグループには戦闘を仕掛けない。戦闘中に敵が四人以上となった場合、次ラウンドのスタートフェーズには離脱する。この離脱は必ず成功する。以降、その戦いで認識した相手には、また戦いを起こした場所では二度と戦闘を仕掛けない。
・ジャックザリッパー
スタートフェーズに使用する。敵一体の背後に回り込んでの強烈な奇襲攻撃。大ダメージと減退(4)を与える。回避系スキルを所持している場合完全に防ぐことが出来る。
・ドゥームズデイ
紫色に禍々しく輝く短剣。闇に紛れて剣閃が見えにくく、回避しにくい攻撃を繰り出す。回避修正値-10で命中判定。物理攻撃。
・ファントムフレア
ブルームフレアの強化版。全体に魔法攻撃と減退(1)を与える。敵が三人以上の時のラウンドで使用する。
出現場所の大まかなエリア分け
駅前
公園
商店街
ビル街
繁華街
Tips
能力者と英雄は別としてメリーさんに認識される
マスターより
カオスルートを突っ走る影絵企我です。
マラソンに引き続く都市伝説シリーズ(そんなものはない)第二弾はメリーさんです。戦闘力的にはそこまでではないですが、とにかく狡い敵です。アドバイスとしては、一回で仕留め切ろうとし過ぎないことが大事です。うっかり一度の戦闘で全員の姿を晒してしまうと、そのまま任務失敗となりかねないのです。
戦闘状況の工夫が色々と必要となるので、難易度はやや難しいとしました。
囮になるキャラにも気を払いましょう。無防備のまま首を斬られて大量出血で重体……では目も当てられないと思いますので……
ではでは。
ストラトキャスターのノイズが流れた瞬間、奴は現れるのです。
リプレイ公開中 納品日時 2016/11/14 21:16
参加者
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メリーさんの背後を取れ!
最終発言2016/11/08 06:45:23 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/11/05 17:44:23