本部
白刃は鈍く光る
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/10/25 15:00
- 完成予定
- 2016/11/03 15:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2016/10/25 03:06:58 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/10/22 21:46:19
オープニング
●霧中
しとっりと葉を濡らした針葉樹林が続いていた。その隙間を埋める様に青ざめたような霧が辺りを覆っている。霧は濃いというより、まるで世界そのものを塗りつぶさんとする絵の具のように広がっていた。
下草は低く、草を踏む音は霧に吸い込まれるようにして消えていく。
ふと霧に黒々としたものが現れる。続いてそれが人影になり、人になった。
「ふぅ。まったく気がめいるな。みろよ、この青い霧。まるで冥界から漏れ出てるみたいだ。なんか霧から視線を感じる」
能力者らしい様相の男が言った。男の後ろのかろうじて影として認識できるぐらいの位置から声が返ってくる。
「ライヴスが充満している霧なんてものだからな。おまけに通信などの連絡ができないというおまけつきだ。人がいない所だったのは幸いだな」
「GPSのおかげで目的地までは何とかたどり着けそうではあるが。……おい、そこに大穴があいていて地獄に繋がってるなんてオチはないだろうな」
「いつからそんな信心深くなったんだ? 馬鹿らしいが考えるなら、地獄に似た他の世界、例えば英雄たちが来た世界なんてパターンだな」
「どっちにしろ地獄なのかよ」
「お前が言い出したんだろうが。一番ありうるのは人為的あるいは、愚神だろ。それでここまで遭遇していないのは奴が迷っているからと見た」
「そりゃあいい。迷子センターまで届けるのが俺達の仕事ってわけだ」
変わらない景色のなか、風が吹く。ジワリと水を吸って重くなっていた衣服が風に少し揺られる。霧は固定されているかのように晴れない。
男が寒そうに身を縮こませながら、その寒さを埋める様に声を出す。
「一旦休憩しないか。この霧の中進んでいくのは随分気がめいる」
「そうだな。なら、何処か建物を探すか。霧も建物の中までは入ってこないようだしな」
「山小屋ぐらいならあるだろう」
「思ったよりは長丁場になりそうだな。もう日をまたいじまう」
「俺の場合悪いことばかりじゃないさ。嫁の糞マジい飯から逃げるいい口実ができたしな」
「お前も大変だな、おい。自宅が毒物の製造機になってるとはな」
「ああ、そのくせ食ってやらんと拗ねる。あいつに拗ねられると、もう俺じゃあどうしようもない」
「惚気か。そこまでにしとけよ。独り身のつらさをお前は……ッ止まれ」
先頭の男が手で後ろにいた男を制する。
静かになった森の中に足音がかすかに。それは徐々に大きくなっていく。
男たちがそっと武器を構え、息を殺す。
霧を断つように現れたのは剣だ。担い手もなく独りでに浮いている……いや抜身の刀身が迫ってきている。
袈裟に切り下される凶器を受けながら先頭の男が声をあげる。
「敵だ! おそらく従魔。お前は後方の警戒を頼む!」
男はつばぜり合いになっていた凶器を弾き、叩き落とした。足で凶器を地面に押さえつけ、何発か銃弾をお見舞いする。
「次は持ち主もつれてくるんだな。お前のような奴を使いたい奴もいないだろうがな」
捨て台詞もそこそこに後ろにいた男に声をかける。
「はーこれは一回体勢を立て直した方がいいかもしれんな」
「……」
「おい、返事ぐらいしろ」
先頭の男が後ろを振り返る。視認できる程度の距離にあった人影が見当たらない。しかし、代わりに手が見えた。霧の中から突き出すように。同時に這いつくばるように地面にあった。
手を辿っていくと、胸を血で濡らした男が倒れていた。その隣に天を突くような偉丈夫。手には血がしたたる刃。
頭に撃鉄が落ちるように、状況がかみ合う。弾丸の代わりの悲鳴を押し殺すと、偉丈夫に向けて発砲しようとする。それより速く、偉丈夫が霧の中に滑るように消えていく。
「ちくしょう、ちくしょう。何んだあいつは。くそ、殺りやがった。いいやつだったのに」
言葉に答える様に、男が霧の中の影を捉える。人外じみた速度で滑るように霧を泳いている。サメのヒレのように霧から表れては消え、また現れる。
「そこか! 消えちまえ」
発砲と共に地に落ちる凶器。まだ、血塗られていない。
死の前の直観か。男が後ろを振り返るのと、赤い刀身を鈍色に光らせる武器とそれを振るう偉丈夫を見たのは同時だった。
軌跡は男を捉え、血を曳きながらそのまま霧に消えていく。激しく吹き出す血が霧と混ざり赤く染めた。
●ブリーフィング
「以上が回収された戦闘記録になります。お察しの通り、愚神の排除と霧の異常発生の原因究明と解決が依頼となります」
「具体的な行動指針ですが、それは先遣隊を継ぎます。その後の観測で霧には一定の流れがあることが分かっており、それは中央からであるという事実も判明しました。何らの原因が中心にあるとみて間違いないでしょう」
「問題なのは霧が現在も拡散中であることです。一定の流れというのは外に向かってのもので、街に達するのも時間の問題ということです。通信機器の無効化だけでも大損害となることは間違いないでしょうし、ライヴスが人体に悪影響を与えることも確認されています」
「これ以上の被害を出さないためにもご協力をお願いいたします」
解説
目的
霧の発生を止める。愚神の排除
場所
人里離れた山。なだらかなどちらかというと丘という方がしっくりくるような傾斜で標高もそれほど高くはない。登山道として道が何か所か整備されている。
霧の発生源と思われるところは山の中腹辺りであり、霧の範囲外である麓辺りから作戦開始となる。
状況一
霧はライヴスを帯びており、能力者の五感に干渉する。
具体的には自身から離れるほど遠距離攻撃の命中率が激減していく。
対象と自身の距離により変化し、一スクエア離れるごとに命中が100減少した状態で扱われる。
状況二
敵は霧に潜伏しており、遭遇時発見するためには下の方法のどちらか一つを選択し、成功しなければならない。一団の中で一人も成功者がいない場合、奇襲として扱い、なおかつ一団全員を含んだ乱戦エリアを形成する。
視認又は探知できなかった場合最初のラウンドの間、対象を認識することができない。(攻撃対象としてとれない)判定次第で従魔だけを認識し愚神を認識できないこともありうる。
1霧の影響に対する抵抗
特殊抵抗+1D10
15で従魔の位置を探知
20で愚神の位置を探知
2 命中による視認
[(命中/10)+1D100≧
120で従魔を視認
150で愚神を視認
敵
愚神 刀を持った偉丈夫。機動力と近接戦闘に長ける。クリーンナップスキル「一撃離脱」所持
「一撃離脱」:クリーンナップフェーズ中にスキル使用者を移動力+1D10移動させる。
従魔 刀を模した従魔。囮、攪乱、愚神離脱時の援護などを行う。愚神とのコンビネーションが強み。
総数20ほど。一度に使えるのは5~8体まで。
霧発生装置 中心に鎮座。戦闘力は皆無だが、耐久性に優れる。
敵行動パターン
愚神は敵と交戦すると2~5ラウンドを目安に離脱を試みる。奇襲回数は2~4で愚神の状況や従魔の数によって上下する。
霧発生装置まで能力者が到達時、霧発生装置を囮に全力で切り殺しにかかる。
マスターより
霧中での戦闘となります。敵は高機動、環境は悪天候となかなかの状況です。
リプレイ公開中 納品日時 2016/11/02 13:10
参加者
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相談卓
最終発言2016/10/25 03:06:58 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/10/22 21:46:19