本部
生者も死者も潜むは暗闇
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/08/28 19:00
- 完成予定
- 2016/09/06 19:00
掲示板
-
研究員を救出せよ
最終発言2016/08/28 14:51:28 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/08/26 00:20:32
オープニング
●バンパイア・カムズ
その研究所にソレが来たのが全ての始まりだった。
研究員を装って現れたソレは、はじめ歓迎を以て出迎えられた。義体化技術研究には欠かせない生体工学の知識に明るく、田舎に建つ小さな研究所の職員達では思いもよらなかった革新的なアイディアを次々に出し、彼らが目指す、低コストながら一定の性能が保証された義肢の完成へと一気に向かったのである。
研究員達は喜んだ。全てはその研究員のお陰であると、皆が誉めそやした。試作品の第一号が完成し、運用実験にも成功した日には、彼も巻き込んでの打ち上げが、研究所内で夜更けまで行われたほどだった。
しかしその夜、全てが変わってしまった。酒を飲み過ぎて居眠りしていた一人の研究者の耳に、ぐちゃぐちゃという生々しい音が届いた。最初は頭の重さに負けて眠り込んでいた彼も、やがて堪えきれなくなって起き上がる。
「おはよう。起こしてしまったみたいだねぇ……」
ソレは起きた青年に向かってにやりと笑った。口には深紅の血を滴らせ、白い牙がいっそう目立っている。彼が向かうデスクの前には、首をぱっくりと噛み割かれて死んだ女性研究員が、虚ろに目を開いて横たわっている。当然のようにこと切れていた。昏い辺りを見渡せば、鮮血が白い壁を彩り、仲間達が全員倒れ、その死体を晒していた。
「あ、あぁあ……」
青年は全身を震わせ、掠れた悲鳴を上げる。ソレは小さく首を振り、ゆっくり青年へと近づいていく。
「怯えないでおくれよ。これは僕なりのお礼さ。僕に噛まれるとねえ、君達は殺されない限り永遠に死なずに済むようになるんだ。本当だよ。どんな義肢技術を使っても叶わない夢、不死が叶うんだ。もう誰の死にも怯えないで済む。誰かと別れる事を恐れないで済む。素晴らしい世界が実現するんだ。君にも、僕の夢に協力して欲しい……」
そう言った瞬間、ゆらりと死んでいたはずの研究員達が起き上がる。喉元から血を滴らせたまま、虚ろに目を開いて、のろのろと青年を取り囲もうとする。その中心に立つソレは、満面の笑みを浮かべて青年に手を差し伸べた。
「せっかく友達になったんだ。ずっと友達でいておくれよ。皆で、ずっと、友達に……」
「うわぁあああっ!」
●ヒーロー・アライブ
「ああ、来てくれたか。良かった良かった。早くて良かった」
某市警察署に辿り着いた能力者達の一団を、署長が直々に出迎える。それだけの事態なのである。
「早速だが、任務についての説明をさせてもらいたい」
署長は旧式のプロジェクターを起動させると、スクリーンに映し出された研究所の図面を指示棒で叩きながら矢継ぎ早に話し始めた。
「大方は先程連絡した通りだ。この市の北に位置する研究所に勤めている二名の研究員から救助要請が入った。人の血を吸い尽くす怪物が現れ、五名の研究員を殺害した後その遺体を使役しているらしい。おそらくは愚神、屍食鬼に類すべき種と思われる。ドロップゾーン形成の様子はない。おそらくはデクリオ級程度だろう。我々はこれをブラム・ストーカーに倣い、『ドラキュラ』と名付けた。
現在は研究室内の隔壁を下ろし、その上で電源室のブレーカーを遠隔操作で遮断する事で相手の行動を阻害し、どこかの倉庫に隠れているらしい。探す身からすれば厄介だが、武器も持たぬ一般人が逃げおおせるにはその程度はせねばならんし仕方ない。
急務は研究員の救助だ。通信を聴く限り、一人は怪我をしてパニック寸前になっている。無事な方が収めようとしているが、大声を上げ始めるのも時間の問題かもしれない……スピード、スピードが命だ。
愚神その他の処理は捨てて構わない。いわば君達は先遣隊だ。研究員さえ確保してしまえば、後詰めの部隊が存分に愚神と戦える。もちろん、可能だというなら君達が倒してしまってくれても構わんが……」
署長は振り返り、能力者達をぐるりと見渡す。
「くれぐれも無理はしない事だ。まあ、なんだ、その。私達はHOPEの力を借りた身だ。借りたものは返さなければならんし、無茶はしないでくれ、いや、ほんとに。暗闇の中でゾンビと戦うなんて、絶対にやめた方がいい。明かりを付けたら戦いは楽になるだろうが……ただ、奴らも自由に動き回れるようになる。どちらにしろ、戦いはなるべく避けた方がいい……」
汗を軽く拭って、彼は深々と頭を下げた。
「我々は市民を守らねばならない。どうか協力してくれ」
●イン・ザ・ダーク
閉まった扉をこじ開け、能力者達はつかつかと研究室の中へと入る。暗闇の中、頼れるのは己の手にあるライトのみ。
死した者達の助けを求めるような呻き声、壁を叩きつける音だけが、暗闇の中に木霊していた――。
解説
●目標
メインクエスト:生存している研究員の救出
サブクエスト:デクリオ級愚神と従魔達の討伐
●登場
デクリオ級愚神『ドラキュラ』
優男の風貌。輝く牙、爪を持つ。研究員の機転で部屋に閉じ込められ、グールに研究員を探させている。
人語を解すが思考回路が破綻しており説得は不可。
物理防御に優れる他、血液を吸収する事で生命力を回復してしまう。
・切り裂き
近接(物理)、視界内全ての敵が対象。
・吸血
近接(物理)、単体対象。
喉元に食らいつき、血を吸う。生命力を回復する。
ミーレス級従魔『グール』×5
ドラキュラの指揮下にある従魔。
元研究者だが、グールになった影響で力が格段に増している。
思考力は無いに等しい。
攻撃方法はドラキュラと同じだが、鈍重。
研究員×2
哀れな被害者。遠隔操作を用いて電源を遮断する事で、相手の捜索を妨害して倉庫に引き籠っている。一人はグールに襲われ、出血&パニック寸前。
●状況
電源の落ちた研究室。夜のため外からの明かりも無く、とにかく暗い。
電源室のドアをこじ開ける、研究員を救出して説得するなどすれば電源を復旧させることが出来る。
PC達は救助対応(必ずしも愚神を倒す必要はない)。
リプレイは研究室の入り口から始まる。回廊にはグールが彷徨っており、一定の確率で遭遇する他、大きな物音を立てる、血の臭いを探知すると次のシーンに遭遇する。(血の臭いする方優先)
体格の細いキャラクターならば、ダクトの張り巡らされた天井裏を徘徊し、そこから部屋を行き来する事も出来る。
●部屋
口の字回廊(東・西・南・北)…南からリプレイスタート。グール彷徨。
回廊中央:実験室×2…回廊東西に貫通
西:ブリーフィングルーム…ドラキュラ待機。扉破壊不可。
北:倉庫…研究員×2がいる。
東:電源室…電源を付けられる。
※部屋の入口は閉まっており、力づくでこじ開ける必要あり。電源復旧後に開くように。
マスターより
初めまして、影絵企我です。
まずは空間の補足から。部屋内はそれぞれ十分に戦えるスペースがありますが、回廊は狭く、特に長い得物を振り回すには向きません。また、回廊で敵に二体以上並ぶと道が塞がれ、戦闘抜きで逃走する事は困難になります。
電源を入れるとドラキュラが外に出てきて、活動を始めます。常に集団で敵が襲ってきますが、先制する事が可能となります。暗闇の内は、物音を立てない限り単独でグールは行動しますが、夜目の利くグールに先制されます。
なお、救出前にグール一掃しちゃえば……と思われたかもしれませんが、早くに助けに行ってあげないと、研究員は暗闇が怖くて大騒ぎしながら電源つけるかもしれませんよ……
リプレイ公開中 納品日時 2016/09/04 16:34
参加者
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研究員を救出せよ
最終発言2016/08/28 14:51:28 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/08/26 00:20:32