本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/06/27 07:30
- 完成予定
- 2016/07/06 07:30
掲示板
-
相談スレッド
最終発言2016/06/27 00:51:36 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/06/21 14:20:46
オープニング
●悪夢の檻
春は幸福の象徴のような季節だと人は言う。
「おかえり、パパー!」
「ははは、ただいま、メアリー」
玄関を開けた途端に飛び込んできた娘を父親が抱きかかえ高々と掲げる。
その肩にはこの島に絶えることなく降り続ける桜の花びらが薄く積もっていた。
「わぁ、パパったら桜のお洋服着てるみたい!」
「ははっ、そうかい? まあ、なかなか似合うだろう?」
一つ苦笑いを浮かべ、父親は娘を降ろす。
そして、手に持っていた鞄を一度床に置くと、ファスナーを空け手を差し込む。
そこでにやりと悪戯染みた笑みを浮かべた。
「今日はメアリーにプレゼントがあるんだ」
「本当? 嬉しい!」
どこにでもある微笑ましい光景。疑いを挟む余地のない幸せな家族。
「ほら、うさぎのぬいぐるみだよ。メアリーは好きだったろ、うさぎさん?」
「うん、メアリー、うさぎさん大好き!」
父親の渡した自分の身長ほどはありそうな大きなぬいぐるみを力いっぱい抱きしめるメアリー。
「ねぇ、パパ。もう一つお願いがあるの」
ニコニコと満面の笑みを浮かべながらその姿を見つめる父親にメアリーが問いかけた。
「なんだい? パパはメアリーの言う事なら何でも聞いてあげられるよ?」
「本当!? それじゃあ――」
子供特有の太陽のような裏表のない笑顔を浮かべメアリーは言った。
「じゃあ、ずっとずーと、メアリーと一緒にいてね」
もちろんさ、と答えようとして、しかし突如足首に走った激痛に男は悲鳴を上げた。
「ぐああああ!」
足首を抑え転げまわる。
「あ……うあ……」
うめき声と足首に視線を移す。血を流し、言う事を聞かない足首。腱を切られたのだと判断するできるほどの冷静さは男にはなかった。
「め、メアリー!」
「ふふっ、これでずーと一緒だね、パパ」
いつも変わらぬ――否、3年間に事故で死ぬ前と変わらぬ笑顔を浮かべる娘の幻影を見ながら男は意識を失った。
春は狂気に囚われる季節だと、人は言う。
桜吹雪は人を狂わせるのだと……。
●交渉
『別に我々は大量虐殺がしたいというわけではない』
H.O.P.E.に届いた映像の中で褐色の男が眉根にしわを寄せたしかめ面でそう言った。
『ただ、今回の件に関して手を引いてくれればそれでいい。それほど悪い条件ではないと思うが。諸君らの賢明な判断を期待する』
そう言い切って映像が途切れる。
「……彼ら『セラエノ』からの表明は以上です」
ジェイソン・ブリッツ(az0023)が手元のプロジェクターの電源を切る。
「場所はイギリスの運輸会社『グラノール』が経営するリゾート地、通称季節島です。彼らは5年前、一つのオーパーツを発見しました」
再びプロジェクターの電源を点ける。するとそこにはまるで鋼のような質感の大きな樹木が表示された。
「その名は『クリュリア』。広範囲に季節の再現と幻影を見せることのできるオーパーツです。四つの島にそれぞれあったそれを使い彼らは『春島』『夏島』『秋島』『冬島』の四つの島作り出し、リゾート地として運営していました。そこまではまだ良かったのですが……」
ジェイソンが少し目を伏せる。
「最近になって『クリュリア』の力がどうやら地脈の力を吸い上げて成されているものだと判明し、その幻影の力も思った以上に強い事が判明しました。そう、その気になれば物理的な傷を与えられる程だという事が。そこに目を付けたのが彼ら『セラエノ』です」
今度はプロジェクターに先ほどの男の顔写真が表示される。
「彼らセラエノは季節島に武力をもって制圧を図り、『春島』は電撃的な作戦で占拠されてしまったのです。そこで『グラノール』は我々H.O.P.E.に救援を要請してきました。H.O.P.E.は季節島への介入を決定。しかし、その後に届いた映像が先ほど見てもらったものというわけです。彼らは春島の顧客を人質としてきました」
ジェイソンが手もとの資料を叩く。そこには春島の説明が長々と書きこまれていた。
「春島のコンセプトは『失われない楽園』。過去に死んだ娘、叶わなかった恋の想い人。そう言った人物に幻影は成りすまします。セラエノはこの幻影を利用し、この島の人間を拘束しました。閉じ込められただけの人もいれば、怪我を負っている人間もいるという話です。皆さんにはグラノールの方々の手引きの元、島の中枢へ忍び込みこれを取り返してください。彼らセラエノがこの『クリュリア』をどう使うつもりかは判りませんが……決していい結果にならないのは目に見えていますので」
解説
●味方
・グラノール社員
中枢までの手引きをしてくれる。一般人であるので、保護が必要である。
●敵
・桜花の幻影
うすぼんやりとした桜の花びらが人の形をとったような幻影。強烈な桜吹雪が吹き荒れた後に唐突に出現する。傍から見れば単なる人の輪郭をした影だが、『クリュリア』の影響下に入った人間はそこに『失われた過去の面影』を見出し、失われたものが『戻ってきた』と勘違いしてしまう。
現在暴走状態にある幻影は至る所に現れ、屋外にいる人間は強制的に捕獲しようと動くようだ。セラエノにも細かい制御はできていないものと思われる。その攻撃にはライヴスが伴っており、リンカーであろうとダメージを受けてしまう。
愚神ではないが便宜上愚神の等級で例えると、強さは下限はミーレス級、上限はデグリオ級を超えることはない。幻影は対峙する人間の『過去の面影』の強さにある程度依存するようだ。
『過去の面影』は一度破壊してしまえば、それが失われたものだと『気付く』事が出来る。しばらくの間同じ幻影に捕らわれる事はない。あるいは共鳴状態のリンカーであれば強い拒絶でもレジスト可能。
幻影として戦う場合、強さはミーレス級である。花びらを鋭利な刃物のようにして飛ばして攻撃してくる。射程はあまり長くない。距離を離すと極端に姿が見えにくくなり、命中にマイナス補正が掛かる。
※PL情報
・セラエノ工作員
現在中枢にいるのはごく少人数、しかもリンカーではない。中枢にたどり着いてしまえば占拠は簡単である。
もともと少数精鋭だった上に現在は春島の防衛は幻影に任せ、他の島の援護に回しているようだ。
マスターより
幻影との闘いがメインとなります。
過去の幻影に関しては効きやすさに個人差があるようで、エージェントでも抵抗できるできないがあるようです。
抵抗に失敗すると自身の記憶の中の『過去の面影』と戦う事になります。その場合「どんな過去が出てくるのか」「どのように対処するのか」をプレイングに記載してください。
抵抗したい方はプレイングに『抵抗する』と書いていただければ、抵抗に成功します。その場合相手は桜花の幻影そのものです。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/07/05 21:49
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最終発言2016/06/21 14:20:46