リンクブレイブ

務めていた研究所での大事故によって現れた、黒く淀んだ塊。それが現世の理に応じたか、人の形を執って立ち上がり目を輝かせた。異形の英雄は強烈な思念で生存を欲し、酒の匂いを発する研究者は興味本位で、その生存を自らの人生に織り交ぜる形で許した。研究者は『万事生きてこそ』と告げ、『ならば必ず生きよう』と異形の英雄は応え、それが誓約となった。尤も、研究者の『万事生きてこそ』の一言には『旨い酒が飲める』という言葉が繋がるのだが。外見は辛うじて人型と言わしめるもので、日常生活への配慮も踏まえて全身に包帯の様な布を巻いて正体を隠すという適当な措置が取られている。服は着たがらない上に合うサイズのものが少ない為、ミイラの様な姿で日々を過ごす。能力者曰く『昨今の英雄はミイラ程度の外見では威嚇の道具にもならん』と澄まし顔で酒を飲む。異形の英雄は戦いの時にのみ現れるので結局問題は無いとも。英雄も戦いの他に興味がない。

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