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秋麗夜会
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パーティーを楽しもう
最終発言2015/10/25 17:47:15 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/10/21 23:30:22
オープニング
●秋麗夜会
H.O.P.E支部の一般人立ち入り禁止フロアの窓からまどろむようにあなたが青空を眺めていると、背後から一人の職員が声をかけてきた。
「すみません。今夜、暇だったりします?」
突然の言葉に固まる。新手の詐欺か、勧誘か……? もしかして、ナンパなのか!? そんなあなたの心を読み取ったように、職員は静かに首を横にふった。
「……違います。詐欺でもありませんし、ナンパでもありません。じつは今夜開かれる美術館のパーティーにリンカーを数名出席させなくてはいけないのですが、なかなか人が集まらなくて困っていたのです。もしよかったら、パーティーで出てみませんか?」
そういうと、職員はパーティーの招待状をあなたに渡した。
「この美術館のパーティー、目的は資金集めのようですね。絵画の修復や買い付け、設備投資など、けっこう見えないところで美術館というのはお金がかかっているみたいで……館長がうちの支部局長に資金集めの協力を要請したのですよ。普通に招待しても参加してくれない出席者にすこしでも多く出席してもらう。口の悪い言いかただと、リンカーに客寄せパンダになってもらおうとそんな感じです」
つい、ベラベラと喋り過ぎたことに気づいた職員は、咳払いをした。
「こほんっ。まぁ、芸術のために慈善活動と思って、ちょっと顔を出してくれると嬉しいのです。会場はけっこう華やかみたいですよ。あっ、ちゃんとしたドレスとかスーツとか持ってますよね? なかったら、こちらからお貸しします」
解説
●ちょっとセレブなパーティーに行ってみませんか?
ステキに装って、仮面をつけて夜の美術館のパーティーへいこう!
L&B美術館:アールデコ建築のモダンな造り。幾何学模様の床はすべて大理石でできており、おもにシュルレアリスムで活躍した画家の絵画を取り扱っている。
パーティー会場:美術館の庭園。秋に咲くバラの花が咲き誇るなか、色とりどりのキャンドルの炎が揺らめく。今回のパーティーのテーマは「秘密の花園」。出席者には皆、仮面をつけてもらう。音楽はクラシック。
時刻:午後7時~10時
食事:会場ではビュッフェ形式で軽食も出される。(肉)鴨肉のロースト、鹿肉の一口ステーキにサフラン&オニオンソースかけ、スモークベーコンとフォアグラのタルト 他(魚)白身魚とズッキーニの一口添え、海老にレモンとバジルソースかけ 他(野菜)チーズとナッツのはいったサラダ、根野菜蒸しに特製オリーブソース 他 (デザート)オレンジムース、チョコレートケーキ、イチジクタルト 他
また、飲み物はワイン、ブランデー、カクテルのほかにジュースも各種類ある。
●パーティー広場
・バラの迷路:テニスコートほどの広さの生垣でつくられた迷路です。迷路奥には小さな噴水のある秘密の庭にたどり着きます。
・バラのブランコ:二人乗りのブランコ。
・音楽に合わせて:ワルツを踊ります。
・美術館内:普段は一般公開していない抽象絵画を3点、印象派の絵画を5点、今回のパーティーにあわせてお披露目するそうです。
・休憩スペース:美術館のいたるところにベンチやテーブルがあります。
●参加者
今回の参加者の中には、某国から留学中の王子や映画女優もいます。
●来場者には、参加品としてチョコレートの詰め合わせが贈られます。
リプレイ
●夜の美術館
「へぇ、特別公開の絵ってこの画家の作品かぁ~」
荒木 拓海(aa1049)は嬉しそうに言った。
ライトグレーのタキシードを着た彼は、サングラス風の仮面をずらし油絵を見つめる。
「有名な絵描きさんなんですか?」
黄昏ひりょ(aa0118)が思わず尋ねた。
「うん。印象派って言葉を生み出すきっかけを作った画家だよ。代表作は睡蓮を描いた絵かな」
「へぇ……」
ひりょは小さく頷いた。その度に目元だけを覆っている黒い仮面、その仮面にあしらわれた銀糸でできたクモの巣が室内の明かりで怪しく光る。
芸術が好きな拓海は頬を紅潮させ、絵について説明をつづけた。
「ベル・エポック、美しき時代って呼ばれた頃に印象派は生まれたんだ。爛熟と退廃が入り混じったパリに集まる若き無名の画家たち。彼らをパトロンが支援し、芸術は華開いた……」
拓海の説明に耳を傾けていたひりょは、ふと周りを見渡した。気づかないうちに大勢の客が集まっている。
「うわぁ……」
仕立ての良いタキシードに黒い仮面をつけた男性、銀色のドレスにレースの仮面をつけたご婦人。皆、一目で裕福なのが分かる。
「たしか、印象派の絵描きが使っていた絵の具入りのチューブ。これも画期的なアイテムだったんですよね。それまでは室内で作品を描くことが一般的でしたが、チューブの登場で、外でも油絵を製作できるようになった」
会話に加わったのは鈴原 絵音(aa0874)だ。拓海と並び、絵画を見ながら楽しそうにお喋りを始めた。ベネチアンマスクで覆われていても絵音の嬉しそうな態度が見てとれる。
「あれ? ひりょさん、どうしたの?」
小首をかしげ、拓海が振り返った。つられて絵音も振りかえる。
その瞬間、恰幅のよい男性客が拍手しながら近づいてきた。
「いやぁ、君達の説明はなかなか分かりやすくて面白いよ。この美術館の学芸員……ではないよね。うん、君達は芸術家かな?」
「あっ、……いえ、H.O.P.Eから派遣されたリンカーです」
ひりょは頭をふる。
「ほぅ! リンカーなのか。君達は!!」
頭のてっぺんから靴の先まで、男性客は舐めるように見る。
その視線に居心地の悪さを感じてしまう。
「どうしよう、このタキシードが貸衣装屋さんのってバレちゃってます?」
小声でひりょが2人に囁く。
「ひりょさんは大丈夫だよ。とてもよく似合っているよ。問題はオレじゃないかな……。H.O.P.Eで借りてきたんだけど、サイズは合っているはずなのに、どうにもズボンの丈が短いんだ」
拓海は咳払いをし、視線から逃れようする。
「うっ……、一番ヤバイの僕かもしれません。だって、この衣装は相方のワンピースですから……」
色白の絵音の肌がどんどん赤くなっていく。
そんなリンカーの気持ちに気づくことなく、男性客は遠慮なく近づいてくると、手前の絵音に握手を求めてきた。
「いやぁ。驚きだよ。なんせ、リンカーはいつも戦っているイメージしかなくてね。芸術にも精通しているとは」
「あぁ、……そっちですか。ははは」
遠慮がちに握手する絵音。そんな彼とは違い、男性客は力強く手を握る。
「あはは……」
曖昧な笑みを浮かべ、首を傾げる。
「ねぇねぇ」
ひりょが拓海に囁いた。
「絵音さん、言葉に詰まってるけど……」
「う、うん。」
よく見ると、男性客は絵音の手のひらをずっと撫でている。
この空気をどうやって変えようか2人が考えていると、笑い声が館内にこだました。
「ほほほ、リンカーは戦闘だけでなく芸術にも精通しているのですよ」
あらわれたのは門隠 菊花(aa0293)だ。流水に赤い薔薇柄の振袖。そのいでたちは出席者の中で誰よりも目を引いた。
「いらっしゃいませ。ようこそおいで下さいました」
目元だけを覆う菫色の仮面をつけた菊花は優雅にお辞儀し、にっこりと微笑んだ。
「お飲み物の用意が整いました。さぁ、庭へご案内しましょう。宴の始まりです!」
●バラと音楽
「ほぅ、これはなかなか」
男性客は庭園を見渡しながら呟く。
バイオリンとチェロ、ピアノの三重奏が軽やかな音色で招待客を出迎える。
秋に咲くバラの花は濃い色の品種が多く、月夜でもその色は見てとれた。
給士がうやうやしく礼をすると、シャンパンを配り始める。
「今、流れている音楽もアールデコ時代に活躍した作曲家なのですよ。今夜は皆さまを驚かせる趣向で溢れております。どうぞ、心ゆくまで楽しんでください」
もてなしてもらうより、もてなすほうが性に合っている。
微笑みを浮かべる菊花に、客人は頷き庭に散らばっていった。
「助かりました。あの場をどうすべきか逡巡してたから……」
絵音はぺこりと頭を下げながら、菊花に礼を言う。
「あはは。ええよ、気にせんで」
一生懸命、標準語を話そうとする姿は素敵だが、地の関西弁を喋る菊花はそれ以上に魅力的だった。
「しかし、何かお腹すいてきたな。ビュッフェに行ってみよか。チョコとかムースとか仰山あるらしいで」
「実は俺もビュッフェからイイ匂いがするのが気になってました」
ひりょは果実水を一口飲む。摘みたての葡萄を炭酸水で割ったものだ。濃い葡萄の香りが口いっぱいに広がる。
「それじゃあ、皆さんでビュッフェへ移動しますか」
絵音はビュッフェのある方向へ視線を移した。そこには見覚えのある2人の姿があった。
「生まれし時からウワバミのごとく丈夫なこの胃袋。己の業と受けいれて、流れる川の水のごとく俗世にこの身をゆだねよう……。永寿願う硬派とは、すべての飯を食い尽くすべし……」
「おっさん、鼻眼鏡つけて何かっこつけてんだよ」
剛田 永寿(aa0322)が鴨肉のローストを手に取った瞬間、隣にいた10歳くらいの少年が話しかけてきた。
「……その変なお面つけてるおまえにだけは、鼻眼鏡を侮辱されたくないわ」
「な、なに言ってんだ! これは変じゃないぞ! これはトップリンカーの仮面だぞ!」
「とっぷり、りんかー?」
次々と鴨肉を胃袋に詰め込みながら永寿は子供の相手をする。
「とっぷりじゃねー! トップリンカー! ライヴススポーツの中でも超ワイルドなプロレスの世界で活躍する覆面ヒーロー☆ギャローザの仮面だ! オレはな、今夜このパーティーに本物のリンカーが来るって聞いてパパと来たんだ。リンカーに会ったら弟子にしてもらうんだ!」
「ほぉー……」
鴨肉のローストをあるだけ全て食い尽くした永寿は、次に鹿肉の一口ステーキに手を伸ばす。
「……っ!! そのステーキはオレんのだぁー!!」
少年は永寿の体をよじ登り、ステーキの刺さったフォークを奪う。
「ちょっ、てめぇ!! 躾のなってねぇ、ガキだな」
取り返そうとする永寿、逃げる少年。その光景に見かねた鶏冠井 玉子(aa0798)が仲裁に入った。
「ほぉ~ら、2人とも喧嘩しなさんなって。すぐに料理は補充されるからさ。あっ、きたきた」
運ばれてきたばかりの鴨肉のローストと鹿肉のステーキを一つの皿によそって、玉子は少年に渡した。
「ありがとうございます。おねえちゃん!」
皿を手に少年はテーブル席まで駆けていく。
「ふふ、行儀のいい少年じゃないか」
玉子の言葉に永寿は何か言おうとしたが、彼は言いたいことをワインとともに飲み込んだ。
「……ワイン、美味めぇ」
「へぇ、僕も一口飲んでみよう。……なるほど、これはなかなかの品物だな。この香りとタンニンの渋味、おそらくフランス産で間違いないだろう」
「当たり」
ワインの香りを楽しむ玉子に、一人の男性が話しかけてきた。
白いタキシードに、目元だけを隠す黒い仮面をつけた大柄な男性だ。
「キミ達だろう? H.O.P.Eからきたリンカーは」
赤と白のベネチアンマスクをつけた玉子の赤い瞳を射抜くように、青年の金色の瞳はじっと彼女を見つめた。
●ワルツの時間
「館長に訊いたんだ。リンカーの皆さんは何処にいるのか……。館長は親切に教えてくれたよ。気高く美しい獅子のような女戦士が会場にいるって。……一目見てキミだとわかったよ」
青年は、そっと玉子の手をとり口づけする。
助けを求めるように玉子は永寿に視線をやる。が、
「ごふっ」
彼は口元を押さえ肩を震わせている。
「私は日本に留学で訪れているんだ。祖国にもH.O.P.E支部はあるのだが、首都からだいぶ離れた場所にあってね、晩餐会で支部長が出席しているのをたまに見かけるくらいだ。エージェントと話すのはこれが初めてかな……。ところで、こちらの白身魚はもう食べたかい? なかなか美味しいよ」
「はぁ」
客との会話に居心地の悪さを感じながらも、彼の“美味しい”の一言でこの会場の雰囲気すら忘れてしまう。玉子は、魚料理を一口食べた。
「……悪くない。普通、白身魚は白ワインのほうが相性いいのに、このソースの味付けは赤ワインでも合うように計算されているな」
「美食家のリンカーか、ますます気に入ったよ」
青年が玉子の赤い髪に手を伸ばす。その時、会場を流れるバイオリンの音色が転調した。それを機に、ピアノもチェロもリズミカルなテンポで音を紡ぎ始める。
「どうやらワルツの時間になったようだ……。ねぇ、一緒に踊らないか?」
「はぁ……」
無下に断ることも出来ず、玉子は青年に手をとられ会場中央へ向かっていった。
それからすぐあと、
「あれ……玉子さんは? さっきまで姿が見えてた気がしたんですが」
ビュッフェに現れたひりょが、永寿に尋ねる。
「王子さまが連れ去った」
ワルツを懸命に踊る玉子を指さすと、永寿はチョコレートケーキを豪快に一口で飲み込みこんだ。
「えっ、そっちもですか! 実はここに来るあいだに、菊花さんも同じくダンスに誘われて……」
ひりょの言葉通り、赤い振袖がくるくると舞っている。
「やはりセレブは花より団子……ではなく、花と華が好きなんだろうな」
拓海も呟く。
「はぁ~、俺は花より団子だなぁ~。めちゃくちゃ美味しそうじゃないですか。どれから食べようかな」
ひりょは海老にレモンとバジルソースかけに手を伸ばした。
「想像以上に美味しい!」
瞳を輝かせ、頬をほころばせる。下宿先のみんなにも食べさせたい、そう思った。皆の驚く顔、美味しいと笑顔をみせる顔、考えるだけで、ひりょの顔にも自然と笑顔が浮かんだ。
「下宿先のみんなの分も持って帰りたいな」
うんうん、と拓海も頷く。
「この肉の焼き具合とソースの彩、まさに美術館での食事って気が……、めっちゃ美味いな。そうだね、みんなに持っていこう!」
「剛田さん、タッパー持っています? 持っていたら貸して欲しいな」
ひりょが永寿に尋ねた。
「ああ、いいぜ。レンタル料は……」
「金取るんですか!」
ひりょと拓海は声を合わせ叫ぶ。
「ウィウィ。支払いは、便利なネット払いも対応しております。今なら25人に1人、半額になるお得なキャンペーン実施中です。あっ、タッパーは後でちゃんと洗って返してくれよな☆」
と、メルアドを記載したメモ付きのタッパーを配ろうとするが、横から給士が2人に告げる。
「パーティー後に料理が残っていれば、好きなだけ箱にお詰めしますよ?」
「マジで?」
3人は声を合わせ驚いた。
「じゃぁ、パーティー終了後にもう一度、ここに戻ろう」
拓海とひりょは好きな女優を見つけ、サインを貰うために大きな噴水のほうへ向かった。
「んじゃ、俺もちょいと散歩でもするか」
背伸びをしながら永寿のビュッフェを後にした。
●神様のイタズラ
バラの迷路を絵音はさ迷っていた。
ちらちらと燃えるランプの明かりが迷路の道を照らす。
歩いても歩いても、先は見えない。ただ、バラの花が咲き誇るだけ。
「……ここはどこらへんだろう?」
不安になり、叫んでみるも周囲に人はいない。と、近くにあったランプの明かりが消えてしまった。一瞬にしてあたりは暗闇に包まれる。
「どうしよう、もう僕はここから出られないのか?」
瞬間、あたりを眩い光りが覆った。
「うわあぁ!」
絵音が踵をかえ走り出そうとしたとき、生垣を突きぬける小さな影とぶつかった。
「……ぐすん。ねぇ、いま叫んだでしょ? オ、オレ、助けに来たんだぜ」
小さな影は、転がる絵音に抱きつきながら泣き出した。
「うえぇぇ~ん、怖かったよ~」
「も、もしかして、キミも迷子?」
月明かりの中、なんとか子供の様子を窺いみようとする。だが、子供は決して仮面を取ろうとしない。
「や、やめろよ! 今、共鳴中なんだ。これとったら覆面ヒーロー☆ギャローザじゃなくなるだろう!」
絵音の手をぺしぺし叩いて反撃する子供。
「共鳴中?」
「うん! この幻想蝶ベルトを光らせると英雄と共鳴できるんだ!」
子供はオモチャのベルトを光らせてみせた。さきほどの眩い光りはこれだと、絵音は気づいた。
「絵音さん、何しよん?」
自分を呼びかける声に驚き絵音は振り返った。背後に菊花が佇んでいる。
「奥の庭で休憩してたら、叫び声やら光りやらなんやら見えるんで、気になって来てしもうた」
菊花は、自身の幻想蝶を手のひらに乗せる。無数の蝶が舞うような幻想的な光が周囲を包んだ。
「うわぁ」
子供はおもわず叫び立ち上がった。
光りが消えたとき、ランプの明かりが灯っていた。どうやら、菊花はランプの明かりをつけるため道具を取り出したようだ。
「これでよし」
幻想蝶をしまいながら彼女は、絵音と仮面を被る少年に視線を移した。
「奥の庭に皆もいるで。一緒にいこか」
「うん!」
誰よりも大きな声で少年は頷いた。
「おっ、来た来た。……って、何でそのガキまでいんだよ」
噴水前のベンチに腰を下ろす永寿が、驚きながら少年を見つめる。
「そっちこそ何でいるんだよ! ここはリンカーの秘密基地なんだぞ!」
ぷるぷる震えながら少年は永寿を指さす。
「あはは、子供よ。この人もリンカーやねん」
「う、嘘だ! 本物なら幻想蝶を持ってるもん!」
どうやら子供は信じられない様子だ。そこで永寿は、懐から幻想蝶を取り出した。
「これか?」
光りが空中に舞い散る。わずかな明かりしかない秘密の庭、まるで星の精が踊っているように見えた。
「なぁ、見てみろよ。流れ星……じゃないな。これ、流星群だ!」
夜空を指差す玉子は、笑いながら皆に伝える。
「今夜はなかなか楽しかったな。料理は、もうちょっとバラやテーマに沿ったものを提供してほしかったが、それでも素晴らしいものだったよ」
満足げに玉子は腕組みをした。
「美術館の庭園という場所、流れるクラシック……、環境が食事に影響するということを改めて考えさせられた。インスピレーションを刺激されるいい夜だったよ」
その言葉に、皆が頷いた。
「おや? 絵音さん、眠っちゃいましたね」
拓海はジャケットを絵音にかけてやる。
もう少ししたら、終わりの鐘がなるだろう。
皆、最後まで夢のような夜を楽しんだ。
結果
シナリオ成功度 | 成功 |
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