本部

逆行の屋敷

落花生

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
10人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2017/08/18 14:42

掲示板

オープニング

「あなたたち、本当に不幸ね」
 夕暮れの屋敷のなかで、少女は笑った。
 正義は、その光景をいぶかしむ。
「なんや、追い詰められとる癖に……いやに余裕がある愚神やな」
『正義、なんだか様子がおかしいです』
 とある地方都市の打ち捨てられた廃墟。
 そのなかに、愚神が出ると言う噂があった。だからこそ、正義たちが派遣された。そして、正義たちは一人の少女に取りついた愚神を発見した。
「あなたたちは、追いつめたんじゃないの。追い詰められたのよ」
 少女は、にやりと笑った。


 バブル期の話である。
 とある金持ちが田舎の豪邸を買った。
 だが、その豪邸に金持ちは住まなかった。
 金持ちは妻に内緒で作った私生児を隠していたとか愛人を住まわせていたと、近所では噂されていた。そんな薄暗い噂を持つ屋敷に、愚神は逃げこんだ。
――そして
『せっ、せいぎ。どうしちゃったんですぅ!!」
 小鳥は、正義の姿を見て驚く。
 二十九歳の成人男性だったはずの彼は、九歳ぐらいの少年の姿に変わってしまっていた。
「なんや。えらいけったいな格好したねえちゃんやな」
 縮んだ正義は、小鳥を不審者でもみるような目で見ていた。
「腹なんて出しとると、風邪をひくで」
『えっ、いや。なんで、この状況下で今さらなことをいうんですか。って、私も大人になってるですぅ!!』
 小鳥は、自らの姿に驚いて目を丸くする。
 そして、正義が自分がリンカーであることを覚えてないことも悟った。
『正義、逃げるですぅ!!』
「なんや、このねえちゃんは!! 人さらい!!」
『私だって、正義をさらいたくはないですぅ! さらうなら、もっと可愛い女の子をさらうです!!』
 小鳥は、九歳の正義を抱きかかえて逃げた。


『と言うわけなんですぅ』
 H.O.P.Eの支部まで逃げかえってきた小鳥は、事の顛末を説明した。今の正義は九歳の見た目と知識と記憶を有しており、小鳥の方は内面はいつも通りだが二十歳前後まで見た目が成長していた。
「屋敷の愚神は大人を子供にして、子供を大人にする能力を持っているのですか?」
『子供になった方は記憶も退行するみたいですぅ。私が主体になって共鳴すれば戦えるとは思うんですけど……』
「共鳴ってなんや! てか、このねえちゃんは誰やねん」
 父ちゃん母ちゃんはどこや、と九歳の正義はパニックを起こしていた。記憶が九歳まで戻っているのならば、リンカーや英雄といった基本的な知識も抜け落ちてしまっているのだろう。
『正義側で、ここまで共鳴を拒否されると……』
 戦いづらいですぅ、と小鳥は言った。
「それはしょうがないでしょう。他のリンカーたちは?」
『正義を連れて逃げるので精一杯でしたから、たぶん……屋敷に取り残されてるですぅ。今回の仲間は私以外は全員が大人だったから、たぶん今は子供になっているはずですぅ』
 

「おねぇちゃん……誰?」
 屋敷のなかで、子供たちが首をかしげる。
 愚神の無垢な視線のなかで、悠然と微笑んだ。
「私が皆のお姉ちゃんよ。皆、お姉ちゃんを殺そうとする悪い人から私を守ってね」

解説

・愚神の討伐およびリンカーたちの保護

元リンカーの子供たち……十人。全員がH.O.P.Eのリンカーだが、十歳前後の子供になっておりエージェントだということは忘れている。愚神を倒すと大人に戻る。武器は五人が刀。五人が弓矢を使用。主に刀持ちが前衛、弓持ちが木などに登りながら後衛を務める。だが、体力面は大人に劣っている。(PL情報――隠しているが、全員が銃を持っている)
・残像身代わり――使用後、一回のみ相手の技を無効化できる。
・子供の特権――二人以上が集めっているときに使用。ライブスを高め合い、互いの体力を回復させる。

刀もちの子供のみ使用
・子供の泣きまね――弱ったふりをして、相手を誘い出す。誘い出した相手は、隠し持っていた銃で攻撃をする。
・子供の玩具――武器を軽量化して、自身の素早さを上げ刀に雷電をまとわせる。切られると火傷を負う。

弓の持ちの子供のみ使用
・子供の工夫――毒矢を使っての攻撃し、命中すると相手の素早さを下げる。
・子供のゲーム――背景に合わせて色を変える布を使用し、身を隠す。何度か攻撃すると布が破れて効力を失う。

愚神――少女の姿をした愚神。屋敷に入ってすぐの居間におり、そこから動かない。魔法攻撃を行うため武器は持っていない。命中率は低さを補うために広範囲の攻撃を行う。
・火炎――屋敷全体を燃やす炎を発生させる。
・雷鳴――自身の周囲に雷で出来た檻を発生させる。
・茨――屋敷の出入り口すべてを塞ぐように発生する。
・毒霧――屋敷や庭に発生し、吸い込むことで「大人は子供」「子供は大人」になる。

屋敷(昼)……立派な屋敷だが、だいぶ古いために派手な攻撃をすると建物自体か倒壊する恐れがある。二階建てで、家具などはない廃墟。部屋が数か所あるが、元々がどんな部屋であったかを推測するのは困難。

庭……とても広い庭だが、草木のせいで視界が悪い。子供たちは全員が庭に折、屋敷には入ってこない。

リプレイ

 誰もいない屋敷には、子供たちが集う。
 正確には、大人だったころのことを忘れてしまった子供たちが愚神の手ごまとして屋敷に並べられていた。
「皆、私を守ってね」
 愚神は、その様子を見て笑んでいた。


『ん? これが話に聞いていた愚神の能力か?』
 屋敷の敷地に足を踏み入れていたナラカ(aa0098hero001)は、随分と大きくなった自分の掌を見つめる。いつもはあどけない少女の姿をしていた彼女だったが、今が愚神の技の影響で大人の女性の姿をしていた。
「誰だ?」
 八朔 カゲリ(aa0098)は、そんなナラカをいぶかしむ。十八歳であった彼の姿はあどけない子供のものとなり、記憶も退行しているようであった。今のカゲリからしてみれば、ナラカは知らない大人だ。
「ナラカさん……その姿、かっこいいですね」
 卸 蘿蔔(aa0405)もナラカと同じく、大人の女性の姿となっている。しかし、元々が十七歳であったせいかナラカほどの外見の変化はなかった。しかし、よく見れば内面からにじみ出る雰囲気が若干いつもよりも落ち着いている。
「あらあら? 私は子供になると思っていました……皆さんは大丈夫ですか?」
『ダメージは受けてないみたいだぞ』
 ウォルナット(aa0405hero002)は周囲を確認しつつ、自分の姿も確認する。蘿蔔同様に大人の姿になっていたウォルナットだが、彼も身長が伸びたぐらいしか外見の変化はなかった。
「うち、なんでこんなところにいるんどすえ?」
『ん? なんだこの子供は?』
 リンカーと英雄の双方が子供になった弥刀 一二三(aa1048)とキリル ブラックモア(aa1048hero001)は興味深そうに互いを見つめていた。
 音無 禊(aa0582)と***(aa0582hero001)も同じような状況下だが、冷静な彼らはとりあえず自分の置かれた状況が分かるまでじたばたしない方針で行くことを決めたらしい。
「私は、私の為すべきことを」
 禊は、なんとなく自分が頼られているようだと察した。そして、自分と同じく子供の姿をした***が自分が最も頼るべき存在であるらしいと思った。か細い手足の自分が何故頼られ、子供の***にそこまでの信頼を向けられるかは分からない。
 それでも、彼とやらなければと禊は思った。
『なら、やるとしよう』
 幸いにも、***の返事は頼もしい。
「俺たち、ヒーローなんだぜ!」
 腕白小僧の元気のよい声が響いた。
 木霊・C・リュカ(aa0068)である。いつもは比較的落ち着いていた年長者の彼は、今は黒いランドセルが似合いそうな十歳ほどの少年になってしまっている。
『ああ……そうだな』
 一方でオリヴィエ・オドラン(aa0068hero001)は、二十歳ぐらいの大人の姿だ。幼かったころにはあった輪郭の丸みはすっかりとれてシャープな印象となった彼は、普段の寡黙さと外見がかみ合った姿となっていた。
「ヒーロー? なんや、えらく夢のある話やな」
 だが、面白そうではないかと一二三は乗り気になった。
 そんなとき、彼らの足元に弓矢が放たれる。
「あれが、世界征服をたくらむ悪の組織なんやな!」
「きっとそうだぜ。あいつらの親玉を退治しないと、世界が滅ぶんだ!!」
 一二三とリュカは、攻撃してくる子供たちを悪の組織と決定したことで意気投合していた。その一瞬の判断に子供の残酷さを見たような気もするが、おおむね間違ってもいないのでオリヴィエは訂正しなかった。
「エルルと、最初から、共鳴していてよかった」
 魂置 薙(aa1688)は、ポルードニツァ・シックルを構える。彼の英雄のエル・ル・アヴィシニア(aa1688hero001)は普段は大人の色香すらまとった女性であるが、今は愚神の攻撃の影響で子供になっているはずである。
『私の姿には興味はないのか?』
 語りかけてくる声が、いつもより高い。
 その声に薙の好奇心がうずく。幸いにしてエルは攻撃してきた子供たちを敵だと認識してくれているようであり、薙の行動にも協力的だ。だが、姉の様な彼女の幼いころの姿も見てみたくないといったら嘘になる。
「……見てみたい、けど、それよりも記憶が退行するのが、めんどう」
 今は仕事が優先だ。
「俺たちはヒーローなんだな! よし、刀持ちはまかせろ!!」
 子供の姿で目を生き生きと輝かせていたのは東江 刀護(aa3503)である。彼もまたリュカたちの自分たちはヒーローという考えが気に入ったらしい。守るべき誓いを行使し、彼は刀もちの子供たちの注意を惹きつける。
『子供のころから、やっぱり腕白なんですね』
 双樹 辰美(aa3503hero001)は、刀護の子供の姿を見て感嘆の息を吐いた。刀護は良くも悪くも子供に戻った刀護であり、いかにもやんちゃそうだ。辰美はそんな子供らしい子供の刀護を可愛いと思った。精神状態が大人になり落ち着いたせいなのかもしれないが、今の刀護には庇護欲をそそられるものがある。
「凄い……早い! あ、あっち」
 三ッ也 槻右(aa1163)は弓もちの子供たちの囮になりながらも、きゃあきゃあと叫んでいた。怖いのではなく、楽しいのである。なにせ、自分を『ちんまいの』と呼ぶ酉島 野乃(aa1163hero001)からもらった手紙には
――”野乃は、横暴で、口が悪くて、偉そうだけど…気はいい奴だ。共鳴っていう、合体ロボ的なの楽しんでみて? 槻右より”――
 と書かれていた。
「なにこれ……半分悪口。……やってみたい……かも?」
 小さく呟いたつもりだったのに耳ざとい野乃には聞かれてしまって
『任せよ! 共鳴じゃの、変身!』
 と彼が叫んだ途端に自分の姿が変わった。
 普通ならば、パニックになるところだ。
 だが、槻右は楽しんだ。
 未来の自分からの手紙なんかがあって、身長が高くてきらきらと輝いているような大人の野乃は味方で、敵らしき弓を持った子供たちはいっぱいいたが、槻右は楽しくてたまらない。だって、他人の体を自分の物のように扱う感覚なんて初めてだ。
『未来の槻右の使者じゃと言って手紙を見せてみたが、案外簡単に信じるものじゃのう。……だが、この姿はなかなか』
 野乃は、自分の大人の姿に満足していた。なかなかの男っぷりだし、何より身長が元の槻右より高い。あとで悔しがる槻右の姿が予測できたが、今は無邪気に喜んでいるだけだし。
『うむっ! ゆくぞ!』
 弓を持った子供の一人のスピードが、落ち始めていた。
 そこを見計らい野乃は「今じゃ!」と叫んだ。
 槻右はハングドマンを使用し、子供の一人の動きを封じる。
『……主らのあるじは、主らがやられても見て見ぬふりぞ。一緒に来ぬか? 菓子もあるぞ?』
野乃は子供たちに誘いをかけて見るが、これぐらいでは子供たちの意思は揺らがないようであった。
「やったー! すっごい!!」
 はしゃぐ槻右の後ろに、別の弓もちの子供が現れる。いや、彼は最初からいたのである。周りと同色になる子供のゲームを使用していただけで、最初から息をひそめて攻撃の瞬間を狙っていたのだ。
『大丈夫でしょうか?』
 その攻撃を盾によって防いだのは、レオン(aa4976hero001)である。外見は共鳴中のために、契約者である幼い葛城 巴(aa4976)の姿となっていたが。
 女の子にしては若干短めの髪に、膝小僧丸出しの短パン。元気の証拠とばかりにむき出しの足には絆創膏が張られている。巴は女性のはずだが、今はどこからどう見ても「元気いっぱいな男の子」である。かけっこと虫取り網がとてもよく似合いそうだ。
『姿を隠す敵というのは、なかなか厄介ですね。見分けられる方がいればいいんですが』
 レオンは、盾を構えながら呟く。
「あぶだくと、だ」
 と巴は突然囁いた。
 レオンは、突然の言葉に目を丸くする。聞き覚えのある言葉――たしか宇宙人は信じる派の巴がたまに口にしていた「宇宙人が地球人をさらって人体実験をする」という意味の言葉だっただろうか。
「あの子供たちは『あぶだくと』されて、あんな力を手に入れたのかな?」
 ああ、そういう解釈になるのか。
 レオンは、少し安心した。
 何も知らない子供からしてみれば、そちらのほうが分かりやすいのだろう。
『これは使えるかもしれませんね』
 だが、まずは動ける子供たちの数を減らさなければならない。
『うるさいであるぞ! わがはいを見下ろすなど100年早い!』
「ユエリャンは小さい頃病弱だったと聞いていましたが、これは……一体……」
 紫 征四郎(aa0076)は、ユエリャン・李(aa0076hero002)の姿に戸惑いを隠せないでいた。最初こそ征四郎は自身の変化に驚いていたが、ユエリャンを見た瞬間にその驚きをはるかに上回る衝撃に襲われた。
 真っ赤な髪はふわふわなカールを作り、身にまとうのは装飾華美な黒いゴスロリのワンピース。髪が天然なのか整えられたものなのかは分からないが、趣向を凝らしたワンピースと似合っていたので後者のような気がする。きっと元のユエリャンであったら「すばらしき、肌年齢!」と目を輝かせていたであろうが、天使の肉体に宿るのは悪戯っ子の魂だった。
『きにいらぬ! ひざまづいたら許してやるぞ!』
 あはははは、と笑いながらユエリャンは征四郎から逃げ出した。
 その姿を見ながら、一瞬だけ征四郎は現実逃避する。
「どこから、見たことがある光景です。なんというか、スーパーで男の子がお母さんの悪口を言いながら逃げ回るような……」
 今の征四郎は二十八歳ほどの年齢なので十八歳で産んだとすれば、今のユエリャンと親子でもおかしくはない年齢差である。男の子はやんちゃだと常々思っていたが、征四郎は世の母親の苦労と言うのをまざまざと実感していた。
「ユエリャン待ってください! 共鳴してください!!」
 放っておくことは当然できないので、征四郎はユエリャンを追いかけた。本人は遊びのつもりなのだろうが、『こそこそ隠れているしかできぬなんじゃくものめ!』と言って敵を煽ったり、草を結んでトラップを作ったりとそこそこ良い仕事をしていた。トラップには、征四郎も引っかかってしまったが。
『雷電の武器! かっこいいであるなぁ! 征四郎、わがはいも欲しいであるぞ!!』
 目をキラキラさせて攻撃に見入る自由すぎるユエリャンに、征四郎は疲労のあまり崩れ落ちる。精神状態としては「うちの子がどうもすみません」と謝りたい気分だった。本当に世の母親ってえらい――征四郎は心の底からそう感じた。
『だが、隠れている敵に目印をつければもっと簡単にさがせるぞ』
 子供の……ユエリャンの何気ない一言。
『そのアイデアいただき!』
 ウォルナットの言いたいことを理解した蘿蔔は、逃げる子供たちに向かってデスマークをつけた。
「……しかし困りましたね。子供に武器を向けるわけにはいきません」
 大人としての倫理観に反します、と蘿蔔は武器を一度しまってしまった。その行動にウォルナットは不満げだ。
「子供に武器を持たせれば使いたくなるのは当然だと思うぞ」
『それでも、まずは話し合いからです。大人は、子供の間違いを叱ってあげるべきなんです』
 なんか普段よりしっかりしてないか? とウォルナットは蘿蔔の言動に首をかしげる。
「みなさん、この家は何年も前から空き家で人はいませんよ。居るのは愚神だけです。危険ですから……ここにいてはダメです」
 バシュ、と蘿蔔の頬に子供の弓矢がかすった。
『あーあ、忠告はしたのに』
「……少々おいたが過ぎるようで」
 蘿蔔はにこにこと笑いながら、仕舞った武器を取り出す。
 ウォルナットは、子供たちがわずかに恐怖したのを見逃さなかった。蘿蔔は子供の一人に急接近し、ジェミニストライクで武器を払う。そして、そのまま子供の胴体をがっちりと捕まえた。
「こらーー!! だめだべっちゃ!! 人さ武器向けちゃいけねってそな年になってもしゃねのか! そだ子に育てた覚えはねぇ!!」
 ぺん、ぺん、ぺん、となんとも場に不似合いな音が響いた。
 それを見ていた槻右は思わず「痛そう……」とつぶやく。
 野乃は腹を抱えて笑い転げた。どうやら、槻右は戦いよりもお尻ぺんえんの方が恐ろしいらしい。もしかしたら、幼いころに彼も母親にお尻を叩かれたのかもしれない。
 他の子供たちも、槻右と同じように「お尻ぺんぺん」という行為に唖然としていた。その光景をみた薙はふうとため息をつく。
「君達、武器を他人に向ける意味、わかってる?」
 大人が本気で怒っている、と薙は蘿蔔を指差した。
「覚悟の上なら、僕も手加減しない。当たると痛いけど、かまわないよね?」
 よっこいしょ、と薙はチェーンソーを持ち上げる。
 チェーンソーは派手な音は、有名なスプラッタ映画を思い起こさせるせいなのか大人でさえ忌避感を抱く。子供ならば、なおさらであろう。だからこそ、この武器を選んだ。
『手加減はしないんだな』
「当然、するよ」
 エルの問いかけに、ひっそりと薙は答える。
「だって、今の僕は大人だからね」
 大人になったせいなのだろうか、子供に対して寛容に振舞うことができているような気がした。もっともチェーンソーを振り回している時点で、子供たちにはまったく伝わっていないだろうが。
「……ね、武器で怪我なんてしてほしくないんだよ」
 思いっきり子供のお尻をたたいていた蘿蔔は、他の子供たちに語りかける。子供たちは、武器を手放した。
「怒ってごめんね……分かってくれてありがとう」
 蘿蔔は、子供たちに向かって静かにそう呟いた。
 だが、背後で槻右も武器を捨てていた。
 どうやら、お尻を叩かれると思ったらしい。
『槻右は武器を捨てんでよい』
 野乃は、ひっそりとツッコんでいた。


「そんなもの使うとは卑怯だぞ!」
 刀護は、子供の泣きまねの銃弾を危機一髪のところで避けた。だが、敵の技に引っかかったことがよっぽど悔しかったらしく、「うー!」とうなっている。辰美は、そんな姿も可愛いとときめいた。今日は、やたらと子供の姿の刀護が可愛く思える。もしや、これが母性本能だろうか。
「刀には刀で相手したかった。だが、傷つけるわけにはいかん」
 武に憧れ武の道を行くことになる刀護の心根は、すでに子供のころから完成の兆しを見せていたのか。辰美は、少しばかり感心した。
 だが、共鳴になれていない刀護の声が攻撃から一拍遅れて辰美に聞こえてくる。
 ――ホントはパンチでボコにしてやりたかった。
 単に、ステゴロ大好きなだけであった。
『我慢してください』
 保護者のように注意されたからであろうか、見るからに刀護の頬は膨れる。むくれているのだとわかると、やっぱり年相応で可愛いと思ってしまう辰美であった。
「何だか胸が重~~い☆」
 そんな一部の女性から嫉妬の念を受けそうな台詞で登場したのは、一二三であった。普段ならば女児対象のアニメ風の姿になるはずの共鳴後の姿だったが、今は年齢といろいろなところが豊満になったおかげでアイドル風の格好となってしまっている。
「正義の味方だな、ありがたい」
 刀護は一二三の一部分を見ないようにしながらも、拳を握る。一方で一二三は無邪気に胸を寄せてあげてしながら、ベストポジションを模索していた。
 そんな格好を知り合いの槻右に見られたら「……フミリル?! ……色々際どいよ」と哀れまれていたであろうが、今の彼は共鳴というロボット操縦のような経験に夢中になっていた。
「一二三も子供たちをおびき寄せるのを手伝うよ! 怪我なんて、させたくないもんね」
 刀護に代わって、一二三も守るべき誓いを使用する。
 できる限り子供たちは屋敷から離しておきたい。そして、怪我なく返してあげたい。二人の思いは、同じであった。
「すげー、俺、目が見えてる!」
 リュカは感激しながらも、武器を構えていた。オリヴィエにとっては慣れた共鳴も十歳にまで退行してしまったリュカには始めての経験なのだ。
「頭に響いてくるオリヴィエの声は、じいちゃんに似てるな!」
 そういわれるとオリヴィエは、少々むずかゆい。リュカの祖父に会ったことがないが、身内に似ていると言われると「頼りにしている」と言われる気分になってしまう。
「俺の子分にしてやるよ!」
『……どうして、そうなる』
 声が祖父に似ているの件はどうした、とオリヴィエは突っ込みたくなった。だが、今はぐっとこらえる。どうせこれは愚神の攻撃による、一過性の効果にすぎないのだ。
「うまく戦えれば、ヒーローになれるぞ」
 あんなふうに、とオリヴィエは一二三を指差した。
「すっげー、あんなにおっぱいでっかくなるんだ」
『……』
 オリヴィエは、色々な言葉を飲み込んだ。
「きゃっ。いったーい」
 一二三は盾を構えつつ応戦をしていたが、子供たちに怪我をさせないようにと気を回しすぎて子供の玩具の攻撃を食らってしまった。
「回復技まであるのは、厄介だな」
 刀護はつぶやいた。
 一撃でしとめない限り、子供たちは体力を回復してしまう。早々に勝負をつけなければ、こちらがジリ貧になる可能性があった。
「よし、こうやって撃つんだな!」
 リュカが隠れていた草むらから現れて、子供たちの狙撃を始める。いつもよりも好戦的な様子にオリヴィエはため息をつく。
『くくくっ、皆は戦うことを選んだぞ。覚者は、どうするか?』
 大人の姿になったナラカは、カゲリにたずねる。
 本来ならば、ナラカに成長の概念はない。それでも、愚神の攻撃を受けて姿が変質していた。それはつまり、内面までもがわずかに変わっていたというころであった。
「決まっているだろ」
 カゲリは、普段と変わらぬ口調で話す。
 だが、それでも内心にはわずかに戸惑いはあった。彼は自分がなぜナラカと共にいるかを知らないし、ナラカが何者であるかもしれない。そのくせ、ナラカは親とも親戚とも教師とも違う態度で自分に接してくる。
「あの子供たちは敵で、勝たなければ生きては帰れないのだろ?」
 カゲリは、ナラカにたずねた。
 彼女は、頷いた。
「俺には、帰らないといけない場所がある」
 ぎゅっと幼いカゲリは拳を握る。
 その姿を妖艶に微笑みながら、ナラカは見守る。まさに、試練を与えて正道を問いただす神のような笑みであった。
「ユエリャン待ってください! 共鳴してください!!」
 悲鳴のような征四郎の声が響く。
「弓もちの子供たちのほうは一区切りつきましたので、私たちも参戦します!!」
 元気よく伝えたのはいいが、すでにユエリャンの姿はなかった。どうやら彼女は、こんな感じでずっと自分の英雄と追いかけっこをしていたらしい。
「どうか目を覚まして、あなた達は騙されているのですよ!」
 征四郎は子供たちに、自分たちの敵が愚神であることを伝える。
「記憶がないのに、本当に彼女が「お姉ちゃん」なのです? 征四郎達は、あなた達を助けに来たのです……!」
 だが、子供たちは征四郎の言葉に戸惑いは見せるが説得はされなかった。征四郎は拳を握り、どうすれば子供たちへ言葉を届かせることができるかを考える。
「あぶだくと、です!!」
 レオンが、そう叫んだ。
 ほとんどの人間が「なにそれ?」と首をかしげる。
 普段ならば古書店経営のリュカが用語の説明をしてくれそうだが、残念ながら彼は武器に夢中になってしまっている。きっとリアルなシューティングゲームに興じている気分なのだろう。
『屋敷の中のお姉ちゃんは、本当は宇宙人なんです!』
 レオンは、真顔で語りだす。
 愚神の存在など、何も知らない子供たちには分かりづらいのだ。ならば、もういっそのこと「悪い宇宙人がおねえちゃんだった」という説明を押し通したほうが理解を得られやすいだろうと思ったのだ。
『僕たちはその悪い宇宙人を捕まえにきた、宇宙私設警備隊なのです!』
 とりあえず、カッコよさそうな名前をレオンは即席で考えた。この場にいる子供はほとんど男の子だし、きっと乗ってくるだろうと思った。
『ちなみに、彼女は通信オペレーターの征四郎さんです』
 いきなり水を見けられた征四郎は目を丸くするが、子供たちに注目されていることを察してコホンと咳払いをした。
「征四郎は、通信オペレーターの主任なのです。えっへん」
 とりあえず、自分が知る限りで身分を偉くしてみた征四郎であった。
『あちらにいるのが、いつもはロケット砲を撃っているスナイパーのリュカさんです』
「えっ、ロケット砲まで撃たせてくれるの!」
 レオンの適当な説明にリュカは目をきらきらさせたが、オリヴィエはすぐさま「絶対に駄目だ」と告げる。
『そして孤高の闘士、刀護さんです』
「私設団なのに孤高って……俺、仲間はずれにされてないか?」
 刀護はレオンの説明に、若干不安そうな顔を見せた。仲間はずれは嫌らしい刀護の言動に、可愛いという悲鳴を飲み込みながら『大丈夫です』と辰美は励ます。
『リーダーは僕のなかで眠る秘密の正義の人格、巴』
 言いながら、レオンは内心恥ずかしさのあまり死にたかった。だが、子供に戻った巴が脳内で「私も参加させてよ! 絶対だよ!!」と煩いのだ。自分で言ってても「秘密の正義の人格なのにこの場でバラしてどうするんだよ」とツッコミたくてたまらないレオンであった。
『お姉ちゃんを名乗る宇宙人は、君達を騙して『あぶだくと』して、人体実験しようとしているんです。そして、君たちを兵士として改造したあかつきには宇宙戦争をしかける気なのです』
 力説するレオンであったが、もう自分が自分で何を言っているのか分からない。
 ――だが、子供たちには好評であった。


 屋敷の中には愚神がいた。
 彼女は外で戦っている子供たちには興味などないかのように――ただ、そこにいた。彼女すらも朽ちてゆく屋敷の一部ではないか、と錯覚してしまいそうな光景だった。
「貴女は、誰なの?」
 無垢な子供の姿となった禊は、見た目だけならば己よりも年上の愚神にたずねる。
「それを聞いてどうするの? あなたは、H.O.P.Eのリンカーなのよ」
 知らない単語が出てきて禊は、自分のなかにいる***にたずねる。すぐに彼は『おそらくは、俺たちが属している組織だろう』と答えた。自分はH.O.P.Eという組織に属していて、目の前の敵を倒すことが使命なのだ。
 倒す、という苦々しい言葉をごまかすように禊は拳を握る。
『代わるべきか?』
「……わたしがやる」
 ***の申し出は気持ちを楽にさせたが、自分はやるべきことをやるためにここに来たのだ。彼ばかりを頼れない。
「わたしは、どうして貴女がここにいるかを知りたい」
 禊の言葉に、愚神はため息をついた。
「この屋敷の噂を聞いたことがある?」
 愚神の言葉に、禊は首を振る。
「私はここに隠された金持ちの私生児の子の体を使ってるの。そいつ、私に体をあげる代わりにここを焼き払ってくれってたのんだわ。だから――なのよ」
 禊が入ってきたドアに茨が張り巡らされて、退路を閉ざした。禊は拡声器で退路を茨の出現を仲間に伝えたが、声が外まで響いたのかは分からない。
「貴女は、その子の――家族になりたかったの?」
 禊の質問に愚神は「そんなことある訳ないでしょ」と答えた。
 愚神の雷鳴が発動し、禊の檻のなかに閉じ込められる。
「子供におねえちゃんなんて呼ばせたのは、単に新密度をあげるためよ。この容姿でお母さんとは呼ばせられないでしょう。屋敷を燃やしてあげるのは、ケジメよ。この体の願いを叶えた後は、愚神としての私の願いを叶えに行くわ」
 ***が心配して叫ぶのがわかる。
 だが、禊が雷鳴によるダメージを食らうより前に声が響く。
「廃墟って置き去りにされたものが散らかってることが多いけど……ここには何も無いんだね」
 チェーンソーを持った薙であった。
 そして、その後ろには一二三が構える。
「あなたが悪者ね! 許さないわよ☆ 喰らいなさい! ザ☆ミスティック・リキッドーッ!」
 その技の正体を知っているものがいれば『正体不明のオイルぶっかけ攻撃』と説明してくれただろう。だが、名前の割りに地味な攻撃は愚神の意表と弱点を突いた。オイルは電気を通すのだ。広範囲攻撃しかもたない愚神にとって、通電性の高いオイルをまかれたことは攻撃手段の一つを奪われたことに等しい。
「あれが親玉か?」
 カゲリは、共鳴したナラカに語りかける。
 ナラカは肯定し、カゲリは覚悟を決めた。
 彼の脳裏には双子の妹の姿が浮かんでいた。自分の同じく幼い妹の下へと帰るために、カゲリはナラカに命ずる。
「――こんな所で負けてなんていられない。勝てると言うなら、その力を寄越せ」
 ナラカは『その言葉を待っていたぞ』と言った。
 今のカゲリは未だ幼く、王としては未熟である。だが、彼はどのような存在であるかは知っていた。知っていたからこそ、その選択をするであろうと信頼していた。
『――さあ、喪わぬ為の、そして光を掴む事を願うなら我が手を取るが良い』
 実際に手を取ったわけではない。
 だが、共鳴すると今までの自分とは何かが大きく異なっているような気がする。少なくとも戦えるということが、カゲリには理解できた。
「どうしてここから動かないの?」 
 チェーンソーを振り回しながら、薙はたずねる。
 愚神は、くすりと笑った。
「それはね、大技を使うためよ」
『しまった! 離れるのだ!!』
 エルの言葉に、薙は後方に飛んだ。
「さあ! 折檻の時間よ☆」といって一二三は盾をもって飛び上がろうとしていたが、それも薙は止めた。
「この屋敷は燃え落ちる運命なのよ」
 愚神が、そうつぶやいた瞬間に屋敷に炎が回った。その炎は一二三が撒き散らしたオイルに燃え移り、さらに火力あげる。
『これでは近づけないな。一度、撤退するべきだ』
「……そうだね」
 薙はおとなしくエルに従おうとしたが、逃げようとしない人間が一名いた。
 禊であった。
 ***は『逃げろ。火傷じゃすまないぞ!』と叫ぶが、彼女はあえて武器をかまえて愚神と対面する。
「ごめんなさい、ね。貴女にどんな理由があっても……私は貴女を、斬る、わ。」
「なぜ、泣く。おまえたちは、それが仕事だろう」
 愚神の言葉に、禊は首を振る。
「わからない。分からない……けど、貴女はその子と家族になりたかったんじゃないかと思ったの」
 無垢な少女は頬を涙で濡らしながら、敵の首を刈り取った。


『共鳴時は一二三中心であったからな? どうなったんだ?』
 子供にはなったが共鳴後の記憶がないキリルは、首をかしげていた。愚神が倒されたことによりガスの効果はなくなり、リンカーたちはすっかり元の姿に戻っていた。
 キリルの隣では、一二三が消耗しきった顔でうつむいている。未だに胸部から違和感が消えないような気がする。油断したら「ぶるん」と振るえそうだ。
「……ホンマ、記憶無いって羨ましおすな……。今回、菓子は無しどすえ」
 八つ当たりのように勝利のお菓子を取り上げられたキリルは呆然とする。
『労働の後の菓子は格別なんだぞ!』
「なんも覚えてないくせに……」
 一二三は恨みがましそうに、キリルを睨んでいた。
『私から菓子を没収したら、今回の共鳴中の写真を知り合い全員にばら撒くぞ!』
 とってないけどな、とキリルは内心呟く。
 一方で、一二三も写真など取っている暇などなかったと推理する。だが、菓子と一生の恥だったら……一二三は菓子を選んだ。キリルは菓子を手に入れた。
『うむ、やはり労働後の菓子は格別だな』
「……一二三? 大丈夫? えっと……美人さんだったよ?」
 主に胸のあたりが、と槻右は励ましになってない励ましをして一二三をさらにへこませた。ちなみに野乃はキリルと一緒に『キリル殿! 仕事の後の菓子はうまいの』と菓子を頬ばっていた。
 一方で、蘿蔔は青い顔をしていた。
 子供だと思っていた相手がガスの効果が切れて元に戻って見れば――五十歳ぐらいのおっさんだったからである。人生の大ベテランにお説教したあげく、お尻ぺんぺんとしたという自分の暴挙を蘿蔔は消し去りたかった。
「ひぇっ………ご、ごめんなさい。生意気なことして」
「いやぁ、あそこまで景気よく俺の尻を叩いたのは田舎の母ちゃんぐらいだ」
 がははは、と中年リンカーは笑って許しくれた。
 だが、蘿蔔は穴があれは入りたい気分だった。
「さんざんな目に遭った……」
 刀護は疲労から「はぁ」とため息をつき、辰美は無念さから「はぁ」とため息をついた。普段の姿に戻った刀護からは、腕白な少年の可愛らしさはない。口では『おつかれさまでした』と言いながら辰美は内心で『刀護さんだけを子供に戻す方法はないですしょうか』と考えていた。
『巴の子供のころの姿は、男の子みたいだったな』
 レオンの言葉に、巴は苦笑した。
「私はどこ行っても「立派な坊ちゃん」でさ~~。だから髪を伸ばしたんだよね」
 どちらかというと「宇宙人が大好き」なところが、間違われる原因だったのではないかとレオンは思った。普通の女の子は咄嗟に『あぶだくと』なんて言葉は出てこない。
「まぁ、今でも中身は男の子だけどな」
 巴の声を背にして、歩き出す二人がいた。
 禊と***である。
 共鳴後は体調を崩す禊を背負い、***は燃え尽きてしまった屋敷から遠ざかる。
「やっぱり……あの愚神は、あの子の家族になりたかったのかしら」
 小さく呟く禊の言葉に、***は「だとしても、愚神は敵だ」とぶっきらぼうに答えた。その一本の芯が通ったような頼もしい返答を聞き、禊は安心したように眠りついた。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 『赤斑紋』を宿す君の隣で
    木霊・C・リュカaa0068
    人間|31才|男性|攻撃
  • 仄かに咲く『桂花』
    オリヴィエ・オドランaa0068hero001
    英雄|13才|男性|ジャ
  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076
    人間|10才|女性|攻撃
  • 全てを最期まで見つめる銀
    ユエリャン・李aa0076hero002
    英雄|28才|?|シャド
  • 燼滅の王
    八朔 カゲリaa0098
    人間|18才|男性|攻撃
  • 神々の王を滅ぼす者
    ナラカaa0098hero001
    英雄|12才|女性|ブレ
  • 白い死神
    卸 蘿蔔aa0405
    人間|18才|女性|命中
  • エージェント
    ウォルナットaa0405hero002
    英雄|15才|?|シャド
  • エージェント
    音無 禊aa0582
    人間|19才|女性|攻撃
  • エージェント
    ***aa0582hero001
    英雄|24才|男性|ドレ
  • この称号は旅に出ました
    弥刀 一二三aa1048
    機械|23才|男性|攻撃
  • この称号は旅に出ました
    キリル ブラックモアaa1048hero001
    英雄|20才|女性|ブレ
  • 拓海の嫁///
    三ッ也 槻右aa1163
    機械|22才|男性|回避
  • 大切な人を見守るために
    酉島 野乃aa1163hero001
    英雄|10才|男性|ドレ
  • 共に歩みだす
    魂置 薙aa1688
    機械|18才|男性|生命
  • 温もりはそばに
    エル・ル・アヴィシニアaa1688hero001
    英雄|25才|女性|ドレ
  • その背に【暁】を刻みて
    東江 刀護aa3503
    機械|29才|男性|攻撃
  • 優しい剣士
    双樹 辰美aa3503hero001
    英雄|17才|女性|ブレ
  • 新米勇者
    葛城 巴aa4976
    人間|25才|女性|生命
  • 食いしん坊な新米僧侶
    レオンaa4976hero001
    英雄|15才|男性|バト
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