本部

広告塔の少女~アンニュイを吹き飛ばせ~

鳴海

形態
シリーズ(新規)
難易度
普通
オプション
参加費
1,300
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
9人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
4日
完成日
2017/07/10 11:58

掲示板

オープニング

● 本州は梅雨入りです。

 雨、あめ、アメ、あめ。何度つぶやいてみても窓の向こうの季節は変わらない。
 しとしとか、ジャージャーかの違いくらいで、ここ最近のずっとの雨に、遙華のテンションはダダ下がりである。
「露は辛いわ、髪の毛がクルンッてしちゃうし、書類は締めっぽいし、何より低気圧で朝が辛い」
 さすがのインドア遙華も辛いくらいに連日の雨。書類整理の合間にため息をついては窓を見あげるという工程が板についてきた。
 早いところ梅雨を脱してくれないと遙華の頭にキノコが生えてしまうだろう。
 それほどまでに浮かない顔を遙華はしている。
「ガデンツァが喜びそうな季節よね」
「だめよ遙華。軽々しくその名前を口にしちゃ。けがらわしいわ。潮まいておきましょう」
 カクテルグラスの淵に塩を盛る練習をしていたロクト。
 その傍らの小瓶をふって塩を取り出しあたりにまいた。
「そうじが大変だからやめてほしいのだけど」
「大丈夫よ、私がやるから」
 ロクトはロクトで暇らしい。今日は遙華の書類をチェックするだけの業務で、仕事場にいろいろと遊び道具を持ちこんでいた。
 ハンドスピナーとか、セグウェイとか。
「気が散るから別のところでやってほしいのだけど……」
「私は遙華の書類が出来上がったら忙しくなる予定なの、遙華が書類を早く仕上げてくれればとっとと退散するのよ?」
 再びため息をつく遙華。
 なんだか会話も重々しい。
 これが低気圧の力なのか。
 そんな中である。突如そんな低気圧も梅雨の憂うつも吹き飛ばすような事件が起きた。
 いや、もはや事故というべきだろうか。
 扉が突如開け放たれる。次いで聞こえたのはギターをかき鳴らす音。
 そして入室した赤原 光夜は謳うような高音を部屋中に響かせ告げる。
「おう! 西大寺嬢、しけた面してんな! 脳みそにカビでも生えちまったのか?」
「あなたは、本当にいつでも元気なのね。うらやましいわ」
 遙華が告げると、光夜はジャカジャカジャカジャカジャカとギターをかき鳴らして、満足げにため息を漏らすと、相棒を机の上に置いた。
「仕事の依頼だ」
「あの、いつも受付を通すように言ってるじゃない。何でいつも唐突にやってくるの?」
「まぁ、私が気軽に来てくださいって言ってるからよね」
「ロクトのせいだったのね……」
 あっけらかんとつぶやくロクトに、額を抑えてつぶやく遙華。
「いいじゃねぇか、それにこの湿っぽい空気を吹っ飛ばすような企画を考えてきてやったんだぜ」
「次は何をどうしようっていうの? 南国の島にでも逃げるつもり?」
「いや、生放送する」
「うーん、それがいったいどう梅雨を吹き飛ばすことになるの?」
「サマーフェスの前哨戦だからだな」
「サマーフェス?」
「俺が主催の一人を務めるサマーフェスにリンカーを招待する、ただ枠が限られてるもんで、オーディションをする、そのオーディション風景を生放送する」
「ふーん、それは面白いかも」
 遙華はそこで身を起こした。
「詳しく話を詰めましょうか」


● レッツ・オーディション!
 
 サマーフェスとは、夏によくやっている野外イベントです。 
 現在アーティストが五十組確定している段階で、まだまだ飛び入り参加枠が余っている状態。
 その飛び入り参加枠にリンカーたちを招待しようというのがこの企画。
 ちなみにジャンルは不問。ただし歌える楽曲が三曲以上ないといけないです。
 ただ『グロリア社名義』『赤原 光夜名義』『ECCO名義』で一度でも触れたことがある楽曲は歌っても良いこととします。
 さらに、チームでの参加もあり。
 一曲しか持ち曲が無いリンカーでも、三人集まれば三曲です。
 チームで参加される場合はチーム名を決めておいてください。
 
 では前置きはこのあたりにして、オーディション手順について説明します。
 先ず評価基準の説明から。
・ 歌唱力
 純粋な歌のうまさ、歌詞や、歌い方。視線運びで会ったり、歌の世界を表現できる力もこの中に含まれます。
 大切に一曲一曲歌いあげるとよいでしょう。
・ トーク力
 歌や演出の合間にトークをすることはあるでしょう、ずっと音楽ばかり聞いていると疲れるものです。ここで箸休め的にちょっとしたいい話、リンカーならではの話などなど、一般人の気を引ける話ができるとよいでしょう。

・ 演奏力
 これはボーカルを覗いたメンバーの演奏のうまさであったり、曲の合間感想部分でのソロの演出方法などが該当します。
 あえて演奏力を見せ積めるために、インストゥルメンタルを作ってみるなどありでしょう。

・ 演出力
 演奏以外の部分でお客を楽しませる場合こちらです。
 あらかじめ作成した演出。AGWを使ったエフェクト。曲の構成などなど。
 一番手が加えやすい部分だけに判定もちょっと厳しめです。

・ 模擬戦力 
 リンカーと言えば戦闘です。光夜は生の戦闘がどうしても見たいらしくそれはお客にも受ける! と豪語していて、急きょ設けられた判断基準です。
 リンカーが二組以上いる必要がありますが、歌の最中に戦闘を始めると其れも評価基準となるようです。
 積極的に狙ってみてください。

 上記の要素の中で二つ以上高得点である必要があります。
 要は御客を楽しませられるパフォーマンスができるかどうかの判定になります。 逆に二つの要素で強みを見せられればいいので、他の三つを切り捨てても良いです。

 最後に、皆さんを含めて応募総数は200ほど。
 それに対して枠の数は……明かされていません。
 光夜はよいものは何が何でもねじ込みたい主義らしく、一定のラインを超えたアーティスト、グループは参加枠を勝ち取れるようです。
 しかしそのラインはとてつもなく高いということも申し上げておきましょう。
 ちなみにこの試験今回一回きりではなく、追加募集をかける可能性もあるらしいです。
 落ちてしまった人は追加募集を狙いましょう。





 

解説

目標 サマーフェス参加枠を勝ち取る。

 内容をまとめます。
 参加資格は持ち曲三曲以上。
 以前シナリオで触れたことのある曲で『グロリア社名義』『赤原 光夜名義』『ECCO名義』であれば使用許可が下りている。
 チーム、あるいは個人で……
・ 歌唱力
・ トーク力
・ 演奏力
・ 演出力
・ 模擬戦力
 について考え、ひとつのステージを完成させた状態でオーディションに臨むこと。

 ちなみに、ディスペアはすでに参加することが確定しているようです。
 
● ライブ会場種類
 サマーフェスと言えばライブ会場が複数あるのも魅力の一つでしょう。
 会場によって演出の仕方が変わってくるかと思うので光夜は審査のために、実際に使うライブ会場と似た雰囲気の会場を三つ抑えました。どのステージで審査に臨むか選択してください。
1 屋外ステージ
 天井もない照りつける太陽の下お客の声を全身に浴びて謳うステージです。
 映像を映し出せるスクリーンが中央に一枚しかありませんが。ステージ幅が100メートル程度あるので、派手な演出をしやすいでしょうか。
 
2 ライブハウス風会場
 観客動員数が一番低いのですが、豊富なライトエフェクト、前方左右に備え付けられたモニター、高級な音響設備で、聞かせる音楽に関してはもってこいの場所です。
 ステージがバンドメンバー五人乗るとぴったりくらいの大きさなので、派手に暴れるのには向きません。


3 コンサートホール風会場
 会場の大きさは屋外ステージとライブハウス風会場の中間程度ですが、一番の特徴はお客さんが座って音楽を聴ける屋内であることです。
 また。生の音が響くことに気を使って作られているので、ピアノやヴァイオリンと言った電子を介さない音であればこちらの会場が一番強いです。

リプレイ

プロローグ

「杏樹、ナイチンゲール! 今日はよろしくね! アタシもオーディション合格できるように一生懸命頑張るから」
 舞台袖、オーディションが始まる少し前。『ルナ(aa3447hero001)』が飛び切りの衣装を着て二人にそう告げた。
「うん! よろしくなの。それに杏樹ナイチンゲールさんと、前から、共演してみたかったの、よろしくね」
『泉 杏樹(aa0045)』が告げると『ナイチンゲール(aa4840)』がその言葉にうなづいた。『墓場鳥(aa4840hero001)』がスコアを手渡す。
「緊張する!」
 ルナは不安なようなわくわくするような複雑な表情を『世良 杏奈(aa3447)』に向けた、すると杏奈は優しげに告げる。
「きっと大丈夫、皆がそれぞれ出来る事をやればいいだけよ」
「世良様もよろしくお願い致します」
『榊 守(aa0045hero001)』
 ただ、その空気についていけない男子が一人『八朔 カゲリ(aa0098)』かれは手持無沙汰そうに『ナラカ(aa0098hero001)』があっちへ行ったりこっちへ行ったりしている。
 それでもナラカがやりたいのならば、そう思って手伝うつもりでいたのだが。悲しいことに、素人にできることはなかった。
 終いには。
「おお、覚者よ。そこで休んでいてもいいぞ」
 ナラカに暗に邪魔だと言われる始末。
 障害物になっているのもつまらないので、ナラカと共鳴して、特等席でライブを見据えることにする。
 そして準備が整った。トップバッターは『がーでぃあんず』である。『イリス・レイバルド(aa0124)』はこっそりと、審査員席の赤原を見つめた。
『アイリス(aa0124hero001)』はそんな彼女のいい感じに力が抜けた背中を見て不思議に思う。
「いつもと比べて抵抗が少ないね」
「ディスペア……いい加減接触する機会はほしいしね」
 ん? と一瞬首をひねるアイリスだったが、ああそう言うことかと全てを理解した。
「ルネさんの生まれ変わり、だけならば胡散臭いで済ませられたかもしれないが」
「別の愚神との繋がりが見えた今では楽観視はできないよね」
 次いでトップバッターである彼女たちの名前が呼ばれる。
 イリスは天使の翼を振り乱し。アイリスは透明な妖精の翼をはためかせてステージ上へと踊りでる。
「サマーフェス……カナタをもっと広めるためにも出場しなくては」
『卸 蘿蔔(aa0405)』はマイクを手に腕まで覆うグローブの裾を手繰りあげた。
『レオンハルト(aa0405hero001)』はそんな蘿蔔に視線を向けると、蘿蔔の肩を叩いて審査員席を指さす。
 遙華が小さく手を振っていた。
 少女たちは皆彼女の小さなエールに手を振りかえす。
 

● がーでぃあんず
 暗がりを切り裂くように二つのスポットライトが灯る。照らし出されたのは。
『小詩 いのり(aa1420)』と『蔵李・澄香(aa0010)』
 当然二人は『セバス=チャン(aa1420hero001)』『クラリス・ミカ(aa0010hero001)』と共鳴済み。
「「がーでぃあんず!」」
 二人の声が重なると、コンサートホールに色とりどりの光が走り、次々と少女たちが飛び出した。
 上段と下段で入り乱れて、いのりと澄香が中央に歩み寄る。
「初めまして! 世界の平和を歌と勇気と武力で護る。リンカーアイドルユニット、平仮名で『がーでぃあんず』です」
 澄香が告げるとブルームフレアを打ち上げる、それは色とりどりの光となってさく裂、周囲に舞い散った。
 その背後にホログラフィックで映し出されたのは天使の羽根の生えた盾が描かれた紋章。
 同じマークを刻まれた腕章を全員が身に着けており、それを見せつけるように全員で決めたポーズは、その手のアピールが好きそうな光夜に対して好感触だったようだ。
「「よろしくお願いします」」
 そう声をそろえた少女たちの気合に、光夜はおおっとつぶやいていた。
 その光一つ一つからエンジェルスビットが姿を見せて。周囲を舞う。
 背後のモニターに映像が投影されイントロが流れ出した。
「それじゃあ一曲目! 私といのりが夏を連れて来るよ」
「がーでぃあんず・れっつ!」
「ヤフー!」「エンジョイ!」「ごー」「パーリィ」
 ばらばらである、固まる澄香。
 ナラカは目をしろくろさせながら、澄香の悲しそうな視線を受けて「応っ!」とつぶやいた。
「統一してなかった!」
 いのりが、そう苦笑いを浮かべると会場からくすくすと笑い声が上がる。
 そんな会場を澄香の放った幻想蝶が駆け巡る、兆の種類はアゲハチョウ。
 その蝶の羽ばたきに心奪われる観客たちへいのりが告げた。
「僕達の新しいうたに、培ってきた技術や、託された思いを込めたよ」
「聞いてください」

「「夏の音~Dream~」」

 いのりと澄香がステージの端まで歩みを進める。迷うように戸惑うように少女のようなしぐさを持って。
 
 
――「夏は夜」って誰かが言った
ねえ この暗闇の何がいいの?

 不安げにお互いを振り返る。

――星の光だって一人じゃ寂しい
夜を分かち合うキミが欲しい

 ビットが蝶のように舞い散る、怪しい紫の光。夏空を思わせる水色の光。
 音が並のように観客を包んだ。

――星の光が瞬く瞳
覗き込んだら ほら 夢花火
月下の宵闇にキミと二人
目覚めても続く夢を さあ ご一緒に

 まるで耳元から声が聞こえるような、そばに二人がいるような錯覚。
 笑顔が眩しい。重なるハーモニーが心地よかった。

――「ひと夏の恋」って誰かが言った
ねえ 一瞬の炎じゃ虚しくない?
夏の空気だって一人じゃ寒い
夜を分かち合うキミが欲しい

 二人が手を前にかざし、お互いの手を取ろうともがく。
 だが二人の間を夜の霞のような白が阻んだ。
 しかし、次の瞬間、月光が霞を切り裂いて、二人はステージ中央から躍り出る。
 コスチュームが変わっていた。夏らしいワンピース、二人のシンボルカラーをさし色に。グローブに包まれた指先をからませて。二人は肩を合わせて歌を……

――星の光が瞬く夜空
二人歩いたら ほら 夢の国
絶歌の宵闇にキミと二人
永遠に続く夢を さあ ご一緒に

 歓声が上がる。
 ライトエフェクトが眩い。
 間奏の合間に二人は左右に別れながら。
 メンバーを紹介していった。

「ではこの辺で、歌って踊れて戦える姉妹たちを紹介するね!」
「長女のナラカお姉ちゃん!」
 ステージ中央から月を切り裂いて現れたのはナラカ。幼いながら凛々しさを宿したその姿に会場が湧きあがる。
 豊かな銀色の髪を風になびかせ、横眼を観客席に投げた。
「次女は私こと、澄香。三女のいのり」
 二人にスポットが再び当たる。
 エンジェルスビットを魚群のように連ねて、周囲を漂わせる。
「四女は双子のイリスちゃん・アイちゃん」
 金糸の姉妹がナラカの左右から現れた。二人は翼をはためかせナラカの手を取り、舞台の上へ。
「以上、私たちの仲間……」
「ちょっと澄香! 一人忘れてる!」
「え?」
「ひどいです!」
 そう涙目で現れた最後の少女蘿蔔。
 前かがみにマイクを握って地団太を踏んでいる。
「あ……従妹、蘿蔔!」
「悪びれも無しですか! しかもいとこ!」
「さあ、次は君のドロドロソングの番だ!」
「話を聞いてください! あと、ドロドロしてません」
 曲にレオンハルトのピアノが混ざる、テンポが落ち着き、音はピアノメインの落ち着いたものへ変わっていく。
「せめてペットにしてください!」
 そんな蘿蔔の声は悲しく会場に響き。仕方なく手招きするレオンハルトへ歩み寄るすると、どうしたことだろう、蘿蔔の身に纏うドレスが学校の制服に代わっていく。
 少女然とした蘿蔔は長椅子に腰を下ろした。
「というわけで私のどりーむ&ろまん。どっぐ$ろりぽっぷ、略してドロドロな歌をお楽しみくださーい」
 さり気なくペットを諦めない蘿蔔である。
 曲名は『スノードロップ』

――心の奥で夢を見た。小さな庭は私の世界

 会場に金色の光と銀色の光が下りた。
 アイリスはその羽を鍵盤のように、ナラカはフルートの調べをそっと乗せる。
 エンジェルスビットによる音の壁が周囲を優しく包んだ。
 それと同時に蘿蔔の背後に現れた鏡。
 そこには蘿蔔とは違う蘿蔔が映りこんでいた。
 豪奢な白いドレス、花の冠の自分。
 そんな鏡の中の自分に指を伸ばすと。鏡の世界と現実がまじりあった。
 やがて生まれたのは白いドレスの蘿蔔。
 あたりに強い風が吹き。咲き乱れたのはスノードロップ。
 踊るように歩み。風船を打ち抜いていくと。会場をハートの嵐が襲った。

――花が歌い鳥がほほ笑む
祝福の雨が降り注ぎ

 その手の銃で、ナラカとアイリスをうつと。
 ナラカは王子様風の衣装に、アイリスは虹色に輝くドレスに代わる。

――白馬の王子様と共に虹の橋を渡り
水平線の彼方へ旅立つ

 夢のような時間が終わりと告げた。ゴーンとなる鐘の音でステージは暗く。
 再度ライトアップされた蘿蔔は制服姿に戻っていた。
 そんな蘿蔔の隣にはいつの間にか澄香が立っていて、肩に手を沿えると澄香はつげた。
「私達がちゃんと歌って踊れるって証明できましたか?」
 突如アップテンポに鳴り響くドラム。
「さあ、後半も頑張るよ! 次は可愛い双子の天使、更にお姉ちゃんが歌うバトルソングだぜ!」
「「レッツ、がーでぃあん!」」
 蘿蔔と二人で拳を突き上げると二人は後退。
 舞台中央に光が灯った。まるで妖精の泉のように光がそこから沸き立っている。
 次いで空を飛んで現れたのはイリスで。
 空中で二人に別れると滑空して舞台に降り立った。
 舞い踊りながら舞台の中央へ。
 曲調は反転。明るいというより少し攻撃的なほどに音が重なる。
 それにプラスして。アイリスは全身から音をほとばしらせる。お得意の妖精の羽、花びら、光の粒子での三重奏である。
 曲名はメモリア。
 主にガデンツァの楽譜をアイリスが完全に人外の領域から読み解こうと歌い狂っていたもの。
 アイリスの叩きつけるような激しいサウンドに、イリスが意味をもたらす。
―― たとえば決して、願いがかなわないとして。挙句心に歌が無いんだとしたら。
 二人は解け合う。はじかれるように別れる。
――明日を夢見る翼には、ほんの少しすら意味もないのでしょう。
 屈み合わせのように踊る。
――砕け、破片、今際言葉、全て全て、愛した場所へと。
 重なり増幅し合う。
――終わらせられなかった後悔滲ませて。
 そして。謳う。
――叫ぶよ。

 帰りたい思いを、帰れない故郷を思い、連ねられた歌と思い。記憶でしか触れ合えない人々を想う。
 失ってしまったもの、もうもとに戻らないそんなラブソング。

「なんだ、これ、吸い込まれる」
 そう茫然と赤原はつぶやいた。胸を抑え汗を浮かべる。
「心が、引っ張られる?」
「感動してる? 違う、これはもっと暴力的な」
――おい、ナラカ、何だこの歌は。
 カゲリが尖った声をナラカに向ける。
(覚者よ、見て分からないかな? 私は今とても忙しいのだが)
 イリスの歌は苛烈でそれについていくには、澄香、いのり、蘿蔔、イリス総がかりで伝授してもらったフルート演奏技術ではなかなか厳しい。一度のミスもないことが軌跡なのだが。
 それ以上にカゲリに伝えるべきことがあった。
――リンクレートが下がってる、気が付かないのか?
「な!?」
 ナラカが驚きの声を上げる。だが幸いにしてそれは曲の終わりと同時。
 カゲリの言葉に胸がざわめくナラカだが、他のメンバーにこの内容を伝える暇はない。手段もない。
 なぜなら次は。
「じゃあ、最後の曲、ナラカさんの」

「「喩え天が墜ちるとも」」
 重たくレオンハルトがかき鳴らすギターサウンド。頭を振り乱し一心不乱に蘿蔔はドラムを叩いた。
 背後のモニターに映し出されたのは燃えたぎる戦場。
 ナラカはその手に刃を構えて、マイクを握り。そして前に出た。
 直後。轟音を立てて壇上に現れるのは黄金の輝き。
 共鳴状態イリスである。
 彼女は自分と、その両手に持ったバルムンクコーラス舞台によって四重奏のハモリを聴かせる。

――願う真があるならば、ただその道を突き進め

 襲いかかるミニスミカとミニいのり。
「ぐぎゃー」「はろろーん」っとイリスに殺到するが、それをイリスは一撃のもとに吹き飛ばす。

 これは意思を肯定する曲である。
 何かを成し遂げんとする決意、諦めない心を言祝ぐ人間賛歌。

 何故なら人は誰でも、諦めなければ夢は叶うと信じているから。
 躓き、膝折れ、倒れようと、何度だとて立ち上がれ。培った足跡を信じて進むのだ。
 頭を垂れるな、面をあげよ。その先には一縷だとて必ず光があるのだから。
 故に易きに流れず胸を張るが良い――その果てにこそ、夢は至高の価値を湛えて叶うだろう。
 そしてその意志こそが勇気であり、汝にとっての正義なれば。

《正義を成すが良い――喩え天が堕ちるとも》

 倒されたミニミニーズが煙に包まれエンジェルスビットに代わる。それが連なり、翼のようにナラカの背に収まった。
 軍服に身を包んだ澄香といのりがイリスに襲いかかる。
 剣は弾き飛ばされ、その体に炎を受けようともイリスは何度でも立ち上がった。
 その姿に誰かが憧憬を覚え、自らを奮い立たせて後に続けるように言葉を並べる。
 そんな必死に謳うナラカの姿を見てカゲリは思う。
 ナラカが『アイドル』と言う光の担い手を目指したのは、そんな理由だったのだろうと。
 だから彼女は歌う、雄々しく照らし輝く陽の光が如く。

 イリスは澄香といのり、そして手勢の連携攻撃にイリスは体を打ち付けられ、その翼は輝きを失っていく。
 その隙に澄香は飛んだ。風を操り、イリスを軽々と飛び越えると回し蹴りでステージ中央に弾き飛ばした。
 二人が両側から迫る。バンカーをふり回しその重量をもってトドメを主張する。
 その時である。
 Cメロからのサビ。
 ナラカの声が一層力を増した。
 直後燃えたつナラカの体。その炎が髪を洗い。不死鳥のように立ち上るそれを裂いて現れたのは。
 大人となった姿のナラカ。
 次いでナラカが天に光を放つと、全ての霧が取り払われ。
 黄金の月がイリスを照らす。
「ああああああああ!」
 イリスの叫び声、そしてその手には月光を束ねた剣。
 その背中には黄金の翼。
 ひかりでミニミニーズを薙ぎ払いそして。光速の連撃で澄香といのりを切り払う。
 片膝をつくイリス。その肩に手を当て、ナラカは会場を見渡した。
 曲の終焉と共に拍手が巻き起こる。
 そして全員が壇上に上がると一斉にお辞儀する。
 
「「ありがとうございました!」」


● 輝き

「わあああ! すごいメンバーさんやなぁ。来てよかったなぁ」
 そう幸せそうに舞台袖から拍手を送るのは『鈴宮 夕燈(aa1480)』
 彼女は完全に観客気分である。
 だから次が彼女の出番だということを完全に忘れている模様である。
「あ、うちも出演者やった……!」
 そうマイクを受け取り壇上まで駆け上がる夕燈。
(……お、お姉ちゃんもあぐやんも居らへんし……こ、こう言うん凄い緊張してまうね……)
 名前が読み上げられる。幕が上がる。だが。
「うで! 腕わすれた!」
 そういったん舞台袖に戻る夕燈である。
「大丈夫か?」 
 光夜が声をかけるが、夕燈は拳を握りしめて告げる。
「や、ほら。頑張る、頑張るばるさんやで……」
 今回はメドレー形式で用意している。
 先ずは『日向の音 ~soleil~』
「この曲は。イリスちゃん助けよって思った時の気持ちを込めた曲……あ、本人居る……おかえりって気持ち、嬉しさ色褪せててへんから」
 そうイリスに手を振りながら、しっかり歌えそう。そうつぶやいた。
 続いて『→1step←』ふりだしと読む曲らしい。
「定期的に自信を無くす。そんな自分の事を曲に……失敗して凹んだり。進めたトコも最初に戻った見たいになってしまう、そんな意味をこめたんよ」
 そうえへへと笑って歌いだす夕燈。
「それでもまた『一歩』自信を持って動き出すー出したいーって曲!」
 続いて転調。鳴り響くのはアップテンポでパンキッシュな曲調。『P@P』という曲。
――思う侭、やりたい事。バンバンやろう! 
 色とりどりの光を浴びてて夕燈は前に。左手を前に突き出して救うようなしぐさ。
――やっちゃおう☆『しなかった』後悔よりも『やっちゃった』方がよかやん?

――1度だけの今日、一人より二人、巻き込めるくらいの勢いで! 
 汗をキラキラと巻き上げて歌い踊る夕燈。そのアーティスト魂を一心に込めて、思いよ届けと演出する。

● 偶像とは
 
 午前の部はこれで終了した。
 次はステージをかえて審査を行う。
 次に待っていたのはライブハウス風のステージ、最新技術の髄が集められている。
 そんな、限りなくホームグラウンドに近い場所で。『アル(aa1730)』そして『雅・マルシア・丹菊(aa1730hero001)』はその時をまだか、まだかと待っていた。
 ステージに明かりがともる。
 いつもツンケンした態度で接する光夜に対して、今日はアルも笑顔だ。
「僕は、命は続くってテーマでメドレーを作ってみたよ」
 白の衣装を身に纏って、喉に一瞬手を当てる。
 確かめるように声をだし、それが空へ伸びる。
 直後響いたのはアルお得意のテクノポップ。
『光の音~shine~』
 はじけるようなサウンドに合わせたダンス。筋肉で体を弾くらしい。
 まるでロボットのようにぴたりと動きを止めたかと思うと。左足を軸にターン。
 ぴったりと待って、首をかくんとそらす。まるで関節が外れたように体から力が抜けて。そしてその場にうずくまる。
 背後のモニターに、映像が映し出された。
 ただしそれはアルの目線より下の部分、口元をクローズアップした撮影手法。
「こんな季節だったな、氷の鯨の撮影したのは」
 後ろに沢山の場面が流れていく。
 消え去る前に、言葉を。彼女たちに言葉を。
『氷の鯨』
 アルはそれを謳うと共に人間らしさを取り戻していく。
 アルの前を巨大なクジラが通過していった。
「氷の鯨と対で作ったのが、鳳凰歌なんだ。別れと、秘めたる熱意。皆に届きますように。聴いてください」
 そして跳ねあがるように首をあげたアル。その瞳には情熱が灯っていた。
「ほう、アレンジ。いや、あの嬢ちゃんからすれば原曲か」
 左右の空間に出現する鳳凰と鯨。青と赤の光が会場を見たし。観客たちは配られたペンライトの色を青と赤で分けて揺らす。
 炎を纏った風と。月光を受けた波。
 ふたつの色は混ざりありそして。
――人はそう簡単に変われはしないのよ。『そう簡単に変われはしない』けれど……
 間奏。世界を音が包む。高く伸びるようなギターサウンドがはっきり存在を主張してくる。
 アルはそれにパームやハーモニクス等効果的に使用。
 ひかりの波に。音の波。さながらその空間はファンタジー世界である。
 そんな光の底にあって存在感を放つのはアル。
 彼女は語る。自分で見てきたもの。そして感じたこと。
「かつて哀しい事件があった。歌手が愚神に取り込まれ、音楽を愛する人々を襲った」
 ……彼女はセイレーン。
 幾重にも重なる声w。
「失った声を取り戻し歌い続けるボクもまた魔物、セイレーンだ。希望の丘へと人々を呼び戻す、善い魔物」
 世界は空と海が交わる地平線から。海の底へ。
 黒く黒く光を飲み込む海。殺戮の行進曲だった黒い海の物語は。

「誰かの哀しみに寄り添う歌に生まれ変わる」
 悲しげな歌声。そして今にも泣きだしそうなギターサウンド。
「『黒い海のセイレーン』そして、あの子の歌も」

――あたしの元に来て。光届かない海の底。
 その黒い海。皆底に、アルは手を差し伸べる。
 強い波の音。
 そして転調、次なる曲は『黄金色のプリンス』
 朝日のように包む声、音。

――歌声が聞こえるかい
 夢はまだ続いている
 僕と共に来て
 光届かない場所はない

 そしてアルは何かを捕まえて見せる。海の青が壁を天井を上に上に走っていく。
 高速で。音も遠ざかる、やがて取り残されたのは一人のマリオネットだった。
 いや。正しくは水晶の置物。
 アルの前身が透き通っている。
『ルネa cappella』
「歌は希望、祈り、命」
 か細い声でアルがそう鳴くと。ルネと全く同じ声で。あの日の歌を歌う。
 音はない。彼女の歌声だけ。あの日聞いた希望の音を。
 アルはこの場に再現した。
 あの時彼女はどんな思いだっただろうか。 
 アルは彼女が乗り移ってきたような気がして。涙を流す。
 けれど目元をほころばせて、心配ないよと。笑って。
 そして告げた。

「本当にありがとう…『またね』」
 ぱきん
 水晶にひびが入り砕け散って。消えた。
 アルが消えた舞台上にただ、残響が残る。

「素晴らしいじゃねぇか」
 にやりと光夜は笑った。


● 鳥月花

 続いて舞台はコンサートホールに戻り本日最後のオーディション。
 鳥を飾るのは。
『鳥月花』である。
 パーンと上がる空砲。白い煙に光が散乱して煌びやかである。
 その煙を裂いて現れたのは巫女服姿の杏樹で一曲目『君に誓う』の歌唱を務める。

――黄昏の時 戦歌を歌え
 君に誓う
 一心不乱に お助け致します

 杏樹は扇を開いて優美に舞う。袖や髪飾りが円を描くように揺れた。
 
―― 戦乙女 白き肌 紅に濡れ
 御旗を掲げ 我が道を往く

 勇ましき歌はやや低めの音程から。そのまなざしには決意が宿る。
 その曲の間奏で、ルナが暗がりから躍り出た。その手でクリスタローゼを振るい杏樹へと向き直る。

――暁の時 戦火の定め
 貴方に誓う
 身命をとし お救い致します
 
 そんな杏樹へルナが切りかかった、その手の水晶の刃が淡いピンク色の光に包まれ。その斬撃の軌跡には赤いバラの花弁のような残像が残る。
 
―― 戦巫女 白き衣 朱に染め
 御旗を掲げ 道切り開く

 しかし杏樹はその攻撃に対して反撃しない、祈る様に瞳を閉じて護りを固める。
 その白い衣が血に染まろうとも、全身から力を奪われようとも、聖旗を支えに立ち上がる。
 
――蒼穹の時 戦果を叫べ
 皆に誓う
 生きて帰ると お守り致します

 そして会場を柔らかな光が満たした、癒しの雫ケアレイン。
 観客たちがうっとりしたような声を上げる。
「皆を、守って癒す、それが、杏樹の誓い、です」
 拍手が会場を包んだ。
 膝立ちあたりを見渡す杏樹、その手をルナがとって立たせると二人は会場に向けてお辞儀をした。
 ステージ中央にスポットが灯る、そこにいたのは。饅頭化した杏奈とルナティックローズだった。
「ドーモ皆さん、ゆっくり杏奈です♪」
「同じくゆっくりルナです! ……何でアタシまでお饅頭になってる訳?」
「だって1人じゃつまんないし、流石に杏樹ちゃん達を饅頭化する訳には…やっちゃう?」
「巻き込んじゃダメー!!」
 会場が笑いに包まれる。
「じゃあ、会場もいい感じになってきたから次の曲行くよ、曲名は『1cm』
 イントロはなく、ルナのコーラスが伸びる。杏樹が淡い色のスポットライトを浴びて、皆に送るように歌声を乗せる。

「傷ついた、大切な皆へ、贈ります。1cm」

 そのスポットライトの中に榊が現れた。ただし榊は俯き座り顔は見えない。
 そんな彼の背後に杏樹は回り歌いだす。
 曲は無く、アカペラで。そっと榊の肩に杏樹は手を置くが反応ない。
 そんな彼の前に回り込み。正面を向いて杏樹は舞踊る。花開くように優美な舞。声が高らかにホール全体へと響いた。
 サビでは1cmの伴奏が流れる。プシューケーの蝶が飛び放ち。雨の様にライトが降り注ぐ。
 そして、歌を歌い終われば杏樹が榊へと手を伸ばし。その手を榊がとる。
 一つの救いが彼にもたらされた瞬間だった。
 次いで榊は闇の中へと消える。杏樹はそれを見送り振り返ると観客へ向けて微笑んだ。そして。
「今日は大切な友達を紹介するの」
 告げられて登場したのはナイチンゲール。着物、蒼いかつぎ姿の彼女はいつの間にか杏樹の背後に織、入り乱れるように舞を踊る。
 ホールに響くイントロ。そのまま二人は別たれるようにステージの両箸へ走った。
――夜霧に濡れる藤花
 小鳥達が宿って啼く
 セレナーデ

 曲名は『金糸雀小夜曲』
 ナイチンゲールが謳っている間は杏樹が舞い踊る。

――幸せになりたい
 幸せを届けたい
 蒼い鳥になれたなら
 幸せになれるかな

 告げると次いで歌いだすのは杏樹。
 かつぎを両手に持ちつつ、能の『二人静』をアップテンポにアレンジして。和風にナイチンゲールとユニゾンしつつ踊り歌う。

――夜霧と散りゆく藤花
 小鳥達は別れを泣く
 セレナーデ

 二人の旋律が重なって『和』を感じさせるリサイタル。

―― 幸せ祈ります
 幸せ守ります
 蒼い鳥になって
 貴方の幸せ……

 最後はあえて声を発さず杏樹は口だけを動かした。幸せの続きを観客が想像できる様に……。
 さらに杏樹はナイチンゲールと再び重なり。一人の様に見せ、そこで証明が全て落ちた。
 次いでライトアップされる時に壇上にいたのはナイチンゲールのみ。
 響き渡る竪琴の音。そして『一寸の精』を静かに謳い始めた。

――妖気を醸す風でいるより

 澄んだ声が響き渡る。

――陽気に薫る園舞え

 ゆっくりと目を開いたナイチンゲールは、優しく微笑みながらあたりを見渡す。

――数多の言の葉尽くすより

 踊る人も、見る人も、誰も彼もが笑顔だ。

――那由他の花誘い踊れ

 手を大きく広げる。この空間をも抱きしめようとするように。
 
――儚く蒼く瞬く白

 そのままゆっくりとその場で回り、従魔が移動していないことをこっそり確認する。青い花びらは先ほどと同じ場所で、同じように数十枚の花びらと舞っている。

――奇し幽し美し移ろいし

 直後光の色が変わった、鮮やかな緑、水色、桜色。その中でルナが蝶のように、杏樹は花弁のように舞い散る。
 二番からは音に厚みが生まれる、フルバンドによる演奏。そして解き放たれた杏樹を後ろから捕まえて、二番を謳う。
 ひとしきり歌い終えたナイチンゲールは手を振って、ルナと杏樹を舞台袖に見送った。
「ルナ、あんじゅー、ありがとう!」
 そしてナイチンゲールは一呼吸おいて頭を下げる。
「こんにちは。
 HOPEのナイチンゲールです。
 この仕事をしてると毎日珍しい出来事ばかりで……毎日歌が生まれます。
 それを皆さんにも伝えたくて今日は三曲用意しました」
 そして響くのは『遊園地』のイントロである。
「楽しんで貰えたら嬉しいです。
 宜しくお願いします」
 ナイチンゲールは壇上のピアノに歩み寄りその鍵盤に指をかける。
 ピアノの弾き語りだ。『When The Saints Go Marching In』を前後にサンプリングを挿入。
 楽しげな表情とは裏腹に、歌い終わればその頬を涙が伝った。
 続いて転調。『白花の為の輪舞曲』墓場鳥が隣に現れてヴァイオリンをかき鳴らす。

―一面は白 花の白
 夜霧よぎって まだ積もる白
 まるで誰かの為のよう
 夜霧の街に住む茜色の君を訪ねて?

 あの時は人前で歌なんて歌えない。そう弱気になっていた自分がいたが、今ではステージの上で笑顔すら浮かべていられる。
 そんな彼女の旋律に、バンドの音が徐々に厚く、熱く重なっていく。
 やがて曲が終われば大きな拍手の真ん中へ三人娘は躍り出る。
 これにて終幕。
 カーテンが三人の目の前でしまっていく。

 エピローグ

 結果として、その日オーディションとなった全員が試験に合格した。
 ただし、ナイチンゲールは送られてきた封筒に辞退の旨を伝える書面をいれ。ポストに投函した。
「……いいのか」
 墓場鳥が問いかける。
「確かめたかっただけだから」
 自分に人を楽しませる力があるのかを、そうナイチンゲールは胸のうちでつぶやいた。


結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • トップアイドル!
    蔵李 澄香aa0010
    人間|17才|女性|生命
  • 希望の音~ルネ~
    クラリス・ミカaa0010hero001
    英雄|17才|女性|ソフィ
  • 藤の華
    泉 杏樹aa0045
    人間|18才|女性|生命
  • Black coat
    榊 守aa0045hero001
    英雄|38才|男性|バト
  • 燼滅の王
    八朔 カゲリaa0098
    人間|18才|男性|攻撃
  • 神々の王を滅ぼす者
    ナラカaa0098hero001
    英雄|12才|女性|ブレ
  • 深森の歌姫
    イリス・レイバルドaa0124
    人間|6才|女性|攻撃
  • 深森の聖霊
    アイリスaa0124hero001
    英雄|8才|女性|ブレ
  • 白い死神
    卸 蘿蔔aa0405
    人間|18才|女性|命中
  • 苦労人
    レオンハルトaa0405hero001
    英雄|22才|男性|ジャ
  • トップアイドル!
    小詩 いのりaa1420
    機械|20才|女性|攻撃
  • モノプロ代表取締役
    セバス=チャンaa1420hero001
    英雄|55才|男性|バト
  • ~トワイライトツヴァイ~
    鈴宮 夕燈aa1480
    機械|18才|女性|生命



  • 銀光水晶の歌姫
    アルaa1730
    機械|13才|女性|命中
  • プロカメラマン
    雅・マルシア・丹菊aa1730hero001
    英雄|28才|?|シャド
  • 世を超える絆
    世良 杏奈aa3447
    人間|27才|女性|生命
  • 魔法少女L・ローズ
    ルナaa3447hero001
    英雄|7才|女性|ソフィ
  • 明日に希望を
    ナイチンゲールaa4840
    機械|20才|女性|攻撃
  • 【能】となる者
    墓場鳥aa4840hero001
    英雄|20才|女性|ブレ
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