本部

カメレオンと少女

月夜見カエデ

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
6人 / 4~6人
英雄
6人 / 0~6人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2017/05/09 06:37

掲示板

オープニング

 H.O.P.E.香港支部。
 依頼主はやつれた顔付きの女性だった。彼女はか弱い声音で「ロウです……」と名乗り、俯き加減に依頼の内容を口にした。
「単刀直入に言いますと、さらわれた妹のロンを救い出してほしいのです。今年で十歳になるのですが、ちょっと目を離した隙に連れ去られてしまいました。ロンがいなくなったのは九龍の街の路地裏です。ただの誘拐と思われるかもしれませんが、私はそうは思いません」
 ロウは泣き腫らした瞼をこすりながら顔を上げた。
「九龍にカメレオンが現れるという噂をご存知ですか? 最初は市場で商品やお金が盗まれるというものばかりだったのですが、最近は少女の誘拐が目立ちます。被害者の目撃情報によると、頬に龍の入れ墨をした男性が怪しいのではないかということです。最近、九龍で起こった事件のほとんどでこの男性が目撃されています」
 カメレオン――九龍で密かに有名になりつつあるヴィランだ。いや、まだヴィランと断定はできないが、恐らくそうであろう。少なくとも、愚神や従魔の類いではない。
 誘拐に関しては他にもH.O.P.E.香港支部に依頼があった。どれもカメレオンの特徴が当てはまるものが多く、九龍にエージェントが派遣されて大まかな調査が行われた。
 現在わかっているのは、カメレオンは自らの姿と周囲の景色を同化できる能力を持っていること。そして、誘拐はカメレオン一人の犯行ではないこと。
 誘拐の目的は恐らく人身売買のため。誘拐されたのは少女ばかりで、誘拐からおよそ三日で外国に輸送されている。ロウの話によると、ロンが誘拐されてから既に一日が経過しているらしい。あと二日以内に見つけなければ手遅れになってしまう。
 誘拐された少女が一時的に捕らわれていると思しき場所は、近所から犯罪者の巣窟となっているのではないかと怪しまれているアパート、市場の付近にいくつか存在する廃屋、使われなくなった倉庫。
 カメレオンを合わせて犯人は三人。ヴィランズの一員であるかどうかは定かではないが、カメレオン以外の犯人の情報はない。古龍幇との関連性も不明だ。
 この依頼に際して、カメレオンの逮捕は慎重に行わなければならない。能力で逃走される可能性もあるため、エージェント同士の連携が必要となる。
「妹が誘拐されたのは私の責任ですが、どうかロンを助けてください。ロンの他にも誘拐された少女はたくさんいます。できることなら彼女たちも助けてあげてください。よろしくお願いします」

解説

誘拐された少女を見つけ出すことが目的。
少女が一時的に捕らわれていると思しき場所は、アパート、廃屋、倉庫。
少女を誘拐したのはヴィランだと思われる。犯人の数は三人。そのうちの一人は、カメレオンのように自らの姿と周囲の景色を同化できる能力を持っている。他の二人はヴィランではない可能性もある。
少女の救出を優先。犯人は逮捕が望ましい。ヴィランの逃走に注意。

リプレイ

 三傘 光司(aa0154)は管理人から借りた地図を参照しながら倉庫の調査をしていた。
 地図を見る限り、周囲には人間が住んでいない。ひたすら倉庫が立ち並んでいるくらいで、耳鳴りがするほど閑散としている。周囲の人間への聞き込みは役立ちそうにない。
「人身売買、ねぇ」
「…………」
 光司の呟きに、松葉 いそみ(aa0154hero001)は頬を膨らませた。が、その表情は可愛らしいものではなく険悪なものだった。
「いそみ、許せない気持ちはわかるけどその顔はやめな。少なくともお前がしていいような顔じゃない。それに、これから俺たちで救うんだからいいだろ?」
 光司にも憤りはあった。か弱い少女を泣かせる犯人が許せないといういそみの気持ちも理解していた。
 だが、光司は心のどこかでこの誘拐を受け入れていた。あくまで冷静に。静やかな怒りが心の底で沸々と滾っていた。
 光司は無言でレーダーユニット「モスケール」を起動した。
 ぱっと見てもなんの反応もない。倉庫の中に誘拐された少女が隠されているのではないかと睨んでいたのだが、どうやら犯人はなかなか頭が切れるらしい。
「こんな仕事をしている以上、今回みたいな場面があるわけだ。辛ければこの手の依頼には連れていかないけど、どうする?」
「……覚悟が足りてなかっただけだよ。もう大丈夫。こんなことを二度と起こさせないために私たちがいるんだから」
「そうだな。よし、捜索を続けよう。こうしている間にも女の子たちが泣いているかもしれない」

 ニウェウス・アーラ(aa1428)はアパートの近辺で聞き込みをしていた。
「最近、何か変わったこと、ないですか? 怪しい人間を見かけたとか、自動車が頻繁に通るとか」
「うーん、特に変わったことはないかな。あのアパート、犯罪者の巣窟になっているってもっぱら噂だよ。あのアパートでは変わっていることが普通なんだ。君もあそこには近付かない方がいいよ」
「ありがとう、ございました」
 片方の手には地図、もう片方の手にはペンキが入ったバケツ。カメレオンの対策に購入したペンキだが、手がかりがなければ意味がない。大雑把な聞き込みでは埒が明かない。
 そこで、ニウェウスは直接的な聞き込みをすることにした。
「あの、この辺りで、頬に龍の入れ墨をした男性、見かけませんでしたか?」
「頬に龍の入れ墨? そうだな……あっ、そうそう。遠目に見たから龍だったかどうかは覚えてないが、頬に入れ墨のある男を見たことがあるな。市場の方から歩いてきて、あのアパートに入っていったよ」
 ニウェウスは礼を言い、アパートの前に立った。
 このアパートにカメレオンがいる可能性が高まってきた。アパートと市場を行き来しているということは、ここに住んでいるのかもしれない。
 そんなことを考えていると、警察の交通課と運送会社に連絡を取っていたストゥルトゥス(aa1428hero001)が戻ってきた。
「ストゥル、どう、だった?」
「駄目だね。これといった情報は得られなかったよ。まあ、当然といえば当然だね。日常に目を光らせている人間なんてそうそういないしね」
 確かに、その通りだ。変わっていることが普通となればなおさらだろう。
 神妙に頷くニウェウスに、ストゥルトゥスは「でも」と付け加えた。
「アパートの管理人なら何かしらの情報を握っているかもしれない。住民の行動に目を光らせていてもおかしくはないと思うよ」
「そう、だね。管理人さんに話を聞いてみる」
 そういうわけで、ニウェウスとストゥルトゥスはアパートに足を踏み入れた。
 聞き込みで得た情報の通り、アパートの治安は悪そうだった。廊下にはごみが散らかっており、足元に纏わりついて歩みの邪魔をした。なんというか、雑多なアパートだった。
 アパートの管理人に話を伺ったところ、最近の入居はないということだった。住民の大半は男性で、二、三人で住んでいるところもあるのだという。
 カメレオンと二人の犯人を特定することはできなかったが、やはりどうもこのアパートが怪しい。
「恐らく誘拐した少女たちを隠しているのはここではないだろうね。どこか人気のない場所だと思う。全く、人身売買によって得られる利益に目が眩んだか」
「ストゥル、目が怖くなってる」
「マスターも人のこと言えないくせにぃ」
「……む」
「ともあれ、もっと情報を集めましょ。確実に追い詰めるための、ね」

 久兼 征人(aa1690)は小さく溜め息を吐いた。いや、吐いたというよりは自然とこぼれたといった感じだった。
「征人、怒ってる?」
 ミーシャ(aa1690hero001) は征人の憤りを察し、怖る怖るそう尋ねた。
 感付かれないようにはしていたが、ミーシャにはばれていたみたいだ。
「……こういうのにいちいち怒ってたらきりないってわかってんだけどな。でもさ、許せねぇもんは許せねぇんだよ」
「…………」
「まあ、こんなこと言っててもしょうがないな。よし、アパートの調査だ」
 ちなみに、アパートの近辺で行った聞き込みの結果は言うまでもない。どれもあてにならない情報ばかりで、カメレオンと二人の犯人や誘拐された少女たちに繋がりそうな手がかりは得られなかった。
 そこで、征人は思いついた作戦を実行することにした。
 アパートの怪しい部屋を見つけては宅配業者を装い訪問する――簡単ではあるが、現状ではなかなか有効な作戦だ。
「荷物の受け取りに来ましたー。えっ、頼んでない? あー、サーセン、間違えました!」
 礼の弾みにペンを落とし、住民の視線を誘導。その隙にざっと部屋の中を窺う。
 目星をつけた部屋にこれを繰り返して回ったが、残念ながら頬に龍の入れ墨がある男性はいなかった。
 ただ、二人暮らしの部屋はいくつかあったため、その中に犯人が紛れ込んでいる可能性もある。とはいえ、これといった手がかりが得られていないことに変わりはない。カメレオンと少女を見つけるにはもっと情報が必要だ。
 征人はアパートの前に座り込み、見張りに徹することにした。

「カメレオンか。面白い能力を使うやつもいるもんだねぇ。さっさととっ捕まえてどんな能力なのか調べてみたいねぇ」
 飛龍アリサ(aa4226)の関心はほとんどカメレオンなるヴィランの能力に向けられていた。誘拐された少女がどうでもいいというわけではなかったが、カメレオンの能力を奪うことができたらという妄想で頭がいっぱいだった。
 黄泉(aa4226hero001)も同様で、といっても、アリサの関心とは異なるのだが、彼女の関心も少女には向けられていなかった。
「ああ、早く戦いたいですぅ♪ カメレオンだかなんだか知りませんが、死神のボクからは逃げられないのですよぉ? お前の罪を数えろなのですぅ~♪」
「オーバーキルは禁止だ。というか、殺すのも禁止だ」
「生きていればいいんですよねぇ? それなら五体不満足でも――」
「戦闘狂め。まあ、あたしも人のことは言えないんだけどねぇ」
「なんにせよ」とアリサはアパートに背中を向けて歩き出した。
 一通りアパートを調査してみたが、ここに少女を隠せそうな場所はなかった。仮に地下室があったとして、少女が泣き叫べば他の住民に怪しまれてしまう。つまり、誘拐された少女はこのアパートにはいない。犯人たちがいないとは限らないが、ひとまずアリサはいくつか候補に挙がっている廃屋を調査することにした。
 廃屋は言葉通り廃屋だった。地下室らしきものもなく、一応声をかけてみたがなんの反応もなかった。
「どうやら廃屋は外れみたいだねぇ。あてがあるとしたらアパートだ」
 廃屋の調査が徒労に終わり、アリサはげんなりしながらアパートへと舞い戻った。

 藤林 栞(aa4548)は「数か月ほど香港に滞在している日本人」を装い、アパート、廃屋、倉庫を調査していた。
 情報網がない分、調査は自らの足で行わなければならなかった。苦労はしたが、少女たちを救い出すには仕方のないことだ。
 アパートは二、三人で暮らしている部屋もあることから、直接的に犯人に繋がりそうな手がかりは得られなかった。窓から部屋の中を覗いても頬に龍の入れ墨がある男性はいなかった。
 廃屋はいくつか回ってみたが、特に生活の痕跡はなかった。カメレオンどころか誰も住んでいないようだった。
 倉庫は当たりのようだった。使われなくなっているというのに比較的新しい自動車の轍があったことから、何者かが倉庫をやましいことに使っているのは間違いなさそうだった。運ばれているのが少女だとしたら辻褄が合う。
「早く女の子たちを見つけないと。倉庫のどこかにいると思うんだけど……多分」
 人間の気配は感じられない。ただひたすら静寂な空気が漂っている。
 藤林みほ(aa4548hero001)は倉庫の扉を一つ一つ開けながら進んだ。
「とりあえず、虱潰しに当たっていくしかないでござろうな。何もなければアパートに戻るでござる」
「そうだね。待ち伏せするならアパートか倉庫かな。女の子たちを手っ取り早く見つけるには、やっぱり犯人に聞き出した方がいいよ。いずれにせよ、犯人は逮捕しなくちゃいけないしね」

「最近、この辺りは物騒だよ。君くらいの年の女の子が誘拐されているからね。君も気をつけて」
「はいっ、ありがとうございましたっ」
 ミーニャ シュヴァルツ(aa4916)は廃屋の周囲でおしゃべりという名の聞き込みをしていた。
 どうやら廃屋の周囲には誰も近寄っていないようである。市場で頬に龍の入れ墨がある男性を見たという目撃情報がちらほらあったため、カメレオンが市場周辺から少女を誘拐していることは間違いなさそうだ。
「さらわれた人たち、とっても寂しい思いしてるよね。ミーも影さんと会えなくなったら嫌だもん。早く助けて笑顔になってもらうんだよっ!」
 一方、潜伏して鷹の目で広範囲を捜索していた風魔・影丸(aa4916hero002)は倉庫で気になる動きを察知していた。
「あれは……」
 倉庫から自動車が走り去っていく。運転しているのは男性。同乗者はいない。頬に龍の入れ墨があればカメレオンと断定できるが、はっきりとは視認できない。
「子をかどわかされた親御殿の心情、いかほどのものか。かどわかしなどあってはならん。それが理不尽な理由ともなればなおさらな。無辜の子たちのため、主様の優しい心を曇らせぬため、僕は全力を尽くそう」
 影丸は怪しい自動車を追った。

 六人は連絡を取り合い、アパートの前に集合した。
 倉庫から走り出してアパートの駐車場に停まった自動車。それから降りてきたのは、頬に龍の入れ墨がある男性――カメレオンだった。彼が部屋に入るのを確認し、犯人たちの居場所を特定することに成功した。
 連携の手はずは整えてある。あとは突入すればいいだけだ。
「ちわーっす、荷物の受け取りに来ましたー」
 先陣を切ったのは征人。チャイムを鳴らし、ドアが開いた瞬間にセーフティガスを使った。
「おっと、逃がさないよ。大人しくしてな」
「動くと骨が折れますよ?」
 犯人二人が抵抗しようとしたので、一人をアリサが、もう一人を栞が取り押さえた。少しすると、犯人二人は眠りに落ちた。
 カメレオンは狼狽えていたが、案の定能力を使って自らの姿と周囲の景色を同化させた。外に逃げられたら厄介だ。
 しかし、外ではレーダーユニット「モスケール」を起動した光司が待ち構えていた。
 カメレオンの位置を正確に把握しながらファストショットで牽制。カメレオンの行き先を操作し、味方の方へと誘導する。
 一瞬動きが止まったところで、ニウェウスはカメレオンにペンキをぶちまけた。が、わずかに怯んだくらいで、能力が解除されることはなかった。
「駄目、みたい。もう一度動きを止めて、能力、解除させないと」
「そっちに行ったぞ! あとは任せた!」
 カメレオンが逃げた先は、ミーニャが潜伏している場所だった。
「逃がすわけにはいかないにゃ。悪いけど動きを封じさせてもらうにゃん!」
 縫止によってカメレオンの行動は封じられた。
 あとは能力を解除させてしまえばいかようにも料理できる。視界に映せればカメレオンではなくなる。ただの人間と同じだ。
 ニウェウスは見えないカメレオンに幻想蝶を撃ち込んだ。
 すると、見る見るうちに頬に龍の入れ墨がある男性の姿が露わになっていった。カメレオンは力なく抵抗を試みたが、もはやそれは叶わなかった。
「身体に力が入らねぇ……くそっ、離しやがれ……」
 能力を解除したカメレオンの両手を縛り、犯人の逮捕は完了した。
 カメレオンはペンキまみれ、眠った二人はよだれを垂らしたまま警察に引き渡された。なんとも滑稽な最後だった。

 警察に連行された後、カメレオンは誘拐した少女たちの居場所を吐いた。
 誘拐された少女たちは倉庫の地下に隠されていた。空腹で泣きじゃくっている少女もいたが、皆無傷だった。その中にはちゃんと依頼主――ロウの妹であるロンもいた。
 少女たちは無事家族の元に帰り、ロウとロンは涙を流しながら抱き合った。
「皆さん、ありがとうございました……! このご恩は忘れません……! さあ、帰りましょうか、ロン?」
「うん……お兄ちゃん、お姉ちゃん、助けてくれてありがとう」
 ロウは妹の手を引き、ロンは泣き腫らした瞼をこすりながら帰っていった。
 二人の後ろ姿を眺めつつ、光司は安堵とも疲労ともつかぬ溜め息を漏らした。
「一件落着だな。なあ、いそみ?」
「うん。よかったよかった。犯人も逮捕できたし、女の子たちも無事だったし、すっきりしたよ」
「ご機嫌だな。まあ、これで当分はこの街で誘拐が起きることはないだろうな」
 ニウェウスは思わず微笑んだ。が、ストゥルトゥスが意地悪く口角を上げて慌てて表情を戻した。
「マスター、嬉しそうねぇ?」
「……ストゥルは、嬉しくないの?」
「嬉しいよ。まあ、当然の結果といえばそうだね。天網恢恢疎にして漏らさず、って言うしね」
「何、それ」
「今回の件がいい例だよ」
 隣でニウェウスとストゥルトゥスの会話を盗み聞き、征人は瞼を閉じた。
「天網恢恢疎にして漏らさず、か。確かに、その通りかもな。いくらカメレオンでも例外じゃないってことだ」
 最初から心配していなかったという素振りを見せる征人に、ミーシャはわずかに頬を弛緩させた。
「なんだよ、ミーシャ?」
「征人も嬉しそう」
「……そりゃそうだろ。苦労した甲斐があった」
 喜びの雰囲気とは裏腹に神妙な顔付きをしていたのはアリサ。彼女はカメレオンの能力に興味津々だった。
「衣服も周囲の景色と同化していたし、ペンキをぶちまけても能力が解除されなかったし、恐らく身につけたものも同化の能力の範囲内だったんだろうねぇ。この能力を奪えたらどんなにいいことか。黄泉もそう思うだろう?」
「えっ、ボクは戦えたらそれでいいのですよぉ?」
「……そうだったな。きみが戦闘狂なのを忘れていた」
 それぞれ和やかなやり取りを横目に、栞はほっと胸を撫で下ろした。それとは対照的に、みほは渋い表情をしていた。
「さすがに香港は専門外だから勝手が悪かったけど、ちゃんと依頼を解決できてよかったね。犯人と女の子たちが見つからなかったらどうしようかと思ったよ」
「確かに、香港では通用しない忍術もあったでござるな。もっと精進せねば」
 ミーニャは満足に笑った。
「皆、笑顔になってくれたね。これで寂しい思いをする人はいなくなったんだよ。ねぇ、影さん?」
「うむ。これも主が子たちのために尽力したおかげであろう」
「うんっ。ミーたちもそろそろ帰ろっか。ミーもお腹が空いたんだよ」
 気付けば夕日が香港の街を赤く染め上げていた。
 夜になれば、少女たちは家族と一緒に食卓を囲むことだろう。そして、満腹になったら、安心感からすぐに眠ってしまうことだろう。ベッドで眠れる幸せを噛みしめながら。
 心なしか、街は活気を取り戻していた。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • シャークハンター
    三傘 光司aa0154
    人間|21才|男性|命中
  • トーチャー
    松葉 いそみaa0154hero001
    英雄|12才|女性|ジャ
  • カフカスの『知』
    ニウェウス・アーラaa1428
    人間|16才|女性|攻撃
  • ストゥえもん
    ストゥルトゥスaa1428hero001
    英雄|20才|女性|ソフィ
  • 難局を覆す者
    久兼 征人aa1690
    人間|25才|男性|回避
  • 癒すための手
    ミーシャaa1690hero001
    英雄|19才|女性|バト
  • 愚者への反逆
    飛龍 アリサaa4226
    人間|26才|女性|命中
  • 解れた絆を断ち切る者
    黄泉aa4226hero001
    英雄|22才|女性|ブレ
  • サバイバルの達人
    藤林 栞aa4548
    人間|16才|女性|回避
  • エージェント
    藤林みほaa4548hero001
    英雄|19才|女性|シャド
  • おもてなし少女
    ミーニャ シュヴァルツaa4916
    獣人|10才|女性|攻撃
  • 主の守護
    風魔・影丸aa4916hero002
    英雄|25才|男性|シャド
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