本部

song of Grave

鳴海

形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
10人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
4日
完成日
2017/04/08 17:41

掲示板

オープニング



● 少女探索中
 その遺跡は音に満ちていた。壁に触れれば地の底から響くような音がなり。
 壁に触れれば壁の一部が光る。点々と染みのような光が無数に広がり真っ暗な通路に光が灯る。
「遙華……これって」
 春香は隣で怯える西大寺の令嬢に語りかける。
「テレビゲームのダンジョンみたいだね!」
「一人でテンションあがっているところ悪いけど、そんな能天気なこと言ってられないわよ」
 ここはオセアニア某所、海の真ん中にぽつりと現れた島。
 その地下に広大なダンジョンが広がっているのがわかり二人は先発隊として調査に来ていた。
「霊力の反応があるし、ダンジョンの下からうめき声が聞こえるわ。私たち二人だとデクリオ級と出会っただけで終わるんだけど?」
「大丈夫だよ、遙華の生き汚さなら、二人とも生きて帰れるって」
「それどういう意味かしら」
 こめかみに青筋を立てながら遙華は告げる。
「にしても綺麗な場所だね。動きを感知してるのかな? 歩くと一定範囲の壁が光るみたいだね」
「ええ。それ以外にもいろんな仕掛けや謎解き要素があって」
「本当にゲームみたいだね」
 春香は嬉しそうに告げる。その言葉に遙華は溜息を返した。
「まったく、私は裏方の人なのに、なんで最前線に駆り出されているのかしら」
「科学のスペシャリストだからでしょ? そしてこの子は音のスペシャリスト」
 そう春香は眠そうに座り込んでいてerisuを担ぎ上げて見せる。
「らら?」
「でも、この異世界の文化に詳しいわけじゃないから壁の文字は読めないわよ」
 二人がそう話をしている間に、大きく開けた空洞に出る、そこには巨人が通れそうなほど巨大な扉が一つあり。
 さらに中央に人一人が昇れそうな台座があった。
 それぞれ異世界の文字で何か書かれているのだが、さっぱり読めない。
「うーん、まずこの文字を解析して、それから」
 そう遙華が今後のアプローチを考え始めたころ。erisuが何かを見つけたようだ。
 扉の隙間に挟まっている紙をスッと抜き取る。
「ららら?」
 その時である。
 遺跡が震えた。まるで怒るように、轟くように無数の旋律が鳴り響き、扉の脇から小さなツボのようなものが押し出された。
 そこから膨大な霊力を感知する二人。
「不味い! ロクト」
「erisu!」
 そう春香はerisuへ走って向かう、次いでツボから黒い影が現れそして。黒い悪魔のような姿となった。
「音の墓所を荒らすのはお前たちか……」
「愚神?」
 遙華は驚きの声をあげ動きを封じようとナイフを放る。しかし。
 遙華には捕えられないようなスピードでそれを回避。
「遙華! 走って」
 次の瞬間春香がフリーガーを複製。爆炎がフロアを包む。その黒煙が晴れた時フロアに少女二人はいなかった。

● 歌の遺跡
「なんなのあの化物」
 遙華は息を切らせながらそう告げた。水を口に含みせき込みながら飲み込んでいく。
「あれを倒さないと先に進めないとか?」
「あー、ありうるわね」
「違うと思うわ」
 そう告げたのはerisu、彼女はその手の紙切れを二人に見せて告げる。
「奏でないと、開かないのよ」
 それは楽譜の様だった。
「けど、もしそうだとしたら歌を歌える人がいないと中にすら入れない?」
「でも、入り口にあんな仕掛けがあるなら中にはもっと音関連の仕掛けがあるんじゃない?」
 遙華はペットボトルを春香に手渡して考える。
「うーん、だったら、音楽に明るい人に協力を頼むしかないかもね」
「そんなリンカーいる?」
「いなければ……まぁ心当たりがあるわ」

● 登場人物 赤原 光夜
 今回『song is revived』と『song of Grave 』は連動しております。
(以後 song is revived=SR song of Grave=SG)
 こちらの登場人物は『赤原 光夜』『西大寺 遙華』です。
 さらに一度任務が始まってしまうとSRとSGメンバーは互いに連絡が取れなくなるので注意してください。

 こちらでは扉を開き続けるのを目的とし、悪魔型のケントゥリオ級愚神『デクレシェンド』との戦闘をお願いします。
 フロアは50×50SQ程度の広さ。部屋の真ん中にステージがあり、ここで歌を歌い続けている間扉が開きます。
 ちなみにこの段階で『デクレシェンド』には攻撃がききません。
 また、この扉を一度閉じてしまうとどうなるか分からないため、扉は一度もしめない方が安全です。
 歌が中断されても十秒以内に歌を再開できれば扉は開き続けるようです。
 今回は『赤原 光夜』が歌を歌ってくれますがPCの中に歌が得意なキャラクターがいれば変わるのもありでしょう。 

● 熱血ライブ
「俺を呼んだな! ついに俺の歌を戦場で響かせる時が来ってわけだな」
 そうギターをかき鳴らして飛行機の中でバカ騒ぎを始める光夜。
「でもあなた、メンバー次第では後ろに下がっててもらうから。あなたに期待してるのは、歌の始動と。謎解き協力だけ」 
 そう遙華がぶっきらぼうに告げる。
「お? いいじゃねぇかそんなつれないこと言わなくてもよ。俺はこれでも嬉しいんだぜ」
「その反応、不安が募るのよ」 
 遙華はイライラしながら告げる。
「いい、相手はレベルの高い愚神なの。あなたなんて一息で殺されちゃうかもしれない、協力を頼んでおいてなんだけど、私達の指示に従ってもらわないと困るし、勝手なことはしないでね」
 そんな何度目かもわからない遙華のお小言をきき流し、光夜バインダーを拾い上げた。
「お? バーベキュー用の道具と材料も輸送してるじゃねぇか。なぁ、良い肉だ。奮発したなぁ」
「あ、いえ。それは……。別に私は遊びだなんて、ただみんなの苦労をねぎらおうかと思って……」
「PV撮影の時に味をしめたんだな。わかるぜ」
 そう告げると遙華に光夜はバインダーを押し返す。
「まぁ、嬢ちゃんがよ。楽しくみんなでバーベキューして解散してぇってのはわかるし、それに水はささねぇって誓うさ」
 そして光夜はバインダーに挟まれていた紙を抜き取り振って見せる。
「そのためにはまず、これの買い得だ。俺なりに何かわからねぇか試してみるよ」
 そう告げて光夜は微笑んで見せた。

解説

目標 SRメンバーが脱出するまで扉を開いておく。

愚神 『デクレシェンド』について
 不定形の煙のような愚神ですが。
《基本的に、こちらの攻撃は素通りし、あちらの攻撃は普通にダメージを受けます》
 基本攻撃は肉弾戦か、魔力の刃を生成しての単体攻撃。
 さらに広範囲低火力のスキルが豊富で様々なBSを付与してきます。
 このBSは効果時間が長く、大量のBSを受けつつの戦闘が予測されるので気を付けてください。
 さらに下記は判明しているだけの情報です。これ以外のスキル効果や能力を持っていてもおかしくないでしょう。
 さらにデクレシェンドは一ラウンドに一度通常攻撃とスキル攻撃を一度ずつ行ってきます。

・ 流血の呪詛 三体選択。
 ダメージを受けた際に傷が塞がらなくなる。さらに防御力低下、効果は重複する

・ 不運の霧 自身中心範囲10SQ
 ダイスの出目を-10する効果を与える。さらにデクレシェンドの攻撃が致命的一撃になる可能性が上がる。

・ 盲目の雲 直線縦10SQ 横1SQ範囲
 命中すると、命中力、回避力が一割下がる、効果は重複する
 
 ただしSR側の展開がリンクしているので、あちら側でデクレシェンドの力を削ぐことができれば、ダメージも通るし、倒すことも可能になるでしょう。


リプレイ

プロローグ

 遺跡には歌が満ちていた。突き上げるような高音、叩きつけるようなサウンド。
 赤原光夜の歌声が扉を開いて。そして。
 愚神が顕現した。
 デクレシェンドは遺跡の奥にリンカーたちを進ませまいと全力の攻撃を仕掛けてくる。それを。
「隊長! 先に行って」
『藤咲 仁菜(aa3237)』は踵を返し愚神の前に立ちはだかる。
 強大な霊力を前に足がすくむが、探索班を振り返って微笑むだけの気力は残っていた。
「私達なら大丈夫だから」
「通信できるかは賭けだよ。無理だったら道しるべ代わりに使ってね」
 対して『蔵李・澄香(aa0010)』は幼馴染の少女へと大きな袋を投げつける。
 それをキャッチするのを見届けて『クラリス・ミカ(aa0010hero001)』がリンカーたちの背に手を振った。
「タイマーをかけておけば、攪乱にもなりますよ」
「私達でどこまで出来るか分からないけど……頑張ろう!」
 そう残ったリンカーたちに呼びかける仁菜。その手を『リオン クロフォード(aa3237hero001)』が取った。
「大丈夫。俺達だって、そう簡単にやられないよ」
 リオンはそう仁菜の頭をポンポンとなでる。
「うん、リオン一緒に行こう私だって隣に立ちたい。護りたい。だから」
 いつだって仲間の背に、守られてきた。
 でも、いつまでも背中ばかり見ていられない。その思いを胸に刻んで。二人は真正面から音の悪魔を見据えた。
「攻撃は得意じゃないけど。私達は私達に出来る事で仲間の為に道を開く」
 そう愚神から飛ばされた魔力の刃を盾でそらす。
「毎回お金使わせて悪いけど…………」
 澄香が光夜に歩み寄りながら告げる。
「いいのよ、別に」
 澄香の言葉に、遙華は影を燻らせて答えた。
「ドロップゾーン内での通信技術の確立は本当に切望するよ」
――遙華のことです。考えておりますよ。それにお金より人命です。
 クラリスが告げると遙華は咳払いする。
「ま、まぁ、グロリア社としても課題の一つだしね」
「今は無き旋律 忘れ去られた歌が集められた場所という意味か?」
『アリュー(aa0783hero001)』はそんな澄香と遙華に問いかけた。
「あるいは呪歌を封印した場所……とかかな」
『斉加 理夢琉(aa0783)』はそう首をひねる。
「まだ、わからないかな。探索班の調査待ちってところだね」
 澄香が答え壇上に上がる、そして暗記してきた譜面を元にメロディーを響かせる。
「そもそも、音関連の遺跡って時点で。そんな酔狂な愚神、あいつだけよね」
『小鳥遊・沙羅(aa1188hero001)』がため息交じりに言う。
「ガデンツァ……」
 遙華が噛みしめるように告げると『榊原・沙耶(aa1188)』は頷く。
「まぁ、こっちでやる事としては例の愚神を止めればいいのよねぇ」
 沙耶が言った。
「不死身の悪魔……。何か、う~ん。何か……親近感感じちゃうわね。不死身の悪魔」
 沙羅は壇上から降りる赤原がふらついたのでその手を取る。
「にしても、こっちが赤原さんなのね」
「ん…………だよ。わりぃかよ」
「うん、別にいいのよ。うん。宜しくね」
「てめ…………」
 独特の沙羅節がお気に召さなかったのか、青筋を立てる光夜。そんな二人の雰囲気を察して『小詩 いのり(aa1420)』が光夜の背を押した。
「赤原さんは下がっててもしかしたら守る余裕もないかもしれない」
「わかってるさ、足手まといにはなりたくねぇしな。歌が途切れないように、あんたらの勇士見守ってるぜ」
 そう光夜はいのりと拳を打ち合わせると、ギターを肩に担いで悠々と立ち去った。
「さて、貴重な情報源だ」
 そうデクレシェンドの拳を捌きながら告げたのは『アイリス(aa0124hero001)』今日はアイリス主体の共鳴なので『イリス・レイバルド(aa0124)』はアイリスの中である。
――まずは邪魔な愚神をぶち殺さなくちゃね。
「やる気に満ち溢れていて結構なことだよ。今回は私が躍らせてもらうのだがね」
 そして隣には『大門寺 杏奈(aa4314)』が並び立ち。『レミ=ウィンズ(aa4314hero002)』と手を繋ぎ、そして。
「ここは通さない」
「いきますわよ」
 
 ――リンク。

 戦場に静かに響く合言葉。
 突如戦場に満たされる霊力。
 翼のように広がる黄金色の輝き。
 響く双色の旋律。
 魔弾の射手は弾丸をその手に具現化させ。
 守りと救出を主目的とした陣が掲載される。

 その光景を『八朔 カゲリ(aa0098)』は俯瞰して見つめていた。だが『ナラカ(aa0098hero001)』の心境は少し違う。
 わずかな高揚感と相棒への期待と仲間たちの奮起を見守ろうという意思。
 今日は注目株が多かった。背を預けるに足ると思える人物も。

――ならばさて、この状況。覚者は如何するね?

 そうナラカが言葉を向けるとカゲリより先に返したのは『志賀谷 京子(aa0150)』
「うわ、ナラカさんこんな状況でも変わらないなぁ」
――当然だろう?
 ナラカがそう答えると『アリッサ ラウティオラ(aa0150hero001)』が
言葉を継ぐ。
――この程度の敵見飽きていますからね。
――さぁ、行くぞ覚者よ。澄香に単なる無愛想ではないと見せつけてやるがいい。
「お前…………」
 戦いの火ぶたが切って落とされる。


第一章 戦場

 開幕直後理夢琉が放った魔弾はデクレシェンドのシルエットを歪めるだけで素通り、後方の石碑を穿った。
「すり抜けた……魔法が通じない?」
――ダメージが通らないのならこの戦い 厳しいぞ……理夢琉!
「でもまだすべての攻撃が通用しないと決まったわけでは……」
そう『エレオノール・ベルマン(aa4712)』は遺跡外周を回るように敵を観察していた。
『トール(aa4712hero002)』と共鳴。自身の魔力を強化しつつ。銀の魔弾を放ち牽制する。
 だがその攻撃もまた素通りしてしまう、手ごたえが全くない。
 だが反撃とばかりにデクレシェンドから放たれた呪詛が。
 その呪詛を叩き落としたのは仁菜で、彼女は光夜付近まで退却する途中だった。
「藤咲さん、すみません」
「大丈夫だよ、エレオノールちゃんも、気を付けてね」
 そう告げて光夜に走り寄る仁菜。
「初めまして、藤咲 仁菜と相棒のリオンです。護衛を担当しますので、よろしくお願いします」
――赤原さんへの攻撃は俺達が全部防ぐから任せといて!
 リオンが告げると光夜は頷いた。
「それより、いま黒い塊を打ち返してたけど大丈夫か?」
「うん! ちょっと痛かったけど私達メディックだし」
――回復に専念していくか。
 そう傷つきやすそうな仲間へ優先してリジェネをかけていく。
 たとえばそう、イリスや杏奈など。
 その噂の前衛部隊と言えば。
「攻撃が当たらない!」
――本当に厄介ですわ。
 杏奈へとデクレシェンドが迫る。その拳を盾でいなし、衝撃を利用、半歩後退。その隙を使って杏奈は絆を高めていく。
「なかなか厄介な敵だね」
――こちらの攻撃も通らないようですから。ですが、わたくしたちに良い案がありますの!
 直後噴出する不運の霧。紫色のガスが視界を覆うが、輝きの盾は健在。
 さらにはその霧の魔力を反転。
 デクレシェンドの状態が揺らめいて、後ろに少し下がった。
 やはりとレミは笑みを浮かべる。
「私は戦う。この体が動く限り!」
 そう生意気に微笑む顔が腹立たしいのか、渾身の拳を杏奈へ向けるデクレシェンド。
 それをみて脇からアイリスが駆けた。
 その懐に潜り込むように身をかがめ、伸び上がるように盾を打ち出す。
 攻撃はキャンセルされる。
 しかしダメージ自体は通らない。それは霞を払う程度の効力しかなく愚神が笑った。
「危ない!」
 続いて打ち出される魔力の刃。それを杏奈が盾で防ぐと、デクレシェンドの腕に一本筋が刻まれる。
「やはりか」
 アイリスも笑った。そして二人は背を泡是お互いを守るように盾を構える。
 愚神が吠えるように周囲に呪詛を放ち。はじかれるように前へ。
 打ち出された拳をアイリスが弾き、杏奈が前に出る。
 黒い影がアイリスをつらぬこうと迫るが、それを杏奈が盾で受けた。
 するとデクレシェンドの腹部に傷が刻まれる。
――さて、普通の攻撃を無効化するなんて便利な体な事だよ。
「けれど私たちの目論見は正しかったようですね」
 リフレックス。呪いによる反射、実体のない攻撃であれば通用するのではないか。それは大正解で。
「呪いは効く……なら!」
――敵はわたくしたちの攻撃が通らないと慢心してるはず! こちらもあの愚神に蓄積して差し上げますわ!!
 レミが啖呵を切ると
――それで無敵になったつもりならその傲慢と怠慢ごと呪い殺してあげようか。
 そう告げアイリスは挑戦的にくるりと舞った。円を描くように、優美に、華やかに。
 周囲に金色の光が舞った。
 直後轟く愚神の咆哮。
――さて、愚神がお怒りのようですよ。
 アリッサがそう告げるとアルテミスに矢を番える京子。
「見逃してくれるなら、果報を寝て待つんだけどねえ。歌を子守唄代わりにしながらさ」
 そして打ち出された矢は愚神の体を素通りしてエレオノールの頭上に突き刺さった。
「わわっ!」
「ごめん!」
――無策に攻撃しても、今みたいに味方に被害が出かねませんわね。
 アリッサは冷静に告げる。
「だったら、いつもと趣向を変えてみようか」
 そう美しい長弓アルテミスを幻想蝶にしまうと、一冊の本を取り出した。
 精霊の詩と呼ばれる書物。歌声にライヴスを乗せて力を発揮するAGW。
「歌わないと言ったな、アレは嘘だ!」
――誰に言ってるんですか……。
 その歌声は大気を震わせ、不定形の攻撃としてデクレシェンドに届く。
 その脳を体を震わせ、デクレシェンドが蹲った。
――意外と効いてますね……。
「でも、こんなレアな攻撃手段みんなができるわけじゃないし」
 その時、振り向きざまに発射された魔力の刃。
 議論に夢中になっていた京子は一瞬反応が遅れたが、すかさず間に入ったのはカゲリ。その刃で魔力をそらすと、頭上を覆う石碑が砕け散る。
――よい歌だ。
 ナラカが上機嫌に告げる。
「ナラカさんがわたしの歌に興味ありそうだったからさ」
 京子はちょっとだけ気分がよくなったのか声量を増して歌を続ける。
 本人曰く中の中。特徴のない歌唱力だったが、それがナラカは気に入ったのか少し声が明るくなった。
――あいどるでびゅー。とやらも夢ではないな。
 少し照れる京子である。
「上手くはないけど歌うよ。歌の墓所を荒らしに来たんじゃない、敬意を持って過去の技巧と知識を知るために来たのだと、わからず屋に教えるためにね」
――であれば、ひとつ気になることがあります。
 アリッサは告げる。
「ツボだね。私達はちょっと攻撃手から離れるけど、カゲリさんたちはどうする?」
 カゲリは戦場を一瞥すると告げる。
「行くぞ、あの二人だけでは拮抗するのが精いっぱいだ」
 それは中央で愚神とやりあっている杏奈とアイリスを指しての言葉。
――澄香からはなるべく引きはがしておきたいからね。
 そうカゲリは愚神へと突貫する。
 すでにリンクレートは上げ終っている。
――いろいろ試させてもらうよ。
 次いでカゲリは武装をフロストウルフに変更、無理難題の塊のような敵に挑む。

第二章 血戦
 カゲリは空中で体制を立て直し着地する。血の味がする唾を吐き捨てると幻想蝶を構える。
 結論から言うと冷気も炎も通用しなかった。
 カゲリの試みは失敗に終わった
「いったん体制を立て直してください」
 理夢琉の支援攻撃が飛ぶ。
 だがそんなもの目くらましにもなりはしない。
「回復が追い付かない……」
 苦々しげにいのりは告げる。隣の沙羅も回復に回っているが手が足りていない状況だ。
 そんな状況だからこそ……と。いのりは澄香を見つめる。
「私が、護らないと」
 愚神から呪詛が澄香へ飛ぶ。直後いのりが盾になるべく前に出る。
――その意気だ。
 だが代わりに攻撃を受け止めたのはカゲリだった。
「小詩……頼みたいことがある」
「カゲリさん?」
「この世に完全無欠など存在はしない――是生滅法、不滅の存在などなく」
 そのカゲリの言葉をナラカが継いだ。
――何を以てして効かないのか。そこに絡繰りが無いはずがない。
「なら穴は必ずある筈だ」
――彼らを待っている時間も惜しい。我々側で探すこともできるだろう。
「手伝うよ、僕も気が付いたことがあれば共有する」
――ああ、そしてしばらくは護りに入れないだろう。いっそう澄香を頼むぞ。
 ナラカが告げるといのりは頷く。
「言われなくても……こちらこそ澄香を守るために、力を貸して」
――望むところだよ。
(なんで、私が聞いてる目の前でそんな話するんだろうなぁ)
 澄香は内心気恥ずかしくなっているのを抑える。
 目を瞑って、歌に集中するふりをしつつ、顔を赤らめる澄香であった。
――澄香ちゃん。お姫様みたいですね
 そんな澄香の内心を知ってかクラリスが追い打ちをかける。
(歌ってて何も言えないのをいいことに!)
 しかし歌を止めるわけにはいかないので澄香はクラリスのいじりに耐えるしかないのであった。
 直後カゲリは矢のように駆ける。武装は双剣に変更。
 ばか正直に真正面から突っ込むカゲリへ。好都合と渾身の拳をみまう愚神。
 だがそれは誘導である。カゲリは京子に視線を向けた。
 その拳を真正面から受け止める、その0.何秒の接触時間の間に。
――殴ってくるなら殴り返せます。的は小さくとも、当てるのは得意でしょう?
「おっけー! せっかくの物理無効なのに拳を固めるとは慢心したね」
 放たれた月光を束ねた矢。同時に燃え盛る双振りの剣が愚神の体を穿って。
 霧ではない。鮮血めいた霊力の塊が遺跡に降り注ぐ。
「やはりか」
 カゲリは蒸気を上げる刃から血を払うと愚神に向き直る。
 デクレシェンドは激痛に身悶え膝をつく。
「接触する時は実体化している」
 状況は依然として厳しいが、これで少なくとも反撃はできるようになった。

第三章 発覚。

 体が重くて目がかすむ。
「だから、スキル以外のBS回復手段をと…………」
「ええ、私もそう思っていたところよ」
 アイリスが立ち止まり盾を構えるとそれを足場に遙華が飛んだ。
 敵の背後を突き。そのナイフで影を射抜くが。
「ロクト直伝、陰縫い…………」
 デクレシェンドは霧となって、縫止の効果を解除する。
「あちらはBSが効かないっていうのも、すごくチートよね」
 皆表には出さないが相当なステータス低下に見舞われているはずだ。
 遙華は拳に吹き飛ばされて壁に激突する。
 そのせいで降り注ぐ瓦礫を避けながら京子は、そのツボをごつごつと叩いて見せた。
「意外と頑丈だね」
 デクレシェンドが出てきたツボである。
――……壊したら倒せないでしょうか。
「過激派アリッサだ! でも封印とかに使いそうじゃない?」
 

    *    *

――みなさん、さすがですわね。
 クラリスは感嘆交じりにそうつぶやいた。
 澄香は今のところ大きな外傷はない。それどころか敵を押し戻して、攻撃の射程圏外に置いている。
――ただ、それも、いのり、沙羅、藤咲さん達、メディックの回復が続いている間だけ。
 見ればいのりは歌を響かせている。全体回復。ケアレインである。
 ざっとみて、回復スキルの六割を使ってしまっている。
 あとどれくらい持つか。
――あと、二十分……いえ、二十五分
 だがその時である。
 デクレシェンドの動きが変わった。いや、声が変わったというべきか。
「歌ってるの?」
 いのりは遺跡全体に響く音を聞く。
 直後咆哮、愚神を中心に全方位へ放たれた刃。その飽和攻撃にリンカーたちはとっさの対処ができない。
「赤原さん!」
 身を切り裂く刃。仁菜はその刃から光夜を庇い壁に叩きつけられた。
――理夢琉! 大丈夫か。
「なかなか、便利なスキルを持ってるみたいだね」
 そう理夢琉は額から血を流しながら告げる。
「澄香!」
――いのりはそのまま戦い続けて。こちらは大丈夫です。
「今の攻撃!」
――澄香ちゃんは当たってないみたいです。ノーコンですね、あの愚神。
 クラリスは澄香の額ににじむ脂汗を無視して告げる。
――あと少し、我慢してください。
 小さく澄香は頷いた。腹部を抑える手が真っ赤に染まるのを一瞥して、また愚神へと視線を戻す。直後愚神がまた歌を響かせた。
――また、あの範囲攻撃、来ます!

《簒奪の刃》

「たとえボクがどうなったって、澄香は…………澄香だけは…………!」
 直後肩口を深々と切り裂かれるいのり。
――いのり!
「くっ!」
 だがその刃は澄香に到達する前に、カゲリが受けた。
 その手の剣でそらし損ねた斬撃が腹部をえぐり、飛び散った血が澄香の頬を彩る。 
 だが、無事。
 澄香は無事だ。
 目の前に横たわる、沙羅、いのり、カゲリのおかげで。
 駆け出しそうになる澄香。だがそれを制するようにカゲリが立ち上がる。
「ナラカ。お前。どうすると最初に問いかけたな?」
――ああ、覚者よ。うやむやになってしまったな。答えを聞こう。
 カゲリは思う。『誰かの為』と説かれた所で、理解はしても共感は出来ない。
「護るとは言わない。護らなければならないほど。弱いと。思っていない」
 妹を思う。幼くか弱い、妹。
 彼女は守らなければいけなかった。そしてこれからは守り続けていく。
 だが、それは彼女を弱いと思うためだ。
 だが澄香や京子はどうだろう。
 そうではない。自分に守られる必要はないのだ。
「理由を他人に求めるのは、それは転嫁だ。他人に背負わせているだけだ」
 そうナラカは澄香を振り返る。
「気に病む必要はない。俺達はそうしたくてそうしているだけだ。代わりに傷ついたなど。思う必要はない」
 そしてカゲリは刃を構えなおす。簒奪の刃を発してから動かなくなってしまった愚神を見据える。
「それは、お前もそうだろ? 澄香」
――ならばさて、この状況。覚者は如何するね?
「決まっている。俺に出来る事をするだけだ」
 直後、体勢を立て直したリンカーたちから反撃が巻き起こる。
 理夢琉やエレオノール、京子の遠距離射撃。
「霊力が枯渇している?」
 アイリスが戸惑いながらもその盾で顔面を打った。
「今なら」
 杏奈は駆ける、反撃とばかりに繰り出された攻撃をアイリスがいなし、受け止めた拳を杏奈が駆けあがる。だがふっと足場が消える感覚。
 愚神は霧に戻ってしまった。
「霊力を使いすぎても具現化するようだね。怒りに任せて攻撃か…………感情的なのはよいことだ。御しやすい」
 アイリスは優美に盾を構えなおし。杏奈にまかせて一時後退。澄香の元へ帰る。
 そう澄香の血に濡れた手をアイリスは取った。
「我慢しない方がいい。いのりさんを呼んでおいで」
――でも、アイちゃんもたくさん攻撃を受けて。
 一番ターゲットを取っているアイリスだ。その体は切り傷だらけで塞がっていない傷も見受けられる。
 その瞳は今は何も写しておらず。音を頼りに動いている状態。だが。
「だからこそ、少し休みたいと言ったら怒るかな?」
――…………では、お任せします。少しの間ぬけますが。
 それでも、自分の方がタフだという自身はある、傷が塞がらない澄香を放置しておくよりはましなはずだ。そう判断した。
 そして壇上を下りた澄香へいのりが飛んでやってくる。澄香の傷を見ると頭を軽くこずいて、物陰に引っ張り込んだ。
「ちょ! ばか! 何でこんなになるまで放っておいたの澄香!」
「え!? いや、だってみんないいところだったし」
「映画の途中にトイレを我慢するのとは違うんだよ!」 
「ご、ごめんいのり」
 澄香が治療を受けている間、戦況は大きく変わった。
 そもそも愚神はアイリスが嫌いなようで、アイリスを追って前身。執拗に攻撃をばらまき始めた。
 ただその分隙も大きいようで、リフレックス、実体化直後への攻撃で着実にダメージを重ねていく。
「ああ、でもこのままじゃアイちゃんが」
 慌てふためく澄香。その時である。澄香のインカムが言葉を吐いた。

「…………時。絡」

「最深部に…………」

 直後澄香がエンジェルスビットを介して通達。
「あっちからの通信だ! 最深部に到達したって。もう少しだよ。みんな!」
「よし! 頑張るぞ!」
 気合を入れ直す仁菜。
「おいおい、嬢ちゃんも傷だらけだろうが」
 そんな仁菜に光夜は苦笑いを向ける。
「とっておきがあるから大丈夫です」
 そう仁菜は赤原の手を引いてアイリスを射程圏内に捉える。
 耀く光のケアレイン。
――はい、そこでストップ。頑張ることと無茶することは違うからなー。命大事に!
「だた、今ので回復系は打ち止めだよ」
「だったら私がやるわ」
 そう沙羅がアイリスの手を引く。
「少しの間ならこの嬢ちゃんが守ってくれるよ」
 そう光夜は仁菜を横目に捉え言った。
「この子は優秀だ。任せとけよ」
「では、少しだけ任せようかな」
 アイリスはいったん壇上を下り、敵の攻撃が届かない場所まで下がる。仁菜が前に出ると、赤原が再度舞台に上った
「何があっても守ります。ですから、赤原さんは何があっても歌うのはやめないでください」
 その矢先である。歌が響いた《簒奪の刃》のモーション。
「あれは無理かもです!」
 そんな仁菜の前に躍り出たのは杏奈。
「その技は見切った!」
 杏奈はパラディオンシールド を最大展開。翼のように輝きが広がる。その直後その刃を盾で全て防ぐ。
「はあああああ!」
 全方位とはいかない、しかし光夜へ向かう刃は全て叩き落とされた。
「赤原さん 無理してませんか?」
 理夢琉が問いかけた。赤原は大丈夫と首を振って見せる。
「私赤原さんの歌覚えてきたんですよ」
 そう謳うのは光夜の代表曲『ノブレスオブリージュ』
「歌で応援したいって気持ち 素敵だと思います」
――アニメソングが好きなだけだからな……!
「あれ? アリュー、何か聞こえない?」
 その時、遺跡全体の壁が、眩い輝きを見せた。

第四章 解け合うシンフォニス

 響いたのは硬質な高音の明るい歌声、この声をいのりは知っている。
 そして直後はなったエレオノールの放った魔弾が直撃、デクレシェンドは体制を崩した。
「まさか、これって!」
 いのりは起き上がり最後のケアレインを使用。
 これが反撃の狼煙となる
「さあ、みんな! ここからはボクらの番だよ!」
 そしていのりはアイリスに駆け寄ってその手を取った
「アイリスさん、タッチ! どーんとかましちゃえ!」
「では、遠慮なくやらせてもらおう」
 直後場を満たしたのは、
「澄香さん!」
 理夢琉がここぞとばかりにデクレシェンドへ向けて駆けた。そして幻影蝶を発動。その周囲を羽ばたく蝶が愚神から感覚を奪っていく。
 それに合わせた澄香のリーサルダーク。
「さっきはよくもやってくれたわね!!」
 そして杏奈の弓攻撃。
「当たるのであれば何も怖くない。今度はあなたの番よ」
 愚神の悲鳴が轟いた。反撃としていのりめがけ繰り出される刃。
 だが。
 その刃は見えない壁に阻まれるように光を散らした。
「小さいというのは恐ろしいねぇ……気づかず見えずに侵食してくる」
 アイリスの結界エイジスによる光の盾である。
「だから私も小さく無数の盾を持つのだよ」
 それに合わせて京子とカゲリの連携。それにゲシュペンストを装備した少女も加わる。
「射線をあけてください」
 そう叫んだのは理夢琉。全員が攻撃し終わった後その手に雷の槍を構えて、そして統合する。
「あなたは誰? 何を守ろうとしているの?」
 その問いかけに咆哮を返す愚神。
――あら?
「どうしたの?」
――ツボにひびが。
 アリッサの言葉で確保してあったツボを確認する京子、確かにそのツボにはひびが入っていて、攻撃を受ける度に、そのツボの日々が大きくなっていた。
「これは?」
 直後色とりどりに遺跡が輝き始める。
「そうか、これで終りなんだね」
 そう京子は弓に矢を携えて放った。
 それが最後の一矢となり。
 デクレシェンドは霊力の霧となって霧散した。

エピローグ

「こ! これでバーベキューができるわ」
 息も絶え絶えに遙華が膝をつく。
 みんなご苦労様と労いの言葉を向けると理夢琉も隣に腰を下ろす。
「バーベキュー? 私も手伝おうか?」
――手伝ったとしても……おかしな物体を生み出しそうだからやめた方がいいと思うぞ。
「もう! アリュー!!」
 静まり返る遺跡の中。その真ん中で澄香は全体を見渡している。
「音の墓所?」
「音、何かの曲を弔っているのでしょうか?」
 クラリスが問いかけた。
「確かに、光ってたよね?」
 そう澄香は水晶のペンダントを指ではじいてみる。
 その時だった、一瞬脳裏によぎる光景。
 
 黒く染まっていく世界の中心で、苦悩に顔をゆがめ涙を流す水晶の乙女。
 それは確かにガデンツァだったが、その表情が、儚げな面影が。ガデンツァだと思わせてくれなくて。
 次の瞬間、我に返った澄香はいのりに視線を向ける。同じものを見たのだろう。
 いのりは頷いた。この戦域で音響く護石を持つものは全て、その映像を見たのだろう。あっけにとられた顔をしていた。
 今見た光景について話し合いたい、そう澄香はいのりへと歩みを進めようとした、その時。

 いのりの背後に伸び上がるように水色の物体が広がった。

 透き通るシルエット。その両手が鎌のように広がり、そして。
「させないわ!」
 沙羅が間に入る。いのりは突き飛ばされて転がった。
 代わりに両腕をつらぬかれる沙羅。
「……なぜわかった」
「アンタみたいな性悪の考えることなんて、単純だってこと!」
 あまり傷は深くないらしい。接近戦能力は低いんだなと沙羅は理解した。
「私たちを殺しに来たの?」
「ここで戦うのは分が悪い……引かせてもらおう」
 そうガデンツァは告げると、沙羅から離れる。その時である。
 その頭に饅頭のような、コロッとした物体が激突する。
 徐々に傾いでいくガデンツァの体。
 その瞬間、ガデンツァは水へと戻り、やや離れた場所で体を再構築した。

「忌々しい。この遺跡を破壊する方が先決じゃったか……まあ良い。不利な地形で戦うことがどれだけ負担になるかは身をもって知ったばかりじゃしのう。ここはお主らに譲ろう」

 そう告げてガデンツァは、水に溶けて消え去った。







幕外  水晶の歌姫。

「よかったのですか? あの遺跡を明け渡してしまって」
「収穫が無かった今となってはよくはない。が、囮や餌として使える程度の優先度であったことも事実。亡くしたものの事など。忘れたほうがよい。そうじゃ。そうしよう」
 ガデンツァは頷き頬杖をついた。実際あの遺跡を確保するために、二十人のリンカーと戦うという選択肢もあった。
 確かに勝利は確実なものだったろう。
 ただ、かつて暁という部隊全員と真っ向勝負をしたことがあったが、その時の傷を癒すのに数か月かかってしまった。
 その時は研究が何も手につかないありさまで、しかも研究所強襲を許してしまうという二次災害もでる始末。
 あと少しで研究が完成するというこの時期に侵していいリスクではなかった。 
「…………」
「納得いかぬか?」
「ええ。だってあの遺跡は」
 へたをするとガデンツァにとってアキレス腱となりかねない。菩提樹の葉。弁慶の泣き所。唯一の弱点。
「じゃから、奴らが戦っている間に仕掛けを施し、最深部には到達できんようにした」
「そうだとしても、情報は命にも代えがたい。少し敵を侮りすぎでは?」
「それはわらわもわかっておる、じゃがこの世界に顕現した、英雄とい言う存在。それに対する情報が。ないのも事実」
「ん?」
 ルネは首をひねる。
「おお、理解できんかったか? つまり、我らが持つ情報を与え。それによって解明された情報を我らが奪う。我々ではたどり着けん真実に奴らはたどり着けるかもしれん」
 それをかすめ取る。そうガデンツァは告げた。
「英雄を前のように鹵獲し、研究すれば済む話では?」
「最近のH.O.P.E.はガードが堅い」
「あなたが戦線を布告をするからです」
 ルネは一つため息をついた。
「おお、そうじゃな、じゃがおかげで楽しくなった。リンカー狩りがのう」
 そうガデンツァが視線を向ける先には三人の女性が磔にされている。
 共鳴済みの様だ、だが一様に項垂れ意識が無い。
「ふふふ、次回はうまくやる。奴らから奪い取ってやろうぞ。絶望に沈む顔がはよう、見たい」
 そして歌姫の笑い声がこだまする。







 

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • トップアイドル!
    蔵李 澄香aa0010
  • 燼滅の王
    八朔 カゲリaa0098
  • 双頭の鶇
    志賀谷 京子aa0150
  • トップアイドル!
    小詩 いのりaa1420

重体一覧

参加者

  • トップアイドル!
    蔵李 澄香aa0010
    人間|17才|女性|生命
  • 希望の音~ルネ~
    クラリス・ミカaa0010hero001
    英雄|17才|女性|ソフィ
  • 燼滅の王
    八朔 カゲリaa0098
    人間|18才|男性|攻撃
  • 神々の王を滅ぼす者
    ナラカaa0098hero001
    英雄|12才|女性|ブレ
  • 深森の歌姫
    イリス・レイバルドaa0124
    人間|6才|女性|攻撃
  • 深森の聖霊
    アイリスaa0124hero001
    英雄|8才|女性|ブレ
  • 双頭の鶇
    志賀谷 京子aa0150
    人間|18才|女性|命中
  • アストレア
    アリッサ ラウティオラaa0150hero001
    英雄|21才|女性|ジャ
  • 希望を歌うアイドル
    斉加 理夢琉aa0783
    人間|14才|女性|生命
  • 分かち合う幸せ
    アリューテュスaa0783hero001
    英雄|20才|男性|ソフィ
  • 未来へ手向ける守護の意志
    榊原・沙耶aa1188
    機械|27才|?|生命
  • 今、流行のアイドル
    小鳥遊・沙羅aa1188hero001
    英雄|15才|女性|バト
  • トップアイドル!
    小詩 いのりaa1420
    機械|20才|女性|攻撃
  • モノプロ代表取締役
    セバス=チャンaa1420hero001
    英雄|55才|男性|バト
  • その背に【暁】を刻みて
    藤咲 仁菜aa3237
    獣人|14才|女性|生命
  • 守護する“盾”
    リオン クロフォードaa3237hero001
    英雄|14才|男性|バト
  • 暗闇引き裂く閃光
    大門寺 杏奈aa4314
    機械|18才|女性|防御
  • 闇を裂く光輝
    レミ=ウィンズaa4314hero002
    英雄|16才|女性|ブレ
  • エージェント
    エレオノール・ベルマンaa4712
    人間|23才|女性|生命
  • エージェント
    トールaa4712hero002
    英雄|46才|男性|ソフィ
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