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【絶零】連動シナリオ

【絶零】戻る先は明日

電気石八生

形態
イベント
難易度
難しい
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
能力者
25人 / 1~25人
英雄
25人 / 0~25人
報酬
多め
相談期間
5日
完成日
2017/03/05 20:00

掲示板

オープニング

●命
 ウーニジェ。
 静かだった町はわずかな時間で死線と化し、人類は従魔群との激戦を繰り広げていたが、しかし。
 そしてそのすべてを今。
 愚神群の総督たる地竜が踏みにじる。
 百の鋼が凍りつく。
 千の血肉が割れ砕ける。

 万の命が。
 永遠に、失われる。

 それでも軍人は戦友だったものを足がかりに進み、従魔へ向かった。
 その背の彼方にて、震えながら明日を待つ同胞のために……彼らは己の今日を捨てる。
「突入!!」
 ヴァルリアの誘導を担うエージェントたちが、押し詰められる死のただ中へ突っ込んだ。
「レガトゥス級はHOPEが引き受けた!! だから――」
 死ぬな。そんなことを言えるはずがなかった。
 誰かを生かすために死に行く者たちへ、同じように死に行くのかもしれない者がなにを言えようか。
 だから――歯を食いしばって噛み殺した。
 共に逝くとは言えない。
 けして言わない。
 だから――
「かならず、しとめるぞ……!!」
 エージェントが天をあおぐ。
 曇天の遙か先に浮かび、今もこちらへ盲いた眼を向けているだろう機械じかけの雷神、「ライトニング・ステアウェイ」を。

●道
 先行したエージェントの精鋭たちが、決死の覚悟をもって従魔にあたり、ヴァルリアを誘導している。
 その結果を受け、はるか上空にてヴァルリアに狙いをつける攻撃衛星「ライトニング・ステアウェイ」の“照準”を合わせるのが【雷導班】の任務である。
「ライトニング・ステアウェイは“ユラン”作戦の開始と同じ時間に起動したよ。でも、発射態勢が整うまでまだ時間がかかる。しかも発射態勢が整ったら、何分かしかそれを維持できないんだ。ボクたちが衛星の都合に合わせるしかない」
 多数のエージェントで押し詰まったブリーフィングルームの隅から、【雷導班】担当オペレーターの礼元堂深澪(az0016)が告げた。
「それから衛星はただの機械だから目が悪い。分厚い雪雲もレガトゥス級のまわりに断続的に出現するドロップゾーンも見通せない。だから、衛星が攻撃目標を確認して起動できるように、レガトゥス級へマーカーを撃ち込んであげないとだめなんだ」
 最初から人類を敵と認識し、猛攻をかけてくるだろうヴァルリアへ肉迫し、マーカーを撃ち込む。
「それだけじゃないよ。マーカー撃ち込んでから最低5分間、ライトニング・ステアウェイが照準合わせて発射するまでレガトゥス級をそこに足止めしなきゃ」
 無茶な話だ。殺されるまでもなく、確実に死ねる。
 深澪はエージェントたちの代わりを務めるようにため息をついた。
「一旦解散して、ちょっと休んで。……連絡したい人がいたら、絶対ちゃんとしといてね」
 もう話せないかもしれないから。
 言外に含まれた深澪の言葉を、エージェントたちは察せずにいられなかった。
 生還の見込みは限りなく低い。
 しかし。それでも。逃げ帰る道はない。
 エージェントに選ぶことのできる道はただ一条――死線の向こうへ続く、糸のごとくの細道だけなのだった。

●明日へ
『雷導班、いい?』
「準備は」とも「覚悟は」とも言わず。深澪は戦場の後方に置かれた指揮車から、エージェントたちへ通信を投げた。
『ボクはみんなを励まさない。弱気を慰めない。勝利を約束しない。ボクにできるのはみんなに行けって言うだけ。でも、だから――ジャスティン会長の言葉、そのまま伝えるよ』
 深澪は大きく息を吸い込み、声の限りに叫んだ。
『――私が口にする言葉はいつもとなんら変わりはないっ! 諸君の全力をもって戦えっ! 友の背を守り、世界を救えっ! 誰ひとり死んではならない! 誰ひとり死なせてもならない! ひとりひとりが成すべきを成し! 明日へ還れーっ!!』
 本当にいつもと同じ、変わり映えのない指令。
 だが。
 HOPEの旗を掲げる者が、その指令を違えるわけにはいかない。
 誘導班から連絡が入った。
 後の15分弱、雷導班に托す――!
『みんなで還るよ、明日に!!』

解説

●グランドシナリオについて
 このシナリオは時鳥MSのシナリオと舞台を共有しています。
 両シナリオで共通、連携する作戦の相談や質問などは「【絶零】作戦会議室をご利用ください。

●依頼
1.59ラウンド以内にヴァルリアの体へ衛星攻撃の照準用マーカー(小型発信機)を撃ち込んでください。
2.マーカー着弾後、最低30ラウンドの間ヴァルリアと交戦、足止めしてください。

●状況
・時鳥MSのイベントシナリオの結果により、戦場や状況が変化します。
・この戦場の敵はヴァルリアのみです。

●ヴァルリア
・【絶零】特設ページを参照。

●マーカー
・マーカーはふたつ用意されています。
・形状は弾丸型(銃で発射)とナイフ型があり、選択可能(ひとつずつの選択も可)。強度が高く、基本的には破壊不可です。
・これがヴァルリアに撃ち込まれていなければ、ライトニング・ステアウェイは発射されません。
・ただ撃ち込むだけでは、マーカーはヴァルリアの装甲に食い込めません。
・ひとつめのマーカー着弾(起動)後27ラウンド以内であれば、もうひとつのマーカーを撃ち込むことで照準をそこに変更することができます(ヴァルリアの位置が大きくずれてしまった場合やヴァルリアの弱点を見つけた際、照準を指定しなおせます)。

●ライトニング・ステアウェイ
・戦闘開始から25ラウンドで発射態勢が整います。
・25ラウンド以前に撃ち込んだマーカーも有効となりますが、発射は最速で55ラウンドめです。
・ライトニング・ステアウェイ発射までにヴァルリアから最低10スクエア以上離れていなかった場合、超ダメージを受けます。
・エージェントが自分から離れると、ヴァルリアは移動再開します。

●支隊タグ
・【楔】=ヴァルリアを攻撃し、足止めする隊です。
・【針】=ヴァルリアにマーカーを撃ち込む隊です。
・【槌】=【楔】、【針】を支援する隊です。

リプレイ

●引き継ぎ
 ウーニジェの際にしつらえられた炎の門。
 それを押し破り、今。ヴァルリアが決戦場へ踏み入った。
「――雷導班、展開」
 誘導班からの言葉なき申し送りを見やり、賢木 守凪(aa2548)が24組のエージェントに指示を飛ばした。
『ふふ。我らが命運、天に座す機械神に委ねられたもうた、ですか』
 イコイ(aa2548hero002)の自嘲を含めたセリフに、守凪は顔を振り向けぬまま返した。
「命運の糸を手繰るのは糸の先を渡された人間だ。手繰り寄せるぞ、神の雷を」
 その横で通信を受けていた笹山平介(aa0342)が、守凪に続いて一同へ。
「レガトゥス級は頭部への攻撃を嫌がるそぶりを見せていたようです。狙ってみる価値は、ありますか……」
 勢いを失う平介にゼム ロバート(aa0342hero002)が問う。
『……どうした平介、腰が引けたか?』
 平介は胸の奥に靄めく不吉な予感を、かぶりを振って追い出して。
「大丈夫……大丈夫だから。ゼム、ありがとう」
 その前方には、ゆっくりと迫り来るヴァルリアを仁王立ちでにらみつける大宮 朝霞(aa0476)がいる。
「来たわね――ニック、変身よ!」
『いや、すでに変身というか共鳴はしているだろう。というか、ここでやるのか、変身ポーズ』
 半ばあきらめた表情でニクノイーサ(aa0476hero001)が訊き。
「当然よ!」
 朝霞が応える。そして。
「変身! ミラクル☆トランスフォーム!!」
 ひとりでふたり分のポーズを決めて、朝霞は白とピンクの戦闘衣をまとう“聖霊紫帝闘士ウラワンダー”へと姿を変え、前へ向かって踏み出す――瞬間。
『接近戦は無謀だ。朝霞の攻撃力で奴に傷をつけるのは無理だからな』
「じゃあ、どうするの?」
『奴の射程外から牽制攻撃、弱点を探る。奴が特に気にした箇所こそが弱点だ』
「すっごく不本意だけどしかたなく了解しておくしかないのかなって悩むところよね……」
『返事は了解で止めておいてくれないか?』
「誘導班がつけたダメージを引き継いで攻撃! 遠距離攻撃担当は射角を調整してレガトゥス級市街地に引き込んでくれ!! 近接戦闘担当はヒット&アウェイで補助する!!」
 御童 紗希(aa0339)と共鳴したカイ アルブレヒツベルガー(aa0339hero001)が、屠剣「神斬」の切っ先でヴァルリアを指した。
「取りまとめはボクが請け負います! ……とはいえ、初手は取りまとめもなにもありませんか」
 駆け出しながら、煤原 燃衣(aa2271)が苦笑を閃かせ。
『誘い、引き込み、追い立てろ。奴は殺すべき敵だ……。俺たちと奴、どちらが生き延びるかを比べ合う、な』
 ネイ=カースド(aa2271hero001)が常の無表情を獰猛な笑みに変え、赤瞳を輝かせた。
「初手で僕たちが取るべきポジションを決めます。詩乃はスキルの準備を。今回は、すぐに僕たちの力が必要になるかもしれませんから」
 そのとなりを行く黒金 蛍丸(aa2951)が、左目の奥からこの戦場を見据える詩乃(aa2951hero001)へ語りかけた。
『はい、蛍丸様。……絶対にみなさまと共に還りましょう、明日へ』
 踏み出す足へ覚悟を込める近接戦闘担当の後方で、遠距離攻撃担当は決意を込めた視線をヴァルリアへ突きつけ、狙いを定める。
『近づいたら凍る……らしいし、愚行は、無駄だし……』
 東海林聖(aa0203)の内、Le..(aa0203hero001)が言い聞かせるようにつぶやいた。
「わかってる。だから突っ込むのはひかえる……予定だぜ」
 LSR-M110のスコープをのぞき込んだ聖が、引き金に指をかけた。
 彼の魂とも言うべき剣は置いてきた。ヴァルリアを討ち、生還するために。
「喰らいやがれッ!!」
 その一射に先んじて飛んだのは、低層ビルの最上階に潜んでいたバルタサール・デル・レイ(aa4199)、彼のLSR-M110から放たれたライフル弾。
「チッ、どいつもこいつも辛気臭ぇ顔しやがって……。自己犠牲精神なんて馬鹿げたもんに踊らされてんじゃねぇぞ」
『唄われる勇者は気高き死を見せるものだよ。たとえどのような死に様を晒しても、後の誰かが美しく彩づけてくれるさ』
 紫苑(aa4199hero001)の皮肉を含めた言葉にバルタサールが返したのは。
「こんな陰気な場所で終わってやるつもりなんざ微塵もねぇよ」
 リアリストの一蹴だった。

 バルタサールの射撃を皮切りに、遠距離攻撃担当の攻撃誘導が始まった。
 分厚い結晶皮の上で矢弾が弾け、あるものは落ち、あるものは虚空へ消える。
「評判どおり硬てーな――弾着確認。ただし、ダメージは確認できず」
 双眼鏡から目を離し、木陰 黎夜(aa0061)が通信機に報告を吹き込んだ。
『焦ってもしかたないわ。入り組んだ市街地に誘い込んでからが勝負。そう割り切りましょう』
 アーテル・V・ノクス(aa0061hero001)がやわらかな声音で黎夜の心を鎮めた。
「うん。誘導班の仕事、しっかり引き継がねーと、な……」
『ええ。そして生き延びましょう』
【絆】の後方に位置し、飛盾「陰陽玉」を投じる虎噛 千颯(aa0123)もまた、同じ思いを胸に刻んでいた。
「俺ちゃんたちは回復。誰も死なせねぇ。だから今日は突っ込まねぇ」
『そう言いながら思わぬ呆けをやらかしそうで怖いのでござるが』
 白虎丸(aa0123hero001)が心底不安げにつぶやくが。
「天然にツッコまれるとダメージでかいんだぜ……」
 ヴァルリアの眼が、自らのまわりにちらつくエージェントたちを緩慢に見渡した。先ほどまで自分に取りついていたものとはちがうような気もするが……腹立たしい。
 ヴァルリアが大きく顔をのけぞらせた。
「10秒後に冷凍光線! 全員散開!」
 プレッシャーリッジシールドの影に燃衣をかばった大門寺 杏奈(aa4314)が鋭く告げた。先の威力偵察で威力は体験済みだ。その痛みの記憶がある限り、ヴァルリアの予備動作を見逃すことなどありえない。
『杏奈、わたくしたちも退避を』
 レミ=ウィンズ(aa4314hero002)の言葉にかぶりを振り、杏奈はヴァルリアへ見せつけるように盾をかざした。
「ぎりぎりまで引きつける! 一ノ瀬さん、通信は!?」
『今んとこ通じてる! 全員散開準備完了だ』
 通信機から飛び出してきたのは一ノ瀬 春翔(aa3715)のクリアな声音。
「問題は、ドロップゾーンがいつ出るかだよなぁ」
『通信がダメなら口で言えばいいんだよ!』
 アリス・レッドクイーン(aa3715hero001)の元気な声が春翔の内で鳴り響く。
「なるほどな――さァて、駆けずりまわる準備はOKか?」
『もっちろーん! 短距離走もマラソンもまっかせなさーい!』
「やったこともねぇくせに」
『じゃ、還ったら挑戦しよっか?』
 屈託のないアリスの言葉に春翔はかすかに口の端を吊り上げ。
「ああ」
 駆け出した。

 ヴァルリアの顎よりブリザード・ロアーが放たれる。
 杏奈の誘導で大通りを突き抜けた冷凍光線は、丁字路の突き当たりにあったビルを突き砕き、冷気の残滓を振りまきながらようやく消えた。
「はぁ……くそさむ……しんど……。つーか、なんだよあれ。当たんなくても死ぬだろ」
 ヴァルリアの背後に回り込んでいたツラナミ(aa1426)が、鷹の眼を通してその竜頭を見下ろし、ぼやく。
 光線の余韻を踏み散らし、移動を再開したヴァルリアの体がふと歪んだ。
『ツラナミ、ドロップゾーン』
 38(aa1426hero001)の言葉に舌打ち、ツラナミは鷹の高度を上げた。
「頭かばってるとか言ってたけどよ。ちょっと見たくらいじゃわかんねぇ。め――」
『めんどくさいは聞かない。でも……めんどくさがるのはいい』
 ――この戦場の最適解は、人であることを捨てて道具に成り仰せることだろう。でも。ツラナミに人を辞めるのはゆるさない。それがふたりの誓約だから。
「でっかい竜の見物に~♪ どらごんより強そうだねー」
 戦場の後方。カグヤ・アトラクア(aa0535)の背中にべったりしがみつき、その頭ごしにドロップゾーンから這い出すヴァルリアを見るギシャ(aa3141)が「おー」と声をあげた。
『よく聞けギシャ。でかさだけが男の価値ではな』
「寒い寒い! ここ寒いぃぃぃっ!」
 どらごん(aa3141hero001)の渋いセリフを皆まで聞かず、ギシャは剥き出しの肩を激しく震わせた。今日は全力で動く。だからあえて防寒具をつけず、もっとも動きやすい格好でのぞんでいるのだ。
「これ、頭の後ろでわめくな。わらわには観察という重要な使命があるのじゃからの」
『戦わないの?』
 クー・ナンナ(aa0535hero001)の眠たげな疑問。
 対するカグヤは神妙な顔で。
「観察者兼観測手兼護衛じゃ。きっちりと仕事はしておるぞ」
 ヴァルリアの移動に合わせて後退を開始した黛 香月(aa0790)を指す。
 香月はヴァルリアの無機質な瞳を見据え、吐き捨てた。
「人間を舐めるなよデカブツが。じきに物言わぬ骸としてやる!」
『宿敵と呼んでやるにはち物足りぬな。どれだけ図体がでかかろうと、どれほど吐く息が冷たかろうと、しょせんは獣よ』
 清姫(aa0790hero002)が言葉を添える。
 相手が獣なら狩るだけだ。この、天の雷を導く標を撃ち込んで。
 時同じくして、位置取りを後ろへ下げるべく移動し始めた繰耶 一(aa2162)は、耳から通信機を離して短いため息をついていた。
「ドロップゾーンの影響で通信が遮断。加えて吹雪に強風か。狙撃屋には厳しい戦場だ」
『なにが見えずとも、聞こえずとも。引き金を引くのは射手だ』
 彼女の内でサイサール(aa2162hero001)が静かに言った。
『射手が必中と定めた一射はかならず届く。ちがうか、ハジメ?』
「届けるさ。遺言を残すつもりも、托されるつもりもないからな」
 そのLAR-DF72「ピースメイカー」には、仲間から托された2発のマーカー弾の1発が込められている。
 と。彼女の通信機がささやかな着信音を鳴らした。
『一さん、ですか? 杏樹です。バックアップは、任せて。攻撃に、集中してください』
 泉 杏樹(aa0045)からの通信。
 一は獰猛な笑みを口の端に刻み。
「ああ。絶対に当てる。狙ったところへ、1ミリもずらさずに」

「杏樹はこのまま、一さんを、援護なの。なにがあっても、絶対絶対、守るから」
 ヴァルリアと一の間を塞いで立つ杏樹が、手の内にある藤神ノ扇を強く握り締めた。
『お嬢様、ご武運を。その他のことは、すべてわたくしが担わせていただきます』
 彼女の内に在る榊 守(aa0045hero001)が、杏樹へかしこまった一礼を送った。

●肉迫
『レガトゥス級が移動を再開した。間合をとれ』
 加賀谷 ゆら(aa0651)の内からシド(aa0651hero001)が指示を投げた。
『あんまり距離とっても意味ないんじゃないかなー? だって、私の攻撃できる距離ってレガトゥス級も攻撃できる距離だよ?』
 内なる声で言い返すゆら。
 シドは眉をしかめ、苦い声で言い聞かせる。
『目の前で攻撃されるよりはよけやすいだろう。……まったくおまえは、寒いのも体力勝負も苦手なくせに、いつまでシベリアに留まるつもりだ』
『私だってみなさんのお役に立ちたいんですー』
『死に急ぐのは、好かん』
 ゆらは薄笑み。
「死にに行くのではない。還るために行くんだ。みんなと、加賀谷家の未来のために」
 吹雪の向こうに透かし見たヴァルリアの眼を狙い、魔法の白刃を飛ばす。幸運も相まって攻撃は竜の眼を斬りつけたが、眼もまた他の装甲部と同じ水晶質であるらしく、目に見える傷はつけられなかった。
『……嫁御が家の未来を語っているぞ』
 こちらはゆらの夫である加賀谷 亮馬(aa0026)の契約英雄、Ebony Knight(aa0026hero001)。
『この戦いが終わったら俺、ゆらに新しいこたつ買ってやるんだ……』
 モード・トリスタン――青きライダースーツをまとう亮馬がそっとフラグを立てつつ。
「とはいえまさか、これを引っぱり出すことになるとはな」
 凍結した道路にアンチマテリアルライフルを据えつけ、伏射で引き金を引く。当たりはすれども、吹雪とヴァルリアのダイヤモンドミストのせいでどこに当たったのかが知れず、効果も測れない。
『対策ができておらぬ以上、迂闊な接近はすなわち死だ。ならば、慣れぬ得物でやれることを成すよりあるまいよ』
「わかってるんだよ。わかってるんだけど、な」
「亮馬、位置を変えるぞ!」
 ゆらに声をかけられた亮馬が立ち上がり、その後に続いた。
 なにがあってもゆらは守るから。そして俺も生きる。

 ゆらの置き土産のブルームフレアが、踏み下ろしたヴァルリアの足を焼いた。
「とにかく重ねるしかないよな!」
 荒木 拓海(aa1049)が、アサルトライフル「エフケリアW5」をヴァルリアの爪先に撃ち込んだ。
 グォ。ヴァルリアが苛立ったように自分の足を見る。
「まさか、効いてるのかっ?」
『誘導班もさんざん攻撃してくれたんだもの。少しはね』
 メリッサ インガルズ(aa1049hero001)が拓海を戒めた。
 戦場で真っ先に死ぬのは、浮かれた奴と全力で得物を振り回す奴だ。後者は拓海の人格形成を考えればどうにもできないから、前者を抑えるのがメリッサの仕事だ。
『距離と高さを散らして連携攻撃。それができないなら換わるからね』
「わかってる。戦友だったものを増やさない。戦友だったものに加わらない」
 ドラゴンスレイヤーに換装した拓海が、倒すべき竜目がけて走り出す。最大の力で最高の一撃を打ち込み、仲間の足がかりを作るために。
 一方、アリス(aa1651)とその内のAlice(aa1651hero001)は冷静に距離を測り、魔力を糧にかきたてた炎でヴァルリアの眼を奪う。
『データのとおりなら、魔法防御は低いそうだけど……どこまで通るかな』
『試す時間は充分あるよ。それに作戦が成功しても失敗しても、情報を持ち帰れればいい』
 アリスまたはAliceが内で交互に言葉を紡ぎ。
「零に還れ、ね。あなたとは気が合わなそう。還るなら灰燼に、だよ」
 表紙に刻まれた『全てを灰燼に』を地竜へ見せつけるように、ぱたり。極獄宝典『アルスマギカ・リ・チューン』を閉じた。

 再びヴァルリアがドロップゾーンに包まれた。
「ドロップゾーンはすぐに消える! 消えた瞬間に火力を集中!」
 杏奈が高く声をあげ、燃衣を促した。
「構えッ!!」
 ヴァルリアのドロップゾーン展開時、通信はほぼ遮断される。
 ゆえに燃衣はゴッドハンド――“鬼神業焔拳『空也』”で鎧った拳を突き上げ、そこに灯ったライヴスの炎をもって近接攻撃担当たちへ示した。
「突っ込む奴はうちの隊長に合わせろ!」
 春翔が伝令として戦場を駆け、告げる。
『ドロップゾーンの内でなにが起きているのかはわからんぞ。レガトゥス級がなにをしているのかもな』
 ネイが冷めた口調で告げる。
「だとしても。進まなければなにも掴めません。勝利も明日も、なにひとつッ!」
 ドロップゾーンが、消えた。
「!?」
 ヴァルリアが、直立していた。
 後ろ足だけで凍雪を踏みしめ、掲げた前足を、今、轟然と――
「衝撃波!!」
「♯SV!! 衝撃波ッ!!」
 杏奈の叫びに、燃衣が通信機へ声音を叩きつけた。
『ドロップゾーンを利用して溜めるって――!』
「頭悪そうなくせに小細工かましてんじゃねぇ!」
 紗希の驚愕にカイが応えながら信号弾を撃ち上げた。
 どうせあの衝撃波からは逃げられない。が、それでも身構えているのといないのとでは喰らうダメージがちがうはず。
 そしてヴァルリアの前足がアスファルトを踏み砕き。
 極冷の衝撃波が、まわりのビルごとエージェントを吹き飛ばした。

『さすがは永くを生きた古竜といったところだね……やすやすと人知を超えてくる』
 ライヴスジェットブーツで上空へと逃れていたフィアナ(aa4210)の内、ルー(aa4210hero001)が厳かに口ずさんだ。
「どれくらいの力があるのかわからないけど……きっとまだ、なにかある」
 ルーがフィアナにうなずいて。
『それを乗り越えるためには皆の力が必要だ。誰ひとり欠けさせてはいけない』
「うん」
 負傷者を探しながら、フィアナは跳ぶ。

『リオン、私たちの誓い……ちゃんと憶えてる?』
『もちろん! 【どんな状況でも守ることをあきらめない】、だろ!?』
 藤咲 仁菜(aa3237)とリオン クロフォード(aa3237hero001)が内でうなずきあう。
 救助要請の信号弾は上がっていないが、それすら撃ち上げられない状況に陥っている可能性もある。
 だから仁菜はリオンと心を合わせて戦場を駆け、仲間を探す。誓いを守るために。仲間を護るために。
「ケガしてる人がいたら俺のこと呼んで! すぐ行くから!」

「やはり砲撃は性に合わん。死闘こそが我が本懐――!」
 半ば倒壊したビルの上に立つ狒村 緋十郎(aa3678)がアンチマテリアルライフル――“対愚神用長距離砲『血虎』Blut-tiger”を収め、黒き瘴気まとう血色のヴァルキュリアを召還した。
 これまで、ビルの屋上からヴァルリアの弱点を探ってきた。しかし、目に見えるものは見つけられず、この有様だ。
『誘導班の情報に賭けるしかないわね』
 契約英雄にして妻たるレミア・ヴォルクシュタイン(aa3678hero001)の声にうなずき、緋十郎は体を大きく沈み込ませる。
 誘導班が繋いでくれた「頭部への攻撃に常ならぬ反応を見せた」との情報。
 威力偵察の際、下半身に確たる弱点を見いだせなかったという経験。
 ふたつを併せれば、おのずと狙うべき先は見える。
「頭を打つ」
 そしてヴァルリアの頭部へ、緋十郎が跳んだ。

●眼前
 緋十郎とヴァルリアの眼が合った。
「また会ったな――!!」
 ヴァルリアが牙を剥き、緋十郎を待ち受ける。
『簡単に食い殺されてあげる気とかないから。緋十郎はわかんないけどね』
「残念ながら、今日のところは俺にもない!」
 レミアに応えながら、緋十郎が地竜の顎から10メートルの距離をあけて刃を振り下ろした。スキルとマスタリーを縒り合わせ、最高の重さを乗せた衝撃波が、ヴァルリアの牙に弾けてその鼻面を横向かせる。
『これだけやってもかすり傷!? 硬――』
 怒りの声をあげかけたレミアがぞくりと背を震わせた。
 なにかが見ている。
 ヴァルリアが……そして、目の前のヴァルリアではありえないなにかが。まっすぐと。
 グオオオオオ! ヴァルリアが顔を振り、その硬い角が伸び出した頭で緋十郎を打った。
「――!」
 地に叩きつけられた緋十郎が、音にならない声をあげた。肋がまとめてへし折れ、横隔膜を押しつけて息を奪っているのだ。
 その体の上で、ヴァルリアの前足が振り上げられる。
「♯SV、衝撃波! 下がれる人は下がって! ♯PT、防御の後、チャージ敢行! 回復担当は重傷者の回復準備を!」
『距離を取れば無制御下で動かれる。多勢で攻め寄せれば衝撃波で薙ぎ払われる。殺すためには、耐えしのいで攻めるよりない』
 燃衣の指示を聞きながら、ネイが平らかに言った。
「楽に勝たせてもらえるなんて思ってませんよ」
 燃衣は激情を灯した眼でヴァルリアを見上げ、この作戦に参加している【暁】小隊各員へダイレクトコールを飛ばした。
「把握しているみなさんの現在位置はお知らせしているとおり。【暁】各員、それぞれが成すべきを成してください!」
「――緋十郎!!」
 ヴァルリアの冷気に侵されることにかまわず、リオンが緋十郎へ駆け寄った。
『緋十郎さん! 衝撃波が来る前に離れますよ!』
 仁菜がケアレイを発動させた。
「……離れる、と、奴が、動く」
『レガトゥス級の中に、レガトゥス級じゃないなにかがいる。引きずり出さなきゃ……』
「あーもー、そんなの次、次!」
 緋十郎の体を担ぎ上げ、駆け出すリオン。
 そこに蛍丸からの通信が届く。
『クロフォードさん、遮蔽物の影に隠れてください! 今からでは衝撃波に巻き込まれます!』
「了解!」
 すかさず折り重なった鉄骨の影に跳び込むリオン。
 仁菜が内からリオンをぽむぽむ叩き。
『リオン、レミアさんのお話、みんなに連絡しよ。えっと、こういうときってコードとかなかったよね?』
「伝わればいいだろ――こちらリオン! 緋十郎とレミアが、レガトゥス級の中になんか別の奴がいるっぽいって!」

「負傷者1、確保完了! あと5秒で衝撃波! みんな気をつけてね!」
 直撃を避けるために上空へ舞い上がったフィアナが通信を繋ぐ。
『このまま範囲攻撃を繰り返されては危険だな。回復が追いつかなくなる』
 ルーの言葉にフィアナはうなずき。
「早く弱点、見つけなきゃ。それにレミアが言ってた、レガトゥス級じゃないなにかってなんだろ?」
『まだわからない。ただ、頭部を攻めた彼らがそれを感じたなら、頭部にある可能性は高いがな』
 フィアナは少し考え込み、ぐっと力を込めて顔を上げた。
「こちらフィアナ。長距離攻撃担当のみんな、レガトゥス級の頭を狙ってみて! 近接担当のみんなは足止めお願い! ケガした人は私が迎えに行くから!」

 瓦礫の街に衝撃波が弾けた。
「隊長、行って!」
 燃衣をカバーリングし、衝撃とBSから守り抜いた杏奈が背中越しに促した。
「急がないと……」
 駆けていく燃衣を見送り、杏奈は凍りついた両脚に盾の縁を叩きつける。1秒でも早く拘束から抜け出る。そしてまた、守る。
『守っているばかりでは遠からず命が尽きますの。強力な攻撃が来るときには、一度離れたほうがいいですわ』
 レミに応えず、杏奈はヴァルリアをにらみつけた。
「衝撃波の範囲外まで出てしまえば、戻るまでに全速力で20秒かかる。その間にまた溜められるんじゃないかって思えば、今度は近づけなくなる。ここまで来たのは逃げるためじゃない。守り抜くためだから……繰耶さんたちがマーカーを撃ち込むまで、退かない」
 退けないじゃなく、退かないのですわね。
 レミは強くうなずき、杏奈と共にヴァルリアを見据えた。
『その不屈、わたくしも担いますわ』

『蛍丸様、霧が濃くなってきました。威力偵察のみなさんによれば、目に見える冷霧だけでなく、BSを浸透させる冷気が含まれているそうですが……』
 対抗すべく、詩乃が蛍丸の内にライヴスを張り詰めた。
「貼りついたままでいるのが危険ということは承知しています」
 蛍丸は深く吸った息を止め、ヴァルリアの足に刻まれた薄い傷へ二対の槍の片割れたる《白鷺》で斬り込み、《烏羽》を突き込んだ。黒金家初代から伝わりし、鬼を討つべく鍛えあげられた双槍。地竜相手にいかほど通じるものか――試させてもらいます。
 彼の左眼を通じて外界を見ている詩乃が上を指して言う。
『ここから逆鱗や弱点のようなものは見えません』
 上を取ろうにも、辺りの建物は衝撃波で倒壊している。自分が抜ければただでさえ薄いヴァルリア包囲網はさらに薄くなり、移動をゆるしてしまう。【針】に移動を強いれば、定めた狙いをまた一からつけなおさせることになる。
「なんかやろうってんだろ? その間、俺が埋めとくよ」
 蛍丸の背を叩き、前へ出たのは各班への中継を担っていたはずの春翔。
「一ノ瀬さん」
「何十秒も抑えてらんねぇぞ」
 春翔がヴァルリアに肉迫した。
『わ! これってびっくりどっきり、まさかの特攻ぅ!?』
 なぜかわくわくと声を上げたアリスに「んなわけねぇだろ」とツッコみ。春翔はヴァルリアの踏み下ろされた足元へライヴスの針を撃ち込んだ。
『……止まんないね?』
 悠然と歩みを進めゆくヴァルリアを見上げ、アリスが「おー、ど迫力!」。
「……あの余裕こいたツラ、ぶん殴ってやりてぇな」
『それより寒いんだけどー!』
「スイッチします! 一端離れて!」
 燃衣がイグニスで攻撃を継いだ。
『あったかい!』

【暁】メンバーの連携を繋ぎ、他の【楔】班の面々もスイッチしながらヴァルリアの抑えにかかっていた。
「【針】は狙いをつけて待ってる。ここでオレたちが踏ん張らないと、全部がダメになるんだ!」
 瓦礫の影から駆け出した拓海がドラゴンスレイヤーを大上段に振りかざし、スロートスラストを打ち込んだ。
 パギン! ヴァルリアの膝を鎧う水晶質の表皮と鋼とが甲高い激突音を響かせる。
「これもちがうか!!」
 彼が打ったのはアリスの魔法が焼いた箇所。しかし、魔法のほうがダメージを通しやすいというだけで、弱点にはなりえないようだ。
 拓海の第一の目的はヴァルリアの足止め。そして第二は弱点を見つけること。しかし、先ほどから思いつく限りの箇所に打ち込み、撃ち込んできてなお、その第二の目的は果たせずにいる。
「やっぱりしがみついて頭に――」
 焦る拓海をメリッサが鋭く叱りつけた。
『それは遠距離攻撃担当の人たちがやってくれる! 勘違いしないで。拓海がしなくちゃいけないのは“戦友だった人”にならないことでしょ! がんばってるのはわかってるよ。でも、死に急ぐんじゃなくて、生き延びることにがんばってよ!』
 拓海は霧から逃れるため、大きく後退した。
 言われなくてもわかっているのだ。生き延びなければならないことは。だが。
「絶対生き延びる。でも俺たちだけじゃなくて、みんなで生き延びるんだ!」

「止まれってんだよぉ!!」
 拓海とは逆側。か細い少女の手には似合わない巨大剣を振りかざし、カイはヴァルリアの足へ横薙ぎに打ちつけた。
 狙いは先に食い込ませておいたトライド・グロウスヴァイル。爆導索がくくりつけられた大鉈は起爆の衝撃を利してさらに深くヴァルリアをえぐろうともがいたが。
「ちっ!!」
 弾かれ、逆に屠剣を打ち据えてカイの手を痺れさせる。
『体、凍り始めてるよ!』
 紗希に注意され、鉈と索を回収してあわてて下がるカイ。
『もっと強く打ち込まなきゃ届かないってことだよね』
 分厚い皮の下の肉を断てば、いかな竜とて歩けはすまい。……それを成す力があればの話だが。
 考えろ。まだあるはずだ。ぶち込める手が、まだなんかある――
『ドロップゾーンだよ、もっと離れて!』
 ヴァルリアの冷気を包み隠すように、亜世界がにじみ出す。
 カイは屠剣の腹に身を隠し、遮蔽物へ向けて駆けた。

『また光線か衝撃波が来るかも』
 身を隠したツラナミの内、38が言う。
「あいつがなに考えてるかなんて知らねぇよ」
 鷹はすでに消えた。たっぷり観察はさせてもらったが、これと言った発見もできなかった。
『頭への攻撃は嫌みたいだけど……装甲が薄いわけじゃない。かといって厚いようにも見えなかった』
「なんかあんだろうけどな……。つかあいつ頭悪ぃくせに、ときどき頭いいんだよな」
 特に、ドロップゾーンから抜けてきた直後だ。
 と。ドロップゾーンが消えた。
 大きく開いた顎は、冷凍光線の先触れだ。
「ほんっとに来やがった」
 だるそうに言いながら、鋭い身のこなしで飛びだしたツラナミがヴァルリア目がけて跳ぶ。
「結果をご覧じろ、だぜ」
 ぱん。猫騙の手が、ヴァルリアの眼を奪った。
 そのままヴァルリアにとりついたツラナミがおもしろくもなさそうに。
「光線も衝撃も、おまえ自身には当たらないよなぁ。だったら安全圏は台風の目――おまえの真上ってわけだ」
 10秒後、冷凍光線が発射された。

 撃ち終わりを狙い、【楔】の近接攻撃担当が攻めかかる。
 それらを無視し、激しく身悶えするヴァルリア。その首筋にしがみついて光線を避けたツラナミが、冷霧に侵されて凍りつき、足元に落ちた。
『……霧のことは考えてなかったんだ?』
「実に遺憾な話だけどな」
 その上から、超重量を乗せた足裏が降り落ちる――
「ってよぉ! 俺ちゃんがさせっかよぉーっ!」
 スライディングで突っ込んできた千颯がツラナミの体をさらい、助け出した。
「さすが若いな。勢いがちがう。で、俺このまま寝ちまっていいか?」
「褒めてもらってサンキューですけどダメだって! ツラナミさんにゃー時間いっぱい働いてもらわねーと」
 先ほどヴァルリアの爪先に引っかけられてへし折れた小指の位置を元に戻し、ケアレインを降りしきらせた。
「さて、必死こいてくぜー? 時間がまだまだ有り余ってっからな」
 飛盾を手に、千颯が燃衣の代わりに包囲網を埋める。
 その内で、ふと白虎丸が。
『意気は感じるでござるが、必死だとかならず死にそうでござるな』
「俺ちゃん死なないってば! 妻も子もあるからね!」
『安心するでござる。俺が千颯をかならず生かして還す。……俺の屍を越えて行けでござる!!』
「共鳴してっから、白虎丸死んだら俺ちゃんも死んじゃうんだけど」
『ならば俺が千颯は見事に散ったと嫁御と御子に伝えるでござる!』
「いやだから、俺ちゃん死んだら白虎丸も死んじゃうからね?」
 動きを止めたヴァルリアの口内に、またもや冷気がわだかまり始めた。

●圧倒
「また冷凍光線か。意外なほどバリエーションが少ないのじゃな」
 ホットチョコレートをひとすすり、カグヤが傍らで伏射体勢を維持する香月に別のカップを勧めた。
【楔】と【槌】の働きにより、ヴァルリアの移動はごく小さな範囲に留まっている。
 が、足を止めて殴り合わなければならないだけに、その被害は到底小さなものには収まっていなかった。
『加勢に行ったほうがいいんじゃない? 怒られちゃうよ?』
 クーの言葉に、カグヤの表情がふと引き締められた。
「勝つためには【針】の死守こそが必須。いざ負けたとあれば、誰かが次に情報を繋がなければならぬ。どのみち動けぬよ。それに」
 くわっ。眼を見開いて。
「衛星攻撃楽しみじゃあああああ! どんな威力と光景を見せてくれるかうっきうきのわっくわくじゃよおおおおお!(わらわが死合いたいのは、わらわをちゃんと見てくれる相手じゃ。奴にその価値はない。少なくとも、今はの)」
『カグヤ逆ー、セリフと心の声が逆ー』
 ……ライヴスが変じた炎をその身に這わせ、香月はLSR-M110の引き金に置いた指をわずかに曲げ伸ばした。
『力が入りすぎておる。抜け』
 清姫がことさらに平らかな声音で告げた。
 張り詰めた香月の神経に障らぬよう考えてのことだということはわかる。が、この狙撃銃に込められているのはマーカー弾ひとつきり。外しても、突き立てられなくてもすべてが終わる。
 ――終わるわけにはいかない。私が私へと還るために。
 自分が生体兵器ではないことを証明するためだけに生きてきた。それを証明するまで、生きなければならない。
「……私が還る先は明日じゃない、昨日だ」
 香月の言葉に清姫は肩をすくめ、息をついた。
『行き着く先は未来ならず、過去か。はてさて。貴公もなかなかに面倒よの』
 香月は応えず、引き金から外した指で横に置かれたカップを取る。
 早くも冷め始めたホットチョコレートは痺れるほど甘く、果てなく苦かった。

 もうひとりの【針】である一は、ピースメイカーを手に移動射撃を続けていた。
「杏樹ちゃん、無事か?」
 通信機から返ってくる杏樹の声は固い。
『戦線は、今のところ、維持できてるの。でも――』
 サイサールが厳しい顔をうなずかせた。戦況は刻一刻と悪化している。
「……それだってあの日よりはましさ。私には敵を撃つ銃があって、なにより独りじゃない」
 独り言ちた一に、サイサールはただひと言を添える。
『はい』

『お嬢様、あと3歩ほど左へ。レガトゥス級と目が合ってしまっては、思わぬ傷を負いかねません』
 守の促しに、杏樹は拡げた白扇をひらり。描かれた藤の彩を戦場に示す。
「ここからどいたら、一さんに、光線、当たっちゃうから」
 それだけじゃ、ないの。
「通信、いつ切れちゃうか、わからないから」
 仲間に自分という守り手が、癒やし手がここにいることを仲間たちに示し続ける。たとえそれがヴァルリアを引き寄せることになろうとも。
 杏樹がなにかに気づいた。
 扇をピキュールダーツに換装し、駆けながら放つ。
 込められたクリアレイがツラナミを拘束と減退から解き放ち、駆ける力を取り戻させた。
 と。冷気を溜め終えたヴァルリアが杏樹を見やる。
 無機質な竜眼、そして紫と金の少女の両眼とが交錯した。
「怖がってなんかあげないの、絶対に」
 冷凍光線が、一をカバーすべく立ちはだかった杏樹を撃ち据え、その華奢な体をなぎ倒した。彼女はアスファルトの上に幾度となくこすりつけられ、弾み、転がったが、しかし。
「……倒されてなんか、あげない」
 立ち上がった。
 両眼は自らの流した血で塞がった。しかしその足は、誰かを守るために踏み出される。
『お嬢様……レガトゥス級はあちらに』
 杏樹の傷ついた体にリジェレネーションを施しながら、守は主に行くべき先を示した。

「ビルが崩れる。退避」
 光線の余波で倒壊し始めたビルの物陰から抜け出した黎夜が、まわりのエージェントに促した。
『溜め攻撃の連打。苛立っているみたいね、レガトゥス級は』
 アーテルが考え込みながら言う。
 範囲攻撃はより多くのエージェントを薙ぎ払うための手段。溜めるまでの隙を無視して乱発するほどに、ヴァルリアは人間を疎ましく思っているということだ。
「溜めてる間、動きが止まる。それはいいんだけどな」
『……不規則に出現するドロップゾーンさえなければ、ね』
 ツラナミと同様、アーテルもまたヴァルリアの知能に疑問を抱いていた。獣並の知能しか持たないはずの地竜が、ドロップゾーンを利して隙を消してみせるとは。
『見たとおりの竜ではないのかしらね』
「とにかく顔狙いで攻めてくしかねー」
 小脇に抱えていた黒の猟兵を開き、黎夜はヴァルリアの眉間へサンダーランスを撃ちつけた。
 ガァッ! ヴァルリアが吠え、両前足を振り上げる。もう何度めか数える気もないが、極冷の衝撃波が来る。
「抵抗力もケタちがいだ」
 眼帯の拘束を解かれた左目をぐいとしかめ、黎夜は新たな潜伏場所を探す。

『頭部への攻撃は効果があるようだが、いかんせん竜は無表情だからな。どれほど効いているものかわからん』
 破魔弓を射ては離れ、寄っては射るを繰り返すギシャの内、どらごんが低く唸った。
『どらごんはわかりやすいのにね?』
 内で消せぬ笑顔を傾けるギシャ。
『ポーカーフェイスだけでは語りきれんこともあるのさ。……マーカーを撃ち込めるだけの傷をつけなければ。ライトニング・ステアウェイは人を待たせておきながら、自分は待ってくれん身勝手な神だ』
『あ、衝撃波。当たると死んじゃうかもだから退避退避ー』
 ギシャが速やかに後退を開始した。その俊足はあっという間に彼女を衝撃波の範囲内から離脱させる。
『ギシャの出番はまだまだ先だからねー』
 彼女の出番はマーカーが撃ち込まれた後、なにかしらのアクシデントがあったときだ。そのときのために今、命を削るわけにはいかなかった。

「ウラワンダー☆ステップ!」
 朝霞が身を翻し、飛び退いた。
 押し寄せた衝撃波は彼女の爪先を捕らえ損ね、逆巻いて消える。
『前のめりになるから回避することになる。位置を定めたらそこをキープしろ』
 ニクノイーサのあきれた声に「正義の心意気がはみ出してるの!」と応え、朝霞はフェイルノートを引き絞り、「ウラワンダー☆アロー!」、放つ。
「当たった?」
『当たってはいるが、おそらく顔ではなく体にだな。吹雪の膜は予想以上に厚い』
 ニクノイーサが苦い表情で言う間に、朝霞はそっと2歩前に出た。接近戦は無謀だから遠距離攻撃。理屈はわかっているが、ここにいなければならないことがもどかしくてたまらない。
 その間にも、前線の仲間たちからの連携要請がひっきりなしに通信機を揺らし、吹雪を割って打ち上がる信号弾が救助要請を知らせてくる。
「……前線に行くわ。たとえ私の攻撃が通らなくても、みんなを支えて、明日に還ることはできるはずだから」
 揺るぎない朝霞の瞳がニクノイーサを貫く。
 ニクノイーサはため息をつき、先を指した。
『無理はしかたないが、無茶はするな。俺たちはあくまでも回復要員として動く。いいな』

●亀裂
「モノは試しって感じだけどな!」
 狙撃銃から魔導銃50AEに持ち替えた聖が、ライトグリーンに燃え立つライヴス弾をヴァルリアの足へ撃ち込んだ。
『傷……拡がってる』
 聖の背後に浮かぶ影なるLe..がささやいた。
「これだけ撃ち込んだんだ。ちょっとくらいは効いてもらわなきゃ困るぜ」
 応えながら、聖は後ろへ跳んだ。
 視認可能距離を保つため、彼は後ろへ下がり続けている。それはつまり、ヴァルリアの前進を止め切れていないということだ。
『……魔法攻撃、効いてるから。このまま、続けて』
 確かにそれはそうだ。威力偵察で緋十郎がつけた薄手が、聖の集中攻撃でわずかに拡がっていたが、しかし。
「やっぱ斬り込まねぇと止まんねぇのか」
『ヒジリー、今日は……』
「わかってる。――あいつに心配させたくないからよ」
“あいつ”の顔を思い浮かべ、聖は気を抜けばすぐに踏み出してしまいそうになる足を踏み止めた。

「現在380秒が経過! マーカー撃ち込みリミットまであと210秒です!」
 平介が通信機に向けて叫んだ。
 威力偵察とこの戦場で、ヴァルリアの周囲に亜世界がにじみ出す“におい”は掴んでいた。通信が妨害されるその前に、カウントだけは伝えておかなければならない。
『この吹雪では信号弾も見えるかどうか怪しいものですが……なによりもレガトゥス級を止められていないことが痛い』
 遮蔽物の影に身を潜めた守凪の内、イコイが皮肉な笑みを閃かせた。
「ドロップゾーンが消えた瞬間に集中攻撃するよりない。たとえ範囲攻撃を喰らうとしてもだ」
 守凪がモノクルの奥の左眼をすがめ、自らのまわりに巡らせた金烏玉兎集にライヴスを注ぎ込む。
『頭になにかあるのは、誘導班からの情報とこれまでの攻撃で知れている。そしてそれなり以上の攻撃も重ねてきた。ここが生と死の分水嶺だ。踏み込んで、その先へ突き抜けるぞ』
 ゼムの厳しい声音に、3人がそれぞれうなずき、その体を衝撃波が、そして冷気が突き抜けていった。
「……動けるな、守凪」
「まだ動く」
 インタラプトシールドを展開し、さらに覆い被さった平介の腕の内から守凪は応え、立ち上がった。
「合わせるぞ」
 今度は平介の腕を引いて立ち上がらせ、彼はそのまま膝をつく。
「3、2、1」
 守凪の肩にアンチマテリアルライフルの銃身を据えて固定した平介がカウント。「ゼロ」と同時に引き金を絞った。
「行け」
 平介と機を合わせて守凪が放ったのは銀の魔弾。物理と魔法、ふたつの弾は縒り合うように飛び、ヴァルリアの眉間に突き立った。
 それでもなお、弾は止まらない。超高速で回転し、フルメタルジャケットの弾頭を、銀の魔力を、ねじ込んでいく。
 ガア! ヴァルリアが頭を振って弾を振り払う。その眉間に一条の傷が刻まれた頭を。

『レガトゥス級の頭部に傷が――!』
 常ならぬ激情を映したシドの声音。
 ラジエルの書を開いたゆらが、地竜の鼻先を起点にブルームフレアを燃え立たせた。
「これなら多少外れても眉間に届くだろう。……私たちが暖を取るには、いささか遠いがな」
 その炎を目印に、亮馬もまたライフル弾を撃ち込んだ。
「これだけ派手に燃えてくれてりゃ、さすがに外さないぜ」
『近接攻撃担当が動き出した。我らは移動しながら援護射撃を続けるぞ』
 Ebonyに促され、亮馬がゆらの斜め前に位置取り、移動を開始した。度重なる範囲攻撃で、ゆらの体は相当なダメージを負っている。先にこの身を晒すことで、ヴァルリアの攻撃を少しでも和らげてやりたい。
『夫の覚悟を見せるのはいいが、亮馬が死んではいろいろと辻褄が合わなくなるぞ』
 Ebonyのしかめ面に亮馬が口の端を吊り上げてみせ。
「死ぬ気なんかないって。ゆらも子どもも俺が守るんだよ」
 守るべきものがある。ただそれだけのことが、命を捨てて敵へ突っ込んできた亮馬へ、生きる決意と死線を踏み越える力をくれる。
『……あいつも成長したな』
 シドの嘆息に、ゆらはこっそり内で応えた。
『私の旦那さんで、パパだからねー』
 シドは物寂しくも微笑ましい情動を感じ、また息をついた。

 眉間の傷をかばうように、ヴァルリアが首をすくめて後じさる。
『かくして我ら、ついに地竜の逆鱗を剥がせり……というわけだ。僕らがどれほど貢献したかは別にしてね』
 唄うような紫苑の声に、瓦礫の上に膝をついて構えたバルタサールは低く応える。
「俺は俺の仕事をするだけだ」
 これまで彼が重ねてきた攻撃は、すべてがヴァルリアの足止めを狙ってのものだった。爪先を撃ち、膝を撃ち、足裏を撃ち、さらには開いた顎の奥を撃った。
「奴の体は口の中まで硬い。多分、胃の中までな。――まともな生き物じゃないな」
『生きていないのかもしれない。愚神という存在を生命の尺度では測れないだろう?』
 バルタサールはこれまでに得た情報を思い出す。
 地竜の声とは思えない声。
 地竜の思考を越えた戦術。
 もし、あの地竜が愚神そのものではないのだとしたら……。
「俺たちは、貝の殻を削ってはしゃいでるだけなのかもな」
 だとしても。殻を割って身を引きずり出すのが俺の仕事だ。
 語らずに飲み下した言葉を肚の底へ追いやり、バルタサールはヴァルリアの足元へ銃弾を撃ち込んだ。
 踏みしだかれ続けてもろくなっていたアスファルトはあえなく砕け、ヴァルリアの足を滑らせた。踏み止まろうとした地竜の動きが、数瞬止まる。
「次にかかるか」
 バルタサールは成果を一瞥した後、換えの弾倉を狙撃銃へ叩き込んだ。

 ヴァルリアの眉間に傷がついた瞬間、アリスはウィザードセンスを発動していた。
 地竜は今、足を踏ん張ってスリップを防ぎ、代償に動きを止めている。
 近接攻撃を担うエージェントたちが、その傷目がけて駆けてゆく。
 ならば。
「あの傷を焼くよ」
 アルスマギカに書き込まれた、どこのものとも知れぬ文字が、炎に転じてアリスの眼前に浮かび上がった。
『今、わたしたちがするべきことはあの竜を討つことじゃない。それはわたしたちじゃない誰かがすればいいことだものね』
 Aliceがささやき。
『だからわたしたちは標を灯すよ。あの霧の中でも消えない、小さな炎を』
 アリスが応える。
 そして地獄の業火が忌まわしき尾を引いて飛び。
 ヴァルリアの傷に赤黒い灯を灯した。
「あの炎を差して行って。でも気をつけて。レガトゥス級の力が、目に見えるだけのものとは思えないから」
 通信機に送る言葉を吹き込んだアリスが、あらためてヴァルリアを見た。
 ここまで追い詰められてなお、威圧を損なわずに在るレガトゥス級愚神の姿を。

●標
「もう安全距離とか言ってる場合じゃない! 確実に見えるところまで近づいて撃て!」
 亮馬の通信が遠距離攻撃担当エージェントを呼んだ。
「あと少し――こちらを見ていろ」
 ゆらが白刃を飛ばし、夫の銃弾を追わせた。
「あいつらがおまえの頭に届くまでな!」
 聖が【戦狼】の同僚たる加賀谷夫妻に続く。
「今度は大きな炎を灯して眼を奪うよ」
 アリスのブルームフレアが燃え立ち、ヴァルリアの視界を塞いだ。
「……」
 オプティカルサイトで狙いを定めたバルタサールの銃弾が、炎を割ってヴァルリアの眉間をえぐる。
 地竜が、頭を大きく逸らした。
 1歩、後じさる。
『蛍丸様』
 凜と響く詩乃の声。蛍丸はフォーチュンダイスと共に握り込んだ双槍を、声音の伸びゆく先へ伸べて――
「乾坤一擲!」
 ――投げ放した。
 未だ消えぬアリスの業火を指して飛ぶ双槍が、過たずにヴァルリアの割れた眉間に突き立ち、ビキリ……さらにその傷を押し広げた。
 グオオオオオオオ!!
 ヴァルリアが高く吠える。威嚇ではない、驚愕の悲鳴だ。
『地竜が動揺しています。今まで、あんなに傷つけられたことがなかったのでしょうね』
 詩乃の言葉に蛍丸は薄くうなずき。
「でも、これだけでは終わらせない! 煤原さん!!」
「♯PT!! 全力をもってあの傷を打ちます!!」
 燃衣が近接攻撃担当のエージェントの先頭に立ち、突撃する。
「っ! よせ、すぐに離れろ!!」
 援護を担っていた守凪が突然叫び、彼とペアを組む平介が、相棒の意に気づいて通信機へ告げる。
「ドロップゾーンです! このままだと」
 通信機から返ってくるはずの自分の声が急に途絶えた。
 果たしてドロップゾーンが完成し、地竜へ向かったエージェントたちの姿は消えた。
「みんな!」
 たまらずドロップゾーンへ駆け込もうとする朝霞。ニクノイーサが止めるより早く、千颯がその腕を掴んでいた。
「朝霞ちゃん! 俺ちゃんたちには俺ちゃんたちの仕事があるんだぜ。出てきた奴らを回復して守って死なせねぇ。だろ?」
 その言葉にリオンがうなずいた。
「エマージェンシーケア、準備できてるよ! いつでも行ける」
 意を決する回復担当たちの前に、これまで情報伝達と負傷者の発見に跳び回ってきたフィアナが立った。
「1回だけしかできないかもしれないけど。私、回復中のみんなの盾になるからね」

 中間地点に位置取り、一のカバーを続ける杏樹がドロップゾーンをにらみつける。
『駆けつけたい。そうお思いなのではありませんか、お嬢様?』
 守の問いに、杏樹は大きくかぶりを振って。
「隊長さんも、拓兄様も、みなさんも。絶対、大丈夫なの。だから……繰耶さんのこと、守るの」
 一の銃に托された希望の鍵。それを守るために、耐える。
 杏樹の決意を正しく読み取った守は、彼女の内で姿勢を正す。
『かしこまりました、お嬢様』

 時はわずかに遡る。
「ドロップゾーン発現! どうする煤原!?」
『どーするーっ!?』
 背後から回り込んでいた春翔とアリスが声を張り上げた。どうせ通信機は使えない。押し寄せる雪風は、力技で押し退けるよりなかった。
「このまま突っ込みます! 皆が刻みつけてくれたあの隙間をこじ開けて、繰耶サンたちに繋ぐッ!!」
 春翔は顔をしかめ、ゴッドハンドを装着した両拳を打ちつけた。
「結局特攻かよ。やれやれだぜ」
『またまたー! キライじゃないくせにっ!』
「それがまた困ったとこでな」
 かくして近接攻撃担当たちがドロップゾーンに押し包まれ、世界から姿を消した。

 ドロップゾーン内。
 そこに満ちるものは、静やかに寂びた凍気。ただそれだけだった。
『この前と同じ、凍りついた世界。――でも、結局それだけよね。凍ったままなんにも変わらない、つまらない世界』
 吐き捨てるレミア。
「そうだ。もう恐れはせんさ」
 緋十郎は自らが刻みつけ、聖が拡げた足の傷に爪先をかけ、一気に跳び上がった。
 ――存在を、禁ずる。
「この前も聞いたが……聞いてはやらんよ。おまえは俺を殺せなかった。そして今日も俺は、生きて還る!」
 瘴気放つ大剣を振りかざした緋十郎が、ヴァルリアが開いた顎をかわしてさらに跳ぶ。
「喰らえ!」
 緋十郎の一撃が狙ったのは、蛍丸の槍の石突だ。数ミリ深く潜り込んだ穂先が、亀裂をさらに長く、太く開いていく。
 オオオ!!
『足がかりはいくらでもある! 途切れさせずに打て!』
 ネイの激しい声音を受けた燃衣が、仲間がヴァルリアに刻んできた傷に足をかけて跳んだ。
「全員、狒村さんと同じように石突をッ!」
「了解だぜ!」
 燃衣が右、春翔が左、2本の槍の石突を、ふたつのゴッドハンドが同時に叩いた。
『……あと100秒でマーカーが撃ち込めなかったらおしまいよ!』
 カウントをとっていたメリッサが拓海に告げた。
「きっと間に合う! いや、絶対間に合わせる! ここでがんばらなかったら、二度とがんばれなくなる!」
 拓海はヴァルリアの頭にしがみつき、ドラゴンスレイヤーをラッシュ。槍を打ち込んだ。
 さらに拡がる亀裂。
 ゴオオオオアアアアア!!
 ヴァルリアが地団駄を踏むように激しく足を踏み鳴らした。信じられないのかもしれない。信じたくないのかもしれない。
「――どんなに駄々こねたてもな、これが現実だってんだよ!」
 ヴァルリアの無規則なスタンピートをかいくぐり、カイが迫る。ヴァルリアの足が共鳴体の先をかすめていくが、当たらない。まるで足のほうがカイを避けているようだ。
『不思議なんかすごく頭がクリア!「俺もだコレがハイってやつなのか!?』」
 ふたりの思考をライヴスの激流が繋ぎ、さらに加速させた。
「『決める!!」』
 降り立ったカイの背後で役目を終えた槍が抜け落ちた。
 そして。
 ヴァルリアの両前足が高く振り上げられる。
「ドロップゾーンの中で衝撃波!?」
 拓海が奥歯を噛み締めた。
 この、あまりにも狭い世界の中で衝撃波を撃たれたら……
『木っ端冷気が来る程度で、なんだそのザマは!? 両の脚に力を込め、その血潮を滾らせろ!』
 轟然と響き渡るネイの怒号。そして。
「まだだ! あきらめるなッ! ボクたちは今日死ぬために来たんじゃない! ――されば立ち上がって戦え! いかなる運命にも意思を持ってッ!!」
 燃衣が言い放ったのは彼が率いる【暁】の訓示。
 しかし今、この世界に閉じ込められたエージェントの胸に、意思と意志が燃え上がる。

「ドロップゾーン、消滅します!」
 平介の報告を待ちわびていた回復担当、そして杏奈とフィアナのブレイブナイトふたりがドロップゾーンへ駆け出した。
 遠距離攻撃班が援護射撃の構えをとる。
「3、2、1、0――出るぞ!」
 守凪の『出るぞ!』だけが通信機を通して各員へ届き。
 ドロップゾーンに押し詰められていた、極冷の爆風があふれ出した。
「煤原さん!」
 杏奈が燃衣を探す――いた。閉鎖空間の内、圧倒的な冷気に打ち据えられ続け、倒れ伏したエージェントたちの中に。
『まだ息がありますわ! 緊急回復を!』
 レミが回復担当に声を投げた。
「私たちが抑えるから早く!」
 杏奈とともにエージェントたちのカバーリングへ跳び込むフィアナ。その後方で遠距離攻撃担当と回復担当が連携し、深く傷ついた仲間を癒やしていく。
「みんな、こんなとこで死んじゃだめだ!」
『そうだよ! もっとずっと後で、大事な人たちに囲まれたとこでなきゃダメなんだから……!』
 リオンと仁菜が心を合わせ、消えかけたカイと紗希の命にライヴスの熱を注ぎ込む。
 虚ろに開かれたままだったカイの眼に光が灯り。信号銃を握り締めた手が、震えながら天へ伸べられた。

 吹雪を、カイの撃ち上げた信号弾の光が押し退けて光った。
「間隔を開けて2回――弱点露呈!」
 平介がライフルに取り付けた発射筒から同じように信号弾を撃ち、他のエージェントがそれを繋ぐ。
「皆、そこから動くな――!」
 ヴァルリアの眼前に駆け込んだゆらが、重圧空間を発動。ヴァルリアの前足をからめとり、その動きを一時的に鈍らせる。
 お膳立てはそろった。
「――聞こえている。そして、見えた」
 香月の指が引き金を引き絞り、マーカー弾を撃ち放つ。
 弾は雪を弾きながら飛び、そしてヴァルリアの額にはしる太い亀裂の端に突き立った。
『マーカー着弾確認。あと300秒、抑えるぞ』
 Ebonyの言葉に、竜馬がゆらを共連れて駆け出した。
 その遙か上空で、マーカーからの呼び声を聞き遂げた雷の機械神がゆるやかに目を覚ます。

●天/転
 繰り広げられたのは死闘だった。
 エージェントたちは幾度となく打ちかかり、幾度となく打ち据えられ、幾度となく倒れ伏し、幾度となく立ち上がった。
 しかし。
 決定打となる火力が足りなかった。
 範囲攻撃へ対抗するため距離を保ち、頭部への攻撃に集中することで多少なりともダメージは与えられていたが、歩みを阻むには直接打撃の厚み――圧力が必要だ。それを満たすだけの人数を近接攻撃に割り振れなかったことで、エージェントたちはヴァルリアの前進をゆるし、じりじりと後退させられ続けている。
「……わらわのスキルもこれでしまいじゃ。あとは欲を抜きにしても見守るしかなかろうよ」
 負傷者の手当にあたっていたカグヤが最後のクリアレイを使い切り、息をついた。
 GVW『ワールドクリエーター』やバアル・ゼブブの戦旗による安全空間の構築も試みたが、たいした効果は生み出せなかった。レガトゥス級の脅威に立ち向かうには、もっと数と連携が必要だ。
『それよりさ、このままレガトゥス級がズレてっちゃったらまずいんじゃない?』
 クーが眠そうな目でヴァルリアの歩みを指した。
「ライトニング・ステアウェイはすでに発射態勢を整えつつある。曲げられる射角はごくわずかじゃ。ゆえにこれ以上、レガトゥス級を行かせてはならんのじゃが……」

 通信機から『残り140秒』の声が響いた。
『備えておけよ、ギシャ』
「だね」
 どらごんに短く応えたギシャが、弓を射ながら爪先で足場を確かめる。
 ヴァルリアの額の亀裂は深いが、その奥まで表皮同様に固い。食い込んだはずのマーカーが、戦いの衝撃で少しずつ押し出されてきていた。

「やべーな。マーカー、抜けそうだ」
 中間距離を保って魔法を撃ち続ける黎夜が眉をしかめた。
『残り120秒、なんとか保ってくれればいいのだけれどね……黎夜、信号弾の準備をしておいて。多分、最悪どころか少し悪いくらいの状況で必要になるわ』
「少し悪いって。今だって、かなり悪いんだけどな……」
 アーテルの苦い言葉に、黎夜は信号銃に収められた弾の数を確かめた。

 果たして。少し悪い状況が来たる。
 亀裂から抜け落ち、点滅しながら雪の中へ落ちていくマーカー。
 ギシャがマーカーを回収するため、全速力で駆ける。こうなることを想定し、守りを捨てて極限まで身を軽くしてきた。
『最悪なのはマーカーがふたつとも失われることだからな……回収さえできていれば、いざとなっても命を張るだけでいい』
『死んじゃう気はないけどねー』
 どらごんに言い返し、ギシャはさらに加速した。
 そして一方で、アーテルが鋭い声をあげた。
『着弾リミットまであと60秒よ!』
「空の雷神の前に、あっちの狙撃手にお祈りしねーとだな」
 黎夜の信号弾が天に弾け、続く通信が祈るべき相手へ届けられた。
「繰耶、行ける?」

『ハジメ』
 サイサールが静かに狙撃手を呼ぶ。
「自分の言葉は守るさ。絶対に当てる。狙ったところへ、1ミリもずらさずに、な」
 待ち続けてきた。仲間の死闘とヴァルリアの前進を見過ごし、ただ一点に狙いを定めたまま、ここまで。
 オプティカルサイトの向こうに見えるヴァルリアの眉間。
 狙いはとっくにつけてある。あとはただ、撃つだけだ。
 一の指が、やさしく引き金を絞った。

 音も思いも置き去って飛んだマーカー弾が、亀裂の壁をこすることもなくその奥へと潜り込んだ。
 本当に脳があるのなら、弾は確実にそれをかき回しているはずだったが、ヴァルリアは止まらない。いや、止まった。
 ウルルルルル。体奥から響く不気味な音。
「溜め攻撃――? 見たことのない攻撃が来る!」
『みなさん退避を!』
 杏奈とレミが、盾を掲げて勧告を飛ばし。
「逃げ出す前に、撤退の狼煙をあげておこうか」
 一がその背に展開したカチューシャMRLから16発のロケット弾を発射、動きを止めたヴァルリアの前面に煙幕の壁を作った。
『ついでに試しておこうかな』
『通じるかどうかはさておきね』
 アリスもしくはAliceが内なる声をかけあい、煙幕に紛れてリーサルダークをヴァルリアに放つ。
 が、ヴァルリアの音はさらに高まりゆく。
 それを確かめたアリスは、すぐに身を翻して走り出した。結果が失敗なら次善の策を迷わず実行するだけだ。
 信号弾の合図を繋ぐエージェントたち。
「絶対に生きる!!」
 杏奈のカバーを受けて退避の指揮を取る燃衣が咆哮し。
 果たして。

 轟。

 ヴァルリアの顎から“青”が迸った。光線ではない、純然たる凍気の奔流がまっすぐ世界を穿ち、凍りつかせていく。
 その長大な射程に捕らえられたエージェントが吹き飛び、仲間の手で引きずり起こされては、口に賢者の欠片をねじ込まれ、命を繋ぐ。
 その様を嘲笑うかのようにヴァルリアは咆哮し、足を踏み出した。
「これ以上動かれては……」
 ヴァルリアが土壇場で首を逸らし、ライトニング・ステアウェイの直撃を避けることを恐れた緋十郎は、エージェントの殿について囮を担っていた。
 だから、気づいてしまった。ヴァルリアがもうじき、攻撃範囲外へ逃れ手でしまうだろうことに。
「行かなければ」
 仲間の流れに逆らい、緋十郎がヴァルリアへと駆け出した。
『死ぬわよ』
 真剣な声で、レミア。
「ああ」
『わたしもいっしょに連れてく気?』
「ああ」
 レミアはため息をつき、笑んだ。
『言っとくけど、同じとこに逝けるかなんてわからないんだからね』
「離れたら探す。どうせ時間は無限にある」
「無限はムリだけど、30秒はつきあうぜ。――あ、オレは探してくれなくていいからな」
 いつしかとなりに並んだ聖がサムズアップ。
「なぜ来た?」
「オレはアタッカーだぜ。決定打を打ちに行くのが仕事だろ」
『……どうせ、このままじゃ、作戦失敗しちゃうし……ね』
 達観した声でLe..が言った。
 緋十郎と同じことに気づいていた聖とLe..もまた、命を捨ててヴァルリアを止めるつもりなのだ。
 2組のエージェントが並び立ち、ヴァルリアの前に立ちはだかる。
 歩みを止めたヴァルリアがふたりを見下ろした。
 無機質な眼に閃く怒り。それを押し退けるように、聖が吼えた。
「行くぜ、氷塊野郎ッ!!」
 一撃粉砕を乗せた聖のパイルバンカーが、先ほどまで攻め立てていた緋十郎のつけた傷跡に突き立ち。
「ここから先へは一歩も進ません!!」
 駆ける間にトップギアを叩き込んでおいた体をぶつける勢いで、緋十郎が聖の杭をヴァルキュリアで打ち込んだ。
 ヴァルリアの足に亀裂がはしる。自身の超重量でさらにその傷を拡げていく。
 グオウ! 振り下ろされたヴァルリアの顎から跳びすさり、聖が凍雪を踏み抜いて前へ。
「砕けちまえッ!!」
「おおっ!!」
 逆側から駆け込んだ緋十郎が、機を合わせて大剣を横薙ぎ。
 ヴァルリアの足の亀裂に、渾身の一撃を叩きつけた。
 グオオオ――ヴァルリアの足が割れ砕ける。バランスを崩した巨体が崩れ落ちる。
 そこへ。
 天より閃光が降りそそいだ。
 荘厳と言うよりない雷光がヴァルリアの頭部を、緋十郎を、聖を、しずしずと押し包む。
 雷鳴が来るかと思いきや、音はなかった。
 まさに零の静寂の中で、三者は三様に失っていくばかりだった。
 ――レミア、俺はおまえを追うぞ。どこまでもだ。
 蒸発していく血肉の内で、緋十郎がレミアを抱きすくめた。
 ――好きにしたら? わたしは待たないけどね。
 彼の魂にレミアの魂の爪先が傷をつける。どうしても来る気なら、この痛みの記憶をたどりなさい。
 自分という存在が消失していくのを感じながら、聖は眼を閉じた。
 ――やっちまった。ゴメン。もう怒られてもやれねぇや。
 やれやれと肩をすくめたLe..はふと考える。
 ――お供えものって、食べられるのかな……?

 エージェントたちは息を詰め、地上へ投げ落とされた天の雷を見やっていた。
 緋十郎は――聖は――レガトゥス級は――
 と。
 ヴァルリアがぎこちなく、その身を起こした。
 雷の直撃を受けた頭部へ、エージェントたちに傷つけられた体へ、無数のヒビがはしり、ヒビ同士が繋がっては割れ、クレーターと化した大地へぼそりぼそりと砕け落ちていく。
 ついに折れ散る首。
 グ、オオ、オ。
 中空に残された頭部が呻く。
「なぜ、落ちない?」
 傷ついた守凪を支える平介が眉をひそめた直後。
 ついにヴァルリアの眉間の傷が裂け、ふたつに割れた頭部が落ちていった。
『こちら礼元堂! レガトゥス級の崩壊、確認したよ!』
 わずかなノイズすら含まぬ深澪の声が、指揮車の内で巻き起こる歓声ごと各員の通信機へ届けられた。
 勝った――誰もがそう思った。

 しかし。
 ヴァルリアはそこにいた。

 地竜などではなかった。
 竜人と呼ぶよりない、人型。
 冷気が凍りついて盾と成り、その周囲を鎧う。
『ライヴス強度測定、レガトゥス級……』
 深澪の声が途切れ。
 竜人がその口を開いた。
「――すべてを、零へ還す」
 ヴァルリアの内から出でたヴァルリアがエージェントたちを睥睨する。絶零の総督たるにふさわしい、凍てつく視線で。
 圧倒されるエージェントたちは気づかない。
 ヴァルリアの下方――クレーターの底で、ふたつの穢れたライヴスが沸き立ち始めたことを。

結果

シナリオ成功度 成功
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MVP一覧

  • 駆狼
    東海林聖aa0203
  • 緋色の猿王
    狒村 緋十郎aa3678

重体一覧

  • 駆狼・
    東海林聖aa0203
  • 緋色の猿王・
    狒村 緋十郎aa3678

参加者

  • きみのとなり
    加賀谷 亮馬aa0026
    機械|22才|男性|命中
  • 守護の決意
    Ebony Knightaa0026hero001
    英雄|8才|?|ドレ
  • 勉強中お嬢様
    泉 杏樹aa0045
    人間|17才|女性|生命
  • 色ボケ
    榊 守aa0045hero001
    英雄|37才|男性|バト
  • 宵の手を引く夜明け
    木陰 黎夜aa0061
    人間|14才|?|回避
  • 夜明けを待つ宵
    アーテル・V・ノクスaa0061hero001
    英雄|22才|男性|ソフィ
  • 駄菓子
    虎噛 千颯aa0123
    人間|24才|男性|生命
  • 我ら、共に戦い歩むため
    白虎丸aa0123hero001
    英雄|45才|男性|バト
  • 駆狼
    東海林聖aa0203
    人間|17才|男性|攻撃
  • 絆の一歩
    Le..aa0203hero001
    英雄|23才|女性|ドレ
  • 我ら闇濃き刻を越え
    御童 紗希aa0339
    人間|16才|女性|命中
  • 生満ちる朝日を臨む
    カイ アルブレヒツベルガーaa0339hero001
    英雄|35才|男性|ドレ
  • 分かち合う幸せ
    笹山平介aa0342
    人間|25才|男性|命中
  • この世界に、まだ
    ゼム ロバートaa0342hero002
    英雄|26才|男性|カオ
  • コスプレイヤー
    大宮 朝霞aa0476
    人間|21才|女性|防御
  • 聖霊紫帝闘士
    ニクノイーサaa0476hero001
    英雄|26才|男性|バト
  • 果てなき欲望
    カグヤ・アトラクアaa0535
    機械|24才|女性|生命
  • おうちかえる
    クー・ナンナaa0535hero001
    英雄|12才|男性|バト
  • 吉徳呉服臨時モデル
    加賀谷 ゆらaa0651
    人間|23才|女性|命中
  • 切れ者
    シド aa0651hero001
    英雄|25才|男性|ソフィ
  • 己に拠って立つ
    黛 香月aa0790
    機械|25才|女性|攻撃
  • 反抗する音色
    清姫aa0790hero002
    英雄|24才|女性|カオ
  • 分かち合う幸せ
    荒木 拓海aa1049
    人間|27才|男性|防御
  • 分かち合う幸せ
    メリッサ インガルズaa1049hero001
    英雄|18才|女性|ドレ
  • エージェント
    ツラナミaa1426
    機械|47才|男性|攻撃
  • そこに在るのは当たり前
    38aa1426hero001
    英雄|19才|女性|シャド
  • 鏡合わせの二人
    アリスaa1651
    人間|14才|女性|攻撃
  • 鏡合わせの二人
    Aliceaa1651hero001
    英雄|14才|女性|ソフィ
  • 魔の単眼を穿つ者
    繰耶 一aa2162
    人間|24才|女性|回避
  • 御旗の戦士
    サイサールaa2162hero001
    英雄|24才|?|ジャ
  • その背に【暁】を刻みて
    煤原 燃衣aa2271
    人間|20才|男性|命中
  • エクス・マキナ
    ネイ=カースドaa2271hero001
    英雄|22才|女性|ドレ
  • コードブレイカー
    賢木 守凪aa2548
    機械|19才|男性|生命
  • Survivor
    イコイaa2548hero002
    英雄|26才|?|ソフィ
  • 邪道断ちし槍
    黒金 蛍丸aa2951
    人間|16才|男性|命中
  • 撫子
    詩乃aa2951hero001
    英雄|13才|女性|バト
  • 華火の影を踏みし龍娘
    ギシャaa3141
    獣人|10才|女性|命中
  • 類無き固茹で卵
    どらごんaa3141hero001
    英雄|40才|?|シャド
  • 我ら闇濃き刻を越え
    藤咲 仁菜aa3237
    獣人|14才|女性|生命
  • 未明の夜に歩み止めず
    リオン クロフォードaa3237hero001
    英雄|14才|男性|バト
  • 緋色の猿王
    狒村 緋十郎aa3678
    獣人|32才|男性|防御
  • 血華の吸血姫 
    レミア・ヴォルクシュタインaa3678hero001
    英雄|13才|女性|ドレ
  • White Rook
    一ノ瀬 春翔aa3715
    人間|24才|男性|攻撃
  • その先に在る深紅の領域
    アリス・レッドクイーンaa3715hero001
    英雄|15才|女性|シャド
  • サン・グラスの奥に凍る
    バルタサール・デル・レイaa4199
    人間|48才|男性|攻撃
  • ジャンク
    紫苑aa4199hero001
    英雄|24才|男性|ジャ
  • アクアマリン
    フィアナaa4210
    人間|17才|女性|命中
  • 翡翠
    ルーaa4210hero001
    英雄|20才|男性|ブレ
  • 輝きの砦
    大門寺 杏奈aa4314
    機械|17才|女性|防御
  • 闇を裂く光輝
    レミ=ウィンズaa4314hero002
    英雄|16才|女性|ブレ

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