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【甘想2】連動シナリオ

【甘想2】タダでチョコが食べ放題な依頼

ガンマ

形態
イベント
難易度
易しい
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
能力者
25人 / 1~25人
英雄
24人 / 0~25人
報酬
寸志
相談期間
5日
完成日
2017/02/28 18:43

掲示板

オープニング

●H.O.P.E.某会議室

 どーん。

 そんな擬音が正に当てはまる。
 集ったエージェントの目の前に、うずたかく積み上げられた大量のダンボール。

「な? ほら、来ただろ!?」
 新たにやってきたエージェントを見るなり、H.O.P.E.会長ジャスティン・バートレットの第二英雄であるヴィルヘルムが口にした。
「俺様の言った通りだろー? 『タダで食い放題!』って任務名にすりゃあエージェントがホイホイやってくるってさ!」
 物凄いドヤ顔である。その傍らではH.O.P.E.所属オペレーターの綾羽 瑠歌が苦笑を浮かべ、改めてエージェント達へと向き直った。
「皆様、本日はお集まり頂きありがとうございます。早速ですが、今回のミッションについて説明させて頂きますね」
 そう一礼をして、瑠歌はダンボールからとあるものを取り出した。それは――

 チョコレート。

「はい、バレンタインシーズンでおなじみのチョコレートですね。
 実は……先日、ショッピングモールで売り出されていたチョコに従魔が憑依するという事件が発生してしまいまして。そちらの事件は人的な被害もなく、従魔を全て撃滅して解決できたのですが」
 溜息を吐いて、彼女は説明を続ける。
「こちらのチョコレートですが、従魔が憑依したことであちらこちらを飛び回って、地面に落ちたり、汚れたり、傷がついてしまったり、割れてしまったり、ちょっと溶けてしまったりと……商品価値がなくなってしまったものなんですよね」
 つまりは売り物にならず、このままだと廃棄処分……というやつだ。中身に関しては全く問題がない、普通に美味しく食べられるチョコレートではある。もちろん、説明された通り従魔は全て撃破済みなので安心して欲しい。
「廃棄するぐらいなら、もったいねーしうちで引き取って食っちまえばいーんでねーの? って話だな!」
 ヴィルヘルムが話に割り込んだ。嬉しそうである。というか既にチョコをボリボリ食べている。「まあ、そういうことですね」と瑠歌が肩を竦めた。
「ははは。こういう形のバレンタインも悪くないんじゃないかな。チョコレート食べ放題なんて、夢のようじゃないか!」
 ヴィルヘルムの相棒、ジャスティン会長が微笑む。その隣では英雄アマデウスが、眉根を寄せてチョコをつぶさに見つめていた。

「それでは、皆様」

 瑠歌が良く通る声と共にエージェントを見渡して。
「手洗いうがいをちゃんと済ませてから、任務に取りかかりましょうね。
 ――では、ミッション開始! 健闘を祈ります!」

解説

●目標
 チョコを食べよう。

●登場
チョコ
 駄菓子系から高級系、スタンダードな板チョコ、お酒入りのチョコから、調理用の巨大なチョコ塊、業務用チョコ、チョコシロップ、はてはラーメン味や味噌チョコなど謎フレーバーまで超充実。
 大量のダンボールに詰め込まれている。
 食べきれない分はお持ち帰りOK。(データ的なアイテム配布は行いません、フレーバーです)

綾羽 瑠歌
 H.O.P.E.所属オペレーター。本部のトップイラストのおねえさんです。
 リンカーではなく一般人。チマチマ食べてます。
 バレンタインですか? ええ、父に渡しましたよ(遠い目)

ジャスティン・バートレットとその英雄
 我等がH.O.P.E.の会長その人。with第一英雄のアマデウス・ヴィシャスと第二英雄のヴィルヘルム。
 会長はマッタリ食べている。アマデウスは品良く食べている。ヴィルヘルムは何でも食べる。

●場所
 H.O.P.E.東京海上支部、広い会議室。
 お鍋、コンロなど簡素な調理スペースもあります。調理器具や材料の持参もOK。

※注意※
 「他の人と絡む」という一文のみ、名前だけを記載して「この人と絡む」という一文のみのプレイングは採用困難です。『具体的』に『誰とどう絡むか』を『お互いに』描写して下さいますようお願い申し上げます。相互の描写に矛盾などがあった場合はマスタリング対象となります。(事前打ち合わせしておくことをオススメします)
 リプレイの文字数の都合上、やることや絡む人を増やして登場シーンを増やしても描写文字数は増えません。一つのシーン・特定の相手に行動を絞ったプレイングですと、描写の濃度が上がります。ショットガンよりもスナイパーライフル。

リプレイ

●ちょこ

「――なるほど、そんな理由でこの依頼が出たのですね」

 オペレーターより経緯を説明された構築の魔女(aa0281hero001)は、うずたかく積まれた『チョコの塔』を見上げた。「折角ですし楽しませていただきましょうか」と微笑む彼女の傍らでは、その相棒リンカー辺是 落児(aa0281)が同じくダンボールの山を見上げている。

「わぁ、壮観な眺めだね♪」
「うわぁ、また今回もすごい量だね」
 アンジェリカ・カノーヴァ(aa0121)と皆月 若葉(aa0778)の言葉通りである。このダンボール一つ一つにチョコレートがギッシリ詰め込まれているのだから、それはもうチョコまみれという状況で。
「こんなに食べきれるんどすか?」
 頬に片手を沿え、八十島 文菜(aa0121hero002)は怪訝な様子だ。英雄の冷静な言葉に「たくさん人数がいるから大丈夫だよ!」とアンジェリカは言い終わる前にチョコの山へと駆けて行く。
「件の従魔に憑依されたチョコか……後で知ったらピピが怒りそうだな」
 仲間リンカーから相棒の若葉へ、視線を移したラドシアス(aa0778hero001)が言った。「そうだね」と若葉が苦笑をこぼす。
「持ち帰りOKみたいだし、お土産に持って帰ろうか」

 そう、文字通り『山ほど』あるんだし。

「こんなに食べたら太っちゃう……」
 半ば呆然と呟いたのは、六道 夜宵(aa4897)。「まぁ、いいじゃん」とそれに言葉を続けたのは、彼女の英雄の若杉 英斗(aa4897hero001)だ。
「栄養が胸にいくかもしれな……うごぉっ!」
「黙らないと、殴るわよ?」
 ニコ。拳を握り締めて夜宵のスマイル。「もう殴ってるじゃん」とは心の中に、英斗は腹パンされたことでズレた眼鏡をかけなおした。

「チョコレート食べ放題! 食べ放題ですよハロスさん!」
「チョコ食い放題? いいねー!」
 七森 千香(aa1037)と大和 那智(aa3503hero002)の弾んだ声が重なる。が、対照的に彼らの相棒達は冷静な様子で。
「タダよりこえーもんはねぇってえのが世の理だがァ……」
 ハロス(aa1037hero002)はフードの影の奥からチョコの山をジロジロと眺めている。
「終わったらちゃんと歯を磨けよ」
 東江 刀護(aa3503)はブレないストイックさというか生真面目さというか。「ガキ扱いすんじゃねーよ」と、那智はと口を尖らせ言い返した。刀護はチョコの山を見上げる。
「しかし、商品価値がなくなってしまったチョコの食べ放題か。処分するよりは、こういう使い方がいいだろうな」

 さて、どれから手をつけよう?

「たくさん食べましょうね!」
 千香は相変わらず嬉しそうに、両手を合わせて笑顔である。「……おぅ」とハロスが毒気を抜かれるほどだ。千香にとって、今日はハロスとの初めての任務である。とにかく全力で楽しもう、ハロスの袖を引いた。
 と、ここで更に挑戦者が会議室のドアを開けて現れる。ラフマ(aa4366hero001)だ。
「タダでチョコという食べ物を好きなだけ食べられると聞きました」
 むふん、と得意気なラフマ――の後ろから、次いで溜息と共に烏丸 景(aa4366)が顔を出す。
「うちのエンゲル係数が高いものでして」
 主にラフマのおかげで。

 さて、さて。
 そんなこんなで、奇妙なバレンタインデーが幕を開ける――。



●シュシュ

 ぴこぴこ、ぶんぶん。

 むすび(aa0054hero002)と白詰草(aa0088hero002)の白モフお耳と白モフ尻尾が忙しなく動いていた。
「わーい、チョコ食べ放題もふ~!」
「これぜーんぶたべていいもふ?」
 その目はキラキラ。清原凪子(aa0088)の瞳もチョコの山にキラキラしていた。
「たくさん食べて帰ろうね、シロちゃん!」
 お菓子の天国! ダイエットは明日から! ヨダレがだらだらな白詰草の口周りを拭いてあげつつ、凪子もソワソワと浮かれた様子だ。「少し持ち帰ってチョコオールドファッション作ろうかな~♪」とわくわくでいっぱいである。
「しろちゃん、一緒にチョコ選びにいくもふ~!」
 くいくい、そんな白詰草の袖をむすびが引いている。
「しかたないもふね、れでぃーはいやしかったらいけないもふ。でもおいしいものにつられるのはしかたないもふ!!」
「どれもおいしそうで目移りしちゃうもふ~!」
 もふ~、と駆けていく英雄二人。その後についていくのは、ガラガラガラガラ……とショッピングカートを押す多々良 灯(aa0054)だ。
「ほわ……!?」
 なぜにカート、と目を丸くする凪子。「ああ」とチョコを物色しつつ、視線に気付いた灯が顔を上げる。
「リーフが皆でチョコフォンデュしたいからお土産よろしく、って」
 なので調理用チョコ塊をカートにぽんぽん。それから「食費が浮くので」とむすび好みの駄菓子系や高級系、可愛い見た目のものやミルクチョコなど甘いもの。
 その隣では水澤 渚(aa0288)が、大きなリュックサックに黙々とチョコレートを詰めている。
「チョコフォンデュって、どれぐらいチョコ必要なのかな~?」
 まぁ、大は小を兼ねるか。なんて自問自答しては、大きな業務用チョコをリュックにぽいぽい。あと、パンにつける用のホイップチョコも欲しいな。それも物色。
「わーい♪ 食べ放題とか凄いな!」
 甘いものが大好きなティア(aa0288hero001)は目を輝かせて『宝の山』を見渡していた。つい先日、渚の母親にチョコケーキの作り方を教わったばかりである。となればチョコケーキを作ろう! というわけで、デコレーション用を始め材料を渚のリュックに詰めていく。
 一方で、草薙玄桃(aa0023)はチョコは持ち帰らずにダンボールの中を物色していた。持ち帰らないのには理由がある。玄桃は犬好きドッグカフェ店長なのだ。ちなみに――灯、凪子、渚は店の常連さんだったりする。
「うちの爺さん……英雄は狼だからな。チョコは駄目だろ。イヌ科だけに」
 純粋な犬ではないのでひょっとしたら大丈夫かもしれないけど、ドッグカフェ店員としてはちょっと、犬にチョコはギルティである。なので今日は純粋にチョコ目当てだ。というわけで、いくつかチョコを手にすると……。
「ここ、自由に使っていいんだよな?」
 両手いっぱいにチョコを抱えたまま、あごでさしたのは調理スペースだ。「構いませんよ、是非どうぞ」とオペレーターの綾羽 瑠歌の返答を聞けば、玄桃は早速とあるものを作り始めた。調理スペースに並ぶ、彼が持参したラスク、ゼリービーンズ、大玉ラムネ、生ミルク――
「普通のもうまいが、ちょっと変わったのも面白いだろ」
 またたく間に手際よく用意されたのは、チョコフォンデュ。
「フォンデュ! する!」
 凪子が食い気味に手を上げる。「ドーナツ持ってきたの!」と待ちきれんばかりだ。灯と渚もお呼ばれされる。
「寒いし温まるのもほしいよな」
 灯はホットチョコレートを全員分用意した。むすびと白詰草には、あま~いチョコシロップを垂らした特別製だ。
「俺、マシュマロにチョコつけて食うのが大好きなんだ。あと、ホットチョコにもマシュマロ入れる系ー!」
 早速、渚はチョコフォンデュにマシュマロを浸けて頬張っている。灯が用意してくれたホットチョコにもマシュマロをいっぱい投下して、まさにマシュマロ尽くしだ。
「女の子は甘いものと可愛いものでできてるって偉い人が言ってたわ!」
 だからいっぱい食べよう! 凪子は持参したドーナツ、それから玄桃が用意したフォンデュ用の具を眺めて――「ううん」と考え込む様子。
「どれから食べようかしら……」
 どれもこれも美味しそうで、本気で悩む凪子である。

 一方、玄桃はチョコを浸けたラスクを幸せそうに頬張っていた。甘いもの好きは母譲り、らしい。父親から聞いた話だが。
「犬にゃ食べさせらんねぇしなぁ……材料かえて、似たモンを作れりゃいいんだが」
 口の中に広がるチョコレートの幸せな味――最中にふと、彼は呟く。自分の店、ドッグカフェではチョコレートは出せない。どうにかチョコを使わずにチョコっぽいことができないかどうか、あれこれ考え始める。
「チョコっぽい犬のおやつか~……どんな材料でいけるかなぁ」
 その近くで、チョコクッキーにチョコフォンデュとチョコまみれのものを食べながら灯が首を捻った。
「お芋やカボチャの甘いケーキが好きな子、多いよな~」
 わんこの可愛い姿を思い出してはデレデレ。
「おいしいもふ~幸せもふ~」
 その隣では、むすびがダンボールから色々もってきたチョコを次から次へと食べている。と、その最中だ。むう、と彼の顔が渋くなる。
「もふ~これ苦いの入ってるもふ~……相棒、食べてもふぅ」
 と、灯に押し付けたのはチョコレートボンボンだ。可愛い見た目をしていたからつい取ってしまったのだろう。お酒入り……一応は未青年なので、うん、これは大人の人に任せよう。なんて灯が考えている一方でむすびは気楽なもので、
「甘くておいしいもふ~♪」
 と、口直しとしてチョコフォンデュマシュマロを頬張っていた。

「わー! 丸くて色がたくさんあるチョコ発見!!」
 ティアはダンボールの中から発掘したカラフルな糖衣チョコレートに表情を輝かせていた。口に入れればポリポリ、絶妙な堅い食感と甘いチョコ味がたまらない!
「んんん~!!! おいしいっ!! ああ、この苺味のチョコもすっごくおいしい!!」
 幸せそうである。その笑顔につられて、白詰草はティアが今しがた漁っていたダンボールを覗き込む。
「凪子、これなーにもふ?」
 とりだしたソレを、凪子のところへ持って行く。
「ぐるぐるぐるぐるぐるぐる……うえっ。はしっこさがしてたらめがまわるもふー」
 うー、と目をつむって差し出したのは、そう、ティアがさっき「丸くて色がたくさんあるチョコ」と呼んでいたモノだ。
「ああ、これはね、めがねちょこ」
 凪子がそう教える。8の字に連なった包装の、カラフルな糖衣チョコレートだ。「めがねちょこ?」と凪子の言葉を繰り返す白詰草が首を傾げる。
「これめがねもふ?」
「眼鏡みたいな形してるでしょう? だから、めがねちょこ」
「もふ! じゃあしろ、このめがねちょこをつけておうちかえるもふー! 凪子もおべんきょのときめがねかけてるもふ、おそろいもふ!」

 二人は楽しげな様子である。
 その一方で……。

「ときに渚……面白いチョコがあったのでつい持って来てしまったのだが。一緒に食べてみないか……」
 スッ、と灯が取り出したのは青汁チョコ。どう見てもバツゲームなパッケージ。だからこそホイホイされた。皆で食べれば怖くない理論。
「ん……? 面白いチョコ? オッケー! 食う食う!」
 渚はこの二つ返事である。二人で「せーの」と何の躊躇もなく口に入れる。男子中学生の昼休み感。

 あ、結果としては苦すぎてボゥエとなりましたがちゃんと最後まで食べました。



●ちょこちょこ
「まぁ……時期が時期だし、こういったのがあるとは思っていたが」
 リィェン・ユー(aa0208)はぐるりと上を見、次いでぐる~っと周りを見渡した。

「流石にこの量は想定外だ」

 チョコ、チョコ、チョコ。流石のイン・シェン(aa0208hero001)も「そうじゃな……」と圧倒されている。
「しかもかなり特殊なものもあるようじゃな。ラーメン味とか、焼肉味とか……」
「菓子業界はこういったときに色々と試してたりするんだろうな……」
 ダンボールからチラリしている、チョコとは明らかに合わなさそうなアレコレ。
「そんなことよりも、じゃ」
 と、そんな時だ。顔を優雅に扇いでいた扇子をチャッと閉じてインが言う。いきなりなんだと、リィェンは片眉を上げた。
「おいおい、チョコ食べる任務で“そんなことよりも”って、チョコ以外に優先することなんてあるのか?」
「あるぞよ。ほれ今日こそ、おと――」
「まだ呼べるような状態じゃないからな。その呼び方」
 H.O.P.E.会長ジャスティン・バートレットを目で示しつつのインの言葉に、リィェンは先制。即答。英雄から次の言葉が来る前に、「ま、せっかくだし楽しんでいきますか」とチョコレートの山へ向かった。

 というわけで。リィェンはチョコフォンデュと作るべく動き始めた。
 その手伝いに名乗り出たのは構築の魔女だ。牛乳や果物と、具材も用意している。「私もお手伝いしますね」と酒又 織歌(aa4300)も加わった。

「ロロー……」
 テキパキ、手際よく用意をしていく構築の魔女。傍らで落児がじっと見守っている。
「まぁ、これくらいは出来ますよ? ただ、味の保証はしませんが。ああ、ダンボールに煮魚味のチョコとかありましたね」
「……――ロロ!?」
「冗談ですよ、さすがに変なものは出せませんから。ちゃんと作ってあります」
「ロ……」
 ホッとしたような様子の落児。
 その近くではペンギン皇帝(aa4300hero001)が、チョコを溶かしている織歌の作業を興味深そうに眺めている。
「同じような食べ方では飽きてしまうかもしれません」
 手は休めず、織歌が言う。ペンギン皇帝が首を傾げる。
「色々と種類も多くある。そう心配することもないと思うが」
「ですので、他の食べ方を準備してきました」
「……聴いておらぬなぁ」
 チョコっと工夫して、アーモンドリキュール、ラム酒、抹茶、ココアと複数の味を用意だ。

 というわけで、できあがりました色んな味のチョコの滝。
 マシュマロ、果物、スコーンなどで召し上がれ。

「皆さんも、お好きに召し上がってくださいね」
織歌が朗らかに微笑む。そんな彼女の場所は調理場、まだ何かを作るつもりのようだ。
「今度は何を作るのだ?」
 ペンギン皇帝が覗き込む。
「生チョコですよ。皆さんに世話チョコを、と思って」
 良い機会ですし、と答える織歌は各味のフォンデュを取り分け、スペース内に設置されていた冷蔵庫で冷やし始める。これを一口サイズに切って、容器に入れてラッピングすれば完成だ。
 それを、ペンギン皇帝にも手伝ってもらってリンカー達へ挨拶ついでに配ってゆく。オペレーターの瑠歌、ジャスティン会長とその英雄へも忘れない。
「生チョコは今回のチョコにもあるのでしょうけれど、感謝の気持ち籠めた分が違う……と思いたいですね、あはは♪」
 はにかみ笑いをして。「この場で食べなくても、持ち帰って頂ければ嬉しいです」と言う織歌。なかなか礼儀正しいではないか、と見守るペンギン皇帝は感心するのであった。

「いやはや、嬉しいバレンタインデーだねぇ」
 織歌から受け取った生チョコを早速味わいつつ、ジャスティンはホッコリとしていた。
「失礼いたします、こちらよろしいでしょうか?」
 そこへ微笑みを浮かべて現れたのは構築の魔女だ。「構わないとも」と着席を促されては、一礼をして落児と共に腰を下ろす。
「これまでも機会はあったと思ったのですが、挨拶が遅れまして申し訳ありません。私、縁あってこちらの世界に招かれまして、構築の魔女と名乗らせていただいています」
「ああ、君達のめざましい活躍は聞いているよ。いつもありがとう」
 そう笑んで、「もう知ってるとは思うが」と冗句っぽく笑いつつ会長も改めて自己紹介を。その英雄二人も友好的に自己紹介と挨拶をしてくれる。構築の魔女はそれらに相槌を打ちつつ――自らが名乗った名が本名ではないことに少しの後ろめたさを感じていた。
「ロロー……」
 そんな構築の魔女の陰りをフォローするかのように、落児が視線を巡らせる。は、と気を持ち直した構築の魔女は笑顔は崩さぬまま、相棒の紹介を。
「代理にて失礼を。彼は辺是 落児と言います。私の能力者をしてもらっています」
「ロ……」
 一礼する落児。「よろしくね」と会長が、そして英雄達がそれぞれに挨拶を返す。
 さて、挨拶もそこそこに。「それで良ければですが」と構築の魔女はチョコレートフォンデュを指し示して。
「チョコレートフォンデュはいかがでしょう? 果実などの具材も用意したので、ちょっとした口直しになればと思うのですけれど」
「ああ、楽しそうに作っていたのを見ていたよ。それじゃあ是非とも」
 席を立つジャスティン。そこにやってきたのは刀護だ。「お久し振りです」と会長の英雄やオペレーターに挨拶を。そして、他愛も無い世間話。

 会議室はチョコの香りと共に、賑やかさが続く。

 その只中。
「むなしい……」
 無心にチョコを食べていた手を止めて、英斗が呟いた。
「こんなにむなしくバレンタインのチョコを食べるのは、はじめてだ」
「なによ英斗。そんなにチョコが欲しかったの?」
 そんな相棒を横目に見やり、夜宵。溜息を一つ。「だったら……ほら」と何やら手元をガサゴソとするが――
「この悲しみは、彼女にしか癒せない! ヴィルヘルムさーん!」
 と。夜宵の言葉は聞かぬまま、英斗はダッと走り出してしまったではないか。これには夜宵も目を丸くする。
「ちょっ!? 待ってよ、どこ行くのよ!」

「久しぶりだな、ヴィルヘルム。元気だったか? 一緒にチョコ食おうぜー」
「おー那智、おひさ! 食おうぜ食おうぜー」
 一方。那智とヴィルヘルムはうめーうめーとチョコフォンデュを味わっていた。那智は酒入りチョコは相棒にNOと言われているため、せめてラム酒風味のチョコフォンデュ。
 そんな感じで食べ始めて、チョコシロップを舐めてみたり、ラーメン味やら味噌味やら謎フレーバーにも手を出してみたり。
「チョコは甘いモンだけど、醤油っぽいのとか味噌っぽいのもあるんだなー」
「チョコって思わなきゃわりといけるな! うまー」
「おっ、いい食いっぷりだなヴィルヘルム。女なのにやるじゃん」
 ラーメンチョコをガリガリ食べるヴィルヘルムに、那智が感嘆する。と、そこへ顔を出したのは英斗で。
「ヴィルヘルムさん! 見事な食べっぷりですね! あ、俺は若杉っていいます。よろしくお願いします!」
「おー、若杉? 俺様はヴィルヘルムだ、よろしくな!」
 ニッと笑うヴィルヘルムが英斗の手を取り、握手。柔らかくてすべすべで、あったかくて小さく可憐な、少女の手――心の中でガッツポーズを天に捧げる英斗。バレンタインサイコー。「一緒に食うか?」とのヴィルヘルムの誘いに食い気味で「はい!」と答える。
「ヴィルヘルムさんはチョコ渡す相手とかいるんですか?」
 もぐもぐ、格段にさっきより美味しく感じるようになったチョコを頬張りつつ英斗はヴィルヘルムに問う。が、彼(彼女)から返事が来る前に、英斗の耳をギュムと引っ張ったのは夜宵だ。
「いだだだだ!?」
「全くもう! 英斗! 会長の英雄にちょっかい出してんじゃないわよ! ほら、行くわよ!」
「あっちょっまって、せめて彼女から質問の返事を――」
「彼女? ……ああ、英斗。このひと、男らしいわよ」
 ね、と夜宵がヴィルヘルムを見やる。「おう」と“彼”が親指を立てる。

「なん……だと!?」
「何ぃ!?」

 衝撃が走ったのは英斗だけではなかった。那智までもが目を真ん丸にしている。
「バカな……コレが男!? このボイン☆きゅっ☆ツンちゃんが男!? もうダメだ、何も信じられない」
「お前……男だったのか……」
 呆然。愕然。傍から見ていた刀護が「なんだ知らなかったのか」と瞬きをしていた。彼はジャスティンやアマデウスから話を聞いていて、ヴィルヘルムの『正体』を知っていたのである。
 那智は「ビックリした~」程度だったが、英斗はそうもいかなかったようで。かなりしょぼくれている。夜宵は溜息を吐いた。
「英斗、ほら」
 そして、声をかけて。顔を上げた英雄に差し出したのは――
「チョコレート。私からあげるわよ」
 可愛らしい包装のチョコレート。受け取った英斗は、それをまじまじと見つめ。
「……ありがとう夜宵。でもコレ、そこのダンボールからだよな?」
「まっ、まぁいいじゃない! 一応、高級そうなヤツを選んだんだからね!」
 味は保障するわ。ニコリ、夜宵は微笑んだ。


「駄菓子か。懐かしいな。昔、よく駄菓子屋で買ったな」
 駄菓子系のチョコレート菓子に、チョコレートボンボンに。刀護は好みのチョコに舌鼓を打ちつつ無尽蔵に口へ運んでいる。酒豪なので、お酒入りチョコで酔うことはない。持って帰ってもいいのだからなおさら上機嫌だ。酒入りチョコをぱくぱく頬張る相棒に、那智は「いいよなー」というジト目を向けているのであった。


「これ、本当にタダで食べられるのかい? H.O.P.E.は随分と太っ腹なことをするんだねえ」
 大量のチョコに杏子(aa4344)は「あらまあ」と感嘆の様子。その傍らではテトラ(aa4344hero001)が、フラットな無表情のまま黙々とチョコを食べ続けている。
 とまあ、随分と変わった内容だが、これも任務。早速、杏子も『任務』に取りかかる。
「やっぱり柿チョコはつまみに良いね♪」
 日本酒、洋酒、彼女のテーブルの周りにはバーもかくやと並ぶ酒瓶。「飲める子は寄っといで、子供はチョコでも食べてな」と上機嫌、杏子はチョコをつまみに日本酒を飲む。彼女は可憐な大和撫子の見かけながら大酒豪である。
「会長さん達もどうだい?」
 そうH.O.P.E.会長とその英雄達へ呼びかければ。「是非とも」と言いかけたジャスティンを「この後も仕事があるのだ酒は控えよ」とアマデウスがたしなめて、一方でヴィルヘルムは「飲む飲むー!」と杏子の隣に腰かけては豪快に飲み始めた。
「はは……。私はチョコレートボンボンで我慢するとするよ」
 生真面目な英雄にたしなめられては会長は苦笑を零した。そんなジャスティンに「それはしょうがない」と苦笑を返しつつ、杯を置いた杏子は言葉を続ける。
「バレンタイン、会長さんは娘ちゃんから貰えたのかい?」
「……」
 スッ、とジャスティンが哀しい笑みと共に遠い目をした。そして返答はないまま、真相は謎のまま、「君は?」と尋ねてくる。
「私? 旦那にあげたよ。……といっても、仏壇に供えたってことだけどね」
「おっと……」
 まずい質問だったかな、と見やるジャスティンの眼差し。杏子はカラカラと笑う。
「まあ、別に寂しいとは思わないよ。盆とかにはちゃんと帰って来るし。むしろ居る間は騒がしくてねえ」
 そんなやりとり。テトラは相変わらずチョコをモグモグモグモグ、二人の話を聞いているのかいないのかは分からない。分かることといえば、今テトラが頬張っているのはカレー味チョコであるということだけだ。


「抹茶入りのチョコとか、日本ぽいよね♪」
 ポリポリ。「あ、これ知ってる」とアンジェリカは色んなフレーバーを詰め合わせた小粒チョコを頬張っていた。
「後でちゃんと歯を磨くんどすえ」
「はーい」
 文菜の言葉には生返事。ポリポリポリポリ。「あとで痛ぁなっても知りまへんえ」と溜息を吐かれた。そんな英雄を、ふとアンジェリカが見やってみると……なにやら調理スペースで料理しているようで。
「何を作ってるの? ……えっ、酢豚?」
「いや、漫画喫茶いう所で読んだ漫画にあったんどすわ」
 完成どすえ~とアンジェリカの前に料理を持ってくる文菜。
「糖醋に黒酢とチョコレートを使ったんどすえ。どないどす?」
「へえ……。うん、ビターな甘みが良い感じだよ♪」
「あい、よろしゅう」
 ニコリ、美味しそうに酢豚を頬張るアンジェリカに微笑む文菜。調理場へ戻っていく。再び何か作り始めたようだが……
「今度は回鍋肉? ……えっ、味付けにチョコ!? コショウとラズベリー!?」
 流石にこれは、とアンジェリカはポカンとする。そうこうしている間に回鍋肉が運ばれてくる。
(あれ、でもいいかおり……)
 見た目も決して悪くない。これは一体。真偽を確かめるため、おそるおそる、一口。
「……ん、んん!? えっ、結構いける!」
「お口にあって、なによりどすえ」
「これも漫画にあったの?」
「そうどす~」
「へ~……いやむしろその漫画の方に興味があるよ」
 一体どんな漫画なんだ。なんて思いつつ。
「会長さん達に食べてみる?」
 近くにいた彼らに声をかける。「肉だ!」とヴィルヘルムは早速くいついたようで。一方でアマデウスは「肉料理にチョコ……!?」と堅物らしく呆然としていた。まあ、一口食べれば「悪くない」という意見に変わったのだが。


「さて」
 くるり、ストゥルトゥス(aa1428hero001)は眼鏡をクイと押し上げつつ、ニウェウス・アーラ(aa1428)へ振り返った。
「そこの、さっきから高級チョコばっかりもきゅってるマスター」
「だって、美味しいし……」
 もっきゅもっきゅ。プレミアムなチョコを両手に眉根を寄せるニウェウス。英雄は溜息を一つ。
「太るゾ」
「はひっ!?」
「さぁ『貴様の罪<包装紙裏に書かれたカロリー>』を数えろ……」
「はひええええ」
「ではなくー。調理スペースで面白いことやってみない?」
 態度をコロッと変えてニコヤカに笑むストゥルトゥス。「面白い、こと?」と涙目で顔を上げるニウェウス。
「そう。ここにはたくさんのチョコがある。そしてあそこに調理スベース。ときたら、やることは一つ」
「?」
 首を傾げるニウェウス。英雄はもったいぶるように間を無駄に空けすぎると――
「超 次 元 融 合 ッ !!」
「何を作る気!?」
「知ってるかい。チョコって混ざるんだぜ?」
 迫真。さぁ、湯煎と心の準備はOK? 覚悟はできた?

 では、レッツ混ぜ混ぜ☆
 酒入り、ハバネロ入り、イチゴ味、ミルク味、ラーメン味、味噌味、イカミソ味……。

「ス、ストゥル……何かスゴイよ!?」
「ねーるねるねるねー……ウェッヒッヒッヒッ」
「ねればねるほど色が変わってるよー!?」
「こうやってつけて……」
「ナニにつけてるの!? ねえそれナニ!?」

 \てーれっててー☆/

「できたー!」
「できちゃっ、た……」
 その時、二人の視界に留まったのは――なんでもウマイウマイしているヴィルヘルムで。「HEY、そこのお嬢さん! ボクと一緒にチョコをキめないか」とストゥルトゥスが彼を手招く。
「ほ、ほんとにそれ、食べるの!?」
「当たり前でしょ。それが、作りし者の責任ってヤツさ」
「そこだけ真面目なんだ……」
 半ばドン引きしているニウェウスが見守る中。「変わったチョコだな!」とホイホイされたヴィルヘルムと、そしてストゥルトゥスが。そのチョコを――食べる。

「「うまい!!」」

 \てーれっててー☆/



●騎士とチョコ

「チョコ、食べ放題! 夢みたいだよ……っ!」

 右も左もチョコだらけ。キラキラ、芦屋 乙女(aa4588)は目をいっぱいに煌かせていた。
(女って甘いモノ好きだよなぁ)
 そのすぐ傍では英雄のクー(aa4588hero001)がそんな感想を抱いている。乙女を見やる彼の眼差しは、妹を見守る兄のそれだ。
 さてクーが見守る中、乙女はダンボールから早速チョコを取り出した。クーはそれに二度見する。乙女が嬉しそうに手にしていたのは、ラーメン味チョコ。いや、確かに乙女は家がラーメン屋で、本人も大のラーメン好きではあるが。クーがそんなことを考えている間に乙女はラーメン味チョコをもぐもぐ。
「あっ、結構いけるかも? 味がこってりするんだね」
「嘘だろ!?」
 真偽を確かめるためにそれを一口かじってみるクー。が。「うえ」としかめ面で舌を出した。これは、ないわ――クーがそう心の中で思っていると。再び乙女がゴソゴソ、とあるモノを取り出した。インスタント麺。と、ダンボールから取り出した板チョコ数枚。
「ち、チョコレートラーメン、してみたいのっ!」
「……おう、やってみろよ」
 乙女のワクワクとした物言い。料理の心得があるクーは不安も覚えつつもゴーサイン。
 というわけで数分でそれは出来上がる。こってりどろどろチョコレートスープのラーメン。「いただきます」と早速一口、そして、乙女は顔をしかめた。
(ほれみたことか)
 クーもノーコメント。乙女は物言わず食べていく。そのまま完食。スープまで飲み干した後、彼女は無言のまま首を振った。
「これで諦めずに色んなラーメンにチャレンジしたいんだよ……!」
「お、おう、どっかで聞いたような前向きなコメントどうも」
 そんな乙女のフードファイト(?)を見守っていたのはクーだけではなかった。夜城 黒塚(aa4625)が、困惑に眉根を寄せている。
「芦屋の嬢ちゃん……それはもしかしなくてもラーメンだよな……? チョコに合うのかよ……いや、まあつけ麺レベルなら……」
 後半は半ば独り言。そのままクーにボソリと耳うちをする。
「おい、まさかアレ店のメニューに加わったりしねぇよな?」
「安心しろ阻止する」

 一方。
「……」
 薫 秦乎(aa4612)は乙女を見て静かにヨダレを垂らしていた。蛇のワイルドブラッドゆえ、ウサギのワイルドブラッドは、こう、本能的に。しかし直後にベネトナシュ(aa4612hero001)にどつかれては、顔をしかめてヨダレを拭いた。

 まぁそんなこんな。知り合い六人が集まれば、皆で食べられるものをという話になり。やはりチョコといえば皆の憧れ、チョコフォンデュ。他の場所でも作られているそれを、彼ら六人も挑戦だ。フォンデュ用ポットは黒塚が用意してくれた。

「カットフルーツとプチシューとポテトチップスとお団子! 持ってきたよ♪ えへへ、皆でチョコパーティー!」
 エクトル(aa4625hero001)が外見年齢相応にハシャいでいる。
「串カツほどうるさくは言わねえが、基本二度漬けは禁止な」
 黒塚が上機嫌な相棒に言う、が、
「白玉団子にチョコがけするの、僕的におすすめなんだよ~♪ ベネトお兄ちゃん、クーお兄ちゃんも、はい、お口開けてーーあーん♪」
 聞こえていないようで、エクトルはベネトナシュとクーにチョコがけ白玉団子を差し出していた。ベネトナシュは「おいしい! これが! ふぉんでゅ!」と感動した様子。
「ありがとうございます」
 クーは甘いものが苦手だけれど、親類であるエクトルには比較的甘い。礼を述べた後、「これも食べますか?」とチョコがけイチゴをフォークで口元に。その近くでは乙女が、同じチョコイチゴを美味しそうに頬張っていた。

 さて、ベネトナシュも仲間達のようにチョコレートフョンデュに挑戦だ。「好きなものをチョコに付けて食えばいい」と秦乎から聞いたので、「好きなもの詰め合わせセット」――クッキー、スコーン、マシュマロ、フルーツなどを持ってきた。
 更に。ベネトナシュは気の利くナイスガイなのである。なので、伯父と義祖父――クーとエクトルが世話になっている乙女と黒塚へも、「詰め合わせセット」を用意してきたのだ。
「乙女ちゃん殿と黒塚殿にはこちらを! お気にめされるといいのですが!」

 乙女へのセット――リンゴとにんじん、なぜか四つ葉のクローバー。
 黒塚へのセット――現金。

「おじさん殿にもご準備して差し上げたかったですぞー……」
 申し訳なさそうに秦乎へ振り返るベネトナシュ。
「カエルや野鳥の箱詰めとか要らねぇから」
 溜息と共に秦乎はそう答えたのだった。
 一方でいきなり現金を渡されて内心困惑中の黒塚。任務を請け負った報酬とかならまだしも……と思ったので、そっと秦乎に返しておいた。やれやれ。一息ついていると、ベネトナシュから笑顔で差し出されるチョコ一つ。
「はい黒塚殿、あーんしてですぞ!」
「何だベネトナシュ、その砂糖コーティングされたチョコは……俺にかよ」
 やれやれ再び。無言無表情で食べる黒塚。気に入ってるのかは不明だが、ベネトナシュは満足気だ。次いで乙女に、
「乙女ちゃん殿、恥ずかしがり屋の伯父上にこちらをさしあげてですぞ♪」
「要らん。乙女、食べていいぞ」
 クーは溜息を吐いて半ば言葉を遮った。ついでに乙女を、秦乎の眼差しから守るように前に出るのであった。
 そんな一同を見守りつつ。「口の中がタルくなってきた」と甘味の広がる口に感想を抱いた黒塚は、インスタントコーヒーを淹れ始めた。
「お前らも何か飲む?」
 振り返る先、まず視界に入ったのはエクトル。口元をチョコまみれにして、ご満悦顔でチョコを頬張っている。……。一瞬、黒塚は沈黙すると。
「とりあえず口拭けよエクトル……」



●ちょこちょこちょこ

「毎年のことながら、どこからこれだけのモノが湧いて出るんだか」

 うず高いチョコの山を見上げ、石和 佳槻(aa0593hero001)はそんな感想をこぼした。
「チョコって湧くモノなのか?」
 その傍らで不思議そうに首を傾げたのは佳槻と似通った顔の少年、石和 柾(aa0593)。「言葉通りに取るな、ものの例えだ」と佳槻は溜息を吐きつつ、せっせと板チョコを手近な箱に詰めていた。柾が目をパチクリとする。
「どうするんだ、それ?」
「もちろん食料に決まってる」
 タダで非常食調達。今日の任務を佳槻はそう見ていた。やばいモノを仕込んだり、粘土代わりに使ったりなんてもったいないことはしない。
 と、佳槻の所作をジーッと眺めていた柾が、納得がいった顔でポンと手を打って。
「ああ、それで食材を煮込むやつ」
「やめろ気持ち悪い! チョコはコンソメキューブじゃない!」
「えー、胃に入れば一緒じゃない?」
「そういう問題じゃない!」
 全く、と佳槻は手を休めぬまま肩を竦める。柾をロクでもない環境で育てた連中にまた会うことがあったなら、今度こそ並べて正座させて説教してやろう――そう心に固く誓う。
「ああそれで、チョコとバレンタインデーについてお前に説明しておくかな」
 話題を変えるように、佳槻は相棒に語り始める。チョコというモノの特色、この時期にチョコが大量に出回る理由。
「ふーん」
 柾は分かったのか分かってないのか曖昧な返事をして、佳槻が選ばない高級なものや、駄菓子系をせっせと食べている。
「ねえねえ、ラーメン味とかあるし食事もこれで良くない?」
「いいわけあるか! 少しは常識というものを……」
「錠剤やアンプルよりマシなのにー」
 ぶーたれる柾。「あの連中にまた会うことがあったなら以下略」する佳槻。『非常食調達』はまずまずの成果だったが、『柾の社会勉強』としては果たして意味があったのだろうか。神のみぞ知る。


「じゃん! 抹茶チョコすないぱあ登場!」
 フスン、と得意気な様子で現れたのは都呂々 鴇(aa4954hero001)。説明しよう、抹茶チョコすないぱあとは「チョコはチョコでも、抹茶チョコに狙いを定めて食べちゃうんだよー!」という感じのやつである。プレミアムな抹茶チョコ、庶民的な板チョコ、業務用から駄菓子系まで、色んなものを食べている。
「素材によって香りとか甘みとか全然違うけど、どれも美味しいのー♪」
「鴇ちゃん、お茶立てたげよっか?」
 その傍ら、シャカシャカと手際よく抹茶をたてているのは相棒リンカーの新城 霰(aa4954)だ。「わぁい」と鴇は漂う香りに嬉しげである。
「ありがとう霰さん♪ 抹茶トリュフ美味しいなっ♪」
 抹茶チョコすないぱあの名はダテじゃない。鴇はみるみるうちに抹茶チョコを食べてゆく。気付けば周りにあった抹茶チョコは全滅だ。これには霰も目を丸くして、
「もう食べちゃったの? よし、抹茶チョコいっぱい集めてくるね」
 と、傍らのダンボール箱をゴソゴソと物色し始める。
「王道の抹茶チョコを食べつくしたら、変わったのもいかが? ほらこれなんてどう? 抹茶チョコがけおせんべいに……ん? 抹茶チョコ味トンコツラーメン……」
 もはや抹茶なのかトンコツなのか。「まずい、脱線してゆくわ」と独り言ちた霰はそっと謎チョコをダンボールの奥にしまいこんだ。うん、普通に美味しいやつを持って行ってあげようね。
「どれも美味しいのー。香りと甘味の苦味の絶妙なまっちんぐぅー。甘いだけじゃないところが抹茶の深いところだよっ。霰さんも一緒に食べましょうよぅ」
 霰が持って行ってあげた抹茶チョコを、鴇は幸せそうに頬張っている。ニコリ、笑顔を浮かべて曰く「抹茶チョコいっぱいも嬉しいけど、霰さんとゆっくりできるのが嬉しいよ」と。その健気な言葉に霰は両手で口を覆って息を呑む。
「鴇ちゃん……! お掃除とか、お洗濯とか、お料理とか、買出しとか、いつもありがとうね。今日はゆっくりしよう」
(今日だけかよ……オレって何気にいっぱい働かされてね?)
 わりと遠慮ないことを内心で呟く鴇だった。


「それで……どうして幻想蝶の中に三角巾とエプロンが?」
 ニノマエ(aa4381)はテーブル上のそれらから、ミツルギ サヤ(aa4381hero001)に視線を移しそう問うた。うむ、とミツルギは一つ頷くと、
「チョコは誰かに貰うと美味しさが倍増する、ということを私は学んだのだ。そこでだ。めんさせくんだ、と……このロッドとナイフでお前に力を貸してやろう」
 ぽんぽん、ニノマエに手渡され……というより押し付けられゆくのはAGWメンサ・セクンダ、スパチュールナイフ、ホイッパーロッドとお菓子作りに適したモノ達。
「異界から記憶を無くして流れついた英雄。だがチョコの美味しさに目覚め、ほんのりと暖まる心……その英雄のために手作りチョコとは泣ける話ではないか」
「お、おう。前半はともかく後半はよくわからん。てか着々と材料が積み上げられてるし」
「短く話をまとめようか」
「結局はいつもの」
「作れぇぇぇぇぇ!!! ……ねっ、お願い☆」
「……」
 ニノマエのチベットスナギツネ顔。

 というわけで。

「いや、まあ、調理はできるけどさ……」
 そんな得意じゃないんだよ、とニノマエは溜息を吐きつつもミツルギのためにフォンダンショコラを作り始めた。時間もそうかからず簡単、かつひと手間で美味しそうなレシピ、ということで。
「で、甘さはどれぐらいにする? ビターチョコみたいな苦いのもあるが」
「この際、とっても甘いとろける味がいい!」
「……ハイ」
 健気に、手際よく、ミツルギの希望通りに、こころをこめてつくる。あ。棒読みだった。
(まあ、いつも世話になってるしな)
 生地を混ぜつつ、ふと思う。
「ていうか、作ってる俺の顔見んな」
 混ぜた生地を容器に流し込みつつ、ミツルギの視線から目を逸らす。
「……できた」
 焼きあがったそれをオーブンから取り出して、ミツルギの前へ。
「味の保証をしないのはお約束だからな」
 ほら食べろ、と渡すフォーク。早速ミツルギは一口、そして。
「今だけ大好きだ、ニノマエ!」
「今だけ」


 もっしゃもっしゃもっしゃもっしゃ……。
「もぐもぐ。おいひいれすね、アキラさん」
「……なんて色気のない食い方だよ、お前」
 豪快に業務用チョコ塊をかじっているアウローラ(aa1770hero001)に、冬月 晶(aa1770)は溜息をこぼした。ガリガリとチョコを噛み砕いていくアルローラの様は、「色気より食い気」を通り越してもはや野生である。
「……むぐむぐ。ところで、なんでこの時期って、チョコレートが安く売ってるんでしょうね? 種類もいっぱいありますし。去年も色々食べられましたし」
「知らんで喜んでたんかい」
 すかさずツッコミを入れつつ、やれやれ。晶はバレンタインデーについて簡単にアウローラへ解説を。英雄はチョコを食べる手を止めず、円らな瞳で聞いていた。
「……バレンタインデーなぁ。昔はそんなもんに夢中になって時期もあったなぁ」
 説明を終え、ふと椅子にもたれる晶。学生時代には彼女がいたものだ。
「もう十年近く前になるのか……」
 遠い目をする。その彼女にはフられたのだ。嗚呼。
 もぐもぐ……そんな相棒の顔を、アウローラが覗き込む。
「……? どうしたんですか? 元気ないですよ?」
「別にそんなことはない。お前は能天気でいいよな……ほら、好きなだけ食え。こんな機会、ほとんどないぞ」
 苦笑を零し、晶はダンボールからマシュマロチョコの袋を取り出しアウローラの前へ。彼女はそれをジッと見ると、袋を開けて……。
「はい、チョコレートあげます!!」
 笑顔で差し出した。晶はポカンと瞬きを一つ。
「……そうかい。なんだこりゃ。一応もらった数にカウントしていいのか、これは?」
 くすぐったそうにはにかんだ。手からそのまま「あーん」は年齢的にしんどいので、手で受け取って口の中へ。甘い味。
「しっかし、最近こんなチョコレートばっかじゃキツくなってきたな。学生の頃はいくらでも食えたかもしれんが」
「いっぱい食べると元気がでますよ!」
「あー、そうかい、そうだな」
 チョコは滋養強壮に優れているとかなんかそんな話を聞いたことがあるような。まあいいか。


「これはお菓子禁止令に対する叛逆の好機!」
「旧秩序(アンシャン・レジーム)は崩れ去るのよ!」
 セレティア(aa1695)とセラス(aa1695hero002)は二人で協力してお菓子籠「グリード」を手に、えいえいおーと鬨を上げた。
「いいですかセラスちゃん、これはわたしたちの聖戦です」
「もっちろん、ティア! 作戦秘匿名『監獄(バスティーユ)』――これは気高き革命なのよっ」
 コソコソ、ヒソヒソ、耳打ちしあう少女達。テニスコートならぬ会議室で革命を誓う。そう、今日はいつも「お菓子は食べ過ぎてはいけません」と口うるさい保護者に隠れてお菓子の備蓄を作る決戦の日!
「欲張るのはダメです。みんなでわけっこですから。淑女たる者、思いやりがないと」
「そうね、ティア。でも量については要検討よ。急激な体重増加や肌荒れでバレるリスクもあるわ」
「確かに。では……」
 すらすら、取り出したメモに数式を書き上げていくセレティア。セラスがそれを覗き込む。
「……一日適量を五〇グラムとし、一月分×二人、三〇〇〇グラムのチョコの確保を目的としましょう」
「完璧な作戦ね……!」
「このメモは燃やしてしまいましょう、証拠隠滅です」
「了解よ!」
 傍から見ると小さな子供のスパイごっこのようだが、本人達は至って真剣である。
「毎日でも食べたいお気に入りが七、貰い物だと嬉しい変わり種が三! これが黄金比率!」
「細かいこと考えなくても、取り替えっこすればいいのよ。二人なんだから!」
 試食して吟味しつつ、色んなチョコを籠に詰めていく少女達。傍から見れば二人で顔を寄せ合ってヒソヒソなにかお喋りしつつチョコを食べている女の子達、という物凄いほのぼの光景である。だが本人達は至って真剣である。
「おくちあまーい。ミルクティーが欲しいです」
「セラスはオレンジジュースが欲しいわ」
「こっちのチョコ、とってもおいしー!」
「えー! セラスも食べるー!」
「じゃあ、はんぶんこです! はいどうぞ」
「わーい! おいしー!」
 繰り返すが本人達は至って真剣である。


 ぽりぽり、ぽりぽり。
 若葉とラドシアスは今更、沈黙など気にならない関係だ。間と埋めようと気を回さなくてもいい、居心地のいい間柄。のんびりとチョコを食べる二人の間には、会話の代わりにチョコをかじる音が流れていた。今回はお持ち帰りOKだから無理をして食べなくていい、ということもある。
「また随分と持ってきたな」
 ダンボールの山から戻ってきた若葉を一瞥、ラドシアスが口を開いた。若葉が持ってきたのはナッツ系、チョコバー系、それからフレーバーが豊富な小粒チョコ詰め合わせなどなど。食感や味が異なるものが好みのようだ。
「そう言うラドは少ないね」
 若葉の視線の先、緑茶とホットミルクを準備しているラドシアス。その周りには「あとで捨てやすいように」と几帳面にまとめられた包装紙があるが、その数は少ない。
「折角だしラドが選んだのも食べてみたいな、これ貰うよ!」
 と、若葉は未開封だったチョコ――ラドシアスが選んだものだ――を手に取った。「それはお前には……」と眉根を寄せる英雄の言葉を聞き流しつつ、若葉はボリンとチョコをかじ、り、
「……にっが!!」
 まさに『苦虫を噛み潰したような顔』。
「ほえー、これ……よく食べられるね」
 口を「いぃ~」としながらも、素直に驚いている若葉。溜息を吐くラドシアス。
「カカオ九〇パーセントチョコだからな、そりゃ苦いだろうよ」
 口直し、と差し出すホットミルク。若葉はそれを慌てたように急いで飲むと、ホーッと一息。
「一緒に飲むと美味しい」
 色んなチョコがあるもんだ。ホットミルクの続きを飲む。
 苦いチョコには甘いミルク、甘いチョコには苦いコーヒー。
 それは千香も思い付いていたことで。

「これさえあれば、たくさん食べられます!」

 マイカップに注いだビターテイストなカフェオレ。フスンと得意気な千香を、ハロスは一瞥すると。
「太るぜ?」
「う」
 容赦のない一言に言葉を詰まらせる千香。
「と、とにかく! 楽しみましょう!」
 気を取り直して、ハロスをつれてダンボールの山を物色。千香はお土産も含めて、ハートモチーフのチョコがお目当てだ。
「このホワイトチョコ、ハートが描いてあって可愛い! ハロスさんは気に入ったのありました?」
 包装も可愛いチョコを手に、楽しそうに振り返る千香。その先でハロスは、ダンボールへ俯いたまま沈黙しているではないか。
「……もしもし?」
 どうしたんだろうと千香が話しかけると。
「俺、このチョコレートを一生の宝物にする……」
 ぎゅ。ハロスが抱きしめたのは、ダンボール一箱分の可愛らしい猫モチーフチョコ。
 ぐう。可愛い。胸を押さえる千香。でも、現実は残酷だ。
「ハロスさん……伝えないといけないことがあります」
「ちゃ、ちゃんと面倒は見るっ……! だからッ……!」
「……賞味期限……迫ってますから……」
「千香は鬼だったのか!?」
「人間です!」
 賞味期限前に食べることこそ、この猫さんの幸せなのです。そう説得して、ハロスの背中を撫でる千香。……なんだか心が痛みました……。


「マスター。なぜいろんな味のするチョコを私に?」
 もぐもぐ……ラフマは『刺身味チョコ』とかいう意味不明な味のチョコを飲み込んだ後、近くにいる景に尋ねた。
「なぜ、と?」
 眉を上げた景は、優雅にホットチョコレートを飲みつつ。
「ラフマなら大丈夫です。この世界にはさまざまなチョコがあると思って楽しんで下さい」
「あの、マスター? 質問の答えになっていないような……」
 ラフマは自分の手元にあるドリアンフレーバーチョコと、景の手元にあるチョココーティングイチゴを見比べる。明らかに、差が、あるようなー……?
「大丈夫です。ラフマなら、大丈夫です」
「え、あ、はい……」
 なんかこれ前にラーメン食べた時も似たようなことがあったようなー……?
 なんてラフマが首を捻っていると、景からホットチョコレートの差し入れが。景のお手製だ。
「どうぞ。……たくさんありますしね」
「マスター……!」
 ぱあ、と表情が華やぐラフマ。ちょろいとも言う。



●ごちそうさまでした

「「ごちそうさまでした」」

 景とラフマの声が重なる。見やれば、いやはや、エージェント達は食べに食べたり。
「後は消費期限を守れる程度の速度で消費していきます」
 板チョコ、業務用チョコレート。ラフマと協力して、景は実用的なチョコを集めにかかる。
「お土産、喜んでくれるかな!」
 若葉も同じく、まだ残っているダンボールをゴソゴソ。渡す相手が喜びそうなものを探してゆく。ミルク系、ナッツ系、駄菓子系など、子供が好きそうなものを中心に。
(折角だし、ピピ以外の人にもお土産もってくかな)
 とゆわけで、ネタ枠の『エビ味チョコ』なんかも確保しておいた。


 作戦秘匿名『監獄(バスティーユ)』――セレティアとセラスは作戦を終えた。セレティアはドライフルーツやナッツが入ったもの中心で、ホワイトチョコ多め。セラスはガナッシュの入ったものやクッキー、マカロン、ビターチョコが多め。ちなみに二人とも半数はミルクチョコ。
「今日のディナーに牛肉チョコソース煮込みを作りましょう」
「それなら堂々と食べられるわね」
 少女達は嬉しそうに微笑み合うのであった。


「家に帰ったら、お土産話もしましょうね」
「おう」
 ダンボールを抱えた千香、ハロス。千香の箱にはホワイトチョコ、ハロスの箱には猫チョコが。大事そうに猫チョコ入りダンボールをぎゅうと抱えている
英雄を横目に――楽しんで貰えたみたい。千香はニコッと微笑むのであった。

 というわけで、各々がチョコの持ち帰りターン……となったわけだが。

「皆さんは配った生チョコを持ち帰るのもあるでしょうし、そのぶん私が多めに頂いていきますね。ほら、もったいないですし、たくさん持つと帰り道も大変でしょう」
 織歌は天使のような微笑みだった。ここでようやっと、ペンギン皇帝は彼女の陰謀に気が付いたのである。
「そなた、そのような狙いが……」
「……」

 にっこり。



『了』

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • ひとひらの想い
    草薙玄桃aa0023
    人間|19才|男性|命中



  • もふもふには抗えない
    多々良 灯aa0054
    人間|18才|男性|攻撃
  • もっふもふにしてあげる
    むすびaa0054hero002
    英雄|10才|?|バト
  • しっかり者のお姉ちゃん
    清原凪子aa0088
    人間|15才|女性|生命
  • 回れ回れカップ
    白詰草aa0088hero002
    英雄|8才|?|ブレ
  • 希望を胸に
    アンジェリカ・カノーヴァaa0121
    人間|11才|女性|命中
  • ぼくの猟犬へ
    八十島 文菜aa0121hero002
    英雄|29才|女性|ジャ
  • 義の拳客
    リィェン・ユーaa0208
    人間|22才|男性|攻撃
  • 義の拳姫
    イン・シェンaa0208hero001
    英雄|26才|女性|ドレ
  • 誓約のはらから
    辺是 落児aa0281
    機械|24才|男性|命中
  • 共鳴する弾丸
    構築の魔女aa0281hero001
    英雄|26才|女性|ジャ
  • 荒ぶるもふもふ
    水澤 渚aa0288
    人間|17才|男性|生命
  • 恋する無敵乙女
    ティアaa0288hero001
    英雄|16才|女性|ソフィ
  • エージェント
    中城 凱aa0406
    人間|14才|男性|命中
  • エージェント
    礼野 智美aa0406hero001
    英雄|14才|男性|ドレ
  • 癒やし系男子
    離戸 薫aa0416
    人間|13才|男性|防御
  • 保母さん
    美森 あやかaa0416hero001
    英雄|13才|女性|バト
  • エージェント
    石和 柾aa0593
    人間|11才|男性|命中
  • エージェント
    石和 佳槻aa0593hero001
    英雄|20才|男性|バト
  • 共に歩みだす
    皆月 若葉aa0778
    人間|20才|男性|命中
  • 温もりはそばに
    ラドシアス・ル・アヴィシニアaa0778hero001
    英雄|24才|男性|ジャ
  • おとぎの国の冒険者
    七森 千香aa1037
    人間|18才|女性|防御
  • エージェント
    ハロスaa1037hero002
    英雄|10才|?|ソフィ
  • カフカスの『知』
    ニウェウス・アーラaa1428
    人間|16才|女性|攻撃
  • ストゥえもん
    ストゥルトゥスaa1428hero001
    英雄|20才|女性|ソフィ
  • 黒の歴史を紡ぐ者
    セレティアaa1695
    人間|11才|女性|攻撃
  • 柘榴の紅
    セラスaa1695hero002
    英雄|9才|女性|ソフィ
  • YOU+ME=?
    冬月 晶aa1770
    人間|30才|男性|攻撃
  • Ms.Swallow
    アウローラaa1770hero001
    英雄|20才|女性|ドレ
  • その背に【暁】を刻みて
    東江 刀護aa3503
    機械|29才|男性|攻撃
  • 最強新成人・特攻服仕様
    大和 那智aa3503hero002
    英雄|21才|男性|カオ
  • 悪気はない。
    酒又 織歌aa4300
    人間|16才|女性|生命
  • 愛しき国は彼方に
    ペンギン皇帝aa4300hero001
    英雄|7才|男性|バト
  • Be the Hope
    杏子aa4344
    人間|64才|女性|生命
  • トラペゾヘドロン
    テトラaa4344hero001
    英雄|10才|?|カオ
  • 砂の明星
    烏丸 景aa4366
    人間|17才|女性|生命
  • 砂の明星
    ラフマaa4366hero001
    英雄|17才|女性|カオ
  • 不撓不屈
    ニノマエaa4381
    機械|20才|男性|攻撃
  • 砂の明星
    ミツルギ サヤaa4381hero001
    英雄|20才|女性|カオ
  • LinkBrave
    芦屋 乙女aa4588
    獣人|20才|女性|回避
  • 共に春光の下へ辿り着く
    クーaa4588hero001
    英雄|24才|男性|ソフィ
  • 気高き叛逆
    薫 秦乎aa4612
    獣人|42才|男性|攻撃
  • 気高き叛逆
    ベネトナシュaa4612hero001
    英雄|17才|男性|ドレ
  • LinkBrave
    夜城 黒塚aa4625
    人間|26才|男性|攻撃
  • 感謝と笑顔を
    エクトルaa4625hero001
    英雄|10才|男性|ドレ
  • スク水☆JK
    六道 夜宵aa4897
    人間|17才|女性|生命
  • エージェント
    若杉 英斗aa4897hero001
    英雄|25才|男性|ブレ
  • 闇に光の道標を
    新城 霰aa4954
    獣人|26才|女性|回避
  • エージェント
    都呂々 鴇aa4954hero001
    英雄|16才|男性|シャド
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