本部

王者たる風格

紅玉

形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
6人 / 4~6人
英雄
5人 / 0~6人
報酬
少なめ
相談期間
5日
完成日
2016/12/16 19:59

掲示板

オープニング

●王者誕生
 どんな生物の世界にも弱者がいれば強者がいて、ピラミット式に階級がある。
 ここにも、とある従魔の群れが『王者』と呼んでるモノがいる。
(うっとりぃ……)
 半透明の楕円形に4本の足が生えたソレは、見事な逆三角形のマッチョな銅像を見て恍惚の表情で見つめる。
『マッチョ教を布教するのだ。だから、お前たちに1つ能力を伝授しよう』
 マッチョな銅像は、半透明の生物にそう言うと飴と力を与えた。
「こ、これは!?」
『それは、マッチョ化の飴と服を溶かす力だ』
「な、なんと! これで、マッチョを剥き放題!」
『そういう事だ! さぁ、行くが良い小さきモノ達よ!』
 半透明の生物達は町へと向かった。

●麗しいアナタ
「お集まりいただきありがとうございます。えっと……その、従魔ちょこぉに似た従魔が……町で暴れています。その従魔達はプリセンサーによると『特別な能力はない』そうなのですが、出会った男性をマッチョにし服を溶かし回っているそうです」
 ティリア・マーティスは困惑した様子でアナタ達に説明をする。
「今回の任務は、その従魔達を退治し元凶を見つけて危険であれば排除してください。もし、囮が必要であれば冥人様をお使い下さい」
「いや、ティリア姐の服が溶ける方がサービスになるよね?」
 圓 冥人は押し付けられた資料をティリアに突き返した。
 アナタは端末に送られてきた資料に視線を向けると、『女性の服を溶かし、巨乳にした報告もあり』と小さな文字で書かれていた。

解説

●NPC
2人とも渋々囮になってくれます。

●目標
従魔、愚神の撃破

●場所
とある街中(昼)

●一般人
ちらほらと数名居ます。

●敵
愚神「マッソウル」1体
マッチョな銅像姿のデクリオ級愚神。
目から光線を出したり、石を投げたりして攻撃します。
マッチョビーム!:目から光線を出し対象をマッチョにする。(女性は巨乳になる)
ハッスル!:複数の長い石(長さ約30cm)を飛ばす。
アイアン!:魅惑なボディを魅せて、BS魅了を付与させつつ防御力を上げる。

従魔「スライムぅ」6体
楕円形の半透明で四足歩行のミーレス級従魔。
鳴き声は「とろぉ……」
特製アメぇ:とても美味しい飴。ただし食べると約5分間、男はマッチョ、女は巨乳になります。
とろぉり:スライムぅが口から液体を飛ばす。その液体に当たると服が溶ける。
腐のオーラ:脳内の欲望を1枚の用紙に描いてくれます。

リプレイ

●依頼です!
「大変じゃミサトちゃん! 愚神共が現れた! すぐに出撃じゃ」
 と、討伐依頼を受けた嵐山(aa3710hero001)がドタドタと能力者の元へと走って来た。
「……老師、また相談もなく依頼を受けてきたんですか?」
 新座 ミサト(aa3710)は眉をひそめ小さくため息を吐くと嵐山に視線を向けた。
「いまはそのような言い争いをしている時ではない。急ぐのじゃ!」
「それはおっしゃる通りですが……」
 いつもと違う様子の嵐山を見てミサトは『緊急の依頼なのでしょう』と思い英雄の案内で現地へと向かう。
「報告によると、敵に『特別な能力はない』そうじゃ」
「はぁ」
 移動中に嵐山は依頼の説明をミサトにする。
「なんでも、愚神は男性をマッチョにするビームを放ったり、従魔はおいしい飴をくれたりするそうじゃ」
「はぁ?」
 嵐山がする敵の説明にサトミはただ単調な返答するばかりだ。
「ミサトちゃん、敵を各個撃破するために、囮になって敵を何体か誘き寄せてくるのじゃ」
 現地に到着し、嵐山は作戦をミサトに伝える。
「は? 私がですか?」
 ミサトは困惑した声色で言いながら自分を指し首を傾げた。
「そうじゃ。冥人殿やティリア殿ばかりに危険な囮をさせるわけにはいくまい」
「そうですね、わかりました」
 ティリアはともかく、滅多にそんな行動をしない冥人も囮になると聞いてミサトは納得した様子で頷いた。

「ピュグマリオンの謂れを見るに、人造の美でさえ人体に帰結する事を如何思うかな、ノマ」
「そうねぇ……彫像は縫い直せないから要らないわぁ」
 ティテオロス・ツァッハルラート(aa0105)の問いにインベンスティア・ノマ(aa0105hero002)はつまらなさそうに答える。
「依頼とはいえ興味本位、この目で見ないとなんともいえないな」
 ティテオロス達は従魔が現れる街中へと足を運んだ。

「いやー、妙な従魔もいるんですねぇ」
 数少ない男性陣の守矢 一道(aa4755)は後頭部に手を当てながら言う。
「本当に……これもお仕事ですわ」
 一道の言葉に頷きながらティリア・マーティスは答える。
(この依頼はご褒美的なアレなのか? ……俺、能力者になって良かったぁぁ!!)
 まぁ、そんな一道も『能力者』以前に男性でもあるワケだ。
 周囲を見回すと美少女、美女揃いでしかも殆どが巨乳ときたもんだ。
 男としてはラッキーな事が起こるのでは? と期待に胸を躍らせている。
「あのぉ……前から気になってたのですが、ワイルドブラッド……何の動物なのでしょう……教えてほしいのですよ……?」
 牛嶋 奏(aa3495)はか細い声でティリアを見上げた。
「トリスから似合ってないと言われるのですが……猫なのですわ」
「そ、その……大きさで、猫……です?」
 奏はティリアの胸を見て目を丸くする。
「とろぉ……」
「ティリアさん……あ、危ないです」
 目の前に現れたスライムぅを見て、奏はティリアを押して逃がそうとするが……何故か押し倒す。
「とろぉ!」
 半透明でぷるぷるしているスライムぅは、歓喜の鳴き声を上げながら口から水鉄砲の様に液体を吐く。
「え、あ? きゃぁぁぁ!」
 徐々に溶けていく服、肌色の面積が大きくなりティリアは慌てて胸元を腕で隠そうとする。
「ぬるぬる……ひゃっ!」
 そんなタイミングを見計らったかの様に奏がティリアの谷間にダイブ。
「でけぇ……」
 そんな中、役得な男・一道は奏がティリアの谷間にダイブする瞬間を目にし呟く。
「だ、大丈夫でしょうか?」
「あ……だ、だいじょ、ぶっ!」
 ティリアは奏を心配そうに声を掛けるが、再び少年漫画のお約束の様に豪快に滑るとブラジャーに手が引っ掛かり宙を舞った。
「ありがとうございます! ありがとうございます!」
 男・一道、目の前で素敵な桃源郷を見てしまいただお礼の言葉を叫ぶ。
 もちろん、彼の脳内にばっちりと永久保存された。

「……マッチョ……半裸……スライム……ひらめいた!」
 アリス(aa0040hero001)は指をパチンと鳴らし、佐藤 咲雪(aa0040)の首根っこを掴みながら近くに居るスライムぅへと駆け寄った。
「……ん、共鳴しない……の?」
「まだよ」
 アリスはペンとスケッチブックを取り出し、周囲を見渡す。
「あー……本当に勘弁……じーさん元気だなー……」
 冥人はマッチョになった嵐山を見て呟く。
「う、うわー!」
 一般人の若い男性がマッチョにされ、服を溶かされ半分泣きながらトイレへと逃げ込んだ。
「とろぉ……」
 その後ろからとても幸せそうな表情のスライムぅが追いかける。
「待ちなさい」
 アリスがスライムぅの前に出る。
 しばし見つめ合う1人と一匹。
「さぁ!」
 アリスはスケッチブックとペンをスライムぅに差し出す。
「(こ、これは……ご、極上の!)」
 受け取ったスケッチブックにペンを走らせるスライムぅ、もう妄想も手も止まらない!
「……っ!」
 出来上がった作品を見てアリスは声にならない叫びを心で叫び、直ぐにスライムぅの小さな両前足をガシッと握りしめた。
「ありがとう! 尊い!」
「とろぉ!」
 おれ? 今、従魔の退治しているのですよね?
 アリスとスライムぅが意気投合しているのですが、大丈夫ですか?
「……ん、要らない」
 そんなアリスを尻目に、咲雪はスライムぅが投げてきたアメをぽいっとゴミ箱へ。
「咲雪には必要ないわよね、逆の効果なら欲しかった?」
「……ん」
 アリスの言葉を聞きながら咲雪は頷く。
 中学生位の少女にしては大きい、それがコンプレックスというよりも面倒で邪魔というのが理由だ。
「まだまだ、描いてもらわないとソンです!」
 大きな害はない、近くに仲間もいるのでアリスは遠慮なくスイラムぅにイラストを描いてもらう。

「しかし如何なる美も往き果てれば滑稽に踏み入る物……ああいう躯体を店に置こうとは思わんね」
「私も筋肉部品は集めてないのよねぇ……銅じゃ削っても安いんでしょうし」
 ティテオロスとインベンスティアは銅像を見て自分たちの趣味の話をする。
「おや、何か来た様だ」
 ティテオロスはスライムぅを見つけた。
「なんだ? 何もしないのか?」
「とろぉ!」
 迫力に驚き攻撃する手段がないスライムぅは、ティテオロスに向かって液体を投げつけるしかない。
「見給え、彫像等より私の方が美しい」
 と、言いながらティテオロスはポーズを取る。
 元々、彼女の服は肌色の部分が多いため有っても無くても同じだ。
「従魔、よりかは、仲間の部位を見る方が楽しいですね」
 インベンスティアはスライムぅを仲間の方へ放り投げた。
「冷たいっ! あー! スライムぅ!」
 八神 天音(aa3997)は頭の上に乗って来た物体を見て興味津々で見る。
「水遊び(スライム)してみたいの……です」
 桐ヶ谷 狐鈴(aa3997hero001)は緋色の瞳を輝かせるとスライムぅを手に取り、引っ張ったり突いたり体に顔を埋めたりする。
 すると、スライムぅの体からぽろりとアメが地面に落ちてころがり天音の足元に当たる。
「き、機械の胸だけど、チャレンジ!」
 天音はアメを袋から取り出し、躊躇いもなく口に放り込んだ。
「んー……美味しいけど、アメではダメなようですね」
 アメを舐めつつ胸に手を当てる天音は、小さくため息を吐き肩を落とす。
「お水が、動いてるのです♪」
 その隣では狐鈴はスライムぅとじゃれる。
「と、とろぉ!」
 四肢をバタつかせるスライムぅはアメを差し出した。
「スライムさん、飴をありがとう、なのです♪」
 狐鈴は笑顔でアメを受け取り口に入れると、風船の様に胸元が膨らみあっという間に巨乳になってしまった。
「わわっ……凄いのです……もっと、下さい」
 自分の胸に二つのたわわな果実を見て、狐鈴は驚きの声を上げた。
「と、とろぉぉぉ!」
 スライムぅは怯えながらも狐鈴にアメが沢山入った袋を渡す。

●NO下心、YES出来心
「これぐらいの攻撃、共鳴していなくとも問題なくかわせるわ」
 と、ミサトはスライムぅの液体から身軽に回避をする、が。
「ミサトちゃん! あぶない!!」
 嵐山はミサトを軽く突き飛ばすと身を挺して液体から守った。
 そこまでは良かった、美談として普通ならばうるっとくる場面であろうが。
「ちょちょちょちょっと!? コレはいったいどういう事ですか!?」
 ミサトにも液体が掛かり、ビシッと着こなしているスーツが無残にも溶け出すのを見て困惑の声を上げる。
「うひょー! ミサトちゃん、こっちを向いておくれ! もっとこう! もっと!」
 ミサトの服が溶ける中、嵐山は興奮した様子で歓喜の声を上げる。
「……なるほど。やけに依頼に対して前向きだったのはこういう事でしたか」
 ミサトはトリス・ファタ・モルガナからコートを受け取り袖を通すと、口元がぴくぴくと震え踊る嵐山の顔をガシッと鷲掴みにし力を込める。
「ギブじゃ、ギブギブ」
 ミシミシと音を立てながら嵐山の頭部が悲鳴を上げる。
「老師、共鳴しますよ。さっさと敵を殲滅します!」
 こうなったら最後、渋々嵐山は共鳴するとミサトは虹蛇を手にしパシッと地面を叩いた。

「あらあら、私もスライムなんだけど……どうしようかしら……」
 水無月 花梨(aa3495hero001)はスライムぅを見つめる。
「とろぉ?(おや、あなたもですか)」
 と、言いながらスライムぅは首を傾げた。
「も、もう……災難でしたね」
「本当に……」
 トリスから受け取ったコートに身を包んだティリアと奏は顔を見合わせた。
「皆さん大丈夫ですか!? ……色んな意味で!」
「はい、大丈夫ですわ」
 戦闘はしてないのに何故か両頬が赤くなっている一道の言葉にティリアは頬を赤らめながら頷く。
「みてみて! 胸がおっきくなったです!」
 ティリアの胸に飛び込んできたのは狐鈴だ。
「あらまぁ、でも少ししたら戻るみたいですから大丈夫ですわ」
 大きな耳が生えた狐鈴の頭をティリアは優しく撫でた。
「ん? これは?」
 狐鈴が手にしている袋を見て一道は問う。
「スライムぅから貰ったアメです。はい、どうぞです」
 狐鈴は一道の口にポイッとアメを投げ入れた。
 みるみるうちに筋肉が盛り上がり、ボディービルダーよりは劣るがマッチョになった。
「うぉぉ、唸れ俺の上腕二頭筋!!」
 両腕を上げ力こぶを作りながら一道は力強く声を上げた。
 嗚呼、憧れの映画に出てる逞しい肉体の俳優に近い体になったなら思う存分ポーズを取る。
「ふふ、俺の筋肉が疼いてるぜ……」
 腰に手を当て、一道は日頃鍛えた成果だと言わんばかりに魅せつける。
 その隣でスライム仲間として花梨はスライムぅを膝の上に乗せていた。

「君、これは美しくない。やり直し」
 ティテオロスは用紙をビリッと細かく破くとその辺に捨てる。
「と、とろぉ……」
 帰りたい、寧ろ早く倒された方がマシ! と思いつつスライムぅは泣きながら筆を走らせる。
「……服……溶けた」
「全裸より、断然エロいわね」
 スライムぅの液体によりどろどろ、と溶けていく咲雪の制服を見てアリスは感想を口にする。
「……ん、いい加減共鳴、する」
「分かったわ。制服代は経費で貰えるかしら?」
 咲雪の言葉を聞いて頷くアリスはボロボロの布切れになった制服を見て呟く。
「アリスちゃん、今回に関しては安心してください」
「……ん、分かった」
 トリスの言葉を聞いて咲雪は小さく頷くと縫止でスライムぅを動けなくする。
「滅しろ!」
 ミサトが疾風怒濤でスライムぅの体を虹蛇で打ち付けると、パシャッと水風船が破裂する様な音を立てて弾けて消えた。
「全部、倒して元凶も消さないと気が治まらないな」
「……片付ける」
 咲雪もシャープエッジをスライムぅに向かって投げた。
 元々ティテオロスが酷使していたからだろうか、一本の投擲用ナイフが当たると力無く倒れ地面に吸い込まれるように消えた。
「はいはい、元凶が向こうからやってきたよー」
 と、面倒くさそうに冥人が指を向けた先に銅像がポーズしたまま立っていた。

●マッチョなソウル
 銅像曰く、永遠の美である筋肉の持つモノの頂点は己、と語るがこの依頼に参加したエージェントにはクセの強い人物は理解出来ぬという表情で愚神を見下す。
「ただのモノが美? 面白い冗談だな。私の方が比較にならないほどに美しい」
 ティテオロスは自信に満ち溢れた表情で己の肉体を見せつける。
 もちろん、彼女は殆どが肌色なので道行く男達は思わず視線を向けてしまう。
「うん、でもここは公衆の面前だから服は着ようね。マナー以前にやってはイケナイ」
 と、説得するも男に厳しいティテオロスは鼻で笑う。
「ティテオロスちゃん、エージェントとしてお仕事している時は着るのです」
「……やれやれ」
 トリスの言葉を聞いて共鳴姿になったティテオロスは肩を竦ませた。
「私を無視するとは良い度胸だ! ん~はっ! ビィームッ!」
 マッソウルはカッと目を見開き両目からビームを放つ。
「カッコいいけど、タイプじゃない!」
 と、マッソウルに指先を向けたながら天音は声を上げる。
「なんだとっ!」
 マッソウルは首を天音の方にグルリと向け、両目から放たれているビームを浴びせる。
「え、えっ!?」
 鉄の胸部が盛り上がるのを見て天音は驚きの声を上げる。
「天音さんに胸が!」
 と、言って思わず狐鈴は天音に飛びつく。
「あうっ!」
 ゴンッと鈍い音をがし狐鈴は両手で額を押さえる。
「あら、鉄も巨乳になるのですね」
 何故かスライムぅに囲まれている花梨は、天音の胸をぺたぺたと触り驚きの声を上げた。
「まだ、残っていたのか」
 ミサトの視界にスライムぅが入ると虹蛇を振り上げた。
「見たくもない」
 と、呟くとミサトは怒涛乱舞でスライムぅ達をあっという間に片付けてしまった。
「後は、愚神マッソウルだけです!」
 鼻から血を出しながら一道はビシッとマッソウルに指先を向けた。
「ちょっと、勿体無い気もするようでしないけどお仕事なので覚悟するのです!」
 共鳴姿の天音は炎のオーラを纏った槍の天雄星林冲を握りしめる。
(美味しい思い、ありがとうございました)
 などと心の中で思いながらも一道はハンズ・オブ・グローリーを着け、ファイティングポーズで太陽の光で輝くマッソウルを睨む。
「マッチョの国計画が! ガッテム! よかろう、ならば魅了するまでだ!」
 最も筋肉が美しく魅せれるポーズをマッソウルは美しい動作で決める。
「くっ、あんな美しくないポーズで魅了されてしまうとは……」
 ティテオロスは苦虫を噛んだような表情で呻く。
「たかが作り物、そして私の範囲外の筋肉で魅了されるなんて無様ですね」
 インベンスティアがつまらなそうに言う。
「……ん、防御上げても毒には弱そう」
 咲雪は、毒刃でシャープエッジに特殊なライヴスを纏わせた投擲用ナイフをマッソウルに向けて投げた。
 ピッと銅像の腕に切り傷が出来る。
「あぁぁぁ! 美しい肉体に傷がぁぁぁぁ!」
 マッソウルは腕に付いた傷を見て悲鳴に近い声で叫んだ。
「ちょっと傷が付いただけだろう?」
 ミサトが低い声で言うと、一気呵成で虹蛇を振るいマッソウルの銅製の体を力強く叩きつけ転倒させる。
「次は、消されるのだからな」
 ヒュッと空気を切り、冷たい風をものともせず虹蛇はミサトの体の一部かの様に操り銅製の体に向かって振り下ろす。
「最後だけは、かっこよく決めてみせます!」
 間髪入れずに一道がライヴスブローをマッソウルの体に叩きこむ。
「わ、私のか、体がぁぁぁぁ!」
 マッソウルの銅製の体にヒビが入り、足元からボロボロと崩れ銅製の破片は冷たい風に乗り空の彼方へと舞い上がりスッと消える。
「お、終わりましたね……」
 マッソウルが消滅したのを確認すると奏は大きな胸を撫で下ろした。
「今度はガリガリとか貧乳にする愚神とか出そうだね♪」
 天音が不吉な言葉を口にするが、咲雪は「……ん、そういう愚神なら、歓迎」と答えた。
「では、皆。本部に帰って報告後にお説教タイムです」
 トリスはエージェント達に怖い程の笑顔を向けた。

●お説教部屋へようこそー?
 本部で報告を終えたエージェント達は、さっさと自宅に帰ってしまったティテオロス達を除き会議室に呼ばれた。
(あ、これ……俺の醜態が事細かに話される予感がします)
 一道はガタガタを体を震わせながらトリスをちらっと見る。
「先ずは、一道君。皆に謝りましょう」
「はい……」
 トリスに呼ばれた一道は立ち上がると仲間に向かって頭を下げた。
「まぁ、そこは男だし、ね。それに、敵が服を溶かすなんて事をするから仕方がないよ」
「ええ、私は老師に騙されただけなので責めるつもりはない」
 ミサトは頷くと嵐山をギロリと睨む。
「そ、そうですね……(私はティリアさんと胸合わせ出来ただけでも……)」
 奏は笑顔で頷く。
「はー、でも、1つだけ言わせてください。元凶である者……結果的に愚神ですが、探すように私は言ったのに探す方が1人も居なかったのは今後、もっと大変な依頼でしたら怪我人が出ています。注意してください」
 と、言ってトリスは踵を返し会議室から退室した。
 はー、と何人かのエージェントが深いため息を吐いた。
 激しい戦いではなかったが、クセのある愚神や従魔を討伐した後は色んな意味で疲れたのであろう。
 エージェント達は足早に会議室を出て帰路についたのであった。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • ローズクロス・クイーン
    新座 ミサトaa3710
  • ラッキーな青年
    守矢 一道aa4755

重体一覧

参加者

  • 魅惑のパイスラ
    佐藤 咲雪aa0040
    機械|15才|女性|回避
  • 貴腐人
    アリスaa0040hero001
    英雄|18才|女性|シャド
  • 己が至高の美
    ティテオロス・ツァッハルラートaa0105
    人間|25才|女性|命中
  • 『人間』パーツコレクター
    インベンスティア・ノマaa0105hero002
    英雄|23才|女性|バト
  • 私がロリ少女だ!
    牛嶋 奏aa3495
    獣人|18才|女性|命中
  • スライムの姫
    水無月 花梨aa3495hero001
    英雄|18才|女性|ジャ
  • ローズクロス・クイーン
    新座 ミサトaa3710
    人間|24才|女性|攻撃
  • 老練のオシリスキー
    嵐山aa3710hero001
    英雄|79才|男性|ドレ
  • ひとひらの想い
    八神 天音aa3997
    機械|18才|女性|防御
  • エージェント
    桐ヶ谷 狐鈴aa3997hero001
    英雄|10才|?|バト
  • ラッキーな青年
    守矢 一道aa4755
    人間|25才|男性|回避



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