本部

【卓戯】連動シナリオ

【卓戯】広告塔の少女~鋼の勇者~

鳴海

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
10人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
4日
完成日
2016/09/22 11:46

掲示板

オープニング

=========================
ミッションタイプ:【敵撃破】
このシナリオはクリアと成功度に応じて様々なボーナスが発生します。
詳細は特設ページから「ミッションについて」をご確認ください。
=========================


● グロリア社の令嬢が戦わずしてどうする

「これはね、うちが最初期に作ったTTRPGなんだけどね」
 そう遙華は懐かしそうに一冊の分厚い本を開いた。
「これもどうやらゾーンの一部になってしまっているようなの」
 日に焼けた表紙、擦り切れたページ、本を開いた状態で置いておくと自然とお気に入りのイラストが開かれる、そこは何度も目を通したのだろう、他のページより色あせていた。
 このことから、とても彼女にとって大切な本だということがわかる。
「よく遊んだわ。キャラクターなんて何体作ったか分からない」
 遙華の視線はその本に注がれているようで実際は遠い日々に向けられている。かつて繰り返したの大冒険を思い返しているのだろう。まるで自分の本当の過去のように。
「TTRPGはそう言う魅力があるのよ、自分ではないキャラクター、自分ではない世界。架空の物語のはずなのに身近で起きている重大な事件に感じられるわ。
 むしろ自分物語よりも、より重要に感じられる」
 しかし遙華はその本を閉じると本棚にしまってしまった、そしてブルーフィングルームに集まったあなた達に視線を向ける。
「そんな世界を汚染している愚神がいるわ。それが私は許せない」
 TTRPGとは他のゲームとは違う。誰かが作ったものを誰かが作った通りに遊ぶ。そんなゲームではないのだ、皆で作り上げた世界で皆で遊ぶ。
 それは過去から積み上げたプレイヤーの経験や思いを継承して遊ぶということでもある、それ故に他のゲームにはない尊さがあるのだ。
 だがそれは今、崩壊に向かっている。
「一緒に戦ってくれる?」
 君たちはその言葉に頷く、すると遙華はダイスを手渡した。
「行きましょう、私達で作り上げた、私たちの世界へ」
 




●システム名『セイヴァース・アース』

 地球に飛来する宇宙人や、地底に眠る太古の知的生命体、もしくは人類などが一斉に地球に眠る力『アースエナジー』の奪い合いを始めた世界。
 そのエネルギーは従来のエネルギー効率を遥かに上回り、その結果人間は『アームズ』の開発に至った。
 つまりは人型兵器である。
 君たちはアームズにのりこむパイロットとなり、世界の平和を乱す様々な組織に対抗するため日夜戦いに明け暮れる。


●『リンカーズアームズ』

 今回はAGW『アームズ』を使用して。地球に攻めてくるエーリアンと戦っていただく。
 これは搭乗型人型兵器であり、基本性能は下記の通り、さらにカスタマイズボーナスを二つ設定可能

・全長13Mから15M程度の人型兵器
・生命力に+50される
・ステータスなどは上がらないがAGWも巨大化して装備するため最大射程が50伸びる上に、全ての攻撃が範囲5の攻撃になる、もともと範囲が設定されている武装やスキルについては範囲の値に+5する
・SQの大きさが十メートルで1SQになる

*カスタマイズ
 自身のアームズに二つボーナスをつけることができる。同じボーナスを二つとることも可能。

・フライングビット
 周囲にビットを飛ばす。攻撃の補助や敵の攻撃の妨害を行う。
 回避と命中に+300する、さらにフライングビットの破棄を宣言することによって一度だけダメージをゼロにできる。

・巨大化
 全長に+5M 範囲の値に+1され、生命力に+50される

・大容量バッテリー
 使用するとスキルを1回復か、そのフェイズの最後に追加行動できる。大容量バッテリーは二回使える。

・シンボライズ
 旗や装飾、塗装など一際目立つ改造を施すことによって敵の意識を引きつける。攻撃されやすくなり。それを前提にしているため物理、魔法、両防御力に+150される

・エネルギーウィング
 自在に空を舞うことができる、エネルギー質の翼を背に生やす。
 移動力+5され 物理魔法攻撃力に+100される

・レジェンドウェポン
 AGWが改造され
 自身のAGWの性能が二倍になる。マイナスの数値と射程は二倍にならない

・必殺技1
 一回だけ使用可能なスキル。次のターンに行動できなくなる代わりに魔法物理両攻撃力に+500される

・必殺技2
 一階だけ使用可能なスキル。対象のリアクションを封じ攻撃できる。この攻撃終了時に即座に使用者はもう一度行動できる。

・覚醒
 突如ブラックボックスが起動する。マップの好きな地点に移動し生命力を全回復する。さらにこのターン自身はダメージをうけない。

● 旗艦《ブラッドベース》

「この世界では私は戦艦の艦長を務めます」
 あなた達が転送されてきた先は、近未来的なブリッジ。全面鏡張りで大量のコンピューターが並んだ指揮管制室である。
 この中央の座席に遙華はふんぞり返って座っていた。
「安心してこのステージをクリアして、別の世界を解放すればあなた達も戦艦や変形可能な機体が追加されるサプリメントが手に入るから」
 ちなみに窓の外は太陽光すら遮ってしまうほどに大量の地球外生命体が展開されていた。
「本来どの組織ももっている戦力は均等のはずなのに、どっかの愚神がテコ入れして地球外生命体である『ゾアラ』軍勢だけ戦力を伸ばしちゃったのね」
 この増えてしまった『ゾアラ』軍勢の数を減らし、世界のバランスを保つことが今回の任務だ。
「敵を倒して私と一緒に船団を組みましょうね」
 そして、もしこの任務に失敗して地球がゾアラに侵略されてしまうと、この世界に囚われた人間がどうなってしまうか分からない。
「そして今回のこの戦闘だけど、テレビで放映される予定よ。せっかくの機会だから宣伝に使おうと思って」
 この世界に囚われた人間たちを救うためにも、まずはこの世界のバランスを取り戻さなくてはいけない。
 そう言うわけだった。
「転んでもただでは起きないわ。大迫力の戦闘をPVとしてつかうわ。みんなは気にせず戦ってくれて問題ないけど」  

*注意、今回のシナリオに戦艦《ブラッドベース》は出航しません*

解説

目標 敵母艦の全滅

● エーリアン 10ユニット
 小型のエーリアン、体長二メートル程度、アームズに搭乗していなければ脅威だがアームズの力の前には無力、なので50体で1ユニットとする。
 攻撃手段はまとわりついての溶解しかありませんが、この攻撃を受けると徐々に防御力が下がります。

● 敵母艦 5ユニット
 エーリアンの母艦。全長100M程度。
 攻撃性能が低い代わりに、シールド、装甲等防御装備が整っています。
 また射程100の長距離砲撃が可能です、威力は高くありませんが  

● エースユニット 3ユニット
 20メートル級地球外生命体製のアームズ。
 図体のわりには機動力に優れるアームズです。武装は熱で焼き切るブレードと盾。ガトリングとライフルと多彩でバランスが取れています。
 強敵です。

リプレイ

第一章 

 ブラッドベース艦内にて。
 遙華は機体の最終チェックを行っていた。油で白衣を汚しながら、スパナ片手にタブレットを叩く。
「よし、これで調整完了、手足のように動くはずよ。」
「ありがとうお姉ちゃん。ところでデータはお姉ちゃんが組んだけど、どうしてこうなったの?」
――ふむ、魂の叫びという奴かな。
「芸術家みたいな答え!?」
『イリス・レイバルド(aa0124)』はそう機体を見あげた。体長十メートル程度。他のアームズより五メートル程度小さい。
 その機体は『アイリス(aa0124hero001)』の特注品で漆黒の妖精のような見た目。機体名を《コロナ》という。
「稼働キーを」
 そう遙華がキーを差し出すと、イリスは大事そうにそれを抱える
「うわー、どいてください!」
 そんな二人の間に『新星 魅流沙(aa2842)』が割って入った。
 無重力に慣れていないため『『破壊神?』シリウス(aa2842hero001)』に叩かれて吹っ飛ばされてしまったのだ。
 そんな少女の手を遙華が取って着地させる。
 その隣にシリウスが華麗に降り立った。
「今日は、よろしくお願いします」
 そう気を取り直して挨拶する魅流沙。
「おう、今回はよろしくな……えっと、だれだっけ?」
 シリウスがからからと笑う。
「間違えてすらもらえない」
 遙華は肩を落とした。
「嘘だよ、覚えてるって、なぁ……でだ、俺たちの機体だが」
「本当に覚えているのよね……」
 そう不安を押し殺しつつ遙華は魅流沙の機体へと案内した。
 それは黄道十二星座の紋章が各部に描かれた鎧騎士の姿。
 シンボライズで派手な装飾が施してあるが、中身は異世界の技術を多く流用しておりほとんど解析できていない。
「これがこの世界のメカな。なかなかセンスいいじゃねぇか」
「この世界の?」
 その言葉に違和感を覚える魅流沙。
「神像っぽいその姿、『ゾディアック13(ドライツェン)』と名付けよう」
「シリウス『13』って好きですよね……あ。せ、設定とか難しいのは遠慮しておきます」
「ん? そうか、じゃあいくぜ、にぼし&13!」
 そう魅流沙が乗り込むと、整備上には遙華以外誰もいなくなった。全員が自分の機体に乗り込んだのだ。
「全機準備は整ったようね」
 そう遙華はインカムに向けて話しかける、全員の機体と無線で繋がっているためやり取りが可能だ。
 ちなみに艦長席はロクトが座っている。今回は遊びではないので艦長権限を剥奪されたのだ、なので遙華は整備長的ポジションにいる。
「発進シークエンスに入るわ」
 ロクトが全員に呼びかけた、すると端の機体から発射口に運ばれていく。
「蛍丸くんそっちはどう?」
『シエロ レミプリク(aa0575)』は慣れた手つきでコックピットのボタンを操作。モニターに『黒金 蛍丸(aa2951)』の表情が映し出される。
「通信状態は良好ですね、今回は一緒にがんばりましょう。」
 ちなみに『ナト アマタ(aa0575hero001)』は共鳴済みである。
「……それより、その機体」
「ああ。うちの機体? まさかこんなことになるなんてね……」
 実はこの船には機体射出口は三つある、左右側面の射出口。そして甲板のシューターがそれにあたるが。
 そのシューターは通常機体を遠くに飛ばすために使われるので、普通使われない、しかしシエロの機体は側面の射出口からは打ち出せないので甲板に移動させられたのだ。
 整備ドック上部が開き、押し出されたのは【ゼカリア・アイレヴ】
 全長は他のアームズの約二倍、一番積載量が多かったタンク装着型アームズ【ゼカリア】に宇宙用ロケット【アイレヴ】を装備、無理やり宇宙戦に対応させたシエロ自慢の一品だ。
 そして特長はそれだけではない、多くの腕パーツ、さらにそれと連動させた各種武装により、火薬庫との異名を頂戴している。
 当然人型をしておらず、機体のバランスや見た目は度外視である。
「コロナ、ゼカリア・アイレヴ発信スタンバイ」
「了解、カタパルトセッティング」
――各種動作確認、計器正常、増槽接続。
「全武装、接続を確認リンク、問題ないね」
「コントロールをそちらに移譲するわ」
 ロクトが告げると、ナトが確認するようにつぶやいた。
――  I have control.
「ゼカリア・アイレヴ。シエロ レミプリク」
――ナト・アマタ。
「発信!!」
 強烈なGがシエロを襲う、射出されたシエロの機体は加速度を殺すことなく戦場の前線へ。そこでシエロが見た光景は悲惨な物だった。
「太陽の光を遮っている?」
 そう、眼前を覆うように展開されたエイリアンたち、そして敵母艦。
――コロナ、出るよ。
 次いで、背中に輪光を浮かび上がらせ、イリスの駆るコロナがゼガリアに追いついた。
 さらに追い抜き円運動を死ながら猛烈に加速するコロナ。この機体はこの光の翼にすべてのポテンシャルがつぎ込んであるのだ。
「これは……」
――なかなかに圧巻だね。
 そしてアイリスらしく武装は盾。
 イリスはコロナをいったん停止させると足並みをそろえるべく他の機体の到着を待った。
 続々と追いついてくる他の機体。
 蛍丸の『零』そして『一ノ瀬 春翔(aa3715)』の『アナイアレイター』
――いや、すごい数ね。燃えるわ。
『アリス・レッドクイーン(aa3715hero001)』があっけらかんと言い放ち。
――蛍丸様、無理はなさらないでください。
『詩乃(aa2951hero001)』が心配そうにつぶやいた。
「……戦力差、100倍ぐらい?」
 シエロが周囲のパイロットに尋ねる。
「こ、これと戦うんですか」
 魅流沙が恐怖の入り混じった声でつぶやく。
「うだうだ行ってねぇで霊力を舞わせ、ニボシ」
「私エンジン扱い!」
「コイツは……ハッ! 上等だ!」
 春翔が告げた。
「全部…ぶっ潰してやる…!
――全システムオールグリーン。敵反応多数。…やっちゃえ!ハルト!
「いいね、みんなすごい気合いだよ、だったら対等だね、全武装アクティブ! ゼカリア・アイレヴ起動!」
「みんな聞いて」
 ロクトからの通信が飛んだ。
「全員の発艦を待っている時間はないわ。すぐにけりをつけたいから皆には前線の切り崩しをお願い」
 まだ半数のパイロットが館内に残っているが、そんな中の発進命令。
 それに『煤原 燃衣(aa2271)』は歯噛みした。
「く、くそ……敵がデカ過ぎる……ッ!」
 蛍丸から送られてきた映像を見つめ戦意をたぎらせる燃衣。
――……パイロットを認証、アームズ起動。
 暗い射出口内に赤い光が灯った。
 赤鬼めいた流線的なフォルムの機体が宇宙の闇にさらされる。
 二本の角と棘とげした腕が特徴のパイロットの命は軽視気味な構造。
 それが燃衣の作り上げた新たな力『フォエニエクス《炬鳥介》』だ。
「……ネーさんッ! ……っし……動けぇぇえええええええッッ!」
――独立型戦闘支援AI、ネイ。殺戮行動を開始する
『ネイ=カースド(aa2271hero001)』の声でそう告げたシステムAI。どうやら今回ネイはそう言う役割らしかった。
「怖いよこのAI……!?」
 燃衣は射出の加速度に、自身の機体の加速度を合わせ戦場に急行する。
「……ぃよぉし……ゲーム大好きっ子の腕前、見せてやるッ!」
 そう敵陣中央に突っ込む《炬鳥介》その機体と一緒に射出された、名称不明の機体もまた、大量のエイリアンをひき潰して進んでいく。
「さーて、遊びに行くとしましょーか」
 そう『フィー(aa4205)』はにやりと笑う。
――敵母艦ハアイツラニ任セテヒトマズ無視。
『ヒルフェ(aa4205hero001)』がそう燃衣を見てフィーに告げると。
――火力ノ高イ奴ダケヲ抑エルゾ
「ほいほい、さて行きましょーかね?」
 そうフィーは軽い返事を返した。
「人類の未来を取り戻すんです。立ち上がれ。リンカー」
 燃衣の言葉に全員が頷く。戦闘が始まった。

第二章 

「敵母艦から熱源反応多数。エイリアンの群体よ、迎撃して!」
 ロクトから指示が飛ぶ。
「了解でやがりますよ」
 軽く答えてフィーはブースターをふかせた。
 その両手の玄武の籠手を打ち鳴らす。
 籠手自体は大幅な改造が加えられておりより重装甲に濃密な霊力を纏っている。
「ロボはロマン! ロマンは無限大! ここで逃げてちゃスーパーロボットは名乗れないんだよ!」
 そんなフィーの突撃を見て、イリスは一気に出力を上げた。
 ごうと燃え立つコロナの光輪。フィーの無名の機体は一直線に、そのフィーの周囲を螺旋状に飛びながらコロナは敵中央に突貫した。
「ね、お姉ちゃん」
――うん、そうだねぇ。
 目の前にはざっと五百体程度の外宇宙生命体。
 多勢に無勢、通常であれば諦めていたところだった、この人類の希望アームズが無ければ。
「おら!」
 エイリアンの群に一撃加えるアナイアレイター。
 その黒に浮かび上がるような紅のラインが残像としてパイロットたちの目に残る。
 敵の群を引き裂いて、スラスターを小刻みに吹かせて体制を制御。
 背後に迫る敵にその大斧を叩きつけていく。
「唸れ!」
――オーバードブレイカー!!
 アリスが命じるとオーバードブレイカーと呼ばれた斧の装甲が開いた、直後その斧にため込まれた熱が放出される。三百度を超えた気体が宇宙に排出され。多くのエイリアンを無に帰した。
――小手調べだ。
 そんな群の外側から攻撃を仕掛けていくのはイリス。
 盾を投げつけ群を切り開いていく。
――さて、ドロドロと溶けてもらおうか
「お姉ちゃん……ロマンを大事にだよ」
 しかしそこに長距離射撃が撃ち込まれる。
 コロナは盾でそのレーザーをはじくが。同じ光線が暁たちの無防備な機体を襲った。
 フィーの眼前に踊り出るゾディアック13。魅流沙がカバーリングに入ったのだ。
「くぅ! 絶対に」
――触れさせてたまるかよ!!
 だがもう一つの閃光はシエロへと一直線に伸びる。
 その巨体では回避は難しい上に、当たり所が悪ければ誘爆する危険性もある。
 冷や汗がシエロの額を伝った。しかし。
 その光線がシエロに届くことはなかった。
「遅くなってごめんね」
 目の前に一機。可憐な機体が舞い降りたのだ。
 芸術の神を名乗るにふさわしい美しいシルエット。しかし右肩には武骨なドラム弾倉、愛用の16式自動速射砲は機体用に巨大化されカスタマイズされている。
 ベルトリンクで速射砲に弾が供給され、銃身に狙撃用でオプティカルサイトが装着。グリップとトリガーが銃身の上にあり、フォアグリップは左に突き出ていて左手で持つ。
 逆サイドの左肩に、はバックパックがフリーガーとフライングビットが装着されている。
 そのパックが開きビットが展開されると、そのビットが渦を巻いて視界を覆う煙を全て取り去った。
――ただいまをもちまして戦列に参加させていただきます。
『リリア フォーゲル(aa0314hero001)』が告げると『天城 稜(aa0314)』がビットを周囲に纏わせ告げた。
「サラスヴァティー、天城稜。これより火力支援を行うよ」
 そう銃口を前に出すとビットは円を描くように群となって突撃。
 エイリアンたちを葬っていく。
「全方位ロック。飽和射撃」
 そんな弾幕を止めようと、群れを逃れたわずかなエイリアンがサラスヴァティ―に迫る、しかしそれも焼き殺された。
 背後からガトリングビームが飛び交う。
――コギトエルゴスム、真価を見せてもらいましょう。
『サイサール(aa2162hero001)』が告げるのと同時に石突型のビットがサラスヴァティを追い抜いて宙を走る。
 次いで登場したのは『繰耶 一(aa2162)』の駆る『XAUR-F01 コギトエルゴスム』であった。
 漆黒のシルエット。右腕部には銀の粒子纏ったビームアローを放つ弓型武装。
 流麗なシルエットは装甲を切り詰め機動力を上げた証拠である。一らしいピーキーな機体に仕上がっていた。
「さて、VRとはいえ……リアルに人型機動兵器に乗れるなんてね」
 稜が告げると、コックピットに一が表示される
「本当に……まさか本当に二足歩行型巨大メカに乗れるとはね……」
 二人は共に戦闘機を駆った仲間でもある、感慨深いものがあるのだろう。
「……最高じゃないか!」
「ああ、本当に、それに今回は暁のメンツもいる。派手な戦になりそうだ」
 そう一の視線は連携して戦端を切り開く蛍丸と燃衣に向けられる。
「私はあちらを支援する」
「じゃあ天城さんは、うちと一緒に」
 サラスヴァティをカバーするようにシエロの機体が寄り添う。
「雑魚的殲滅と行きますか!」
 そして視点は暁勢へと移る。
「《されば立ち上がって戦え、いかなる運命にも意思を持って》……皆行くぞォオあッ!」
「おおおおお!」
――おうおう
「了解しました」
 三者三様の返事を返し、暁前衛メンバー三人は、全速前身敵戦艦の元までかける。
「進路を邪魔するものは私が落とす」
 そう一が合流をはたし、弾幕を展開しながら突き進んだ。
――前方、熱源反応
――装填完了、打てるよ春翔。
「WC-GN230発射」
 前方に乱射されるミサイル。爆炎がエイリアンたちを焼き尽くして言った。
「この穴を僕がこじ開ける」
――機動《ペイモン》
 爆炎両手に宿して敵の戦列に穴をあけていく燃衣。しかしその燃衣を狙って再び母艦からの射撃攻撃が飛ぶ。
「下がってください」
 戦闘機からの変形を解いて蛍丸が盾に。
「蛍丸さん!」
「この程度なら問題ありません」
 そう言うと零は自身の機体の傷を治癒して。再び戦闘機形態に変形。飛び立つ。
 もうご存知だとは思うが『零』は可変機構を備えた機体なのだ。
「やらせませんよ」
 蛍丸は高速で春翔と燃衣を庇えるように飛行しつつ、戦艦に攻撃の兆候が見られれば人型に戻り荷電粒子砲を放つ。というサイクルを繰り返す。
 一という遠距離火力を得た今や暁組の連携は完璧であった。
 さらにその防衛に魅流沙も加わる。
 エイリアンたちはぐいぐい母艦へと押し返されていく。 
「道はボクが創る……其処を……どけェエエッ!」
 そんなド派手な大スペクタクルを尻目にだめ押しとして投入されたのは狂戦士である。
「いや、本業のボクからしてもなかなか動けるな、あの人たち」
 シエロの発射された大型カタパルトから敵陣中央に放り投げられたのは、一見すると普通の二脚型機体。
「けど、ボクにも意地があってね」
 左腕には両手もち使用の大型ライフルを引っ掛け、右腕には連装パイルバンカー。背には一対の大型ブースター。また脚部の装甲は分厚い。
 だがこの機体、他の派手な機体負けず劣らない威圧感を放っている。
 360度取り囲むエイリアンたちは、あまりの不吉さに攻撃することをためらった。
「遙華……どこに放り込んでくれてるんだ」
 ライフルが一回転し、グリップが手の中に納まる、それを両手で握って敵に狙いを定めた。
 『Arcard Flawless(aa1024)』は無視して眼前の敵に向き直る。
「死の舞踏を踊ろうか」
 戦場は暴力の嵐に見舞われた。
 そんなArcardがもたらした戦場の混乱はパイロットたちに有利に働いた。
 遠距離火力組にすれば統率を失った敵は落としやすいことこの上ない。
 そしてそんな遠距離火力組を落そうと新たに送り込まれてくるエイリアン部隊。
 真っ先にシエロを落そうと殺到してくるがリリアが器用にビットを操作し打ち落としていく。
 それに加え、ゼカリアの両肩装甲が開きせり出した速射砲で周囲に弾丸をばらまく、それ一つ一つがエイリアンたちを引き裂いていく。
「シエロさん!」
 ゼカリアは増腕された者も含め左手すべてを大きく突き出す、指向性のミサイルが乱射され、それに合わせてサラスヴァティの左肩のパックからミサイルを乱射。
 稜とシエロはフリーガーで周囲を火の海に変えた。
 空になった弾倉を宇宙に廃棄し。次段を装填。その合間にも、膝装甲、肩、腕。各所に内蔵されたミサイルを放ち続ける。
 全身が火薬庫、その異名は伊達ではなく、リロード中にも隙はない。
「うわわわ、第二射来るよ。させないけどね」
 右手に内蔵されているアンチマテリアルライフルを大きくつきだし。そして。
――全武装解放。
 全身の装甲が開き、むき出しになるのは、ミサイルポッドとガトリング口。
――全方位、LOCK完了。
「オールレンジ、ファイヤー!!」
「ハハ! アハハハハハ! 何これもう最っ高!!」
――……敵、どんどんきてる
「もっといっぱい撃てるわけだね、なぁんて幸せなんでしょう!!」
 そんなシエロめがけてまるで弾丸のように銀色の期待が突っ込んでくる。
 時同じくして最前線のイリスは金色の機体と相対していた。
 燃衣と春翔は銅色の機体。
――おや、これはこれは。
 アイリスは全員に回線をつなぐと告げた。
――真打の登場のようだね。
 その瞬間宇宙に黄金色の輝きが二つ爆ぜた。
 イリスの駆るコロナと。敵エース機体『ゼ・バウ』の高機動戦闘が始まった。
――この機体の機動力についてくるなんてね。
 二つの光は寄ってははじかれ、螺旋を描き合わさって離れ旋回。さらに衝突。剣と盾でつば是りあう。
「負けない!」
――おや? イリス?
「空では、絶対に、負けない!!」
 次の瞬間背の光輪が更なる熱量を放った。
 盾で弾き、それを投げて追撃、さらに追い縋り蹴り飛ばして距離を取る。
 次いで信じられない軌道を見せる、光の輪で加速度を一瞬にしてゼロに。そして反射的にゼ・バウへ突貫。
 まるで見えない壁にはじかれたような機動。想像を絶するGがイリスを襲う。
「はああああああ!」
 そして盾に纏わせた霊力。しかしそれはやすやすとゼ・バウにはじかれる。
「こいつ……」
――ああ、強い、久しぶりに歯ごたえのある敵だね。


第三章 

 敵中央を突破、その報告をロクトが受けカメラを暁に向けると、そこには戦艦五機と相対するアームズの姿があった。
「この暁は”勝利”の御旗となりましょう……」
 一は初手ビームフラッグを立て味方鼓舞する。最終決戦だ。胸が躍るという物。
 しかしその前方を敵エース機が遮った。
 だが、さらにしかし。
「邪魔でしょう……もらって行ってもいいでしょーかね」
 隕石のように飛来したフィーの突撃、その攻撃をもろに受け吹き飛ぶエース機。反撃のライフル弾は全て拳ではじいた。
「効かねえですなあ? この前の大規模作戦のレガリスなんたらの攻撃の方がまだ痛いっつーもんですわ」
――ソモソモ比較対象ニスルモンガ間違ッテネーカ?
 次の瞬間手甲が唸りを上げた。周囲に殺到するエイリアン、それもろとも暴力の乱舞で敵エース機を攻撃する。
「早く進みやがれです」
「一人じゃつらいんじゃないの?」
 暁が全力でその場を去る中、Arcardだけがその場に残った。 
「余計でやがりますよ」
 体性を立て直すエース機、先ほどの攻撃はほとんど効いていないようだった。
「変わり種の初陣ってワケだけど……いけるかい、木目青年」
 新たなArcardの相棒『木目 隼(aa1024hero002)』は首を縦に振る。
――はい、そのつもりです。
「……ふん、それは良かった。じゃ、征こうか」
 直後Arcardの機体が唸りを上げた、背に備わった二機のスラスターで急速接近ブーストチャージ。
 急反転、加速、チャージ。敵腹部にパイルバンカーを押し当てる。
「捕えた!!」
 加速力にまかせてパイルバンカーを押し当て乱射。しかし傷は浅い。
 次の瞬間Arcardを襲ったのは敵母艦からの支援射撃。
「く……木目君、出力上げてもらっていいかな」
――では、大人げなく行きますよ。
 Arcardはフィーとバトンタッチして、敵から若干の距離を取る。
 次の瞬間。全身から排熱、そして大型ブースターの真の力を解放する。
――機体内部のジェネレーターを全て…………起こしました。
「機体の制御は全部、任せた」
 陰炎を纏い、Arcardは再びエース機へ肉薄、その機動能力、そして攻撃性能は明らかに変わっていた。
 敵母艦からの支援攻撃を潜り抜け。敵機を蹴りで弾き、フィーが拳で打ち上げる。
 そんな二人を母艦からのレーザー攻撃が襲う。
「そっちはどうなってる?」
 Arcardが舌打ち交じりに通信を薙げると。魅流沙が答えた。
「今ちょうど……。きゃあ!」
 装甲の薄い面々に代わり魅流沙と蛍丸が盾になってレーザー光を遮った。 
 その視線の先には敵母艦バリアに張り付く燃衣。その拳の爆炎によって、バリアを溶かしているのだ。
 その燃衣を守る魅流沙。機体からアラート。約三割の装甲と、一部の武装が使えなくなったことを知った。
――おい、にぼし……
「恐れずに……わかってます!」 
 さらに右片部分が爆発、その衝撃で計器のガラスが散って、魅流沙の額を切った。
 血を流しながらも魅流沙は逃げない。
「まだ大丈夫、行けます」
 その直後である、燃衣の火焔により母艦のバリアが砕けた。無防備になった本体へ。春翔が斧を振り上げる。
「食らえ!!」
 チャージした一撃。それは絶大な威力を持って装甲を突き破る、直後爆破。
「まだ倒れねぇか、なら!!」
 何度も、何度も無防備な装甲に斧を突き立てる春翔。三度目の攻撃。それが戦艦の核を粉砕。
 夜空に割く一輪の花。その摂氏千度を超える爆炎の中から二人の悪鬼が帰還する。
「次の相手は」
「どいつだ!」
 春翔と燃衣が叫びをあげ。直後燃衣の機体が炎に包まれ燃え尽きるように消えた。
 レーダーから完全に消失。しかし次のタイミングでレーダーに出現。場所は敵母艦主砲内部に転移していた。燃衣の新しい技《火綯体》である。
――最終ロック解除、ライブス収束、システム臨海までカウントダウン。
「……彼方ちゃん……いま一度……ボクにチカラを……ッ!」
《貫通連拳》
 直後爆発、シールド消失、追撃とばかりに見舞われたアナイアレイターの斧が突き刺さり動力炉を穿つ。直後オーバードブレイカーの排熱。そして戦艦は爆破された。
「あと三機!」
 ここで敵母艦は脅威度を変更、目の前にいる暁部隊を葬るために全砲塔を五機に向けた。そこから一斉射、それを全て防ぐのは蛍丸と魅流沙の役目だ。
「新星さん!!」
「わかってます」
――耐えろニボシ!
 だが、ただではやられない。そう蛍丸は閃光の向こうの敵をじっと見据える。
 母艦は一度砲撃を行うときに砲台周りのバリアだけは解く。
「そこを狙います!」
 零は変形、戦闘機形態となり加速。
 あわててシールドを展開する母艦だったが、シールドを展開しきるその瞬間、蛍丸のブレードが挟まる余地を残してしまう。そのわずかな隙間から、蛍丸は
「七花八裂……」
「繰耶さん!!」
――これ以上はやらせん
「虚無に還れ、≪id-MODE≫スタンバイ」
 煌く粒子コギトエルゴスムの銀腕、ほとばしるエネルギー、それは大型の弓を象どる。
 だがそれだけではない。一瞬火花がちり、そのたびに熱量を持った残像を作成していくコギトエルゴスム。
 さらに敵を中心に円を描くように高速移動。
「これでおしまいだ!」
 次々放たれる矢は全て本物。全身を穴だらけにして、母艦は爆発四散した。
――モード《火綯体》
「うああああああ! 彼方ちゃん!!」 
 その力を得られたのはもう届かない場所へ手を伸ばそうとした結果なのかもしれない。
 燃衣は叫びながら飛んだ。失われた命は戻ってこない、そう知っているはずなのに。
 気が付けば燃衣は母艦の動力炉を両手に抱えていた。
「はあああああああ!」
 青白い炎に包まれた燃衣には全ての攻撃が通用しない、それを利用し燃衣は母艦核を全身で包み込むように握りつぶした。
「あと一機! やるぞアリス!!」
――いいんだね、春翔。
「ああ」
 突貫する春翔、それをシールドビットで守る蛍丸。
「行ってください!!」
 最後の敵砲撃を、ビットを犠牲にして防ぎそして、春翔はすべての霊力を斧に集中させた。
――リミッター解放。
 燃衣がまたバリアーを溶かし始める。
 燃衣の機体からはアラートがひどい、機体自体は嘘のように綺麗だが、熱暴走によって燃衣の体力が危ないのだ。
――ストライクギア、スタンバイ。
「耐えてくれ隊長!!」
――ジェネレータ、オーバードライブ。

――ライブスライン、全段直結。
 斧が形を変える。より強大で、エネルギーの刃を纏った形態に。
――機体温度上昇、放熱フィン展開。

――チャージユニット、内圧臨海。

――撃てるよ、ハルト!

「ぶっ飛べぇぇぇぇえええ!!! ストライクギア!!!」
「終わりだ……止まれェェエエエッッ!
 直後一際眩く、宙に花火が散った。

第四章 

 迫りくるエース機、それをシエロは全砲門から放たれる物量で牽制していた。
「はーいそこは通行止めですよー!」
「何をのんきにやってるの!」
 稜が前に出る。
「オプティカルサイトをスナイパーゴーグルと接続。照準誤差修正……ビットと射撃を連動。機体のフレーム及び間接部をホールド。ワン・ショットキル! ぶち抜け!」
 放たれた集中砲火、それを避けるエース機。
「よけた!!」
「うわ、弾幕をすり抜けてこっちに来るよ」
 次の瞬間すれ違いざまに切りつけられる二機。
「ぐ!」
「接近戦は苦手なのに」
 二機はミサイルポッドから放たれる弾幕でいったん距離を稼ぐ、しかしこのままではヒット&アウェイを重ねられて倒されてしまうだろう。
――あれを使った方がいいんじゃないですか?
「そうだね」
 次の瞬間、サラスバティの両目が光った。
「シエロさん。敵を指定の位置に追い込んで!」
「あいよ」
 シエロが放ったありったけのミサイルは、進行方向をふさぎながらエース機に追従していく。
 しかしそれを敵エース機は切り裂き、打ち落とし。すべてのミサイルを無傷のもとにさばききった。
「だけどそれは囮」
「アサルトコンバットモード:FAIZ!」
 次の瞬間、先ほどまででは考えられなかった速度で、サラスヴァティがエース機の裏を取った。
「まずは、ターゲットを中央に固定」
 次いで発射されたのは至近距離のファウスト連射。次いで一定の距離を取りビットを前方に集中。円を描く機動で鉛玉の嵐を叩き込む。
「そのまま、速やかに火力を集中……! 円の動きで追い込む!」
 次いで直進しながらガトリングを乱射。
「最後は 中央を撃ち抜く!」
 そして砲塔で殴りつけ。肩のミサイルポッドをゼロ距離で放火。
「流石、呆れるほど有効な戦術だよ」
 直後、エース機が大爆発を起こした。
 それを稜は、遠くから全武装のリロードを行いながら眺めている。
 そしてエース機弐機目との決着もつこうとしていた。
「神は言っている……ガチタンは、いいぞ」
 フィーとArcardの連携は合理的であり機能的、早くに機動力を奪うことに成功していた敵へフィーは怒涛の接近戦を仕掛けていた。
 だが敵も接近戦は得意なのだろう、全ての攻撃を捌いている。
――オウ、色々トネタガ混ザッテンナ? シカモソレ戦車違イニナッテルカラナ?
「やっぱ戦車はロマンですよなー……っと」
 しかしそれでいい、全てはArcardの手のうちである。
《不明なユニットが接続されました》
 Arcardのコックピットが真っ赤に染まる、警告アラートである。
――いいんですか?
「大丈夫、僕を信じて」
 そうArcardは木目青年に告げると彼は黙って出力を上げる。
――炉接続、臨界を突破。
 Arcardはアームズの全長ほどある方針を展開、隕石にアンカーで機体を固定すると。 
《システムに深刻な障害が発生しています 直ちに使用を停止してください》
「そう言うわけにはいかない」
 チャージ、耳に心地いい収束音が響き、そして。放たれる弾丸はエース機をつらぬいた。
「おっと、離脱しねーとあぶねーですかね」
 しかしそうはいかないとばかりに、エース機の腕がフィーの機体を掴む。
「な!」
 このままでは爆発に巻き込まれる、しかし。
――リアクター!
「ああ、えっと。アウェイクン!!」
 次の瞬間、全身が光に包まれたゾディアックが現れ、全ての爆炎をシールドで覆って防いだ。
――おお、間一髪だったな
そうシリウスが笑う。
「敵母艦全て鎮めました。あとは」
 魅流沙は最後の一機。イリスと相対するゼ・バウを見つめた。
 お互いに一歩も引かないまったく互角の戦い。
――しかし、ワンパターンだ。
 アイリスには見えている、敵の剣撃の隙間が。
 盾で攻撃をいなし、そして剣をからめ捕ってはじく。回りながらいずこかへ飛び去る剣。
「盾で受け流した後は、反動を利用して……お姉ちゃんハイキック!」
――はははっ 任せたまえ。
 その機体もスラスターを破壊され機動力が格段に落ちている、そんな期待めがけコロナは飛来。小刻みに左右に動いて狙いを読ませないようにしつつ、その鋭い脚を突き立てる。
「太陽の一撃を受けろ! お姉ちゃん直伝アイリスキィィィック!」
――成敗!
 しかし、ゼ・バウは右腕を犠牲にその攻撃をそらして見せた。
「な!」
 コロナは高速ですれ違う。その表情が笑っている気がした。

「みんな! 大変よ!!」
  
 次の瞬間である。
 遙華から緊急通信が飛んだ。
 その通信に意識を乱されたイリスは、ゼ・バウへと追撃をしそこなう。
――いったい、どうしたというんだね
 アイリスが問いかける。
「地球が、この世界の地球が」

 地球外生命体に占拠された。

 そう告げられた瞬間、ゼ・バウから高エネルギーが発せられる。
 最後の切り札か。そう思ったが実際は違う。
 覚醒を使ったのだ。その体は量子となってどこかに送られていく。
「そんな、逃げるなんて」

《地球で会おう、愚かなる種族たちよ》

 言語は理解できないが不思議と意味は理解できた。
 全員がその青い星を振り返る。次の戦いが待っている。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 深森の歌姫
    イリス・レイバルドaa0124
    人間|6才|女性|攻撃
  • 深森の聖霊
    アイリスaa0124hero001
    英雄|8才|女性|ブレ
  • 惑いの蒼
    天城 稜aa0314
    人間|20才|男性|防御
  • 癒やしの翠
    リリア フォーゲルaa0314hero001
    英雄|20才|女性|バト
  • LinkBrave
    シエロ レミプリクaa0575
    機械|17才|女性|生命
  • きみをえらぶ
    ナト アマタaa0575hero001
    英雄|8才|?|ジャ
  • 神鳥射落す《狂気》
    Arcard Flawlessaa1024
    機械|22才|女性|防御
  • エージェント
    木目 隼aa1024hero002
    英雄|26才|男性|カオ
  • 魔の単眼を穿つ者
    繰耶 一aa2162
    人間|24才|女性|回避
  • 御旗の戦士
    サイサールaa2162hero001
    英雄|24才|?|ジャ
  • 紅蓮の兵長
    煤原 燃衣aa2271
    人間|20才|男性|命中
  • エクス・マキナ
    ネイ=カースドaa2271hero001
    英雄|22才|女性|ドレ
  • 魅惑の踊り子
    新星 魅流沙aa2842
    人間|20才|女性|生命
  • 疾風迅雷
    『破壊神?』シリウスaa2842hero001
    英雄|21才|女性|ソフィ
  • 愛しながら
    宮ヶ匁 蛍丸aa2951
    人間|17才|男性|命中
  • 愛されながら
    詩乃aa2951hero001
    英雄|13才|女性|バト
  • 生命の意味を知る者
    一ノ瀬 春翔aa3715
    人間|25才|男性|攻撃
  • 生の形を守る者
    アリス・レッドクイーンaa3715hero001
    英雄|15才|女性|シャド
  • Dirty
    フィーaa4205
    人間|20才|女性|攻撃
  • ボランティア亡霊
    ヒルフェaa4205hero001
    英雄|14才|?|ドレ
前に戻る
ページトップへ戻る