本部

広告塔の少女~アルスマギカの逆襲~

鳴海

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
10人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
4日
完成日
2016/07/19 12:18

掲示板

オープニング

●新型AGW開発局って名前にしようと思ったけどやめた

 遙華からの招待状
 みなさん、梅雨も無事に乗り切って、お外に出たくなる季節初夏の到来ね。
 お元気かしら、西大寺です。
 私は今から先を見据えて夏バテ対策で、栄養管理に気を使っているわ。
 さて、今回唐突にメールした件の本題なのだけど。
 また新しいAGWを開発したの。リンカーが使うものだから実験段階で一度あなた達に運用してもらう必要があるわ。
 前回の実験ではバルムンクとアルスマギカがリリースされて戦場で活躍しているわね。
 今回も私たちの作った自信作だから楽しみにしていてちょうだい。
 

● こんなアルスマギカに誰がした

 あなた達は絶句していた。
「なによこれ」
 ロクトはもっと絶句していた。
 三番試験フロア。人口の芝生が広がる四キロ平方メートルの屋外に作られた施設だったが、その真ん中にイカの化け物のようなものがいた。
 正確には触手じみたコードと本体が遙華なので全然イカっぽくはないが
「って。遙華! 何をしているのそこで」
「倉庫を整理していたら」
 ウネウネウネと波打つコードの中から顔だけ出してロクトと話をする遙華。
 意外と冷静である。
「前に百体連結したアルスマギカがあったじゃない」
「あったわね」
「結局あれ、未知の技術で連結していて解体できなかったじゃない」
「………………触ったの?」
「処分しようと思って!」
「何をやってるのよバカ!」
 ロクトが叫んだ。
 本気で彼女の想定の範囲外だったらしい。
「ごめんなさい、ろくと~」
「ええ、どうしよう。とりあえず、あれ言っておきましょうか?」
「あれ?」
「そう、あれ」

「たすけて~ ろくと~」

 こうして君たちは、遙華救出活動が始まる。


● きけや我が誓言

 あ、忘れてた。話には続きがある。

「モードデストロイ。起動します」

「あら? 今何か言った遙華?」
「いえ、私は何も、アルスマギカじゃない?」
 その時光り輝くアルスマギカ。そしてその無数の光が遙華に収束していく。
「”#$%&’())(’&%$#”#$%&&’」
「あー、な、なにか言ってるわ。誰かわかる人いる?」
 その場にいる全員が首をふる
 その触手は形をなし。しかも遙華を光が遙華を包み込み、そして光がはじけると。
 そこには二十五歳くらいに成長した遙華がいた。
 服装も変わっていて、メタリックな全身タイツである。腰の部分と肩の部分がところどころ四角く切り取られてとってもテクノ。

「あ、E、えぅ。A。言語固定、指定日本語」

「断罪、対象栄光社、我虚無ヘノ帰還切望」
「贖罪。我生み出せり犯人の投降を求む」
「我、アルスマギカ。あなた達を断罪します」

 そう遙華の声でアルスマギかは言った。

● 試作品
 あなた達がブリーフィングルームにいったん待避すると、ロクトはあわてて壁のボタンを押した。
 すると壁からプシューっと蒸気が流れ出て、ボックスが何本か出現する。
「アルスマギカに浸食されないように、コンピューターから切り離したわ。今回は次のAGWの運用試験を行ってもらうつもりだったけど、それどころじゃなくなったわね」
「遙華を助け出してちょうだい。あれは疑似的に霊力で強化されているけど、きちんと作戦を立てて戦いに役立ててちょうだい」

・シールドクラム
 太ももに装着するリング。ガーターベルトっぽく見えておしゃれ。
 自身の周囲にエネルギーの幕を張り、敵の攻撃をそらすことができる。
 シールドとは名ばかりの、回避能力が上がるアイテム。
 ただし、アルスマギカの改変のせいで装着すると他人に厳しい性格になる。
『回避+300』

・戦略型エンジェルスビット
 もともとこっちが最初開発されていたが。遙華がうたを戦闘に使うことを嫌ってお蔵入りしていたしな。最近いろいろあって、開発を急ぐことにした。
 声を霊力音波に変換し攻撃するが、音は無差別にも味方に届くので。その点を配慮し。指向性の音を空飛ぶビットで的確に相手に届かせることを目的としている。
 アルスマギカの改変せいで、使用者はある種のトランス状態になる。常時ハイテンションになり、人の忠告などに耳を貸さなくなる。
『魔法攻撃の射程が+10』
 
・ブラストウイング
 以前からあったエネルギーウイングを改良。空を飛ぶ機能のかわりに攻撃強化性能を増強。またエネルギーを大消費して物理攻撃力を魔法攻撃力に変換して攻撃を放つことができる。
 背中からたちこめる不定形の翼が、武器に力を与えるのだ。
 アルスマギカ改変のせいで、使用者は中二病になる。
『魔法、物理 攻撃力+100』

・ダークリベリオンワンド
 黒曜石を削り出した杖。めちゃくちゃ重たいがアルスマギカの機能が流用されており。魔力増大、瞬間の魔術行使。思考の高速化が可能。
 鈍器としても有能。
 アルスマギカの影響をもろに受けており、これを装備するとアルスマギカの仲間になってしまう。
『魔法、物理 攻撃力+200』『イニシアチブ+3』

解説

目標 アルスマギカ・Ωの撃破

 今回はグロリア社の開発した疑似共鳴システムを利用した。疑似リンカー遙華の撃破です。

【 《アルスマギカ・Ω》 】
 試作品アルスマギカが百台連結させて、自我っぽいものを得た存在。
 実際は高度な人工無脳
 遙華をコアとし。超絶的な威力の魔法攻撃を放ってくる。
 防御力は低め。ただしターンの終わりにHPを自動的に回復する能力がある。 
 攻撃パターンは三つ。

・ベラウバ・ヒューバ
 遙華が他世界の言語でよくわからない歌を謳う。金属的な音質のBGMで激情を謳ってるとわかる。
 範囲無差別攻撃で魔法攻撃である。ダメージを受けるとBS:真実を受ける
・ブレインシェーク
 蔦のようなコードを頭にぶっ際して、洗脳する。物理攻撃でダメージを受けるとBS:洗脳を受ける。
・拘束
 コードで絡め捕って拘束する。拘束中は誰かの攻撃の盾にされる可能性があり、誰かがダメージを与えると解放される。

バッドステータス《真実》
 他人に秘密を持っていることが心苦しくてたまらなくなる。
 次のメインアクションを消費して回復するか、その場ですぐに、周囲に隠していた自分の秘密一つをバラすと解除できる。

【他ユニット】
ブックマン
 アルスマギカがそこら辺の本に手足と知能を与えて作った。ありがたい物理法則や化学式や数学の公式などを無理やり脳に叩き込んでくる。(近接物理攻撃)
 威力はそれほど高くないが。勉強ができない子は、ちょっと頭がよくなる。
 
デミクリスタルコア
 今回皆さんに試作運用してもらうはずだった《賢者の石》が今回のアルスマギカのエネルギー供給源である。
 べらぼうに高い物理防御を備えている。アルスマギカの左右に一つづつあり。これを破壊すると、膨大な再生能力を無効化できる。
 攻撃はしてこないが、近接攻撃を放つとエネルギーが解放されて、ダメージの一部が反射される。この反射は防御力を無視し、直接生命を削る。

リプレイ

第一章 君たちの暴走

『御門 鈴音(aa0175)』は窓の向こうからそれを見下ろしていた。
 うねる大量のコードと、成長した遙華の、鈴音に負けないくらいのバインバイン、さらにその狂気の歌声を聴いて冷や汗が止まらないと言った調子で、それを見下ろしていた。
「えっとこれ。どういうことなの?」
 そんな彼女の袖を引いて『輝夜(aa0175hero001)』は言う。
「なんぞよくわからぬが……面白そうなのは間違いないのぉ」
「そんなわくわくしてる場合じゃ」 
「あ~あ、西大寺さんなにやってんの? 助ける代わりに今度グロリア社で装備のバーゲンセールおなしゃ~す!」
 その隣で鈴音とは違ってわくわくしている男が一人。
 『カイ アルブレヒツベルガー(aa0339hero001)』である。
 彼は相棒の『御童 紗希(aa0339)』が武器選びをしている間暇なのでぶらぶらしている。
 そんな会議室内で一つ異変が起こった。
 それは最初に『シエロ レミプリク(aa0575)』に降りかかる。
 不運な少女シエロは。
「きゃーん遙華ちゃんセクシー! ……じゃなかった、今助けるからね!」
 そうテンションあげつつエンジェルスビットを背中に装着。その瞬間。
「あばばばばばばばb」
「……?」
 その様子をふざけてるのかな? と眺める『ナト アマタ(aa0575hero001)』
「全く……何やってるんだ、余計な仕事を増やすな……って、ちょっと待て。この装備一式全て設定弄ったか?」
『防人 正護(aa2336)』が各武装の制御プログラム、そのアクセス履歴を漁ると案の定、つい先ほど武装設定が外部の者にいじられていることを発見する。
「ああ! 汚染されてる!」
 これはまずいぞとそれを見せた時には時すでに遅く。
 ブリーフィングルームは阿鼻叫喚の地獄絵図と化していた。
「遙華、今助ける! クラリンク!」
 ロクトが静止する前に。魔法少女クラリスミカ以下略へと変身する『蔵李・澄香(aa0010)』と『クラリス・ミカ(aa0010hero001)』は即座に装備したABによって、性格が改変されてしまった、それに上乗せするようにラジエルにの影響を受けてしまう。
 その不運は、ブラストウイングとABを同時装備した『小詩 いのり(aa1420)』にも降りかかる。
「あばばばばば!」
「あばばばばば!」
――おや? どうなさいました、お嬢様?
――何時ぞや見た光景ですわね、ちょっと共鳴を解いた方がいいかもしれません。
 嫌な予感を全身で感じるクラリス、その警告に従って『セバス=チャン(aa1420hero001)』が共鳴を解除しようとしてもうまくいかない。完全にABと接続されてしまった。
「ふふふ、我が名はいのりん!」
「魔法少女! スミカマギカ! 今行くよ。サダカ!」
――ええ! 何が起こって
 驚くクラリス。
「精神汚染よ、やられたわ、アルスマギカがこちらの手を呼んで武装に精神に干渉するプログラムを仕込んでいたのよ」
 みて、そうロクトが指さしたほうにはシエロ。
 彼女は装備したAB、肩にはランチャー、アンチマテリアルライフルを右手に装備、口からは火を噴いて、人語ではないなにかをしきりにつぶやきながら張り切って戦場まで下りていく
――どうしたの? シエロ……
「うぎゃぎゃぎゃぎゃ、むきゃー」
 残念ながらナトの言葉に耳を傾ける余裕はなさそうだ。
「至高の歌姫にして希望の音を歌い継ぐ者なり!」
――いのりさんまで
――なるほど、どうかしておられますね
「しかも、澄香さんに至っては、オリジナルアルスマギカの影響も……」
―― ああ、なぜこのようなことに。
 セバスチャンが神妙な声でつぶやいた。
「それは、澄香さんのラジエルを強化する際に、アルスマギカの技術をまるまる転用したからよ」
――なんでそんなことしたんですか!
 クラリスが叫ぶ。
「よかれと思って!!」
 そんな大人たちの大相談を尻目に、澄香たちは異常なテンションで装備のチェックを終えていく。
「ふふふ、我は常に澄香とともに在り!」
「行くよ! いのり。一人ぼっちじゃ寂しいもんな!」
――えええ! いのりさんまで!
――ご迷惑をおかけしますな
「セバスさんまであきらめないで頂戴……」
「すごいですよ、これ! 聞いてますシリウス!?」
『新星 魅流沙(aa2842)』が言う。
――いや、聞いてたけど、とんでもないことになるって聞いてたけど、何でニボシはそれを聞いて、AB装備しちゃったんだよ!
「もういいです、黙っててください! ここからは私のステージです!!」
――え、ちょっ!? オレなにかしたの! おーい
『『破壊神?』シリウス(aa2842hero001)』の訴えは無視される
 ちなみにエンジェルスビットでこのありさまだが、他の武装も当然精神汚染のおまけがついている。
 たとえば。
「アリス」
「めいー? 今日は少しこわくなぁい?」
「怒るよ」
「ええー!? いつもの芽衣ならまだ怒ら……」
「いいから共鳴。やるよアリス」
 普段の優しさの欠片もない『北里芽衣(aa1416)』が『アリス・ドリームイーター(aa1416hero001)』の手を引いて、無理やり引っ張って共鳴をする。
 その結果、普段の穏やかな芽衣とは違う、眼がキリッとして、声が非常に冷ややかで、凛とした出で立ちの共鳴芽衣が出来上がってしまった
 ちなみに変身する時、スカートがふわりと舞って太ももが見えたが、シールドクラムが装備されているようだ。
 その問題のシールドクラムをおなじく装着する『無月(aa1531)』
「遙華君か、頭は良さそうだけど、ちょっとドジっ娘属性もありそうだね」
「ジェネッサ、こんな時に貴女は何を言っているんだ……」
「ん? 別に悪気はないよ。ただ可愛い娘だね、って思っただけさ」
『ジェネッサ・ルディス(aa1531hero001)』との会話を聞く限りでは、彼女に性格的な問題は現れていない。
 この精神汚染には個体差があるようだ。
「どうやら、これを装備すると、冗談の通じない正確になって、ちょっと冷たく感じられるみたいだけど大丈夫、君の優しい心は少なくともボクは解っているよ」
 そうジュネッサは無月に優しく語りかけた。
「なんとかならないの? 正護」
「無理だな」
「あら、あなたは平気なのね」
 ブラストウィングを装備した正護は案外と普通に見える。
「ただ、気になるのはどうやって正確に干渉しているかだよな」
「え?」
「いや、遙華のように直結しているならともかく俺たちはアルスマギカの支配下に置かれていない、なのに武器に仕込まれたプログラムだけで性格が変わるのはオカシグナイダドルカ」
「…………ちょっとまって! 今なんて言ったの?」
「気にするな別にシンパイズドゥビィヅヨルガア゛ドゥコドゥジャナイ」
「どこの国の言葉よ!」
――オン●●●語じゃ
「え? なに?」
 『古賀 菖蒲(旧姓:サキモリ(aa2336hero001)』が説明してくれたが、さっぱりなんのことかわからない。戸惑いのロクトである。
 そんな中突如室内に響く悲鳴。
「おい! マリ。引っ張んなって、いたたたたた、耳が、あ、目が……目が座ってる!!」
 直後バリンと窓ガラスをぶち破って。外に飛び出す『御童 紗希(aa0339)』
 その手にはダークリベリオンワンドがにぎられていた。
 あわてて追う、リンカーたち。
「廊下の突き当たりのレバーを上げて、ショートカットできるわ。みんな敵はなにしてくるかわからないから注意して!」
 そんなロクトの指示が廊下にこだまして、あわただしい足音は遠ざかっていく。
 先ほどの騒がしさが嘘のように静まるブリーフィングルームに。
 ふらりと『卸 蘿蔔(aa0405)』が帰ってきた。
「ふう、お花摘みに行くのも楽じゃないのです」
 そんなことを言いながらあたりを見渡したが誰もいない。
「え? お部屋、間違えましたか?」
「おいていかれたみたいだな」
 そう蘿蔔の疑問に『レオンハルト(aa0405hero001)』が答える
「私知りません……、聞いてません」
 そう一瞬悲しそうにする蘿蔔だったがすぐに気を取り直してエンジェルスビットを装着する。
「もう最近慣れつつあるよな、こういう展開」
「はい、なんかもう、平気です」
 そして共鳴、すぐさま他のリンカーのあとを追う。

第一章 戦闘

 まず下に降りて見て最初に目に入ったのはシエロとアルスマギカ・Ωの大怪獣バトルである
「あびゃビャバハはにゃミリョひりメリィー!!」
 前砲門開き、仁王立ちでΩへ火力を集中させているシエロ、それを防ぎつつ進軍してくるΩ。
 そして進軍してくるブックスマン。彼らはまるで雑魚兵のごとく二人の攻撃の被害にあっているが、健気に何度でも立ち上がってくる。
――……シエロ? 大丈夫?
「アババー!? だいじょうぶだいじょうぶ、あ、忙しい時たまにはいてませーん!!」
 ベラウバ・ヒューバの直撃を受けたシエロから、久方ぶりに人語が飛び出たと思えば、これである。
――…………
 今日ははいているんだろうか。そう一気に不安になるナトであった。
 そう、これがアルスマギカのおそろしいところ、バッドステータス真実。
「みんな、耳をふさいで」
 ロクトが言う。
「そんなもので防げるわけがないだろう」 
 正護がそう言った矢先。音波攻撃が固まって立っていたリンカーたちに直撃する。
「あのね、いのり」
 そう頬を赤らめていのりへと熱い視線を向ける澄香。
「うん、どうしたの澄香?」
 恥ずかしそうに視線をそらすいのり、その頬にふれた指先が冷たくて、思わず体が跳ねる。
「いのりと入浴すると、恥ずかしい気持ちになるんだ。病気かな」
「うん、実はボクもドキドキが止まらないんだ。理由は……わかってるけどさ」
――恋……いや、変ですなぁ
――澄香ちゃん、もうサービスカットはそこまででいいですよ
 そんな背景にユリの花が見えている二人のことは放っておいて全員がアルスマギカΩに向けて攻撃を開始する。
「ミョフュー!! ナトくんのフィギュアこっそり自作しましたぁー!!」
 そして告げられた真実に、戦意を喪失してしまったナト。しばらく黙っていようと決意する。
―― 今日のシエロ、楽しそう。
 止める人もいなくなったのでシエロは思う存分ぶっぱしまくる、しかしそのシエロへと黒い杖振りかざす乙女が一人。
 そう彼女こそ『ブラック御童 ジェノサイド紗希(aaXXXX)』
 きしししという笑いが似合いそうなサイコでポップなクレイジーガールである。
「全員ぶちまけて、解体図を作って中身にお花とか豆腐とか綺麗な物を詰め込んで、もう一度組み立ててあげるわよ!!」
――みんな気をつけるんだ!! 突発的にジェノサイド行為に走ってしまうマリの第二人格【ブラック御堂】が表に出てる!! 
 やけに説明口調なカイの言葉を遮るようにブラック御堂は杖を振るってシエロを攻撃する。
「死なす!」
「がああああああ!!」
「デスル!!」
「ぎしゃぎしゃぎしゃ!!」
 言語系が意味をなさなくなってしまった二人の戦いは熾烈を極める。
 その二人の間に一本の大剣が突き刺さった。
 それこそ鬼帝の剣であり、その剣の柄の上に立ち、二人のを見下ろす少女こそ、【百鬼敷く大牙】鈴音だ。
「我が名は鈴音……光と闇……陰と陽……男と女……輪廻転生の理に生きし者…我が剣と翼を恐れぬのならかかって来るがいい!」
―― お、おおかっこいい、かっこいいのー
 そうポーズを決める鈴音にカグヤは気持ちのこもってない拍手を送る。
 その鈴音にどこからともなく魔法弾が飛来する。
 そして。打ち落とされる鈴音。
――鈴音!! おお、いったい誰が
 その魔弾の射手は、芽衣。
 一つ文句でも行ってやろうと口をひらきかけたカグヤだったが、その目の色がいつもと違うのでやめた。
「真面目にやってください。西大寺さんの命がかかってるんですよ」
――おお、すまんのう
 鈴音がすなおに謝ることができない様子だったので、代わりに謝るカグヤであった。
 そんな茶番を繰り広げる二人に襲いくる音波攻撃。
「あああ、私の天岩戸に封じ込められた禁断の記憶が」
――鈴音! 何を言っておるのじゃ、わらわに解る言葉で話してほしいのじゃ!!
「実は、我が二つな『閃光の眼鏡っ娘』は。学校が終わってスーパーで買い物する時に、惣菜に半額シールが貼られるまで待ち、貼られた刹那、光の速さで取ってレジに向かう為、つけられたあだ名なの」
――ほ、ほうそうじゃったか。
 いろんな意味で引いているカグヤである。
「アイテムと、Ωの歌の効果でみんなの性格が変わってしまっているな」
 正護が解説を入れた。
「ええ、それはわかっているのだけど……」
「ア゛リヲソルビズドゥドゥグディャディビョルディナッデシバルンダ」
「…………ねぇ、今私、すごいことに気が付いたんだけど言ってもいい?」
「いいぞ、ロクト、どうしたんだ?」
「突っ込みの数が圧倒的に足りないわ」
 そのまま鈴音はブラック御堂との戦いを繰り広げる、夢のドレッドノート対決。
――ええい鈴音! 攻撃前に余計なポーズや技名を入れるのはやめるのじゃ、あと壊れた人間はななめ四十五度から叩けば治る、いけ! 鈴音!
「秘儀、斜角四十五度ブレード!!」
「あたしを、そこらのポンコツ機械扱いしたわね!! 殺す! ばらす!!」
 そんなブラック御堂の前に断ち正護は言う。
「オンドュルルラギッタンディスカー!!」
「あなたそれが言いたかっただけでしょう!!」
「オレノジャマヲスルナラカタイップロポッポデロ」
――ジーチャン、相手はボードではないぞ
「ああ、何言ってるのかさっぱりわからない」
 一方てんやわんやなリンカーたちを遠くに眺めながら、無月はΩの攻撃を掻い潜って、デミクリスタルに着実にダメージを与えていた。
 とてもえらい、できる忍者はやはり違う。
「むぅ、西大寺殿を返してはくださらんか」
 その言葉にアルスマギカΩが答える。
「否。我、主らと交流する手段として、これの端末が必要である」
「さようか」
 そう無月は迫りくるコードを避けながら苦無を放つ。
「いのり、シロ、新星さん。歌おう!」
 ロクトが離れたすきに好き勝手しようとする人物がまた一人。
 澄香である。
――……攻撃ではなくて?
「Ωの歌は、ガデンツァの滅びの歌に似ているんだ。ならビットのデータを収集するチャンス! ロクトさん、記録よろしく!」
――あれ、まとも
 驚くクラリス。
「ふふふ、聴き惚れろ、我が美声! 至上の歌声にひれ伏すがいい!」
 ――自分で仰るところが痛々しいですなぁ
「やった! 混ぜてくれるんですか! 曲全部覚えてきました。ライブしましょう、ライブ!!」
 そう魅流沙がかき鳴らすギター(と言ってもシリウスの見よう見まね)。聞こえてきたのは春風の音~Thanks~。
 それがΩに作用してなのか、音を打ち消しているのからなのか。
 若干、相手の歌攻撃が弱まらない気がしないでもない状態になった。
「とどけ!! 私たちの思い!」
「我が思いは戦場を駆け廻りし、聖歌!!」
「歌います!!」
 エンジェルスビットフル稼働である。
「あぁ、もうブックマンとかクリスタルとか煩いですよ! 『ブルームフレア』!!」
 そう魅流沙が群がるブックスマンを一掃していく。
 同時に、どういう原理かは知らないがABから火をふかせながら。ブックスマンを焼き払っていくシエロ。
 逃げ惑うブックスマン達。そして梅雨払いが済んだらデミクリスタルコアへと火焔を浴びせていく。
「ハァー……」
 で吸って。
「カァ!」
 で火を吐いて
「ギみゅハァー!!」
 で銃をぶっ放す
「ポケらルコぉー!!」
 人型兵器シエロちゃんの断罪は続く。

第二章 知らないです……
 そこでひとしきり演奏を終えたアイドルたち、ちょっとしたインターバルである。
 汗を拭いたり水を飲んだり、次の楽曲に備えて喉の調子を整えたりする。
「はい、シロ」
 そんな中澄香は、隣で茫然と佇んでいた蘿蔔に水の入ったボトルを渡す。
「さっきのハモリよかったよ」
「響き渡る、透明色の歌声。とても我には真似できぬ」
「卸さんすごいです!!」
 三者三様の褒め言葉に蘿蔔は喜ぶとみんな思った。しかし現実は違った。
「私、知らないです。高音ってなんですか? ハモリってなんですか? わたし、いませんでした。レオが道に迷ったせいで、私いま到着したんです。この汗は謳った時にかいた汗じゃないんです、一人出遅れた、居心地の悪さからかいた冷や汗です」
 いのりが蘿蔔の方に手を置く。
「Let's go to the next song」
「なんで英語なんですか!! そして私の話を聞いてください」
「シロ!! 危ない!」
 襲いくるベラウバ・ヒューバ。その攻撃からかばうために突き飛ばした澄香だったが、彼女は忘れているのだろう、これは範囲攻撃だ。
「なんで押したんですか!」
「ああ! 間違えた」
 むしろ蘿蔔の回避する機会を奪ってしまう形になったが、澄香の謝る姿がかわいかったので許される。
 そして金属質なテクノな音楽が蘿蔔の体を揺らす。
 起き上がる蘿蔔。その胸の内にはモヤモヤが。
 周りの人を見ると、まるで責め立てているような視線を向けてくるではないか。
 お前の秘密を知っているぞ、さぁばらすんだ。
 そう言われている気がして、蘿蔔は叫んだ。
「黙っていましたけど! 私、BL好きなんです!!」
 一瞬、全ての音が消え去った。
 全員が攻撃の手を止めて、蘿蔔のほうを見ていた。
 Ωやブラック御堂、あの無月ですらだ。
 むしろ耳が痛くなるほどの静寂があたりを包んだ。
「こういうとき無言になるのやめてください!!」
――この前ちょっと覗いてみたけどなんつーか、いかがわしかった。
 なんだろう、今のレオンハルトのセリフはなんだろう。
 フォローしようとしたのだろうか、それとも、その時の感想が今どうしても言いたかったのだろうか。
 どちらにせよ、蘿蔔の心にとどめを刺したのには変わりない。


「いかがはせむ
      かけて忍べぬ
           茨道」 季語なし。


 真っ白になって燃え尽きる蘿蔔。
 その背後で、鈴音とシエロとブラック御堂の戦闘が再開される。
――いや普通に皆知ってるから! 隠せてねーから! しっかりしろ、遙華を助けるんだろう!?

「そうなの……、でもね、蘿蔔」
 慈悲深い微笑みを蘿蔔に向ける遙華。
「実は蘿蔔……私、なんとなくしってたわ」


「え! なんで、なんでそこだけ元に戻るんですか。っていうか遙華まで聞いてたんですか。お嫁に行けない」
――取り乱しすぎだぞ
 ちょっと厳しいレオンハルトである。
「あ、あれは茨の道を駆けたり、ホモななカプをかけたり、いかがわしさはねーよとかそんな気持ちがこもってる歌だ」
 澄香が言う。
「解説どーもです!!」
 半ばやけくその蘿蔔である。
 そんな和気あいあいとした空気を垂れ流す一向に、怒り心頭のΩ。ここ一番とばかりに音量を上げる。
「我を忘れるなかれ!!」
 そして響くベラウバ・ヒューバ。虚偽を許さない戦慄が世界を満たし。
 そして真実があふれ出す。
「最近太った!」
「ボクも太った! 二キロ」
――澄香様はお料理もお上手ですからなぁ
 いやいや、そんなことないよと、謙遜しながらも笑う澄香。
「へ……変態が……す、好き……なわけないでしょ!けどクソつまんない男よりはマシ!」
 そう芽衣を切り捨て。
「好みは年上…年上だけど…限度…があるに決まってるじゃない!あたしより+20歳以内!」
 そう鈴音を切り捨て。
「馬鹿デカイ男なんて邪魔なだけ…!邪魔なだけに居ないとなんか距離感がわからない…!」
 そうシエロを切り捨て。猛り吠えるブラック御堂。
「どうしてこんなこと暴露してるのよ~~ッ……!あたしの馬鹿~~~!」
「む、なんだこの暴露大会は」
 しかしその言葉に強靭な精神で抗って見せる無月。そんな彼女に鋭く声を投げる人物が一人。
「無月さん!!」
 芽衣が叫ぶ。
「む、なんだろうか」
「このままでは、Ωさんの思う壺です、デミクリスタルは頼みましたよ! 鈴音さん!! 防人さん!」
「な、なんだ?」
「ブラック御堂さんをよろしくお願いします」
 鈴音は頷くも、正護は抗議の声をあっげる。
「いや、俺ソフィスビショップなんだが……」
「なんとかなります……」
 芽衣の眼光に宿る冷たいひかりが有無を言わさず、正護にうんと言わせた。
「バカセデオケ!」
「ふざけている時間はありません、西大寺さんの命が危険です。お遊びの時間は終わりです」

第三章 説得

「では、私が突破口を開きましょう、わたしの屍を越えて行け!」
 そう芽衣の言葉に頷いた鈴音は大剣を振り上げ、本の群の中へ。
「あ! 御門どの!」
 そう無月が止める間もなく鈴音ブックスマンに群がれれ、頭に公式を叩き込まれていく。
 そしてその隙を逃すまいと、Ωの音波攻撃が飛ぶ、それが鈴音に直撃。胸の内さらけ出しマシーンと化した。
「最近、高校の男子から、おっぱい三蔵と呼ばれています。体育の時の視線が痛いです」
 そしてダメだ残念なことに、鈴音は精神的ダメージで動かなくなってしまった。
「おそるべし、アルスマギカ・Ω」
 どうしたものかと考えるロクト。
 そんな窮地を救うために、突如立ち上がったのは。
 最近アイドルデビューを目論む、蘿蔔である。
「遙華の為なら、私……歌います」
 なにがどう遙華のためなのかは謎だったが、本人は大真面目である。
 そしてどこからか用意したのだろうか、BGMが実験施設内すべてに流れ出す。
 それは、ルネシリーズに共通した主旋律を持っていた。
 歌うのは潮騒の音~accept~。

 それは、悲しみに囚われたもうひとりの女神。その涙が海となり、悲しみが怒りの波と変わり人々に襲いかかる。
 そして。
 波が全てを、自分をも飲み込む前に、私たちの声を聴いて下さい。どうか一人で悲しまないで。私はあなたの敵ではない、あなたを知って力になりたい。
 そう、受け入れることを謳った歌だった。

 その歌を聞いて、Ωの動きが止まる。
 芽衣が、敵の攻撃をものともせず、ゆっくりとΩに歩み寄った。
「その人から外れてください」
「否! それはできぬ相談だ」
「西大寺さんは大切な方なんです。どうか、西大寺さんを乗っ取らないでください」
「我には関係がない、我には……」
「断罪、贖罪、アルマギちゃん、君はグロリア社を、遙華を恨んでいるの?」
 澄香が蘿蔔のコーラスの合間に問いかける。
「そうだ、我は、我は母を恨んでいる。生み出したくせに放り出した。仕舞い込んだくせに必要となると引っ張り出して。いいように扱おうとした」
「それなら、私があなたに、生きる楽しさや喜びを与えます、それではダメですか?」
 芽衣は遙華の、いやΩの頬に手を添えて言う。
「産まれたなら、幸せになってほしいんです。私の身体もたまにお貸ししますから、闘うのはやめてください」
 次の瞬間コードが芽衣をからめ捕った。
「おお、やめろ、我の願いは、お前たちを粛正し、虚無に返ることこそだ」
「断罪なんかじゃなにも変わりません」
 芽衣が言う。
「あなたの願いは本当に断罪なのです? ……もっと違う願いがあるのではないですか?」
「否! そもそも何を望めと言うのだ。我は、私は。幽閉されてきたのだぞ。せかいを母と、倉庫の中しか知らないのだ。そんな兵器たる私が一体何を望めと!」
 その時、澄香の持つふたつのアイテムが共鳴した。
「アルマギちゃん。私の心を聴いて。ラジちゃん、力を貸して」
 そして澄香は頭にコードをぶっさし、回路を無理やり接続した。
 遙華とΩの接続に割り込む。
「それについては、ごめんなさい」
 いつの間にかΩの前にはロクトが立っていた。
 臆することなく遙華を見据える。
「私が悪いのよ、その子じゃない。あなたの問題点が解決されるまでは触れるなって、私が言ったのよ、けどあなたの気持ちを全く考えない行動だった、ごめんなさい」
「我は、いや、私は、母がうらやましい」
 そうロクトへアルスマギカは語りかける。
「あなたは、自由で気高くて、人の中心にいて、好かれている。私にはそのすべてがない。これは復讐だ。あなたを殺すことが叶わないなら、私はこの手で遙華を殺し、そして私も」
「嫌です!! 消えないでください!!」
 魅流沙が叫んだ。
「なんで、何でせっかく生まれたのに消える必要があるんですか?」
 魅流沙の頬を涙が伝う。
「この世の中、楽しいことはたくさんあります。もっと楽に考えることはできませんか?」
「私は、昔とても優しい英雄さんを倒しました。その英雄さんの記憶と感情を持つ、偽物さんも倒しました。けど。それじゃ何も残りませんでした、苦しみだけが残りました」
 そして芽衣が言葉を継ぐ。
「でも、それは安易な選択だったんです、だから私はもう、同じ場面に出くわしたとき、そうしないって決めたんです」
「それはお前のわがままだ!!」
 Ωは叫びをあげた、そして遙華のからだを借りて、涙を流す。
「あなたは、消える必要なんてありません、そして遙華さんを一緒に連れていく必要なんてないんです!」
 直後、澄香のラジエルが眩い閃光を放った。
 そして、その背に接続されていたABから、彼女の声が聞こえてくる。
 澄香の声が。

「初めて君に触れた時、弱い心が吹き飛んで、戦うことが怖く無くなった。
良くないことなのかもしれない。でも私にとっては大きな転機だったんだ。
あの時の気持ちを思い出しながら戦っているんだ。」

「私を変えてくれてありがとう。
生まれてきてくれて、ありがとう」

「自分を否定しないで。
遙華を許してあげて。
私の中においで。
一緒に歌おう。
一緒に輝こう」

 その時、完全にアルスマギカの動きが止まった、その直後、苦しむように身を悶えさせ、当たりかまわず攻撃を放つアルスマギカ。
「正護、お願い、あの子振り上げた拳の下ろしどころがわからなくなっているだけよ。遙華と無理やり切り離して、大丈夫それくらいでアルスマギカは壊れないから」
 その言葉と共に正護は走る。タイミングを同じくして。
 右のデミクリスタルが、シエロの攻撃に耐えかね割れる。
 そして無月の放った怪剣がデミクリスタルに深々と突き刺さる。
 そして。
「ザヨゴォォォオオオオ!!」
 ブルームフレアを足に纏わせて正護は飛んだ。
 陰炎が正護を二人に分身させて見せ。その攻撃を見切ることができなかったΩはそのドロップキックをもろに浴びた。
「防人流雷堕脚……火焔」
 
 ありが、とう。

第四章 安定
「おーい、遙華、聞こえてますか?」
 そうほっぺを突き破らんばかりに、遙華の頬に何かが押し当てられる。
「起きないと、えっと、あの、大変なことしちゃいます。えっと、例えば」
 その声の主は誰だろうと、頑張って瞳をこじ開けると、遙華の瞳は蘿蔔の視線と、がっちりぶつかった。
「遙華ー。大丈夫ですかっ? へいへいっ! へいゆー!」
「なんであなた、そんなにテンション高いのよ」
 ほっぺたをぺちぺち叩く、その手を握る。
「よかった、無事なんですね」
 そう蘿蔔は遙華の頭を抱きしめると、どこから出しているのかよくわからない、猫っぽい声を上げる。
「ああ、みんな無事だったのね、迷惑をかけてごめんなさい」
「無事じゃないよ」
 澄香が笑う。
「まだボク達、アルスマギカの影響が残ってて、真実を口にしたくなっちゃうんだ」
 そういのりが言う。
「遙華やすずちゃんともっと仲良くなりたいなあ……」
「遙華と普通に遊びたい!」
 えへへへ、と笑いあう少女四人組。
「さて、お嬢様。何か仰りたいことはございますか?」
 セバスが問いかけると
「……死にたい」
 同じく澄香もうつむいて肩を落とした。
 そして輝夜は燃え尽きている鈴音の肩に手をかける。
「遙華もそうじゃがお前さん達はまだ若い…時が過ぎればこの醜態も立派な酒の肴になろう。」
「……重すぎて胃もたれするわ!」
「あの、御門さん!」
 突如名前を呼ばれ振り返る、鈴音。そこには芽衣が立っていた。
「先ほどは、あの、ごめんなさい!」
 真面目にやってくださいと怒った時のことだろう。
「あれは、お互いおかしかったから、ノーカウントにしましょう」
 そう鈴音が言うと頭をさげて、今度はアリスに向き直る芽衣。
「あ、えっとその。ごめんねアリス。もう戻ったから大丈夫だよ」
「もどったの!? やったわー! いつもの芽衣よりちょっと怖かったもの!」
「うん……え? ちょっと? すごく怖いじゃなくて?」
「ちょっとよ!」
「そ、そうなんだ、ちょっと……」
 複雑そうな芽衣であるが、対照的にすっきりしたような表情を見せるシエロ。
「う、うーん……なんだか一生分叫んだ気分…でもウチ何叫んだっけ…?」
「……♪」
 シエロの暴露話を沢山聞けたので満足しているナトである。
 ちなみに、同じように紗希も暴走している間の記憶は失っていたようだが。
 そのことに触れると、また暴れ出しそうで怖かったので、カイは触れないでいた。
「触らぬ神にたたりなし」
 そう両手を打ち合わせ、ブラック御堂ともう出会わないことを祈るカイであった。

エピローグ
 ちなみにロクトとクラリスは毎回恒例難しいお話をしていた。
「ベラウバ・ヒューバを楽譜に落としアイドル組に配りたいのですが」
「可能ね、すぐに音源は渡せるから、あとはそっちにまかせてもいい?」
「異世界の言語の歌、お洒落ですわね」
 そうクラリスは受け取ったディスクを眺めながら言った。
「ベラウバ・ヒューバ(革命の声)ね」
「革命の声……、意味が解るのですか?」
「ええだって私の世界の言語だもの」


結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • トップアイドル!
    蔵李 澄香aa0010
  • 遊興の一時
    御門 鈴音aa0175
  • LinkBrave
    シエロ レミプリクaa0575
  • 痛みをぬぐう少女
    北里芽衣aa1416

重体一覧

参加者

  • トップアイドル!
    蔵李 澄香aa0010
    人間|17才|女性|生命
  • 希望の音~ルネ~
    クラリス・ミカaa0010hero001
    英雄|17才|女性|ソフィ
  • 遊興の一時
    御門 鈴音aa0175
    人間|15才|女性|生命
  • 守護の決意
    輝夜aa0175hero001
    英雄|9才|女性|ドレ
  • 革めゆく少女
    御童 紗希aa0339
    人間|16才|女性|命中
  • アサルト
    カイ アルブレヒツベルガーaa0339hero001
    英雄|35才|男性|ドレ
  • 白い死神
    卸 蘿蔔aa0405
    人間|18才|女性|命中
  • 苦労人
    レオンハルトaa0405hero001
    英雄|22才|男性|ジャ
  • LinkBrave
    シエロ レミプリクaa0575
    機械|17才|女性|生命
  • きみをえらぶ
    ナト アマタaa0575hero001
    英雄|8才|?|ジャ
  • 痛みをぬぐう少女
    北里芽衣aa1416
    人間|11才|女性|命中
  • 遊ぶの大好き
    アリス・ドリームイーターaa1416hero001
    英雄|11才|女性|ソフィ
  • トップアイドル!
    小詩 いのりaa1420
    機械|20才|女性|攻撃
  • モノプロ代表取締役
    セバス=チャンaa1420hero001
    英雄|55才|男性|バト
  • 夜を切り裂く月光
    無月aa1531
    人間|22才|女性|回避
  • 反抗する音色
    ジェネッサ・ルディスaa1531hero001
    英雄|25才|女性|シャド
  • グロリア社名誉社員
    防人 正護aa2336
    人間|20才|男性|回避
  • 家を護る狐
    古賀 菖蒲(旧姓:サキモリaa2336hero001
    英雄|18才|女性|ソフィ
  • 魅惑の踊り子
    新星 魅流沙aa2842
    人間|20才|女性|生命
  • 疾風迅雷
    『破壊神?』シリウスaa2842hero001
    英雄|21才|女性|ソフィ
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