本部

【東嵐】連動シナリオ

【東嵐】資本

昇竜

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
6人 / 4~6人
英雄
0人 / 0~0人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/03/27 22:08

掲示板

オープニング

●香港の日常
 香港九龍支部で開催されるHOPE国際会議。その開催予定日は刻一刻と近づきつつあった。
 道行く人たちはどこかせわしなく落ち着かない様子で、誰もが忙しそうに感じられた。
 商店や飲食店、宿泊施設などは会議中のかきいれを当て込んで準備に余念がなく、メディア関係者は早々に現地入りして取材の下準備に大忙しで、現地の住人らも開催期間中の喧騒を予想してどこか落ち着きが無いようだった。
 そんな非日常の気配迫る中でも、変わらないものがある。

「ああっ、ご覧下さい! 大きな従魔に今武器が振り下ろされました!」

 リポーターがひっくり返った車の裏でまくし立て、カメラマンは腹ばいになりながらカメラを向けている。画面の中では、エージェントが大剣を振り回し、白黒模様の熊のような従魔と戦っている。

「街のど真ん中で……暴れないの!」

 エージェントが振り回した大剣が従魔をなぎ払い、塵に還す。
 そう、彼らエージェントにとっては、そんな非日常こそが日常なのである。

●だから

「体は資本です。そうですね?」

 飛躍しすぎている、と誰もが思ったが口には出さなかった。

「エージェントは世界の武器であり、頭脳であり、希望です。
 いつ大きな事件があってもいいよう、体調を万全にしておく必要があります。
 ここ香港H.O.P.E.直轄病院では年中健康診断を受け付けています。受診は皆さんの義務です」

 わかりますか? ゴリラババ――い、いや、体格のいいH.O.P.E.専属看護師はそう言ってエージェントたちに診察室前に並ぶよう指示した。ずらりと行列ができている。医務室の方からは何やら悲鳴や怒号が聞こえるが……うん、気のせいだろう。

「いいこと? 刺青を見られたくないとか、注射が無理だとかいう皆さんには、悪いけれど少しの間ガマンして頂きますわよ」

解説

概要
健康診断を受診します。

診断内容の一例
・身体測定
 身長、体重、腹囲を測定しBMIを算出します。プレイングによっては胸囲なども測ります。
 結果:やせすぎ、太りすぎが分かります。
・採血
 採血針(注射器)を使って採血します。駆血帯を巻かれ、静脈をぷにぷにされます。
 結果:脂質濃度(スナック菓子食べすぎなど)、肝機能異常(飲みすぎなど)
    糖尿病兆候(甘いもの食べ過ぎなど)、血液型も分かります。
・胸部X線
 黒カーテンの向こうで服を脱がされパシャリです。ドキドキできるかも。
 結果:肺機能異常(煙草吸いすぎなど)が分かります。
・血圧、心電図
 血圧計で上腕部を圧迫して血圧を測定し、その後胸部に電極を装着して心電図を測定します。
 結果:心機能異常(不整脈など)、高血圧か低血圧かも分かります。
・視力、歯科
 学校で受けるような検査です。右、左、あーんしてね。
 結果:視力と虫歯の数が分かります。
・その他
 全身くまなく調べますので、プレイングによっては対応します。
描写する検査を指定頂く場合、指定数が少ないほど採用率が上がります。所見は現実とは異なります。
検査結果(明確な数値など)をリプレイに残したくない方はプレイング冒頭に「秘」とつけてください。健康診断は受けますが、結果は暈します。

状況
・日帰りです。
・病院の廊下で待たされていますが、順番はすぐに回ってきます。
・検査はおよそ診断内容の一例項の順序で行われ、流れ作業の要領で次々受診していきます。
・素敵な技術で検査結果は検査を受けた直後にお医者さんの口から聞けます。

リプレイ



「いったい、何やってんだ……」

 カトレヤ シェーン(aa0218)は騒がしい診察室をちょっと覗いてみた。

「……」
「……どした?」
「いや。多分、見間違いだぜ」

 鵜鬱鷹 武之(aa3506)は生気のない目で「へー」と興味もなさそうに。その横ではアル(aa1730)が白目で。

「大切なことだってわかってるさ……
 でも否応無く現実を叩きつけられるじゃん? 注射も痛いじゃん?
 ぶっちゃけ嫌いなんだよね!! ワァーー早く終わらないかなぁ!!」

 突然叫び出すので鵜鬱鷹とカトレヤも呆れ顔。

「無理せずやめたらどうだ?」
「受けるよ……うぅ」
「隣の奴もやばくない?」

 重い溜息を吐くアルの横には、青い顔のヨハン・リントヴルム(aa1933)。

「……平気?」

 アルが気遣わしげに覗き込むと、ヨハンは弱々しく笑った。

「みんな、体で気になるところとかあるかい」

 カトレヤの話題に不知火 轍(aa1641)は心当たりがありまくる。クレア・マクミラン(aa1631)の貧乏揺すりが止まらないのは早速ニコチン切れか。

「まあ、な。……クレアも、来させられたのか?」
「ああ、義務だそうだからな」
「何で、こんな事に……」

 『健康かどうか見て来てもらいなさい!』そんな感じで英雄に放り込まれたわけだが。

「思い出したら、ムカッときた……逃げる。意地でも、採血だけは」
「な、なんだぁ~、轍さんも注射嫌いなんだ?」
「僕は怖い訳じゃない……苦手なんだ」
「ボボボクだって怖いわけじゃ……ただ慣れなくて。あは、は」

 普段は飄々としたアルが、今日はテンパってえらくぺらぺらと。せめてもの救いは一人ぼっちじゃなかったことだ。不知火は血液検査で肝臓を調べられるのだけは全力で回避したい。

(相方に何言われるか、容易に想像付く。絶対受けない。……そうだ、)

 不知火は信頼を置く不養生の衛生兵を見た。一緒に回避しよう、それが良い。

「……クレア、力を貸してくれないか……」
「奇遇だな轍、私もそうしようと思っていた」
「報酬は……最近日本で見つけた、スコッチウィスキー置いてあるバー……ロイヤルハウスホールド、飲みに行こう」

 こくりと頷くと、彼女も強く頷き返す。やはり持つべきものは酒飲みの友。

「俺は自分の体には自信が有るねぇ」
「じゃあ、カトレヤさんはどうして健康診断に?」
「いい機会かなと思ってな。この身体になってから、受けてなかったから」

 カトレヤの昔話とは珍しい。尋ねるアルに、彼女はグローブを指で叩く。機械部分を見られるのが嫌いなのだ。

「昔、負傷した時に能力者になったんだ。こうなる前は、毎年受けてた。もちろん、結果は優良だったぜ?」
「あー……なんかスゴイ理想的な数値が並んでそうね」

 鵜鬱鷹が見れば、なるほど滑らかな肌は血色良く。

「ま、H.O.P.E.に来る前の話だけどな。当然だろ? 毎日の生活は基本だぜ」

 職業意識と美意識の高い彼女は普段から食事、トレーニングにと気を遣っている。しかし能力者となって以後、問題は英雄という居候の登場だ。その振る舞いたるや天衣無縫の好き放題。

「あいつに振り回される生活で、酒の量も増えた気がするし。だから、気になってな」
「へー、じゃ今日は生体部分の検査だけ?」
「ああ、ここは医者が診ても意味ないだろ? ちゃんとかかりつけのメンテナンス屋に診てもらうぜ」

 カトレヤは診察室へ去り際に鵜鬱鷹に答えた。いつしか順番が回ってきている。

「あー……健康診断とかいつぶりだっけか」
「武之さん、相当久しぶりなんだね」
「まー、死んでないから健康でしょう」
「うん、それは違うと思う」

 アルにツッコまれつつ、鵜鬱鷹はボサボサ頭をばりばり。面々は診察へ進む。

●最初は身体測定です

「昨日の夜ね、ギリギリまでぶら下がり健康機やってきたからいけると思うんだよ」
「ハハ、何がだ」
「成長期だし! 伸びてない訳無い! いざ!!」

 濃ゆい顔で言われ、カトレヤは笑う。アル、身長計へ往かん。いま看護師が明かす衝撃の真実――

「昨年から変化なしですー」
「ですよね知ってた!!」
「それにBMI17.1は、少々痩せすぎかもしれませんよ」
「俺はどうだ?」
「ミス・シェーンはBMIもほぼ正常、素晴らしいプロポーションです」
「よし。次は、X線だな」

 満足げにカーテンボックスへ入ると、男性職員が吸い寄せられるように集合。そして女性職員によって粛清される。

「何だ? 外がうるさいな」
「お気になさらず、服はこちらへ」

 カトレヤが手際よくトップスを寛げると、自負に相応しい褐色の身体が露わに。それでもロンググローブは外さない。医師はカルテに目を落とし、種族項を確認すると何も言わず検査を続ける。

「ヨハン君、BMIは22.2と適正値でした。しかし、X線で血管収縮が見られます。お煙草を?」
「……まあ、」
「少し控えてね」

 ヨハンの顔色は変わらず良くない。

「BMI17.6とは嘆かわしい、まるで女性の数値ですよ鵜鬱鷹さん」
「いや、食費抑えたら生活費浮くし。俺働きたくないし」
「鳩胸、これ即ち雄っぱい候補。鍛えて筋肉を付けては?」
「え、やだよ。何言ってんの?」
「肺に影も見えますねぇ。紹介状書くのでちゃんとしたとこで診てもらってください」
「あ、でも俺、獣人なんだけど……これどうなんの? 紹介先って獣医なわけ?」
「違います。ちなみにお煙草は一日どのくらい?」
「……3箱くらい」
「減らしましょう!」
「えーもーなにこの不健康の総合庁舎……大安売りじゃん……」

 鵜鬱鷹の目は変わらず死んでいる。

「ヤニの臭いがします」
「来る前に、一服したので」
「全くあなたは」

 パシャリ。クレアには叱責も馬耳東風。

「こんなことしなくても、口煩い専属のドクターがいるんですがね」
「存じてますが、この患者にはさぞ手を焼いていると見える。血管がだいぶ細くなっていますよ。煙草の吸い過ぎです」
「えぇ、知ってますよ。朝起きるたびに言われてますからね」

 素直に検査を受ける半面、都合の悪いことは素知らぬ顔。いつも隣にいるドクターのお蔭で、お叱り耐性は充分。

「しかし流石は元軍人殿……基本的には理想的な健康体です」

 筋肉質な身体は至る所に銃創や切創が残る。女医は惚れぼれして言ったが、クレアは順路を無視しようとするので慌てて注意する。

「ミス・マクミラン、次は採血で……」
「必要ありません」
「こ、困ります!」
「ドクター、言いたくはありませんが、最近のH.O.P.E.の情報管理は甘い。重要なパーソナルデータである血液を提供するのはリスクが大きすぎる。よって私の健康は、私の英雄に預けさせて頂く」
「しかし……」

 唸る女医に、カーテンの向こうから「ドクター! こちらでも!」と泣き声が。原因は不知火の難癖だ。

「データ盗られそうだからな。最近の事件とか、結構な量、エージェントの身体能力や技術が盗まれてる……」
「あのですね、そういった苦情は本部に……」
「……どうしてもやるって言うなら」

 白髪に映える焔橙の瞳が緩慢に、しかし不敵に担当医を見据え。

「真っ向から受けて立つよ、ハッキングでさ」
「な、な、何を!」
「これでも情報収集専門忍者、舐めて貰っちゃ困るな……データの改竄する」
「えっ」
「全員健康なら、僕も健康。つまり相方に文句言われない、素晴らしい」
「しょ正気ですか……?」

 不知火の目はマジだ。医師も仕事なのでどうにか採血しようとしたが、抵抗は苛烈を極める。

「ええい、断固として私の血は採らせんぞ! どうしてもと言うなら、イギリス王室の命令書を持ってこい!」
「マクミランさん、お願いします! 報酬もお支払いしてますでしょ! 不知火さんも!」
「嫌だ……」
「先進的福利厚生のモデルケースにすべく我々には皆さんの血液検査を行う義務が!」
「うるさい! これ以上食い下がるなら私はH.O.P.E.を離脱し、祖国軍に戻る!」
「医療妨害の上に離脱なんて、それこそ国王に平手打ちされますよ!」
「ならばフリーだ!」
「ドクター、我々の手には負えません!」
「致し方ない……私が始末書を書くので、二人の採血は免除する。H.O.P.E.上層部に通告して、後で叱ってもらおう。英雄がたにもチクっておいてやるぅ」

 騒ぎを後目に、アルはまだ渋っていたが。

「満足しましたか?」
「……ハヒ……」

 看護師に促され、とっ捕まった宇宙人よろしくブースへ。黙々と細腕に駆血帯を巻くマスクの医師。隆起してどくどく脈打つ血管の感じに言葉も出ない中、徐に採血針が取り出されると、アルは涙目で。

「見たくない……見たくない……ち、ちょっと! 何で先生は針ガン見できるのさっ?! 何かの罰ゲームなの?! あの、まって、ま、ちょっと待って……まだ心の準備とかイロイロアルンダy」

 ぷさぁ。

「ピャアァァァ――」
「……終わりです~」
「う、う……ひぃ」

 アルは恐るおそる看護師の手元を見て、くらぁと椅子から落ちそうになる。看護師が慌てて支える。

「結果は健康そのものですねぇ……ン?! ボ、ボンベイ型だと……?」
「ぼ……?」
「献血登録が必要ですねぇ。さ、アルさんこちらへ」
「えっ。ちょ、まっ」

 その頃、あるテーブルは大人二人掛かり。力づくで右手を押さえ付ける医師が「力を抜いて」と囁いても、ヨハンは獣のように息を荒げ震えて針の狙いが定まらない。異様に怯え、ボロボロ涙を流し、それでも悲鳴はあげまいと服を噛んで必死に我慢する。

「……はい。終わりましたよ、ミスター」
「うっ……ひっく……こ、怖かったよぉ……」
「すみません。でも、結果は良好です。血圧はストレスが出やすいので、後にしましょう。先にトイレに行きましょうね」

 大の男が注射器ひとつで泣きじゃくるのを「可愛いわね」と評する者もいたが、彼が恐れているのは痛みではない。どうしても『そういう薬』を連想するせいで、せっかく手に入れた人生がまた壊れてしまうのではないかと怖くなるのだ。暴飲生活の根底にもそれは絡むかもしれないが、肝機能は驚くほど正常であった。

「うーん不知火さん、かなり低血圧ですね。眩暈とか出るかもしれません」
「だろうね……自覚はあるよ、流石に」

 一方、有事危機を乗り切った不知火は血圧計の前に。

「血糖値も低そうですよね……ちゃんと三食食べてます?」
「……マトモな飯は、二日に一回くらい」
「えっ」
「……だから、二日に一回くらい、食べる」
「ハワワ……やっぱり血液検査した方が!」
「知った事かよ……大体、酒飲んで、何が悪い……」
「えっ僕、酒なんて一言も」

 可哀想な担当医はその苛立ちの理由を知る由もない。続いては視力測定。

「素晴らしいわ、不知火さん。結果は2.0よ」

 不知火は遮眼子を離し、ぱちぱち目を瞬かせてランドルト環を見た。

「そういえば、最近見えずらくなってた気がする……」
「えっ」
「PCメガネ使ってるからって、油断してた、かな……」
「……元々、視力いくつだったんです?」

 背中に問う医師に、不知火は気怠げに振り返り、こともなげに「3.0」とボソリ。

「ではこれは?」
「その程度ならはっきり見えるぜ……」
「はい、両目2.0以上ありますね。もう十分です」

 さらにすぐ横の鵜鬱鷹を見、医師はリンカーは怪物だと再認識した。

「鵜鬱鷹さん、肝臓の精密検査先、紹介状できましたよ。一日缶ビール2本なんて嘘ですよね? もっと飲んでるでしょう」
「いやほんと……」
「心電図の結果ですけど、不整脈の疑いありです。動悸出たらすぐ病院行ってください」
「はい……」
「では、次は歯科へ。終わったら血圧再検査です」
「え、まだあんの。血圧もう3回目……」
「はい鵜鬱鷹さん歯科です~あーんしてくださいね~」
「まあ歯科なら……ひゃあこってああっえはひはひひあーえあい……」

 タバコ吸ってるからって歯磨きはしない訳じゃないと言いたいようだ。

「ん~抜いた親知らずの経過は順調ですよ~まあ虫歯はないですね~でも煙草のヤニがひどいんで一回ホワイトニングしましょう~紹介状書きます~」
「んぁ。げぇ、また紹介状……これあいつに見せたらまた何言われるか……面倒だな」

 少し離れた診察室は、カウンセリング専用だ。ヨハンはまだ、採血から先が進んでいない。

「少し、イライラしてるね?」
「何のせいですか何の……こういうの、次は採血の前にやって下さいね……?」

 げんなりするヨハンに、柔和な笑みを浮かべた精神科医は苦笑がちに。

(……心配、されてるのかな。僕がまた悪事を働いてないか……)

 尿検査では薬物反応を調べたのだろう。これはプロファイリングだろうか。ヨハンは話も上の空で、密かに窓の外などを見た。四角い額縁から絵のように景色を眺めるのには、もう飽いていて。

(精神科か……何年くらい入院してたんだっけ……? 今思えば、随分とつまらない高校時代だった)

●病院を出て

 医師が見たら卒倒しただろう。真っ先に煙草に火を点けたのはクレア。続いて鵜鬱鷹。

「あ゛ー……帰ったらビール飲みたい」

 その他諸々でも驚異的検査結果を叩き出し、鵜鬱鷹の手には紹介状が何枚も。

「こんな身体で俺ってホント……よし、これからは一生懸命働く事はやめて、養って貰おう!」

 鵜鬱鷹は間違った方向性で決意を固めた。

「轍、煩わしいことも終わったし、景気付けに一杯行こうじゃないか」
「クレア……一杯なんて、野暮なこと言うな」
「ははは、それは悪かった。では皆さん、私たちはこれで」
「うん、気を付けてねー!」

 アルは不知火とクレアを見送る。

「そんなに嫌だったのか? 俺は優良だったし、気になるな。教えてくれよ、見比べるのも健康診断の醍醐味だぜ」
「あ、ボクもカトレヤさんの気になる!」
「じゃ交換だ」

 アルとカトレヤが診断結果を取り換える。グラフ化された結果はカトレヤの方がキレイな図形を描き、アルの方もやや歪ながら総評は優良とあった。

「いいね、昔を思い出したぜ。なんか、懐かしいな。そういやアル、途中どっか連れて行かれたのは何だったんだ?」
「うーん、稀血がなんとかとか。よく分かんないけど、名前とか書いてる間に聴力検査も終わってて」
「いつの間に?! というか、どうして聴力なんだ?」
「ボク、聴力を機械で補ってるんだ。アイドル業もあるから、大丈夫だとは思ったケド、念のため」
「そうか。異常なくてよかったな」

 アルの耳、今年のメンテナンスはまだだが、当然それも受けるのだろう。

「これで今年の嫌なこと乗り切った! 目の前のこと一つに集中してお仕事することが出来るね。皆、お茶してく?」
「ああ、いいぜ。ヨハンと武之も行くだろ?」
「うん、構わないよ。夕食まで、まだ時間あるし。ああ、今日のご飯は何だろうなぁ」
「俺は驕りなら……」

 ブレない鵜鬱鷹。答えてから、ヨハンは思い出す。

(そうだ、睡眠薬が切れてるんだった……寄り道して、貰ってこないと)

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • エンプレス・ルージュ
    カトレヤ シェーンaa0218
    機械|27才|女性|生命
  • 死を殺す者
    クレア・マクミランaa1631
    人間|28才|女性|生命
  • その血は酒で出来ている
    不知火 轍aa1641
    人間|21才|男性|生命
  • 銀光水晶の歌姫
    アルaa1730
    機械|13才|女性|命中
  • 急所ハンター
    ヨハン・リントヴルムaa1933
    人間|24才|男性|命中
  • 駄菓子
    鵜鬱鷹 武之aa3506
    獣人|36才|男性|回避
前に戻る
ページトップへ戻る