本部

【東嵐】連動シナリオ

【東嵐】暗躍

紅玉

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
5人 / 4~8人
英雄
5人 / 0~8人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/03/12 17:33

掲示板

オープニング

●暗躍
 香港の港にある倉庫にて。
「これでパワーアップ出来るのか……」
 古龍幇構成員達は一つの瓶を手にして息を呑んだ。
 手に持っているのは”能力者向けのパワーアップ効果のあるドリンク”だ。
 黒服の男は口元を吊り上た。
「あぁ、そうだ。それを飲めばお前達はそこいらの能力者より強くなれる」
 古龍幇構成員達は黒服の男を見て”信じて良いのだろうか?”と思った。
「毎日飲めば、な」
 黒服の男はくっくっと喉を鳴らしながら笑う。
 古龍幇構成員達は訝しげに男を見る。
「まぁ、試してみればいい」
 と、言って黒服の男は構成員達に背を向けその場から去った。

 翌日
 香港で無差別暴走事件が急増し住民に多数の死傷者が出るという事件になった。

●依頼
 H.O.P.E.香港支部に集められたエージェント達。
「皆、最近急増している無差別暴走事件の真相を調査する任務が入ったよ。住民に多数の死傷者も出ており、香港支部の上層部は古龍幇に対する強硬姿勢を強める方針だ」
 男は緋色の瞳でエージェント達を見る。
「皆なら真相を突き止められると信じているよ」

解説

●目的
事件の犯人を見つける。

●人物
圓 冥人&弩 静華
調査のサポートをします。

●PL情報
OPの「●暗躍」部分はPL情報です。

リプレイ

●情報を求めて(資料班)
「無差別暴走事件の急増ね。やばい薬でも出回ってんじゃないか」
 カトレヤ シェーン(aa0218)は深緑の瞳を細めた。
「我にお任せじゃ」
 王 紅花(aa0218hero001)が昔の探偵の様に虫眼鏡を持つ。
「わたしは守られるだけじゃ嫌なんです。バルトさんの対等なパートナーになりたい」
 エージェントとして自覚をするセレティア(aa1695)は真剣な眼差しで英雄を見る。
「お前が危険に首突っ込むのは気にくわねェ……が、やりたいようにやってみるんだな」
 一瞬だけ眉をひそめたバルトロメイ(aa1695hero001)だが、セレティアの目を見て頷いた。
「圓、手伝ってくれるか?」
 カトレヤは翡翠の様な瞳で圓 冥人(az0039)を見る。
「了解、俺達はその為にいるんだからね」
 と、言いながら冥人は微笑んだ。
「最近急増中の暴走事件の情報はあるのか?」
「情報か……ただ、住民に死傷者が出るレベルの暴走事件が起きた、という話しかこっちには来てないよ」
 カトレヤの問いに、冥人は答え小さくため息を吐いた。
「兎に角、過去の暴走事件の資料を調べるのじゃ」
 紅花が大量にあるデータベースと睨めっこをする。
 セレティアはプリセンサーの記録を見ていた。
 愚神もしくは従魔が関与しているか、そして暴走したのは誰なのか? を確認するためだ。
(プリセンサーの記録にはない……)
 ハーと息を吐きながらセレティアは目を閉じる。
 ふと、脳裏にカトレヤの言葉が過る。
(危ない薬……)
 世界中の裏に危険な薬は流れている。
 それを調べるのには人、時間、資金があっても何十年も掛かるだろう。
 しかし、それを調べているヒマはエージェント達には無い。
 大きな証拠ではなく、足跡さえあれば良い。
「分かっているのは、香港中心で起きている感じだ」
 慣れないデスクワークで疲れた様子の冥人はセレティアに言う。
「それだと、数は複数か……」
 カトレヤは呟いた。
「外回り班の情報も必要だな」
「そうじゃのう、記録には無い部分の情報が欲しい所じゃ」
 バルトロメイの言葉に紅花は頷く。
 そんな話をしている時に通信機から声がした。

●情報を求めて(外回り班)
「早く解決して、犠牲者を出さない様にしないとね」
 伊邪那美(aa0127hero001)が銀の髪を風に靡かせながら香港支部から出る。
「……まるで、ドラッグに溺れた者の犯行の様だな」
 御神 恭也(aa0127)は顎に手を添えながら言う。
 しかし、薬に溺れた者でも多数の住民に危害を加える事は滅多にない。
「どうにも、組織としての一貫性がないなぁ」
 九字原 昂(aa0919)が呟いた。
「下っ端の暴走か、あるいはこれで利益が上がる連中がいるか……どちらにせよロクなもんじゃないな」
 ベルフ(aa0919hero001)は険しい表情で言う。
 冥人から説明された内容は香港支部の方針以外は曖昧な情報だった。
「目撃者も居るハズです。事件があった場所の住人に話を聞けば何か分かるかもしれません」
 黄昏ひりょ(aa0118)が真剣な表情で言う。
「そうよね!」
 フローラ メルクリィ(aa0118hero001)の金の髪を揺らしながら海の様な青い瞳でひりょを見る。
 教えてもらった事件現場へエージェント達は向かった。
 写真やテレビで見たことのある風景、コンクリート製の高い建物、狭い道には露天が並んでいた。
 事件後だからなのか人通りは少ない。
 そんな雰囲気の町中、エージェント達は事件で壊れたであろう建物の壁や地面に点々とある黒いシミに視線が行く。
「露天か、毎日出しているのであれば目撃していそうだな」
 恭也は露天に近付き、暇そうにしている店主に声を掛けた。
「あぁ、昨日のアレね……本当に酷い光景だった……」
 店主は震える声で言う。
「怖い記憶だけど、これ以上被害者が増やさない為にもお話をお願いします」
 ひりょが店主に頭を下げる。
「良いけど……長くなるが?」
「大丈夫です!」
 店主の言葉にひりょは力強く答えた。
「そうだな、事件が起こる数時間前から話をしようか……」
 店主は震える体を押さえながらゆっくりと話しだした。

 先日の夕方
 茜色に染まる空、町並、洗濯物を取り込む主婦達、食べ物を売る露店が増える頃。
「美味しい、粥出来てるよー」
 と、店主が陽気な声でお粥を紙製の器に入れる。
 この時間は忙しい、会社帰りの人、遊びに行く若者など様々な住民で溢れ返る。
 温かく、美味しい匂いが住民のお腹を鳴らす。
「店主、一つくれ!」
 客は金を出し店主に言う。
「おうよう!」
 慣れた手つきで店主は客に食べ物を渡す。
「お、にーちゃん達!」
「おう、おやじさん元気?」
 店主が声を掛けると男達は笑顔で話す。
「もちろんよ! ……ん? なんだソレ?」
 店主は男のポケットに入ってる瓶を見た。
「あぁ、コレ? 何か仲間から貰ってな。最近、身内で流行っててな」
 男は肩を竦めた。
「怪しいモンじゃないだろうな?」
 と、眉をひそめる店主。
「力が出るドリンク……とか、言ってたな」
 男は顎に手を添えながら言う。
「そうか、栄養ドリンクみたいなモンか!」
 店主は安堵のため息を吐き、笑顔になり明るい声で言った。

「ドリンク? どんなのでしたか?」
 ひりょが店主に問う。
「そこら辺で売っている栄養ドリンクと同じビンだったが?」
 店主は首を傾げる。
「と、なると……そこら辺のゴミ箱に捨てられても見分けつかないか」
 恭也は周囲を見渡す。
 しかし、何も見つからなかった。
「話を続けてください」
「そうだな」
 店主は昴の言葉に頷いた。

 何時もの光景、いつもの古龍幇構成員達との他愛のない会話。
 突然、古龍幇構成員達の様子がおかしくなった。
「お、おい、どうしたんだ!?」
 店主の慌てた声で気付いた住人達は心配そうに彼らを見る。
 生気の無い瞳、人の口から発せられているとは思えない叫び声。
 住人達は恐怖に震え、体が縛られているかの様に動かない。
「がっ!」
 気が付くと古龍幇構成員は住人の顔を掴み壁に叩きつけていた。
「いやぁぁぁ!」
「どうして!?」
「な、何で!? 何でだよ!」
 住人達の恐怖と困惑が入り混じった叫び声が周囲から上がる。
 
 店主は両手で頭を抱えた。
「あいつらは、見た目や口調は悪いが住民に手を出す様な事はしない」
 店主の話を聞き終えたエージェント達は顔を見合わせた。
「そのドリンクに何か薬が入っていた可能性があるな……ならば、そういうのに詳しい人に聞けば何か出るかもしれないな」
 恭也はその場から離れた。
 ポケットからスマートフォンを取り出し警察に連絡をする。
 もちろん、薬の売買をしている者の情報を聞くためだ。
「僕は資料班の方に先ほどの情報を話してきます」
 昴は香港支部に居るエージェント達に連絡をした。

●裏は裏の者に
 資料班と合流した外回り班。
「類似の事件が急増中、古龍幇構成員の間で流行している栄養ドリンクがある……。 パワーアップの反動で暴走……まるで人体実験です」
 セレティアは脳内で空白の部分を埋めてゆく。
「古龍幇の柄じゃねぇ……か。古龍幇より、マガツヒの手口に近いか?」
 と、バルトロメイは暴走事件とは別に調べてた内容を思い出す。
「兎に角、今はそのドリンクを探してからにしよう。方針としては2つ、薬の売買している者との接触、情報収集しながら古龍幇構成員に接触だ」
 恭也はエージェント達に言う。
「なるほど、古龍幇構成員との接触は荒事になるかもしれないな」
「薬の売買もそうです」
 バルトロメイの言葉にセレティアは頷く。
「ひりょは情報収集しながら古龍幇構成員に接触に行きます」
 胸元で拳を握り締めながらひりょは名乗り出た。
「それじゃ、俺は薬の売人と接触な」
 冥人は恭也の肩に手を置いた。
「ティア」
「私は情報収集しながら古龍幇構成員に接触の班で」
 バルトロメイの言葉を遮りセレティアは力強く言った。
「バランスを考えれば、シェーンさんは薬の売人と接触班です」
 悩むエージェント達を見てセレティアは言う。
「大丈夫かのう」
 紅花はカトレヤに視線を向けた。
「売人には女もいるから男だらけだと警戒されるからね」
「それもそうじゃな」
 冥人の言葉に紅花は頷いた。
「警察から売買が多いとされる場所を教えてもらった。今からそこへ向かう」
「応」
「分かった」
 恭也の言葉に冥人、カトレヤの2人は答えた。

 目的の場所に着いたエージェント達は顔をしかめた。
 イヤなニオイが周囲に漂う、それは地面に腰を下している者達が口にしているタバコから発せられていた。
 そんな中を歩くエージェント達は目立つ、住人達は生気が無い瞳でその姿を追う。
「陰気臭い場所、じゃのう」
 紅花が眉間に皺を寄せながら呟く。
「治安が悪い場所はそんなものだろう」
 カトレヤは男達からの視線を気にしない様子で答える。
「しっ、いた」
 恭也が人差し指を口に当てながら振り向き、ジェスチャーで目的の売人を見つけた事を教える。
 スッと恭也は売人に向かって歩きだした。
 イヤな予感がした売人は周りに居るゴロツキに耳打ちをした。
「にぃちゃん、こっからは有料だぜ」
 恭也の視界に体格の良いゴロツキが仁王立ちで道を塞ぐ。
 裏に入ったら物事は簡単には行かない、狙われている事に関してカンが良いヤツは尚更だ。
「断る」
 恭也は即答する。
「なら、そこのええカンジのねぇちゃんでもいいぜ」
 ゴロツキ達はカトレヤと紅花を舐めるように見つめる。
「殊勝なヤツだな」
 カトレヤは呆れた表情でゴロツキ達を見た。
(自覚が無さ過ぎるのう)
 紅花はカレトヤの横顔を見る。
「早くしないと逃げられるよ」
 冥人は恭也とカトレヤを交互に見る。
「ええい! こうなったらおぬしらを除けるまでじゃ!」
「殺さない程度にな~」
 叫ぶ紅花に冥人は笑顔で言った。
「あんだと!?」
 ゴロツキは那美に向かって走り出した。
 しかし、隣にいた恭也がゴロツキを軽くいなした。
「な、なんだ!?」
 あっという間に地面とキスをするゴロツキは驚きの声を上げた。
「少し、大人しくしてもらおう」
 カトレヤはゴロツキをそこら辺に落ちていた紐で縛る。
 ゴロツキ達はやはり普通の人、能力者であるエージェントの恭也とカトレヤがあっという間に全員を動けなくした。
「お疲れ様、よいしょっ」
 冥人は恭也の前にもやしの様に細い男を置いた。
 その男は売人、恭也が先ほどジェスチャーで教えてた人物だ。
「途中で居ないと思ったが、そういう事じゃったか」
 紅花は買人に視線を向けた。
 恭也は無造作に買人の胸ぐらを掴んだ。
「え~っと、その人も罪人だとは思うけど今回の一件には関係無いんじゃないの?」
 那美は恭也の腕をそっと掴んだ。
「蛇の道は蛇と言う奴だ。自分達の縄張りで勝手な事をされたらこいつ等も面白くは無い」
 と、恭也は売人を睨んだまま言う。
「し、しらねーよ……」
 青ざめた表情の買人は体を震わせながら小声で言う。
「なら”能力が上がる薬を探している者がいる”という話を他の売人達に流せ」
「は、はいぃぃ!」
 恭也は売人から手を離すと背を向けて逃げ出した。
「釣れると良いのですが……」
 那美は売人背中を見ながら呟く。

●接触
 引き続き聞き込みをする、ひりょ、セレティア、昴の3人は事件現場中心に住民の聞き込みをしていた。
「ありがとうございます」
 と、ひりょが住民に頭を下げ後ろを振り向いた。
 雰囲気が違う男の姿がりひりょの視界に入る。
「あれは……」
 と、言い掛けたひりょの言葉を遮ってセレティアが言う。
「古龍幇構成員です。支部の資料に載っていた写真と同じです」
「話を聞きましょう」
 ぎゅっと手を握りしめ、ひりょは古龍幇構成員の元へ向かった。
「おい、昴」
 ベルフが昴に声を掛け、ひりょの先に居る人物に顎で指す。
「古龍幇構成員……!」
 昴は目を見開いた。

「あ……エージェントっ!」
 古龍幇構成員はファイティングポーズを取る。
「ひりょは争いに来たわけではないです。暴走事件に関して調べているだけなので、その拳を下ろしてくれませんか?」
 丸腰のひりょを古龍幇構成員は訝しげな表情で見る。
「暴走に関して裏で糸を引いていると思われる組織を……私は知っています」
 ひりょの後ろからセレティアが言う。
「っち、情報交換だ」
 少し戸惑う仕草をした古龍幇構成員は、舌打ちをし拳を下ろしてひりょとセレティアを見た。
「ドリンクが流行っていると、住民の皆さんから聞きました。もし、一本でも持っていたらソレを頂けないでしょうか?」
 セレティアが真っ直ぐな目で古龍幇構成員を見つめる。
「ほらよ」
 古龍幇構成員はポケットから瓶を取り出し、セレティアに投げた。
 その瓶はセレティアの横に居たバルトロメイがキャッチする。
「ラベルが無いだけで普通の栄養ドリンクの瓶ですね」
 ひりょはバルトロメイが持っている瓶を見て首を傾げた。
「全員が真に受けているワケじゃねぇ。俺には不要だからだ」
 古龍幇構成員はタバコに火を付け口に咥えた。
「でも、何で持っているのですか?」
「一瞬でも、本気にしてたからな」
 ひりょの問いに古龍幇構成員は答える。
「でもな、目の前であんな事が起きたたら躊躇うぜ」
「暴走……」
 セレティアは呟いた。
「話す事は話した。今度はそっちが話す番だ」
 と、言いながら古龍幇構成員はタバコの火を消した。
「手口がマガヒツという組織に近いそうです」
「マガヒツ? なんじゃそりゃ」
 首を傾げる古龍幇構成員に、マガヒツについてはセレティアは簡単に教えた。
 全ては教えない、目の前にいる男は敵対している組織の者だからだ。
「情報提供ありがとうございました」
 ひりょは笑顔で古龍幇構成員にお辞儀をした。
「あとはコレを支部に持って帰って調べて貰うだけですね」
 セレティアは興味津々に瓶を見る。
「なら、売人班に連絡を入れます」
 昴は通信機で売人班へ連絡をした。

●犯人
 翌日
 香港支部に呼ばれたエージェント達。
「集めたのは、この瓶の中身の検査結果ね」
 冥人は昨日エージェント達が持って帰ってきた瓶を見せる。
「まぁ、まだ半日しか経ってないが簡単に言うと“毒”だ。詳しい成分はまだ時間が掛かるだろう。暴走事件の犯人ともいえるドリンクが手に入っただけでも成果だね」
 と、冥人は説明をする。
「でも、配った人物が分かってないです」
 セレティアは納得してない様子だ。
「欲張るな、ヴィランが簡単に情報をエージェントに話さないだろうね。気分は良くないだろうけど、今はこれが限界だ……進展があれば支部から情報が出るだろう。皆、お疲れ様」
 大きな欠伸をしながら冥人はその場から去った。
 暴走事件の原因であるドリンクを入手。
 それは「毒」、能力者を暴走させる「毒」。
 それを配った人物の影を追いかける様にエージェント達は、香港支部からの依頼を受けに向かった。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • ほつれた愛と絆の結び手
    黄昏ひりょaa0118
  • 黒の歴史を紡ぐ者
    セレティアaa1695

重体一覧

参加者

  • ほつれた愛と絆の結び手
    黄昏ひりょaa0118
    人間|18才|男性|回避
  • 闇に光の道標を
    フローラ メルクリィaa0118hero001
    英雄|18才|女性|バト
  • 太公望
    御神 恭也aa0127
    人間|19才|男性|攻撃
  • 非リアの神様
    伊邪那美aa0127hero001
    英雄|8才|女性|ドレ
  • エンプレス・ルージュ
    カトレヤ シェーンaa0218
    機械|27才|女性|生命
  • 暁光の鷹
    王 紅花aa0218hero001
    英雄|27才|女性|バト

  • 九字原 昂aa0919
    人間|20才|男性|回避

  • ベルフaa0919hero001
    英雄|25才|男性|シャド
  • 黒の歴史を紡ぐ者
    セレティアaa1695
    人間|11才|女性|攻撃
  • 過保護な英雄
    バルトロメイaa1695hero001
    英雄|32才|男性|ドレ
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