本部

【甘想】連動シナリオ

【甘想】手作りは青春の味

紅玉

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
6人 / 4~6人
英雄
6人 / 0~6人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/01/26 18:24

掲示板

オープニング

●ヴァレンタイン
 雪解けの季節。世界的、というより主に極東の島国でのみ、需要が激増する菓子がある。
 平和だったころに比べ、輸送には危険が伴うようになったが、子供たち、恋人たちの笑顔の為に様々な人々が尽力していた。
 今も、カカオを山積みした小さなトラックが山道をゆく。それを岩場から見下ろす、怪しい影があった。

「……連中が最近、やったらこそこそ運んでるアレは、いったい何なのかしらね? 秘密兵器か何だか存じ上げませんですけど」

 愚かな神、と書いて愚神と読む。一敗地に塗れたことで人間を警戒するようになっていたグリムローゼは、何やら激しく誤解をしていた。

「善はハリー、必死こいて守ろうとする連中を蹴散らして蹂躙して踏み潰して憂さ晴らしでもしないとやってらんねー気分ですし、ちょうど良い生贄ですわね」

 パーリーは盛大な方が楽しいですし、殺し合いならなおのこと、という彼女の意向で、その「情報」は一部の愚神たちの間に広まっていった。不幸な事に、そんな残念過ぎる発想に至った彼女を誰も止めてはあげなかったらしい。
 本部に並ぶ依頼に、輸送中のカカオやチョコレート工場、果ては街角の手作り教室までを襲う従魔や愚神の対策願いが並ぶようになったのは、その数日後だった。

●消えたティリア
 チョコレートを一つ口に頬張る。
 カカオの香りが口の中を満たし、舌の上で溶けると甘い幸せが体に沁み渡る。
「なるほど、これがちこれぇとか……おいしいのう。余興に付き合ってやるかのう」
 日本人形の様な少女は炬燵から出た。
「皆の衆、ちこれぇとの材料と作れる者を集めてわらわの為に作らせるんじゃ!」
「お任せを!」
 黒い装束に身を纏った従魔達は四方に散った。
「主よ。あとは私にお任せあれ」
 赤いフンドシ、赤い頭巾が目立つ忍者は幼い主を見た。
「うむ、期待しておるぞ」
 幼い主は小さく頷く。

「今年は皆様に用意をしなくては」
 ティリアはチョコレート屋で様々なチョコを見つめていた。
「ガナッシュケーキでも良いですわね」
 と、考えているとティリアの背後に黒い影1つ。
「へ、変態よー!」
 赤いフンドシに赤い頭巾、あとは何も身に纏ってない男はカウンターの上に音もなく現れた。
「ちこれぇとやらをよこせい!」
 言葉は男らしいが、やはり恰好のせいで店内にいる人々は肩を震わせている。
「ど、どれをどのくらいでしょうか? ふふっ」
 笑いを堪えながら店員は答えた。
「全部、ぜーんぶいただくっ! 全部奪え!」
 赤い忍者が声を上げると、黒い装束を身に纏った従魔達はショーケースを割りチョコを袋に入れる。
「ちょ、ちょっと何を!?」
 ティリアは声を上げた。
「では、さらばだ!」
「ま、まちなさい!」
 走る去る赤い忍者をティリアは追いかけた。
「お、そうじゃ。そこのおなご」
「な、なんでしょうか?」
 赤い忍者は立ち止まりティリアの方へ振り向いた。
「洋菓子は作れるのか?」
「え、ええ、作れます」
 赤い忍者の唐突な質問にティリアは答えた。
「よしっ、捕まえろ。洋菓子を作らせるのだ」
「え!?」
 あっという間に黒い装束を身に纏った従魔達に捕まるティリア。
「応」
 従魔達はティリアを担ぐと地面を蹴り跳躍した。
「え、ええぇぇ!?」

 H.O.P.E.本部の依頼に一つ追加された。
「ティリア、捕まった」
 弩 静華(az0039hero001)は無表情で説明する。
「変態1匹……ううん、11匹」
 静華の説明にエージェント達は首を傾げた。
「敵は、赤いフンドシ一丁の忍者と黒い忍者だそうだよ。まぁ、相手は目立ってないと思っているらしいが……城風に改造した倉庫が拠点らしいな」
 圓 冥人(az0039)が大きなため息を一つ。
「チョコ、人質、ティリア、助けよ?」
 静華は首を小さく傾げた。

解説

・登場人物
ティリア・マーティス(29)独身。
捕まったので、倉庫でチョコの加工中。

圓 冥人
能力者。面倒くさそう。
指示が無ければ拉致された人達を守っています。

●目標
愚神、従魔の討伐。

・敵
愚神:炎(ほむら)
デクリオ級。赤いフンドシに赤いフードを被っている忍者。
特技は下着だけを気付かないまま奪う事。

従魔:黒忍
黒い装束を身に纏った従魔10匹
ミーレス級。

・場所
城風に改造された倉庫。ちょっと忍者屋敷っぽい遊び心あり。

リプレイ

●SIRO
「むぅ、個性では、我は負けんのじゃ!」
 赤い忍者の話を聞いて王 紅花(aa0218hero001)は胸を張って頷く。
「あんなのと張り合うんじゃねぇ、恥ずかしいだろ」
 カトレヤ シェーン(aa0218)は大きなため息を吐き、紅花の肩に手を置き首を横に振る。
「オー! 所業はトモカク見た目はニンジャーデスネー!」
 事件の内容を聞いたキャス・ライジングサン(aa0306hero001)は目を輝かせながら声を上げる。
「ま、チョコを強盗するくらいなら人質は大丈夫でしょう」
 と、鴉守 暁(aa0306)は余裕の表情で言うが、この後、悲惨な目に合う事になるとは知らずに……

 倉庫が並ぶ貿易港の周辺に、どーんと城風に改造された倉庫に目が行く。
「最近どうにもバレンタインを勘違いしている愚神が多くないか?」
 と、倉内 瑠璃(aa0110)が首を傾げる。
「一種の流行病でしょう、どうせ一過性ですよ」
 ノクスフィリス(aa0110hero001)が呆れた表情でソレを見上げる。
「……だと良いけど、これはそれだけで済むんだろうか」
 瑠璃は目の前にそびえ立つ城風の倉庫を指す。
「風の噂では……いえ、気にしても詮無き事ですね」
 ノクスフィリスは首を軽く横に振った。
「ふふ……全く持ってエレガントじゃないね……」
 臼鳥沢 優雅(aa1072hero001)は城風の倉庫を見て乗る気0に対し、彼の相棒江口 焔(aa1072)は赤い全身タイツで仁王立ちしている。
 心なしか、いや、明らかに英雄から距離を取られている焔。
 救いは無いのだろうか?
「邪魔」
 あった。弩 静華(az0039hero001)の蹴りが焔のぷりけつにヒット。
「み、みえ」
 見えるわけない、何故ならば静華は半ズボンだから!
「忍ぶ気ゼロだな」
 カトレヤが呆れた表情で言う。
「ふぅむ、なかなか良い趣味じゃ。己の趣味を先行する、その心意気や良し」
 そんな相棒とは違い紅花は感心している様子。
「こんな如何にも『忍者はいるし罠はあります』みたいな拠点。堂々としてるというか」
 城門という名の倉庫出入り口を見上げる暁。
「押しても引いてもアカナイヨー?」
 キャスが必死に倉庫の出入り口を押す。
「多分上に持ち上げるやつだよ、その門ゲームで見たわ」
 と、言って暁は持ち上げる。
 だが、門は上がらない。
「あ、はーい。どちら様?」
 ガララーと、門は横にスライドして開いた。
 赤い頭巾、赤いフンドシがイカス忍者が普通に出てきた。
 暁は0.5秒で察した。
「ドーモ、愚神サン。バウンティーハンターデス」
 と、暁は何処かで聞いたことのある名乗りをし丁寧にお辞儀をする。
「あ、これは丁寧に。私、炎(ほむら)と申します」
 暁につられて炎はお辞儀をした。
「ああいう変態は久しぶりに見ましたね」
「……変態以前に寒くはないんでしょうか」
 零月 蕾菜(aa0058)と十三月 風架(aa0058hero001)は冷やかな目で炎を見る。
「あれ? 俺、何でこんな格好にされているんだっけ?」
 と、圓 冥人 (az0039)が袴を穿いた女剣士風の姿で居た。
「え、誰?」
 蕾菜は首を傾げる。
「クラト」
 静華は蕾菜に向かって親指を立てた。
「美人ですね!」
 と、蕾菜は笑顔で言った。
「ハイ、レベル……だ」
 某少年漫画の様な表情になる焔は驚きの声を上げた。
「くせものじゃー!」
 炎がフライパンとお玉をぶつけて音を鳴らす。
 お前は昭和のカーチャンか。
「いずれにせよ人が誘拐されているんだしさっさと共鳴して乗り込むか」
 共鳴状態になった瑠璃。
 ふりっ☆
 ふわっ☆
 ぽよよーん♪
 まるで魔法少女の様だ。
「最高っ!」
 焔が親指を立てながら鼻血を流す。
「……でもどうにも異質な雰囲気だな。と言うか何この風雲って感じの城!?」
 瑠璃は炎が居なくなったのを確認して倉庫の中を覗く。
「その例えも如何な物かと思いますが、ラピスラズリ様?」
 ノクスフィリスが咳払いを一つ。
「うるさいなっ」
 と、瑠璃が声を上げると物凄い音と共に焔が飛んできた。
「焔、一番乗りぃぃぃ!」
「では、ほむほむ先頭お願いします」
 と、卸 蘿蔔(aa0405)が笑顔で手を振る。
 その隣でレオンハルト(aa0405hero001)が頭を抱えていた。

●チョコ工場
「タノモー!」
 キャスの声が倉庫内に響く。
 すると、甘い匂いがエージェント達の鼻腔をくすぐる。
「動くんじゃねぇ、手入れだ!」
 カトレヤは甘い香りがするドアを開けた。
「討ち入りじゃ、出てこい、赤忍。いざ、尋常に勝負じゃ!」
 続いて紅花が入り声を上げた。
「キャーッ!」
 悲鳴が上がると、黒忍が一斉にエージェント達の方へ振り向いた。
「おい、赤忍は?」
 構えている紅花の隣でカトレヤは「チョコ保管庫」と書かれたドアを開けた。
「後だ、後。奴らの目的はおそらくチョコだ。チョコをおさえれば、奴らからやってくるぜ」
 と、カトレヤは言って袋を一つ担いだ。
「おぅ、なるほどのう」
 紅花はカトレヤの言葉に頷き、袋を一つ担いだ。
「やらせないでござる」
 ガッコン、と音がしたかと思えば2人の目の前に赤いフンドシがひらり。
「あ、やっぱり。ごめん」
 再び消える赤いフンドシ。
「ほむほむ……あれなんでしょう? ちょっと見てきてください」
 蘿蔔はチョコ保管庫に焔を押し込む。
「この辺か?」
 焔は壁を叩く。
 すると、頭上からチョコの塊が落ちてきた。
 まるでお笑い番組で落ちてくる金タライの様に……
「追いかけなくてよかったのう」
 紅花は倒れた赤い全身タイツを無視して、チョコ保管庫のドアをそっと閉めた。
「とりあえず冥人さんはみなさんを外に、避難の誘導をお願いします」
「了解」
 蕾菜の言葉に冥人は頷いた。
「失礼します」
 蕾菜は「お穣さん控え室」と書かれたドアをノックし開けた。
「もー、このお菓子美味しいーレシピ下さらない?」
「ええ、良いですわよ」
 和やかにお茶会をしている人質。
「へ?」
「あ、エージェントの皆様。お待ちしておりましたわ」
 ティリアが笑顔で手を振る。
「え、えっと……黒忍に捕まって、チョコを作らされているのですよね?」
「はい、意外と紳士な対応をしていただいて、こうしてお茶会開くのも許可を頂いたのですわ」
 笑顔で答えるティリアの言葉に蕾菜は納得する。
「でしたら、安心です。戦闘が始まりますので、倉庫から退避お願いします」
「了解しましたわ。では皆様、参りましょう」
 ティリアの一言で一般人は片付けを始めた。
「させぬ!」
 と、炎がトレイから出てきた。
 ちゃんとアルコールで消毒済みの手で、蕾菜と冥人の横をすり抜けた。
「あれ? 何かすーすー……!?」
 炎の手には蕾菜が普段付けている肌襦袢が風に靡いていた。
「あぁ! それは私のお気に入りの一品!」
 ついでにティリアの白の総レース(Gカップ位)のブラジャーも炎の手に握られていた。
「ま、今は避難な」
 冥人はため息を吐いた。
「あぁ、私の……」
 項垂れるティリアを尻目に他の女性は倉庫の外へと向かった。
「逃がすものかー!」
 突如トイレから現れた黒忍達。
「敵は可能な限りこちらで引き止めます」
 蕾菜はロータスワンドを握り締める。
 黒忍達の周りに不浄な風が徐々に大きくなる。
「近付かないで下さい」
 蕾菜が声を上げると不浄な風は黒忍達を襲う。
「灰に帰って下さい」
 蕾菜が放ったブルームフレアで黒忍達は跡形もなく燃えた。

「バレンタインに変な愚神が湧いたって言うのは百歩譲っても許すよ!? でもあんな変態がバレンタインを穢すなんて流石の俺も認められないからね!?」
 と、瑠璃は赤いフンドシの忍者を思い出しながら声を上げる。
 いや、思い出すんじゃない。
 脳内に焼き付いてしまっているのだ。
「……似たような人もいるからだよね」
「そうじゃない?」
 瑠璃とノクスフィリスは赤い全身タイツの人を見る。
 デジャヴ、黒かったら壁にへばり付いて文字でも作りそう。
 突如、大きな音が響く。
「押しても引いても駄目なら、ぶっ潰すのじゃ!」
 紅花が声を上げながら火之迦具鎚で怪しい個所を破壊していた。
「ぎゃー!」
 壁から黒忍がロケット花火の様に飛び出す。
「夏の日にトンデル、虫ネー」
 キャスはリボルバーで黒忍をバンバン撃つ。
「違う、飛んで火に入る夏の虫だ」
 と、暁は言った。
「怪しい」
 蘿蔔が一つのダンボールを持ち上げた。
 黒忍が目をキラーンと光らせて驚いていた。
「くせものーっ」
 蘿蔔は魔砲銃で容赦なく黒忍に向かって銃弾を撃つ、撃つ!
「さあて! マイフレンド(風評被害)おろし葡萄(誤字)! 遠慮はいらねぇ! やっちまいなぁ!」
 くいっ、と何かを引っ張る音が焔の背後から聞こえた。
「あばばばばば!」
 その瞬間、焔の頭上から水が降ってきた。
「ごめんごめん、気になったので引っ張ってしまったのです」
 笑顔で謝る蘿蔔。
「よくもー!」
 壁から、トイレから、チョコの中から、黒忍がわらわら出てきた。
「かかってこい!」
 本人はカッコイイと思っているのだろう、なんとか立ちで焔は声を上げた。
 サクッ、と良い音を立てながら焔の体に刺さる手裏剣。
「え、もしかしなくても頭領と同じ趣味?」
「ひくわー」
 黒忍達が井戸端会議のおばちゃん達みたいに話す。
「あ、私達はそんな趣味ありませんよ」
 蕾菜が笑顔で言う。
「うむ、そやつだけじゃ」
 紅花は蕾菜の言葉に同意する。
「まぁ、さっさと黒いの片付けようぜ」
 カトレヤは紅花に言う。
「そうじゃの」
 カトレヤは目を光らせる。
 まるで猛獣だ。
 金色の髪を靡かせる。
 火之迦具鎚を振りまわすと美しい斬撃が残る。
 強い、と黒忍達は感じた。
 震える体、恐怖という沼が彼らを支配する。
 カトレヤが豹の様に跳躍して黒忍との距離を縮めた。
 美しい火之迦具鎚の斬撃。
「ぐほぁっ!」
 醜い声が倉庫内に響き渡る。
「オー、コレがカワリミノジュツ」
 キャスが声を上げた。
 黒忍達は何故か焔を盾にし、カトレヤからの攻撃を防いだのだ。
「すまんの」
 紅花はケアレイで焔を癒すと黒忍を追いかけて行った。
 優しい世界。
「良かったね。紅花が優しくて」
 と、冥人が焔を見下ろした。
「おきる」
 静華が焔の頬を靴のつま先でぐりぐりと突く。
 傍から見たら美女、美少女に見下されてご褒美までもらっている人の様だ。
 羨ましい。
 そう、思うのは何人居るのだろうか?
「けしからん! 羨ましい! 拙者も混ぜてほしいでござる!」
 炎が匍匐前進で焔に近づく。
「貴様……同じ呼び名でありながらその愚行……変態め! 恥を知れ!」
 と、静華に踏まれながら焔は声を上げる。
 その姿でそんな言葉を言っても説得力は皆無。
 もしや、自覚がないのですか!?
「な、なんじゃとー! 美少女に踏まれてる果報者めが! 拙者も踏まれたいんじゃー!」
 と、炎が心の叫びを口にする。
 いや、そうじゃない。と、口にしたいが言えない。
「良いブラしてるな」
「せやろ? Gカップ位はある」
 焔は炎の胸囲に装着された白の総レースのブラジャーを見て親指を立てた。
「ティリアの」
 静華は手早く白の総レースのブラジャーを奪う。
「はっ」
 炎は焔を見て気が付いてしまった。
「付けて……ないだ……と!?」
「どやぁ」
 焔のこのどや顔である。
「いらっ」
 誰かが焔のお尻を蹴った。
 驚いて焔は数センチ飛び上る。
「ならば、他の者から奪うのみっ!」
 炎は立ち上がり、赤いフンドシをうちわで風を起こし靡かせた。
「……ってあれ、何か違和感……?」
「……ほう、あの愚神、なかなかやるようですね」
 驚く瑠璃に対しノクスフィリスは微笑んだ。
「は? フィリス、お前何言って……? ……はっ!? え、あ、う、嘘、ラピスの下着がない……!?」
 瑠璃は自分の体に手を当て、顔から血の気がサーと引いていく。
「俺(我)は自分の体に自信があるから無問題!」
 と、言ってカトレヤはタフネスマインドを発動させた。
「お、お主……」
 炎が一人のエージェントを見た。
「安心してください……こんなこともあろうかと、今日は私……つけてないのです」
 蘿蔔が恥ずかしそうに言う。
(……は?)
「……は?」
 レオンハルトと炎は唖然とした表情で蘿蔔を見る。
「履いても……いません」
 頬を赤らめながら蘿蔔は更に暴露。
(はぁ!!?)
 更に驚くレオンハルト。
「そもそも下着とは体を保護するためのものです。強靭なリンカーの体ならば保護なんて必要ありません……それに昔の日本にはパンツを履く文化なん……」
(そういう問題じゃねーから! 何変態対決始めてんだ!?)
 と、蘿蔔の言葉を遮ってナイトハルトは声を上げた。
「ナイスブルマ!」
 炎は気にしない。ブルマでも肌の上に着用されていればパンツ!
「あぁ、ぶるまとか何十年ぶりじゃろうか」
 恍惚な表情で炎はブルマを頭に被る。
「大量、大量」
 と、言って炎はゲットしたモノを頭上に掲げた。
「あ、お、お前、良くもラピスの下着を……! って言うか、男の下着を盗むとかバカなの……って、そうだ、今のラピスは女の子……す、スカート押さえないと……」
 炎が持っている下着を見て瑠璃は怒りの声を上げた。
「目には目を歯には歯だ」
 カトレヤは余裕の表情で言った。
「その赤ふんとフード、もらいうけるのじゃ!」
 紅花は跳躍し炎の赤いフンドシを奪う。
「討ち取ったのじゃ!」
 紅花の手の中には赤いフンドシ。
 そして、炎の前尻尾が露になる。
 安心を、見ているアナタの為に大事な部分は妖精さんが隠しております。
「貴様は俺には勝てない……何故なら俺には煩悩と素晴らしい仲間達がいるからな」
 何という風評被害。
 焔の言葉を聞いて他のエージェント達は視線を逸らした。
「背中にまといつく翳りはオトコ(変態)という名の物語」
 と、言って焔もキャストオフ!
「目ニワルイデスネー」
「同意」
 全裸の変態をキャスと静華は撃つ。

●欲しいの拙者じゃないよ!
「でー拉致した人にチョコ作ってもらうと? そんなネガティブな目的で作られたチョコが美味いわけがないじゃーん。食べたい欲求・食べて欲しい欲求があるからこそ菓子は美味いのだよー」
 と、暁は縛られた炎に向かって言った。
「これも中々……じゃなくて、それは拙者の欲望じゃないでござるよ!」
「誰の仕業?」
 暁はチョコの塊を炎の口に突っ込む。
 静華もマネして焔にする。
「ふー、ふがが!(訳:拙者じゃ、無い!)」
「本当にかなー?」
 笑顔で暁は炎に、溶かしたアツアツのチョコを顔に掛ける。
(そっ)
 股間にそっとチョコを掛けて隠してあげる静華。
「あちゃー!」
 飛び上る2人のホムラ。
「それは、逆効果だとおもうのじゃ」
 紅花は静華の肩に手を置いて首を横に振った。
「義理チョコではない。キルチョコだ。チョコの海で溺死した愚神をつくる」
 暁の目から光が消えてる。
「ありがとうございますっ! じゃなくて、ひ、姫様が欲しいとおっしゃってな!」
「ところであの愚神、指示で動いていたみたいですが……あの格好は主の趣味か何かでしょうか?」
 と、蕾菜が疑問を口にする。
「これは拙者の趣味でござるよ。姫様はもっと美しいでござる!」
「チョコを嫌い通り越してトラウマにしてやる」
 声を上げる炎を暁はドラムカンに入れる。
 非道、溶かしたチョコに愚神を入れるとは非道!
 チョコでコーティングされた愚神。
 エージェント達に向かってウィンク。
「ニンジャ死すべし慈悲はない。ハイクを詠め」
 暁はネイリングソードで炎を真っ二つ。
 こうして、チョコ強奪事件は幕を閉じたのであった。

 いや、まだ一人残っているようだ。
「グヘヘ……女性が多い。まさに天国(アルカディア)!」
 そう、この依頼に参加した女性がなんと5人!(男の娘込み)
 おっぱいがいっぱい。
 まさに眼福である。
「そういえば、女性が多いですわね」
 ティリアがモノ(Gカップ)を揺らしながらエージェント達を見る。
 思い出せば、皆ノーブラだ!
「うぅ……もうラピスお嫁に行けない……」
 と、泣く瑠璃。
「そもそも行くならお婿のはずなんですけどね? ナチュラルにそう言う辺り、女性化願望も受け入れつつあると言う事ですかね」
 ノクスフィリスが楽しげに微笑む。
「我以上に目立つ輩は許さんのじゃ!」
「そのライバル心、他に向けてくれ」
 紅花の言葉にカトレヤはため息を吐いた。
 暁はちゃっかりと、倉庫内で作ったチョコをキャスと一緒に食べている。
「ティリアさん、大丈夫でしたか?」
 蘿蔔はティリアの手を握り締めた。
「大丈夫じゃないですわー」
「よしよーし」
 ティリアを抱きしめる蘿蔔。
 彼女はちゃっかりとティリアの胸に顔を埋めている。
 その様子を羨ましそうに焔は見る。
「あら? 焔様。どうなさいました?」
「ティリアさん、その谷間で挟んでください!」
 真顔で焔はティリアに言いながら柔らかいモノを掴む。
 むにゅ、と温かく柔らかい感触が手に伝わる。
「え……キャー!!」
 ティリアの悲鳴が上がる。
「のーたっち……」
 女性陣からの視線が焔に突き刺さる。
「ちょ! 待って! 違うんです! 出来心じゃないんです! 只の下心で……ぎゃぁぁぁす!」
 焔、海の藻屑となる。
 めでたし、めでたし。
「これで良いか?」
 カトレヤがケアレイを焔に施す。
「ああ、ありがとう。カトレヤ。はー、俺の身にもなってくれよ」
 冥人はお仕置きというご褒美を貰って倒れた焔を肩に乗せて、支部まで連れて帰った。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • ひとひらの想い
    零月 蕾菜aa0058
  • 白い死神
    卸 蘿蔔aa0405

重体一覧

参加者

  • ひとひらの想い
    零月 蕾菜aa0058
    人間|18才|女性|防御
  • 堕落せし者
    十三月 風架aa0058hero001
    英雄|19才|?|ソフィ
  • クラインの魔女
    倉内 瑠璃aa0110
    人間|18才|?|攻撃
  • エージェント
    ノクスフィリスaa0110hero001
    英雄|20才|女性|ソフィ
  • エンプレス・ルージュ
    カトレヤ シェーンaa0218
    機械|27才|女性|生命
  • 暁光の鷹
    王 紅花aa0218hero001
    英雄|27才|女性|バト
  • ようへいだもの
    鴉守 暁aa0306
    人間|14才|女性|命中
  • 無音の撹乱者
    キャス・ライジングサンaa0306hero001
    英雄|20才|女性|ジャ
  • 白い死神
    卸 蘿蔔aa0405
    人間|18才|女性|命中
  • 苦労人
    レオンハルトaa0405hero001
    英雄|22才|男性|ジャ
  • 赤を継ぐ者
    江口 焔aa1072
    機械|18才|男性|防御
  • エージェント
    臼鳥沢 優雅aa1072hero001
    英雄|20才|女性|ブレ
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