本部

コンサート? そんなもん知らねえよ

ロケ

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
6人 / 4~6人
英雄
6人 / 0~6人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2015/12/27 21:41

掲示板

オープニング

 カイン=シャムロックは売り出し中の過激派ヴィラン組織の一員である。

●500枚の応募券、全部外れました
 シャムロックは、中堅アイドル『スタミナ丼ガールズ』のホルモンナンバー14『シマチョウ』こと、桐生愛美のファンである。
 銀行爆破や列車爆破も、彼女の笑顔があるから頑張れる。
 今回のコンサート、シマチョウ卒業の噂が……!
 現地で声の限りシマチョウコールを! 
 愛美のセンター曲『油の取り過ぎご用心』で、シマチョージャンプを!
 彼は抽選チケット付DVDを五百枚入手し、生まれて初めて神に祈った。
 当選確率は二十分の一。
 この物量なら大丈夫なハズ……
 結果は外れ。
「オーマイガッ」
 泣いても叫んでも、チケットは手に入らない。
 転売は厳しく管理されているし、恐喝や偽造で警察沙汰になれば、スタっこ(メンバーの愛称)の皆に迷惑がかかる。

 コンサート当日、彼は会場前で大声を上げた。
「チケット余ってませんかー、譲ってくださーい」

●千載一遇のチャンスらしいよ
「シャムロックが、アイドルのコンサート会場に現れたらしい」
 過激派のヴィランが来日したことは早々に掴んでいた。しかし、その後の足取りが分からず、対策本部は苛立っていた所だった。
「客を避難させましょう、大惨事になる」
 緊張で張りつめる中、新たな情報をもって、刑事がやって来た。
「奴は一人です。仲間はいません。武装もしていないようです」
 部長は首をひねった。
「ヤツは裏方専門で、現場に出てくる方じゃないんだけどなあ」
「一般人にチケットを譲ってくれと声をかけているようです」
「なんの目的かしらんが、これはチャンス。是が非でも奴を逮捕しろ。至急、H.O.P.Eに連絡を取れ」

解説

●カイン=シャムロックの逮捕
売出し中の過激派ヴィラン。
標的コンピュータのハッキングが専門。

コンサート開催を邪魔したくないと考えており、戦闘より、逃走を選択することが予想される。
追い込まれれば戦うが、裏方専門で戦闘能力は低い。
特別な武装はしておらず、各種サイリウムと愛のこもった手作り法被を着用。

●状況
コンサート会場前。
駅から流れてくるファンに向かって、シャムロックはチケットを譲ってくれるよう頼んでいる。

大型イベントホールを利用したコンサートで、会場前は広場になっている。
千人近いファンがウロウロしており、物販ブースは長蛇の列。
ファンの中に、シャムロックが完全に紛れてしまえば追跡は不可能。
ファンは仲間意識が強く、にわかに厳しい。シャムロックと敵対すれば、周りを敵に回す可能性も。
一般市民なので、気絶させるのはやむを得ないが、殺してしまうのは問題。


●警察
密かに会場周辺で爆弾や組織の仲間を探している。
(シャムロックは純粋にコンサートに来ているだけなので、仲間を連れていないし、爆弾も無い)
警察に協力要請できるが、大ごとになればファンが暴徒化する恐れも。

●スタミナ丼ガールズ
大きなお友達の熱い支援を受ける、平均年齢15歳の中堅アイドルグループ。
久々の大会場でのコンサートで、メンバー、ファンともに気合いが入っている。
地方警察のポスターに起用されたり、一日署長の経験あり。

周囲のファンに配慮して、被害最小限でシャムロック逮捕を目指してください。

リプレイ

●そうは入谷の鬼子母神
「チケット、譲って下サーイ!」
 声を枯らす外国人を見て、青年は空を見上げた。
「お前のチケット、あの人に譲ってもいいよな……?」
 巨大イボ痔の緊急手術で涙の不参加――きっとアイツも草葉の陰で笑ってくれるはず(まだ死んでない)。
「悪いけど」
 ふたつの影が、青年の背後にスッと立った。
「そうはイカンでござる」
「ふごぉ? ふぉごふぉご……ぐえっ」
 青年は骸 麟(aa1166)の当身で気絶した。宍影(aa1166hero001 )が青年を抱え、救護テントに入っていく。
「こちらA班。ひとり捕まえた」
 麟は無線で連絡した。
 テントの中では、連れてこられたファン数名が警察官から説明を受けている。
「すごい人だな」
 麟はテントの中から広場をうかがい、思わず呟いた。
「中堅とは言えアイドル戦国時代を勝ち残って来た猛者。侮れ無いでござるな」
「戦国時代だと……!?」
「ん? ふふ、その通り……籠絡、焼き討ち、暗絶、何でもごされ。ゆめゆめ油断なされるな、この会場にも恐らく敵方の……」
「なんと……」
 麟は極限まで集中して、広場を見張る。宍影は頬をつねって笑いを堪えた。
 しばらくして、
「あ!」
 麟が声を上げた。宍影も広場を見る。
 売出し中の過激派ヴィラン、カイン=シャムロックにまた一人近づいていく。
「……仲間じゃなさそう」
「またもファン……同胞に対する助け合いの精神、まだまだ世間も捨てたものではござらぬなあ」
「呑気なことを。もしかしたら乱波かも……!」
「うーん。たぶんというか、絶対違うでござる」

●作戦開始だ、準備はいいか野郎ども
「それじゃ、協力お願いします」
 上遠野 あげは(aa1661)は、作戦資料のファイルを閉じた。
 マネージャーはあげはの手を取り、
「お願いします、今日は勝負なんです!」
 大会場での不祥事は大きなイメージダウンである。あげはもアイドルだけによく分かる。
「大丈夫! 上手くやりますから」
 あげはは不安を蹴飛ばすように力強く肯いた。
『せーの、お願いします!』
 スタミナ丼ガールズのメンバーが一斉にお辞儀した。
「若さが眩しい」
 あげはの隣で『お行儀よく』していたアシュリィ(aa1661hero001)が呟いた。
「平均年齢15歳。あげはと二歳しか違わない。あげは、大丈夫。ぎりイケる、ふぁいと」
「慰めてる? それとも、ケンカ売ってる?」
 小声で囁きあい、微笑むふたり。
 仲良きことは美しきかな。
「みんなはいつも通りでいいから。大船に乗ったつもりで、どーんと任せて」
 あげははメンバーにウィンクして、胸を張った。
「ほら。あげはは胸では勝ってる。若いからって良い気になるな小娘ども」
「うっさいよおっ、この、早く来い!」
 アシュリィを引きずって通路に出ると、あげはは無線機を取った。
「交渉済んだよ、全面的に協力してくれるって」
「あげは、有能」
 アシュリィがぱちぱちと手を叩く。
「それじゃみんな作戦開……ちょ、アシュリィ、大事なこと話してんだから、髪いじんないで」

「作戦開始だそうです」
 もぎり係に扮した伏野 杏(aa1659)が、警備員姿の羽土(aa1659hero001)を見た。
「そう、やっとだね」
 羽土は警備員の帽子で顔を仰いだ。
 数か所ある会場入口は、どこも混み合い、混乱している。
 しかし、羽土が落ち着いてテキパキ整理するので、この入口だけ整然としていた。
『B入り口に、凄腕の警備員がいる』
『警備神』
 と呼ばれ、ファンのSNSで評判である。
「はぁ、すごいな……」
 会場に貼られたポスターを見て、杏が溜息を洩らした。
 ポスターには、可愛い女の子たちが、可愛い衣装で、可愛いポーズを取っていた。
「ああいう服が羨ましいかい?」
 羽土は微かに笑った。
「え……違います」
「似合うと思うよ」
「そんなことないです、やめてください」
 杏は拗ねたように顔を反らした。
「時々、そうやって馬鹿にするんだから……」
「馬鹿にしてるわけじゃないんだけどな」
 羽土は肩をすくめた。
 何度言っても、信じて貰えないばかりか逆に意固地になる。
(また、やってしまったか……)
 逆効果なので、控えていたのだけれど。
 ふたりは黙って、広場の方を見た。
 板を掲げ、必死に叫ぶ外国人――
「……なんだか可哀そうですね」
「優しいのは美点だけど、私情は禁物だよ」
「分かっています」
 杏は顔を引き締め、肯いた。
 
「あー、そこのお兄さん」
「……ホワイ?」
 振り向くと、笑顔の男が立っていた。
「もしかしてチケットないの? 可哀そうに」
 ファンには見えない。
 シャムロックの顔に警戒の色が差す。
「コンサート見たいんでしょ。良い話あるんだけど、興味ある? グへへ……」
 シャムロックは後ずさりした。
「ばかもの! 相手を不安がらせてどうするのです!」
 雪刃(aa2574hero001)が佐々木 孝太郎(aa2574)の頭を叩いた。
 さっと体の向きを変え、シャムロックが逃げる。
「ウェイトうぇいと! 怪しいモノではありません、私達はコンサート事務局の者です」
「ジム……?」
 シャムロックは立ち止まって、キョトンとした顔を孝太郎たちに向けた。
「えーなんといいますか、その……コンサートジムキョク? おーけー?」
 慣れない英語に困る雪刃を見て、ニヤニヤする孝太郎。
「なにをヘラヘラしているのですか……?」
 雪刃は凄まじい笑みで、孝太郎を睨んだ。  
「ミーたち、コンサートオーガナイザー、OK?」
 孝太郎のテキトーイングリッシュに、シャムロックは不安げに肯く。
「外国人のファンって珍しいから特別インタビューさせてほしいんだよね」
「インタビュー? それはウェルカムだけど……」
「お礼といってはなんですが、関係者席にご招待します。そちらでコンサートをご覧ください」
「マジか、ジャパニーズピーポー!」
 シャムロックは飛び跳ねた。孝太郎が親指をグッと立て、
「インタビュー、オーケー?」
「オーケー!」

 モニターの前のアリス(aa1651)がふうと息を吐いた。
 Alice(aa1651hero001)がアリスの横顔に、
「動き始めた?」
「うん……コッチに向かってる」
 会場警備室のモニターに、罠にかかったシャムロックが映しだされている。
 アリスが椅子を立つと、Aliceが見上げた。
「本当にコンサートを見せるの?」
「それくらいしても、バチは当たらないんじゃない?」
「それに何の意味があるのか、分からない」
 不思議そう顔でAliceは立ちあがった。
「これはこれで、興味深いよ」
「アリスがそう思うなら、わたしはそれで良い」
 ふたりは警備室を出ると、狭い通路を通り、関係者用通路の扉を開けた。
 最後のリハーサルをしている。 
 積み上げられた大型スピーカーと巨大モニター、ステージに降り注ぐライト。
「……へえ」
 ふたりは同時に呟き、顔を見合わせ、小さく笑った。
「すいませーん! パイプ椅子、ここでいいですかー」
 コンサートスタッフがアリスたちに声をかけてきた。
 ステージ端に急遽作られた関係者特別席。
「特等席だね」
 ステージに近いが、この席はどんな事態にも対応できる『関係者』が座ることになっている。
 ふたりはパイプ椅子に座り、警備の最終確認をした。
 ふうと息をついて、アリスは目を閉じた。
「あとは来るのを待つだけ……」
 Aliceはスタッフがせわしなく働くステージを見つめ、
「どうする。皆が来るまで、ここで見学させてもらおうか」
「もしかして、興味でた?」
 アリスが意地悪く笑うと、
「さあ……」
 Aliceは素っ気なく答えた。

「ご苦労様です」
 警備員が敬礼した。もぎりは入場ゲートを開けて、シャムロックを通す。
「ここからの案内は、私達がします」
 もぎりの係員と警備員が言うと、
「あれ? ユー達は……」
「俺達は、インタビューの相手をまだ探さないといけないから」
「後でお会いしましょう」
 孝太郎と雪刃は、係員と警備員に変装した杏と羽土に目くばせした。
「オウ、そうですか。サンキュー、ジムキョク!」
 何も知らず、シャムロックは感謝して手を振った。
(騙すようで、なんだか気の毒な……)
 羽土は、顔の曇る杏の肩に手をやった。
「それではお客様、こちらにどうぞ」
 感情をおくびにも出さず、羽土はシャムロックを先導する。
 孝太郎は外に出ると、
「働き過ぎなくらい働いたなー、よし帰ろう」
「まだです! このあとは外の手伝いです」
「えー、あのふたりがいるから大丈夫だよ。ほら」
 孝太郎が指をさす。
 麟が忍者のように駆けている。混雑した広場であれだけ走って、誰にもぶつからない。
「作戦は首尾上々のようだね」
「うわっ……なんだ、宍影さんか。驚かさないでくださいよ」
 孝太郎が振り返ると、宍影が立っていた。
「こっちは終わりました、外の警戒を手伝います」
 雪刃が言うと、宍影は手を振った。
「こっちも終わったよ。この広場には爆弾はおろか、ヴィランもいない。平和なものさ」
 宍影は肩をすくめて、
「本当に、アイドルを見に来ただけみたいだな」
「じゃあ、麟さんが走り回っているのは……」
「あれは……」
 宍影は困ったように頭を掻いた。
(少し冗談が過ぎたでござるな)
 麟はアスファルトを蹴った。油断なく、周囲に目を光らせる。
「乱波……どこに隠れている!」

 鈴宮 夕燈(aa1480)はうっとりとステージを見つめた。
「はー、ええもんやなー。いつか、うちもこんな所で……みんなー、ありがとー! ちゅうて……」
 スピーカーチェックが始まり、音楽が大音量が響いた。
「のってきたでー」
 音楽に合わせ、腕を振る夕燈。
「うおうおうー、うおうおうー」
「……夢中な所、悪いけどよ」
「わ、驚いた!」
 夕燈が振り返ると、Agra・Gilgit(aa1480hero001)が後ろの座席に座っていた。
「なんやあぐやん、おったん? 声かけてー、はずかしいなあ」
「いや……なんとなく、声かけづらくてよお」
 スタミナ丼ガールズが、最後のリハーサルでステージに現れた。
「わー。やっぱりこんな所でやるアイドルさんは違うなあ、オーラが」
「連絡がきたぞ、そろそろ出番だ」
「え……」
 夕燈はガッカリ顔を叩いて、気合を入れた。
「そやね。お仕事、おしごとや!」
 気持ちを切り替え、夕燈は歩き出す。
「あとで好きなだけ見れるから安心しろ」
 不憫に思ったAgraが、夕燈の背に声をかけた。
「……なあ、あぐやん」
 夕燈が振り返った。
 真剣な顔。
 Agraは顔を引き締めた。
「なんだ?」
「……アイドルやるにはやっぱり、ピンよりグループの方がええんやろか?」
「知らねぇよ」
 夕燈が控室でしばらく待っていると、
「インタビューの方、入ります」
 声と同時にノックの音がした。
「どうぞー」
 羽土がドアを開けるや、シャムロックが大声を上げた。
「ワオ! ミス涼宮!」
 羽土と杏がとっさに身構え、シャムロックの背後に立つ。
(……正体がバレた!)
 狼狽する三人。
「ほ? ほえ? なんで、うちのこと知ってるん?」
 シャムロックは興奮を隠しきれず、
「最近デビューした新人ダヨネ!」
「……へ?」
「ジャパンのアイドルサイトは全部見てるよ! ユーの事もチェック済みさ!」
「でも……うち、まだ全然新人で、知ってる人なんて……」
「ノンノン、ミーのチェックを逃れることはFBIでもインポッシブルだよ、HAHAHA!」
「あ……ありがとう。ほんやったら握手する?」
「リアリィ?! イエスイエス!」
「いえすやでー」
 ファンに会えて嬉しい夕燈。がっちり握手する横で、羽土と杏は胸をなでおろした。
「……何の騒ぎ? 外まで大声が聞こえたけど」
 夕燈と同じインタビュアー役のあげはがドアを開けると、
「上遠野あげは!」
 またも驚きで声を上げ、
「オウ、ジーザス……神様、幸運をありがとう」
 シャムロックは神に感謝の祈りをささげた。
「……どうしたの、これ?」
「さ……さあ?」
 呆気にとられるあげはと、困った顔で首をかしげる杏。
「それじゃ、もしかして……」
 シャムロックは杏を見た。
「ユーもアイドル?」
「いっ、いやいや違います! 私は別です!」

●コンサート、はっじまるよー
 インタビューを終え、シャムロックは通路をスキップした。
「まさかアイドルからインタビューを受けるなんてネ。ハリウッドスターになった気分さ!」
 羽土を先頭に、四人でカインを囲むようにして通路を行く。
「次はコンサートを見ていただきますが……」
 客席の入場が始まって、会場内は騒がしくなっていた。
「あまり騒いだり、暴れたりなさいませんように」
 羽土が扉を開ける。
 ステージ端にパイプ椅子が並んでいた。
 シャムロックはハッとした。
 パイプ椅子に座っている連中の、ただならぬ雰囲気。
「さあ、いくでー」
「とまらないとまらない」
 夕燈とあげはがカインの背中を押す。
「ス……ストップ、プリーズ」
 二列に並んだパイプ椅子の前列中央の席が一つ空いている。
 その両隣に、双子のようにそっくりな少女が座っていた。
 死神の鎌のような、ふたりの少女の冴えた微笑。
 シャムロックは目を閉じた。
 彼は弱い。共鳴する英雄も戦闘向きではない。
 何より、ここで暴れれば、応援するアイドルの夢を壊すことになる。
 静かに着席すると、アリスがそっと囁いた。
「大人しくするなら、コンサートは見せてあげるよ」
 舞台袖に警察官が待機している。
 シャムロックは観念して、静かに肯いた。
「……よし、いい子だ」
 照明が暗転し、コンサートが始まった。

 油の取り過ぎごようじんー 三十過ぎからごようじんー♪
 『シマチョウ』こと、桐生愛美センター曲『油の取り過ぎご用心』。
 シャムロックは瞳に涙を溜め、ステージをじっと見つめた。
「……十代の子がうたう歌か、これ」
 ぼやく孝太郎。
(響く人には響く詞でござる)
 宍影がうんうん頷き、
(一糸乱れぬ動き、なんという練度!)
 麟は統率のとれた観客の動きに感動した。
 冷めた瞳のAliceも、にわかに膝の上でリズムを取っている。それ見てアリスはクスッと笑った。
 歌が終わると、ステージは真っ暗になって、一筋のライトがシマチョウを照らした。
『今日はありがとうございます……突然ですが、ここで発表したいことがあります!』
 シャムロックが立ち上がった。
 能力者達が武器を構える。
「やめないでー!」
 シャムロックは叫んだ。
 涙を流し、ただ叫ぶ。
 客席からも、会場を揺らすほどの『やめるな』コール。
『シマチョウこと桐生愛美は……スタミナ丼ガールズを……やめません!』
『ぎゃーああああ!』
 地割れのような絶叫。
『朝の連ドラ主演が決まりました! 女優さんとしても頑張ります! これからも応援よろしくお願いします!』
 シマチョウが元気いっぱいに頭を下げた。
 シャムロックは膝をつき、ボロボロ泣いた。
「……よかった……ほんとうによかった……」
 鼻水と涙で顔は滅茶苦茶だ。
 もらい泣きしたあげはが、シャムロックの肩に手を置いた。
「これからはヴィランやめて、真っ当な人間になってさ……シマチョウちゃんを応援しようよ」
 シャムロックは立ち上がり、叫んだ。
「シマチョ―! これからも悪いことしてお金ためて、いっぱいCD買うからねー!」
「おい」
 あげはの額に血管が浮く。アシュリィが首を振った。
「馬鹿は死んでも治らない」

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 捕獲せし者
    骸 麟aa1166
    人間|19才|女性|回避
  • 迷名マスター
    宍影aa1166hero001
    英雄|40才|男性|シャド
  • ~トワイライトツヴァイ~
    鈴宮 夕燈aa1480
    機械|18才|女性|生命
  • 陰に日向に 
    Agra・Gilgitaa1480hero001
    英雄|53才|男性|バト
  • 紅の炎
    アリスaa1651
    人間|14才|女性|攻撃
  • 双極『黒紅』
    Aliceaa1651hero001
    英雄|14才|女性|ソフィ
  • リベレーター
    伏野 杏aa1659
    人間|15才|女性|生命
  • リベレーター
    羽土aa1659hero001
    英雄|30才|男性|ブレ
  • 新人アイドル
    上遠野 あげはaa1661
    人間|17才|女性|攻撃
  • 新人アイドル
    アシュリィaa1661hero001
    英雄|14才|女性|ドレ
  • エージェント
    佐々木 孝太郎aa2574
    人間|27才|男性|生命
  • エージェント
    雪刃aa2574hero001
    英雄|24才|女性|シャド
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