本部
語るのはいつだってこの背中
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 6~10人
- 英雄
- 0人 / 0~0人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/09/22 19:00
- 完成予定
- 2015/10/01 19:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/09/17 11:58:51 -
相談卓
最終発言2015/09/22 10:23:27
オープニング
●ぼくはしんじてる!
埼玉県某所の採石場。
関係業者の廃業によって放置され、誰も近寄らない「誰も知らない場所」として朽ちていこうとしているこの場所に、今。
悪の笑いがこだまする!
「うぇひゃあぁぁぁっほっほっは! てめぇの大事なボクちゃン助けてほしきゃ、カネ集めてこいやぁ!」
「つまり我々はお宅の息子さんを誘拐し、身代金を要求しているわけですね」
「トモダチだったら100人だけどぉ、諭吉クンならイチ・オク・ニンだぁああああああ!」
「友達は100人作ることが目標になりますが、さておき。1億円を支払っていただきたい」
「俺サマが酒かっくらって寝て起きて酒かっくらって寝るまでしか待たねぇぞぉぉぉお!」
「支払いのリミットは……そうですね、明日の12時にしましょう。あと20時間ほどありますので、準備していただくには充分かと」
電話の向こうから響くうろたえた声を断ち切るように、冷静な声の主は自らの言葉を継いだ。
「我々は俗に言います「ヴィランズ」です。新興勢力ですので、要求が通らなければ世間へのアピールも兼ねて思いきったことをしでかしますよ? ぜひご熟考を」
「俺サマはクレイジー・サイコだぁぁあぁあぁあぁ!」
「ボスの自己紹介でした。ちなみに私はイワタと申します。それでは明日、お会いしましょう」
通話を終えたイワタが、町でオラつく若者から巻き上げてきたスマホを地に放り捨てた。
「ボス。いつ警察なりライヴスリンカーなりが突入してくるとも限りません。いつでも盾にできるよう、人質を手元に置いておきましょう」
イワタの指示で、手下が人質である松尾正義(まつお せいぎ)を引っぱってきた。
「ぼくはなかない!」
有名な地元企業の御曹司にしてママとエビピラフが大好きな4歳児が、涙をいっぱいにためた両目で悪い奴らをにらみつける。
「なんだとぉ!?」
クレイジー・サイコ(53歳)が、腹だけ突きだす貧弱中年太りボディを震わせ、生白い腕を振り上げた。その手に握られたバールのようなものが、赤らんできた日差しをギラリと照り返す。
「このチョーおっかねぇヴィランの俺サマがぁ、怖くねぇえ!?」
「こわくないっ!」
サイコの「ぇえ」を噛みちぎる勢いで、正義が高く叫んだ。
「松尾さん。なぜ、怖くないんですか?」
イワタが興味深げに尋ねると。
「びらんはまける! せいぎがかつから!」
「確かに我々は悪ですが、正義――松尾さんが我々に勝つと?」
「かつ! ……もっと、おおきくなったら」
悔しそうに顔を伏せた正義だったが、すぐに顔を上げて、右手を突きだした。
小さな手に握られたそれは。日曜日の朝に放映されている、男子向け戦隊ヒーローのマスコットだった。
「せいぎのヒーローがぼくをたすけてくれるんだ! せいぎはあくをたおすんだ! ぼくはしんじてる!」
●今だけはヒーローとなれ!
「こんな時間に呼び出しちゃってすみません。松尾氏と県警本部から、正式に正義君救出の依頼を受けました」
大まかな説明を終えたHOPEの新人女子職員が、厳しく引き締めた童顔を巡らし、ライヴスリンカーたちに言った。
「相手がヴィランズってこともあるんですけど。……電話がですね、ヴィランズの脅迫後も、通話状態を保ってたんだそうです」
松尾氏は聞いたのだ。小さな男の子の真剣な思いを。
だから決めたのだ。HOPEに救いを求めると。
「戦場は採石場になります。戦うときに足場とか広さとかは気にしなくても大丈夫です。大声出しても、大爆発しても問題なし。問題は、ヒーローの登場を信じて恐怖に耐えている正義君に、みなさんがどう応えるかってことだけです」
女子職員は静かに拳を握りしめた。
「ここにはヒーローを業務にしている人も、そうでない人もいますよね。でも、今だけはみなさん全員が正義の味方、ヒーローです」
女子職員が小さな拳を突きだした。
「正義君に見せてあげてください。悪に負けないヒーロー――ライヴスリンカーの背中を。みなさんならできます」
そして女子職員は拳を突きだし、ぐいっと親指を立てた。
「私、信じてますから!」
解説
●依頼
・誘拐犯10人を「あなたの個性(キャラクター設定)に合わせたヒーローらしさ」で対し、倒してください。
●状況
・救出作戦は3時から12時までの間で自由に開始できます(日の出は5時)。
・採石場の広さは直径40メートル、見通しのいい平地です。ただ、東側に崖があり、なにかに使えるかもしれません。
・ヴィランズは採石場の中央部にテントを張り、そのまわりで警戒しています。
・テントの中には正義君が、水だけを与えられて閉じ込められています。
・戦闘開始後、イワタはすぐに正義君の身柄を取り押さえ、盾にします。また、正義君と引き離されるか15ラウンドが経過すると、遠距離単体攻撃で正義君の殺害をはかります。
・ヴィランズを全員倒すと付近で待機している警察が出動、後始末をしてくれます。
●敵
・クレイジー・サイコ
元零細企業の平社員。株で失敗し、多額の借金を負ったトラウマあり。
武器は「バールのようなもの」で、近接単体攻撃の「縦振り」と近接範囲攻撃の「横振り」を使います。
攻撃力は低いですが、物理魔法ともに防御力は高めです。
・イワタ
理屈屋で、感情的言動が苦手。
主な攻撃手段は改造拳銃による遠距離単体攻撃。近接戦闘ではナイフによる単体攻撃を行います。
攻撃力は高めですが、物理魔法ともに防御力は低めです。
・手下8人
ヴィランを目ざすオラついた輩。戦闘力はゼロですが、ナイフを使ってちょっと邪魔してきたりします。
マスターより
はじめまして。電気石八生(でんきいし はちお)と申します。
当シナリオは皆様に「ヒーロー」を演じていただき、男の子の夢を守っていただく内容となっております。
熱血、クール、ダークその他、キャラクターの個性に合わせて、男の子を魅了するかっこいいプレイングを決めてやってください。
リプレイ公開中 納品日時 2015/09/28 15:02
参加者
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最終発言2015/09/17 11:58:51 -
相談卓
最終発言2015/09/22 10:23:27