本部
中の人なんて……いるの?
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 6~8人
- 英雄
- 5人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/09/22 15:00
- 完成予定
- 2015/10/01 15:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2015/09/22 01:17:58 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/09/19 01:38:11
オープニング
●某アミューズメントパーク、フェアリーテイルエリア
暑い日が続いていた。連日三十度を超える真夏日。熱中症で倒れる者も続出。
それでも夏休みになると、殺人的な炎天をものともせず、多くの人がアミューズメントパークに押し寄せる。
親子連れ、カップル、仲良しグループ。雑多な人々が巨大なパークに満ち、唯でさえ熱い空気に人工の熱気を加えてゆく。ヒートアイランド現象。巨大な人口が産み出す暴力的な熱量は、今やそれを産み出した人々を焼き殺さんとしている。
それは、そこにいる人々も理解していた。だから異変が起きた時も、人々はその理由を、灼熱する大気に求めた。
「おいおい、どうした!?」
目の前で突然倒れたクマの着ぐるみに、青年は構えていたスマホをポケットにしまい、慌てて駆け寄った。
「やだ、どうしちゃったの?」
着ぐるみと一緒に写メを撮ってもらおうとしていた連れの女性も、突然倒れた着ぐるみ……パークのマスコットである熊三郎に驚き、声を上げる。
「今日は暑いからなぁ……ちっ、それにしたって」
長いこと誘いをかけて、やっとOKをもらった彼女とのデート。何もこんな時、水を差すように、倒れなくても良いじゃないか。そう思いながらも、青年は倒れた着ぐるみに手を差しのばす。
「大丈夫か……」
そう声をかけたまさにその時。倒れ込み、微動だにしなかった着ぐるみの身体が、ビクリと跳ねる。
「えっ……?」
異常な気配を察し、青年は慌てて身を引こうとする。が、その挙動よりも早く……。
どすっ……
鈍く短い音。青年の動きが止まった。横腹に生じた灼熱感。それは脇腹に深々と突き刺さった、熊三郎の爪によってもたらされたものだ。
「嘘だろ……!?」
驚愕と苦痛。青年は呻く。ウレタン製の爪が、人間の体に突き刺さるなどあり得ない。だが、着ぐるみが「変化」したとすれば……青年の腹から滲む、赤く熱い液体は、最悪なその可能性を示していた。
「熊三郎、どうしたの!?」
と、その時、近くにいた小さな女の子が熊三郎の異変に気付いた。倒れた熊三郎を心配するその女の子は、真っ直ぐこちらに向かってくる。
「っ……来るなぁ!」
薄れ行く意識を気力で引き戻し、青年が叫ぶ。女の子は、その怒声にビクリと体を竦め、駆け寄る足を止めた。
同時に、倒れていた熊三郎がのそりと起き上がり、青年の体は支えを失ってズルリと地面に崩れ落ちた。右手には、その青年から流れ出た、真っ赤な液体。事ここに至って、周囲の人間も何が起こったのかを正確に理解する。従魔が現出したのだ。
「きゃぁぁぁ!」
一番近くにいた、連れの女性の悲鳴を皮切りに、周囲は忽ちパニックに陥る。
「前田君! 前田君!」
それでも、連れの女性は気丈に倒れた青年を助けようと試みるが、青年は従魔化した熊三郎の足下に倒れている。
「馬鹿! あんたまで殺されるぞ!」
このままでは女性も殺されていただろう。だが、その様子を見かねた一人の男性が、咄嗟に彼女の手を掴み、無理矢理この場から連れ去った。
休日に起こった悲劇――だが、これは始まりに過ぎなかった。
●パーク管理部、管理室
「従魔だとぉ!?」
エリアマネージャーからの報告を受けた園長は、驚愕とも憤りとも着かぬ叫びを上げた。
「は、はい! スタッフからの報告によると、各パークエリアに、着ぐるみに憑依した従魔が数体現れたと! 既にお客様一名が被害に遭ったとの情報も!」
「着ぐるみぃ!? 中のスタッフはどうなったんだ!?」
「わ、分かりません!」
「じょ……冗談じゃない!」
園長はそう叫ぶと、絶望の表情で天を仰いだ。が、何時までも絶望してはいられない。
「避難にどれだけの時間が掛かる!?」
「この混雑ですから……」
「死ぬ気でやれ! 一秒でも早く避難を完了させるんだ! それから、HOPEに連絡して従魔の殲滅を……い、いや、それでは遅い!」
HOPEに連絡しても、能力者が到着するまでに多くの被害が出るだろう。今即座に対応しなければ……。
「おい、全園放送のチャンネルを開け!」
「え? 全園放送は、今避難誘導に使っていますが……」
「いいから早くしろ!」
「は、はい!」
怒鳴られたエリアマネージャは、慌てて機械を操作し、避難誘導を行っている放送室から、園長室へとチャンネルを変える。園長はそれを確認すると、あらん限りの大声で叫んぶ。
「お客様の中にライヴスリンカーは居られませんかぁ!」
解説
●目標
従魔の殲滅
●登場
ミーレス級従魔。全て着ぐるみ型で、力はそれなりですが、動きは遅いです。
フェアリーテイル、アドベンチャー、フラワー、スペースの四つのエリアに、それぞれ2体の着ぐるみ型従魔がいます。パークのガイドブックを読んできたPLなら、着ぐるみの正確な数が分かるでしょう。
●状況
PCはパークに遊びに来ていたと言う形で始まります。任意のエリアに所在しているという設定でお願いします。武器は幻想蝶で携帯しているでしょう。
呼びかけに答えてという形のため、連れ立ってきた人たち以外は、お互いの状況が分かりません。
従魔はあくまで着ぐるみです。中の人は生存している可能性があります。ですが、中の人を傷つけず、着ぐるみだけを攻撃する場合、判定に多少のマイナスが掛かります。また、敵の動きを止める事が出来るなら、後ろのチャックから中の人を救出することも可能です。
フェアリーテイルエリアにはOPで刺された男性がいます。生死、怪我の程度は不明ですが、こちらもまだ生きている可能性があります。
男性も中の人も、時間をおけば生存の可能性は加速度的に低くなって行くでしょう。PCには可能な限り迅速な対応を求められています。
スタッフの努力により、避難は比較的スムーズに行われています。避難誘導などに参加する必要はありませんが、被害が出そうな時は一般人を守って下さい。
マスターより
初めてまして、白田熊手です。
初めてのシナリオです。不安もありますが、よろしくお願いします。
今回はテーマパークが舞台となります。
出来れば子供の夢を壊さぬよう、中の人を無事に救い出してあげて下さい。
それでなくとも、炎天下で着ぐるみを着ての仕事は、つらい仕事ですから。
リプレイ公開中 納品日時 2015/09/26 20:44
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相談卓
最終発言2015/09/22 01:17:58 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/09/19 01:38:11