本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~8人
- 英雄
- 5人 / 0~8人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2019/01/19 22:00
- 完成予定
- 2019/02/02 22:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2019/01/19 20:44:26 -
相談卓
最終発言2019/01/19 21:21:58
オープニング
●ある邂逅
エスクラボというのがその少女が親につけられた名だ。
これは現地公用語で『奴隷』を意味する。
彼女が生まれた時、その家族は頭脳明晰だが病弱な子達を抱えた状態で、新しい子を養うにはあらゆるものが足りなかった。
だから家族は妹として生まれた子を兄や姉の奴隷として育て、戸籍すら与えなかった。
生まれながらの奴隷として扱われた子は、幼いころから捨てられる恐怖に怯えながらも学校にも行くことはなく、病弱な兄や姉を献身的に支え続けた。
だがアイアンパンクといった技術によって兄や姉たちが病弱でなくなったとき。
少女へと成長していた彼女は何も持っていなかった。
得たのは兄や姉たちの生活を支えた苦労だけ。
そして彼女の家族は自分の人生を捧げ尽くしてきた彼女をゴミ扱いし捨てた。
用済みだったから。
戸籍もなく、学校にも行けず何かの技術を学ぶ機会すら得られない奴隷の生活を強いられてきた彼女がまともな職に付けるはずもなく、スラムへと追い立てられ日々の糧も満足に得られない状況へと転落した。
同じような境遇の人たちと支え合って暮らすにも限界があり、餓死寸前のところを愚神ニア・エートゥス(az0075)と遭遇する。
「取引しませんか。条件をのむなら貴方と貴方に似た境遇の人々をできるだけ拾い上げますよ」
ニアの出した条件は、人間社会での自分の隠れ蓑になることだったが、後がない彼女はニアの取引に応じ、拾い上げられた。
それからの彼女や同じスラムの住民達の境遇は劇的に変化した。
住まいを与えられ、食べ物も悪臭のする残飯から新鮮で栄養価の高いものになり、ガリガリに痩せた手足も健康的な姿を取り戻した。
そして取引の通り、ニアは相応の教育と技術指導を受ける機会を与えるが、皮肉なことにそれらは彼女たちが普通に人間扱いされていれば習得できる類のものだった。
普通の人間として扱われることが、どれだけありがたいものなのか。
ニアは悪だ。世界とは相容れない災厄だ。
それでも人間が何かに心酔するには十分だった。
●火種
ニアの消滅後、当初信奉者らはH.O.P.E.への報復に動こうとしたが、真継優輝(az0045)が彼女らのもとを訪れる。
実はニアが討たれる前、ニアは資産の譲渡手続きを行っており、その譲渡先が優輝だった。
優輝がH.O.P.E.情報部の協力を得て引き継いだ資産の中に、彼女らの『経歴』も記載されていたので、優輝は彼女らのもとに辿り着けた。
敵意の目が向けられる中、優輝は自分がニアの保有していた資産を正式に継承した事を報告する。
「皆様の救いを求める声に長年応じなかったこと、本当に申し訳ありません」
優輝は1個人として彼女らのリーダー格だったエスコラボこと『ソーニョ』達に頭を下げた。
ニアを討ったことへの謝罪はしない。
それは命がけでニアを討ったエージェント達やニアによって被害を受けた人々を否定するものだから。
優輝は受け継いだ資産をフル活用して信奉者たちに今後生きる道を用意しようとしていた。
そして交渉の末、ソーニョは信奉者たちにH.O.P.E.への報復を止めた。
恨みはある。わだかまりも否定しない。
だがそれ以上に、彼女らはニアによって被害を受けた人々と向き合う必要があることを自覚した。
「まずはニアの被害者達に謝罪し償いましょう。ニアが叶えられなかったことを、私達で少しでも叶えるんです」
それがニアを信奉した者達の責務だから。
ソーニョの決断に優輝は賛意を示し、以後優輝はH.O.P.E.と信奉者、被害者達の間を動き回る。
H.O.P.E.は基本的には国や自治体の行政に介入することはしない。
ただ優輝や情報部は彼女らが人間社会より捨てられニアに利用された経緯を重く見て、信奉者達の生まれた各国政府に働きかけ、彼女らの戸籍を回復、あるいは取得させた。
同時に優輝達は、彼女らを奴隷扱いしてスラムに追いやった家族達を虐待の罪で逮捕するよう各国の警察に働きかけた。
「弱者を救済できる措置や対策をしっかりとらないと、また愚神に協力する人々を増やし愚神に支配される地域が出ますよ」
一方でソーニャ達は、ニア達によって被害を受けた人々への補償を優輝や情報部の協力のもと行い続けた。
情報部の調査では実害を与えたのはニア達愚神で、信奉者達は都市運営に協力したものの、被害は出していないことが分かっているので、信奉者たちへの糾弾を減らす意図もあった。
信奉者達はこうして被害者達と和解することに成功した。
わだかまりは残るものの、ソーニョ達は優輝やH.O.P.E.が自分達の罪の精算に協力してくれたことを感謝し、第二の人生を歩み始める。
こうしてニアの遺した火種は消えたかに見えた。
●懲りぬ者達
それはソーニョ達が優輝達の仲介で就職した会社での出来事だった。
突如銃弾状ライヴスが会社の建物内に飛び込んで爆発し、さらに業火の花が咲き、中にあったオフィス器具類を吹き飛ばす。
「てめえらのせいでどんだけ周りに迷惑かけたと思ってんだよ。愚神を支持する奴は人間じゃねえ。死んで償えゴミクズどもが」
「ニアを信奉するなんておぞましい連中、この世界にいてはならないゴミだよなあ。動機とか人権とか配慮する意味ないじゃん。泣き言なら死んでから言えっての」
「貴方がたってお馬鹿さん揃いですの? H.O.P.E.に迷惑かけずに死んで下さいませ。人でなしのゴミクズさん」
攻撃した者達の名は友衛(ともえ)鉄男(てつお)。指宿(いぶすき)義亜(よしあ)。美年(みとせ)愛(あい)。
彼らは過去ニアが救った孤児達に暴力を振るい、ニアが出没した地域に属する組織の人々を動員してニアに突撃し、返り討ちに遭い捕まり動員した人々を危険に晒したという曰くつきのエージェント達『だった』。
過去形なのは、彼らはその性根が改善されずH.O.P.E.エージェントの資格を剥奪されたためだ。
「俺様達が正義! 弱虫どもは俺様達のために死ね! それがてめえら愚神に味方するクズどもの、悪の運命なんだ!」
現場に居合わせ、ソーニョ達を庇う形になった優輝はそんな友衛達の主張に反論する。
「ニアは悪でしたが、彼女らにとっては自分達を救った『家族』でした。彼女らは既に償いを終えてますので貴方達の行動は的外れです」
信奉者とニアの被害者達との間で和解が成立し、罪は精算されている以上、ソーニョ達を責める根拠は消えている。
友衛達の行動は、関わった人々全ての努力を踏みにじるものだった。
優輝から連絡を受けた情報部は3人の行動が過去ニアに撃退された恨みを晴らす八つ当たりと、信奉者達を殺せばH.O.P.E.に返り咲けるとの妄想によるものと判断し、信奉者達を救うため緊急の依頼斡旋に動いた。
全力で現場に急がなければ、彼女らは救えない。
解説
●目標
元エージェント3人の逮捕
失敗条件:下記の人々を一人でも死亡させる。
登場
ソーニョ
旧名エスクラボ。
ニア・エートゥスを信奉する人間達のリーダー。ニアに付けられた今の名(意味は「夢」)を名乗る。
当初は報復も考えていたが、優輝やH.O.P.E.情報部がニアの被害者達との間で『戦後処理』に奔走した結果、ニアに被害をうけた人々に謝罪し、これ以上自分のような存在を出さないため不満を飲みこみ被害者達との和解に尽力した。
ニア信奉者×10
ソーニョと同様人間社会にゴミ扱いされニアに救われた人々で一般人。全員下記3人の攻撃を受け負傷し周囲に昏倒中。
元エージェント達
友衛鉄男。ドレットノートの適正あり。人質を盾にしたがる。剣を装備。スキルは怒涛乱舞、チャージラッシュ、烈風波。
指宿義亜。ジャックポットの適正あり。弱者(一般人)を優先して狙う。突撃銃を装備。スキルはダンシングバレット、フラッシュバン、アハトアハト。
美年愛。ソフィスビショップの適正あり。自己中心的で自分以外の人間は踏み台。スキルは支配者の言葉、サンダーランス、ブルームフレア。
真継優輝
ニア・エートゥスの遺産継承者。ニアの信奉者と被害者救済のため情報部と共に奔走中に、今回の事件に巻き込まれる。
現在ソーニョ達への攻撃を防いでいるが、全部は防ぎきれていない。
状況
南米のとある都市にある会社。ニアの信奉者たちが勤務する。
会社の同僚はニアの信奉者達については過去も含め屈託なく受け入れている。また優輝やH.O.P.E.情報部の努力も知っているので元エージェント達の所業を怒っている。信奉者達を除き避難に成功。
現在元エージェント達は信奉者たちの内3人を自分の体にくくって盾にし、残るソーニョ達を庇う優輝を攻撃中。想定戦場は縦横各40mの大部屋。
使用可能品は装備や携帯品のみ。部隊派遣要請、道具類の借用は一切不可。
マスターより
信奉者たちは今も世界に不満を抱えていますが、ニアの被害者達と向き合って和解に努力し第二の人生を歩み始めていました。
法律上今の彼女らは罪を清算済みです。
これはニアと真摯に向き合って下さった『あなたたち』の努力を無駄にしないようH.O.P.E.も努力した結果であり、『あなたたち』が勝ち取った未来でもあります。
余力がございましたらソーニョ達のわだかまり解決にもご協力下さると幸いです。
ただ今回すでに戦闘は始まっており、建物への工作や何かの手配を行う余裕は一切ありません。
ゆっくり現場に向かった場合、確実に死者が出ます。それほど事態は切迫しています。
まずは現場への急行をお願いいたします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2019/01/27 11:52
参加者
掲示板
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2019/01/19 20:44:26 -
相談卓
最終発言2019/01/19 21:21:58