本部
七つの果実
- 形態
- シリーズ(新規)
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,300
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~8人
- 英雄
- 6人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/08/24 22:00
- 完成予定
- 2018/09/02 22:00
掲示板
-
相談卓だよ
最終発言2018/08/24 21:07:37 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/08/24 20:42:17
オープニング
●
朝になれば子供達は一斉に目覚め、各自支度を終えてから食堂に集まる。そして席に座り、院長のアリナが朝の挨拶を終えるとお腹の空いた子供達はすぐに朝食を食べてくれるのだ。料理を作ったのは唯一の職員であるジュンで、彼は美味しそうに食べる子供達を見るのが毎朝の日課になっているのだ。七人分の料理の支度は大変だが。
昨日貸した本、面白いでしょう?
俺はそんなに好きじゃなかったなー。やっぱりファンタジーにさ、恋愛モノはいらないって。
ええ? そうかな。私はロマンスは必要だと思うけどなー。戦うだけじゃ退屈でしょ?
子供達の話題には終わりがない。
用意されたオムライスを食べながらアリナは暖かな笑みを浮かべ、子供達の話に耳を傾けていた。楽し気な会話だ。思えばこうして皆が仲良くなるまでには結構な時間を費やした。最初こそ、彼らはこうして仲良く話す機会が全く無かったのだ。
アリナは次にすべき事を既に分かっていた。
今いる場所「ルイゼハウス」は小さな世界でしかない。子供達を連れて散歩をしたり、レストランにいったり外の世界を見てもらった事はあるが、外の世界の人間と関わったことは滅多にない。大人になるにつれて人間は社会との関わりを持たなくてはならない。
たとえ、人間として未完成であっても。
朝食を終え、口を拭いたアリナは手を二回叩き子供達の注目を仰いだ。
「さあさ、今日は特別な日だよ。なんたって、私達のためだけにリンカーさんが来てくれるんだからね」
その言葉が出ると、子供達の眼から萎縮の色が窺えた。
「皆が心配なのは分かるよ。外の世界の人達は怖いし、私だって……皆とずっとここにいたいんだ。だけど、人間はそうも言ってられないんだよ。ずっとこの家にいたんじゃ、皆は何のために生まれてきたのか分からなくなってしまう。人間はね、人間を幸せにするために生まれてきたんだ。今日のイベントはね、人を幸せにするために一番大事なイベントなんだよ」
優しい声音が食堂を包む。窓から差し込む日差しが柔らかい。
「リンカーさんはね、とっても優しいんだ。それでね、私なんかよりもずっと大変な思いをして生きてる。だから、人を幸せにする方法を知ってるんだ。いいかい? リンカーさん達と一緒に遊んで、過ごして……外の世界に出る準備をしよう」
普通じゃないから歓迎されない子供達。
言葉が話せないから、考え方が異常だから、悪魔を崇拝しているから。ここにいる七人の子供達は変わっているから、親に捨てられた子供達だ。
子供達は外に世界に出たがらない。この世界だけで生き、生命を終わらせようとしている。しかし、アリナの目標は違った。この子供達を外に出して、他の人々を幸せにしてもらうのがアリナの考えだった。
全ての世界で、幸せになる権利は誰にでも与えられている。
この子達にだって。
●
リンカーが来訪すると、アリナは満面の笑みで出迎えた。人見知りの子供達は横一列に並んで、一人一人視線が別方向に向いている。皆照れ臭がってしまっているのだろうとは、一目見れば分かることだろう。
「今日はお越しいただいてありがとうございます。皆、恥ずかしがってしまって……私から、子供達について紹介しますね」
アリナは律儀に頭を下げ、左から順番に子供達の肩に両手を置いていった。
「この子は、ミーナ、と言います。九歳の女の子で、すごく元気なんですよ。今は照れてしまっていますけど。ですが言葉が喋れないんです。だからか運動とか本が好きなんですよ。
この子はドゥーンと言って、十一歳の男の子。周りの子供達と距離を置いてしまっていますが、根はとても優しいんです。ドゥーン、リンカーさんの前で変な言葉を使っちゃだめだからね。
この子はフィン。八歳の男の子です。車椅子に乗っているのは、彼は脚が動かせず目も見えないから、なんです。事故にあってしまって。眼が見えない分、音楽が大好きなんですよ。
この子はネミサン。九歳の女の子です。悪魔が大好きで、毎日悪魔とお話しているんですよ。その悪魔から聞いた話を本にして書いてるんです。可愛いお話、でした。
この子はドラール。十五歳の男の子です。頭に包帯を巻いているのは、この子は幼い頃に家が火事にあってしまったんです。皆の中で一番の年長者だからか、しっかり者です。
この子はナノ。十三歳の女の子です。ちょっとした精神疾患があって……ボーダーって知ってますか。共同生活に苦労してますが、彼女も優しいんです。朝ごはんを作るのを手伝ってもらったこともありました。
最後に、リアディ。十一歳の男の子です。彼は、愚神に友達を殺されてしまってからPTSDを患ってしまって……。他の子に対して攻撃的になるのも、そのせいなんです。でも、この子も優しさはあるんです」
全員の説明が終えてから、アリナはエージェント達としっかりと向き合った。リアディの頭に手を置きながら、彼女はこう言った。
「この子達は皆、とっても優しいんです。少しの間だけにはなりますが、よろしくお願いします」
そうしてからアリナは日程の書かれた紙をエージェントに手渡し、家を後にした。
解説
●目的
三日間の間で子供達と打ち解け仲良くなり、彼らに外の世界について様々なことを教えてあげよう。
●日程
三日間、リンカーが子供達の面倒を見ることになる。その間アリナともう一人の職員は外にいて、連絡を取ることはできるが彼らが帰ってくるのは想定外のことが起きた時のみとなる。
そのため朝食や夕食を作ること、遊びや散歩……ほとんどがリンカー任せとなる。ちなみに、一日目の朝ごはんは既に終わっている。
●子供達
彼らはリンカーに対して興味はあるが、総じて自信はなく外の世界に関して恐怖を抱いている。自分を捨てた両親への恐怖、愚神への恐怖……それは個人で様々だ。
最初は打ち解けるのも難しいだろう。リンカーについては正義の味方という認識しかなく、外の世界の人間であることに代わりはない。だが一度でも打ち解ければ、自然なコミュニケーションが取れるようになるだろう。
子供達は皆愛に飢えており、寂しい思いを強いられている。
●ルイゼハウス
二階建ての孤児院で、一階は食堂や遊具部屋、図書館。二階は個室となっている。庭は庭園となっていて、様々な花が咲いていて遊ぶスペースは事足りるだろう。
散歩は市内までなら可能。ただし、夜の八時には全員ハウス内にいるように。
●班分け
リンカーに渡された紙には、コミュニケーションが取りやすいよう班分けの事も書かれている。
A班は「ミーナ、フィン」
B班は「ドラール、ネミサン、ドゥーン」
C班は「ナノ、リアディ」
マスターより
※当MSはアドリヴ成分が多めです。
子供心というのは非常に大事だと思っています。ユーモアは人生を彩らせる大事な役目を持っているからです。しかし大人になるにつれて少しずつ童心は忘れてしまっていく世の中……。うーん、手厳しい。どうすれば童心を忘れないよう大人になれるか研究中です。
最近はお酒を飲む時くらいしか騒げないですね。対人ゲームをやる時も、勝負に勝つことだけを目指してユーモアを忘れてしまいます。そして、新鮮だと感じる心も無くなってきました。
小学生に戻りたいなあと感じます。そして枯らしてしまったプチトマトを食べるのです。
それではよろしくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2018/08/31 19:51
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相談卓だよ
最終発言2018/08/24 21:07:37 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/08/24 20:42:17