本部
Green Eyed Monsters
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 7人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/08/24 15:00
- 完成予定
- 2018/09/07 15:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
【相談卓】バンドやろっか
最終発言2018/08/24 11:37:38 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/08/21 22:59:52
オープニング
●奇怪な連続殺人事件
(またか……)
ロシア第四の都市、エカテリンブルクの路地裏。
デースケ・トルストイ警部補は目の前の遺体に顔をしかめていた。
「これで何人目だ……」
「五人目であります」
側の若い警官がデースケの呟きに反応する。独り言なのに拾わなくてもいいのにと少しばかり辟易しながら、デースケはもう一度遺体を見た。
真っ黒に焼け焦げた顔、体。
そして――喉と手にある無数の傷。どの傷もかなり深い。もしこの被害者が一命をとりとめていたとしても、この傷では一般的な生活はできないだろう。
手帳をぱらりとめくり、デースケはこれまで起きた事件の整理をする。
一件目。被害者は女性。彼女の手はめちゃくちゃにされていた。
二件目。被害者は男性。彼の手――特に指――は原型をとどめていなかった。
三件目。被害者は男性。彼の足も切り刻まれていた。
四件目。被害者は女性。彼女の喉も、他と同じように……。
「おい」
「は、トルストイ警部補!」
「被害者の身元確認はどうなっている」
「進んでおります。明日にはご報告出来るかと」
「頼んだぞ」
「は!」
遺体から離れ、デースケは一旦署に戻ることにした。被害者の身元が分かれば、少しは捜査が進むだろう。
そう思っているのに、デースケの刑事の勘が囁いている。
これは普通の事件ではない――と。
●夢を追う者、買う者・1
観客席から聞こえてくるアンコールの声に、真希はぞくぞくしていた。
二年前までは、自分達を見てくれる人たちなんて、皆無に等しかった。
それが今はどうだ。
千五百人のキャパシティを持つこのライブハウスを満杯にしている。
ようやく。
ようやくここまで、バンドが育ったんだ。
(もしかしたらメジャーデビューだって……!)
真希は振り返ってメンバーたちを見た。皆、やる気に満ちた笑顔を浮かべている。
「よし! ……皆、行くよ!」
「おお!」
真希はステージに飛び出した。より一層大きな歓声が彼女達を包み込む。
観客フロアの一番後ろ。
サングラスをかけた大柄な男性が、呟く。
「うんうん、いい夢だ。……おじさんが大金で買ってあげよう」
●夢を追う者、買う者・2
鳴りやまぬ拍手にヨーゼフは、泣きたいのを必死でこらえていた。
学校を中退して、演劇の勉強を始めて五年。
ようやく掴んだ初舞台。目が肥えたお客様たちを満足させられるかと心配していたけれど、それは杞憂に終わったようだ。
カーテンコールを終え、舞台袖に戻ったヨーゼフに演出家が話しかける。
「いやあ、良かったよヨーゼフくん! 次にこういう話があるんだけど、是非」
「はい、もちろん!」
やらせて下さい――と、ヨーゼフは笑顔で頷いた。
一番前の観客席。端っこの席。
ティアドロップのサングラスを身に着けた女性が、唇の端を上げて言う。
「いい夢ね……お姉さんがもっといい夢を見せてあげるわよ」
●悪夢に終止符を
H.O.P.E.サンクトペテルブルク支部、ランチタイム。
西原 純(az0122)は外のキッチンカーで購入したボルシチを自席で食べていた。この時間帯、周りは静かになる。皆、大抵外に食べに行ってしまうのだ。純は、慣れ親しんだ自分の席でゆっくりと食事をするのが隙だった。ビーツの赤で染まったスープに白のサワークリームを溶かす。付け合わせのパンを一口食べてから、スープを味わった。と、机の上に置いてある内線電話が鳴った。昼時に誰だ、と思いつつ、純は電話を取る。
それは受付からだった。西原さんにお客様です、と受付女性の、若干興奮した声が聞こえる。
「客? 約束なんて――誰が来てるんだ?」
『城之内ケイさんです。あのイノセンスブルーの……!』
「……ケイが?」
一体何の用だろう、と純は思う。今や大人気バンドとなったイノセンスブルーのボーカルであるケイは自分の百倍くらい忙しいはずだ。それなのに。
「……とりあえず、来客用の部屋に通しておいてくれ。ああ、一番小さいところでいい」
「ごめんね純くん。急に」
「いや、大丈夫だ。……というかお前、サングラスも何もしないでここまで来たのか? 気づかれるだろ」
ケイは笑って首を振った。
「案外バレないもんだよ。……あのね、純くん。これ知ってる?」
そう言ってケイが差し出したのは、新聞だった。そのトップ飾る記事を見て、純は知ってると答える。
「エカテリンブルクで起きてる連続殺人事件だろ。何でも、六件目と七件目が起きて、警察の無能ぶりを市民が責めてるとか。これがどうしたんだ」
「……殺されたの、僕の知り合いなんだ。皆、もうすぐ夢が叶うところだったのに」
「夢?」
「そうだよ。真希もヨーゼフも……。……純くん」
ケイは一点の曇りもない瞳で純を見た。幼馴染の真剣な表情を久しぶりに見た気がして、純は自然と背筋を伸ばしていた。
「多分、犯人は今から”人気になりそう”……もっと言ってしまえば”売れそう”な人たちを殺してると思うんだ。――だから僕が変装して」
「待て、ケイ」
強い口調で純はケイの話を遮った。
「お前まさか、囮になるとか言い出すんじゃないだろうな」
「……そうだよ」
「馬鹿か。やめとけ」
「それ警察にも言われた。……でも僕は犯人をどうしても許せないし、早くこの事件を解決したい。純くん」
力を貸して。
数時間後。
集まったエージェント達を前に、純は任務の説明を始めた。
「今エカテリンブルクで起こっている連続殺人事件の解決依頼が来た。依頼人は城之内ケイ……イノセンスブルーのボーカルだ。あいつが言うには、犯人はこれから”売れそう”な人を殺している、と。だから自分が変装して、偽りのバンドを作って、メンバーやスタッフに協力してもらい”これから売れそうなバンド”として囮になる。そうしたらきっと犯人は出てくるだろうから、そこを捕まえて欲しい、と。……でもそんな危険なこと、H.O.P.E.はさせられない」
だから一つ案を出した、と純は言う。
「エージェントで囮となるバンドを組んで、犯人をおびき出すから、と。その案は了承されたが”売れそうに見えるかはチェックする”、だと。……説明は以上。後は任せた」
解説
エカテリンブルクで発生している連続殺人事件を解決するのが今回の目的です。
以下の事柄に注意して目的を達成して下さい。
◆警察
・被害者の身元については調査済みです。
・デースケ・トルストイ警部補に会うことは可能です。
◆囮用バンド
・最低でもボーカル、ギター、ベース、ドラムで構成して下さい。
・他、入れたい楽器があったら入れて構いません。
・演奏曲はカバーでもオリジナルでも可能です。
・一か月ほど練習した後、エカテリンブルクの各ライヴハウスを周り、人気が出てきたように見せかけます。
・練習する時はイノセンスブルーのメンバーが付き合ってくれます。
・なお、最初のステージに立つ前に、ケイによるチェックが入ります。
そのチェックに”合格”しないと、ケイが「囮役」を強行します。
◆その他
分からないことがあれば、純が答えます。
マスターより
ライヴに行きたい欲求が高まりすぎて困ってます。
こんにちは、絢月滴です。
事件解決も大切ですが、バンドの練習も大切です。
頑張って下さい。
それでは。
皆様の熱いライヴ魂――ではなくて、熱いプレイングをお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2018/08/28 01:11
参加者
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【相談卓】バンドやろっか
最終発言2018/08/24 11:37:38 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/08/21 22:59:52