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戦闘

幼心の君へ

鳴海

形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
能力者
1人 / 4~10人
英雄
0人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2018/06/10 19:00
完成予定
2018/06/19 19:00

掲示板

オープニング

● その少女たちにとって、それは希望。
 嵐の夜の事だった。
 その日、高校生の『湯金 アイリ』は嵐の坂道を自転車で上っていた。
 煽る狂風、バタバタとはためく制服のジャケット。長い黒髪は雨を吸って重くなり。夕方ごろだというのに雲の厚さで太陽光が通らない。結果頼りない自転車の明りだけで走行しなければいけず。
 ダイナモがさっきから耳障りな音を立てている。
 こんな最悪な日に、何故自転車で坂道なのかというと、じつはアイリにもよくわかっていなかった。
 なんかの修行というわけではなく、何故か降りるという発想がなくなってしまったのだった。
 そのせいで立ってこいでみたり、すわってこいでみたり、うんうんうなりながら坂道を進んでいた。
 その時である。
 ああ、その時。
 せめて誰かが、あぶないよ。と注意してやればよかったものをだれもその場にいなかった者だから。
 アイリは自転車のタイヤを滑らせ、横転。
「きゃああああああ!」
 ガードレールに突っ込んで。その向こう。坂の下の森の中に、まっさかさまに落ちて行ってしまった。
 死ぬ瞬間人は冷静になるという。
 実際アイリも。ああしぬなぁと思っていたらしい。
 走馬灯……はよく覚えてないが。時がゆっくり、スローになって。
 落ちたら痛そうだなぁとか、とっておいたプリン食べたかったなぁとか。考えていた。
 そんな矢先である。
 目の前を大きな影が縦断した。
 その影はさっとアイリを連れ去ると天下高く飛翔して雲の上に出た。
 その時、アイリは神々しい光景を見たという、雲海に沈む太陽。そして光の温かさ。 
 次いでアイリは自分を乗せる存在に目をやる。それは伝承にある竜の形をしていた。
「ぽい~?」
 その生物は首をかしげるとアイリを見あげ。そして微笑みかけたという。
「ありがとう。お前、私の命の恩人だな」
 その日から少女と竜の奇妙な生活が始まった。
 先ずアイリは竜を森に隠した。幸いご飯は食べなかったので。あげなくて済んだが。大人たちが夜に見回りに来たり。近所の悪がき三人組に竜の存在がばれたり。
「お前は今日からぽいぽいだ!」
「ぽいぽい~」
 名前を付けたりした。
 一緒に遠くに行ったこともあった。ヘリから落ちてきた人を助けたり。ポイポイの力で町中に燃え広がろうとしていた家事を消したりした。
 けれどそんな楽しいひと時も終わりを迎えようとしている。
 H.O.P.E.が町にやってきた。
 その言葉を聞いて、アイリだけは青ざめたという。

● 派遣されたリンカー

「竜型の従魔が発見された」
 そう司令官アンドレイが簡潔に切り出す。
「とある町で、従魔が確認されたのでこれを討伐してほしい、こちらの世界に現れてからそうとう日がたっているらしく霊力もかなりため込んでいるようだ。いつ、愚神となったり、次のランクに成長するか分からん」
 その資料を受け取ったリンカーたちは目を疑う。そこには従魔を育てる子供たちの写真があったからだ。
「トロイの木馬だろう」
 そうアンドレイは告げる。つまりは一度人間社会に従魔を潜り込ませ深い関係にさせ、依り内部から深刻な被害を与えようとしているのだろうということは簡単に想像ができた。
 善性愚神の件もまたそれである。今回は善性愚神の一件の二の舞にならないような蒼穹の対処が必要だ。
「従魔や愚神が人間に敵対的なのは昨今の事件で解っていること。速やかな駆除が望ましい。抵抗する者が現れた場合は武力行使も問題ない。けがをしないように大人しくさせてや」
 告げるとアンドレイは窓の外を見つめる。
「子供たちの夢は壊したくない。しかし死人が出てからでは遅い。最悪町の森を焼き払ってでも見つけろとのお達しだ」
 そしてアンドレイは溜息をつく。

● ぽいぽいのスペック。
なまえ   ぽいぽい
ねんれい  3さい?
とくぎ   おそらをとぶこと
すきなもの わたしたち

 森の中でみつけた大きなドラゴン。ぽいぽいと私たちはなかよし。
 このまえ空をとんでうみまでつれてってもらった。とっても早かった。
 あと、風をおこしたり。雨をふらしたりして、火事をけしたよ、すごいね。
 怖い人が一回きたときにぽいぽいがおこったけど。その時はすごい熱い火の玉をはいていたよ。
 これで寒い日も安心だね。


● 少女たちの主張
 ポイポイを倒そうとすると五名の人間がひたすらに妨害してきます。
 それぞれがそれぞれの思惑を持つようです。
 そのため身辺調査をし。思惑に繋がりそうな情報を入手してきました。

『湯金 アイリ』17才
 温泉宿の一人娘。この町で生まれこの町で死んでいくことが運命づけられていると悲観している。
 成績は中の下。田舎町にふさわしくないギャル風味。高速で髪を染めることを禁止されているので、茶色のカラーワックスで刺し色として茶色を髪の毛に入れている。
 彼女はぽいぽいに乗って世界一周旅行をするのが夢らしい。
 この話をするときは夢見る乙女の顔になって生きたい街を列挙するとか。
 京都、大阪、名古屋、アメリカ・ワシントン。ロンドン、イスタンブール、ウクライナ、インド、ヴェネツィア、イングランド、モスクワ。アヴァロン。
 運動能力は低く、実際妨害するとなるとリンカーを罵倒する程度。ボーっとしていると組みつかれる可能性もあるが。リンカーなら振りほどけるだろう。
「このアホーー!」
 ちなみに能力者敵性がある。

『篠田 要』 13才 男
『藤間 岬』 13才 女
『芦屋 五郎』13才 男
 
 近所の悪がき三人組、ドラゴン防衛部隊を名乗っている。
 彼らは純粋にぽいぽいが好きで倒されると泣く。
 悪がきに恥じぬフットワークで皆さんに泥棒、食い逃げ、覗きのレッテルを張って警察官をけしかけたり。遠距離から巨大パチンコで狙撃して妨害したり、岬に至ってはちょっと危ない中二病を発揮しているので。
 ポイポイを殺したら自殺する。と脅す。
 これにはさすがに他の2人も止めに入る。

『支倉 勉』 18才
 この町の人間ではない。詳細不明の男。だったがH.O.P.E.の情報網にデータがあった。
 彼はヴィランである。
 もともとアイリに対してぽいぽいを売るように求め。接触してきた。
 今回の事件をきっかけにこの従魔を売り飛ばそうとしているらしい。
 一応リンカーであるが、能力者レベル15前後である。英雄のレベルも一ケタ。
 遠距離火力型ドレッドノートで、命中適性らしい。


 

解説


目標 飛竜型従魔ポイポイの撃破。

 今回対象となる、飛龍型従魔ですが。所詮従魔なので、倒そうと思えばリンカー三人程度で十分でしょう。
 ただ、このまま少女たちの想いを無視して倒してしまっていいのでしょうか。
 まぁ、H.O.P.E.的には良いのですが、少女たちは何の説得も無しにポイポイと倒すと皆さんを怨むでしょう。
 彼女達もそれぞれ問題を抱えているようなので、もしよかったら対処してあげてください。
 また従魔については、確実に撃破することをが必要です。現在愚神に対して騙されていた。裏をかかれていた、裏切られたという話題は世界的にデリケートですし、慎重な対応が求められます。
 皆さんも分かったはずです。愚神と人間は相いれないのだと。

マスターより

今回は従魔を庇う少年少女たちも交えた、従魔討伐がメインです。
個人的にこのシナリオを描いていて、とある有名なアニメの
らんらんらららんらんらんらんらんらららん。を思い出しました。
まぁ、無関係なんですが。
それではよろしくお願いします。

参加受付中 プレイング締切日時 2018/06/10 19:00


参加にはSC1,000が必要です。

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