本部
セラエノからの手紙
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 9人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/06/09 15:00
- 完成予定
- 2018/06/21 15:00
このシナリオは3日間納期が延長されています。
掲示板
-
【相談卓】
最終発言2018/06/08 22:35:18 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/06/21 05:45:38
オープニング
●思いもよらぬ情報提供
「……はぁ」
大英図書館、H.O.P.E.ロンドン支部。
眉間にしわを寄せ、重苦しいため息を吐き出したキュリス・F・アルトリルゼイン(az0056)は瞑目し、己の思考に没入する。
(寝耳に水とは、まさに今の私たちのことを言うのでしょうね……)
キュリスが座す机の上には数枚の便せんと、封蝋が砕かれ開封された封筒が1枚。
数日前、様々な検査機器にかけられた上で届けられた手紙は、肉体的な危険こそなかったものの精神的に多大なダメージをもたらした。それは内容を精査するため関係各所へ連絡と確認を行って一層、重い心労となってキュリスを苛んでいる。
手紙の送り主は『セラエノ』のリーダー、『リヴィア・ナイ』。
内容は、先日本部のプリセンサーが予知したエジプトのカイロとスエズ運河で発生したテロが、実はどちらも『マガツヒ』が関与していたとする内容だった。
(愚神への対抗作戦に集中すべきこの時期に、まさかこのような連絡をしてくるとは……)
キュリスは頭の中で並べた手紙の詳細な記述にリヴィア特有の筆跡を重ね、無意識に左肩へ手を添える。
ただでさえ『CGW作戦』で手が足りない状況で、本部も被害規模を過小評価していたテロへの言及。調査段階のためマガツヒとの関連も不明だったが、わざわざH.O.P.E.にも不穏な動きを知らせた狙いは何か?
(彼女の意図は測りかねますが、悠長に構えている時間はないでしょう。マガツヒに対する情報収集においてセラエノに劣っている私たちに、危険を冒してまで接触を図るだけの理由があるはずですから)
わずかに表情をゆがませつつ、キュリスは今以上に後手へ回ることだけは避けねばならないと直感する。
すでにプリセンサーの部署にマガツヒ対策の強化を指示しているが、おそらくそれだけでは足りない。
何より、この手紙の内容だけがリヴィア(セラエノ)の持つ情報のすべてとは限らなかった。
「……こちらも、相応のリスクを負う必要がありそうですね」
しばらく思索にふけったキュリスは閉じた目を開いた代わりに唇を引き結び、ペンを取った。
●コロッセオの極秘会談
数日後、イタリアはローマに残る円形闘技場・コロッセオにて。
「お久しぶりです――リヴィア殿」
「……ええ、そうね」
薄く微笑んで出迎えたキュリスと、気だるげな表情を浮かべるリヴィア。
遺跡の中央部分にいる2人は、H.O.P.E.とセラエノによる極秘会談の代表として相対している。ただし周囲も含めれば2人きりではなく、H.O.P.E.もセラエノもそれぞれ護衛と警備をかねた精鋭部隊を展開していた。
会談場所にコロッセオを選んだのはロンドン支部。第三者の目を極力排除できる構造的な利便性の他に、純粋に話し合いを望んでいるというセラエノへの意思表示になると判断されたためだ。
敵対する組織である以上、どちらも武力衝突が悪手となる状況でもない限り、相手への疑心暗鬼からまともな話し合いなどできるはずもない。その点コロッセオなら社会的な正義であるH.O.P.E.はもちろん、セラエノにとっても研究対象として重要な施設では無茶ができないはずで、会談場所の条件として申し分ない。
実際、キュリスの指定した時間と場所に現れたリヴィアに、攻撃の意思は感じられなかった。
「そういえば、ペンタを覚えていますか? 昔あなたとよく散歩に出かけた、ウェルシュコーギーペンブロークです。今、私は彼の曾孫にあたる雄の仔犬と暮らしているんですよ。ヘキサ、といいます」
「――キュリス。私は世間話をするためにここへきたわけじゃないわ」
幼少期を共有した相手との再会に目を細めたキュリスの追憶に、リヴィアはいっさい取り合わない。会話の糸口として無難な話題を選んだつもりだったキュリスだが、むしろ本筋と関係ない話を持ち出したことでリヴィアから不機嫌そうな視線を向けられた。
「わかりました……まず、マガツヒがヨーロッパの都市部を標的にテロを画策しているのは確かですか?」
「ええ、間違いないわ。目的はまだわからないけれど、あの男が理由なく組織を動かすとは考えづらいわね」
小さく嘆息したキュリスが本題を切り出すと、リヴィアは事務的で淡々とした口調で頷く。
なお、リヴィアが触れた『あの男』とはマガツヒの首領『比良坂清十郎』のこと。
あまり公に知られていないが、清十郎は過去にリヴィアの父であるナイ博士の探索隊に医師として同行した過去があり、あの世界蝕にも居合わせていた。ナイ博士と一緒に当時南極にいたリヴィアと同じく3名しかいない生存者の1人であり、キュリスにとっても父親がナイ博士の友人だったため因縁が強い人物だ。
「たとえ彼に深い思惑がなかったとしても、我々は人々を危険にさらすテロを許すつもりはありません」
「それは私も同じよ。遺跡の価値を知らず、わかろうともしない連中に勝手をさせるつもりはないわ」
今後もテロが発生するだろう場所は、キュリスとリヴィアにとっても主な活動領域――いわば縄張りだ。優先して守るべきものは違えど、マガツヒの横暴を見過ごせないという意見は一致している。
「かといって、私たちが敵対関係であることもまた事実。簡単に互いの手を取れるはずもありません」
「道理ね。こちらもあなたたちと馴れ合うつもりはないけど、必要以上に潰し合うつもりもないもの」
一拍の間を置いて、キュリスとリヴィアの視線が交差する。
「――ひとまず、利害は一致しているようね。後は、落としどころでも探しましょうか?」
「異論はありません。では、具体的な条件についてですが……?」
お互いの距離が縮まらないまま、リヴィアの提案に頷いたキュリスの言葉は背後から響いた靴音で途切れ、2人の視線が同じ方向へ交わった――。
解説
●目標
キュリスの護衛
●登場
・キュリス・F・アルトリルゼイン
H.O.P.E.ロンドン支部長であり大英図書館館長
先日発生したテロの情報提供をリヴィアから受け、密かに会談をセッティングした
その際、PCにのみ経緯を伝えて自身の護衛を依頼し、会談が目視できる範囲に配備させている
・リヴィア・ナイ
セラエノのリーダー
先日発生したテロをマガツヒと断定し、キュリスへ手紙を送りつけた
その後、キュリスから極秘会談の申し出を受け、セラエノ精鋭部隊を護衛に引き連れ現れた
●状況
場所はイタリアの首都・ローマのコロッセオ
対外的には愚神出現の予知を理由に、コロッセオの周辺は一般の立ち入りを禁止している
キュリスとリヴィアが接触したのは14:00ごろ
PCはキュリスの護衛として、セラエノはリヴィアの護衛としてコロッセオ内部に展開
直接的な戦闘が始まる気配はまだないが、互いににらみ合う状況が続いている
※以下、PL情報
話し合いの途中、リヴィアが護衛PCへ意見を求める場面がある
内容は主に以下の2点
・H.O.P.E.とセラエノの共闘についてどう思うか?
・マガツヒについてどう思っているか?
どちらか一方、もしくは両方の質問に対する意見をプレに記載すること
マスターより
OP内で言及があったテロとは以下のシナリオのことを指します。
・エジプトのカイロ=『アブ・ル・ハウルの暗翳(依MS)』
・スエズ運河=『Rettung(紅玉MS)』
本シナリオで深く取り上げることはありませんが、気になった方はリプレイを確認してみてください。
というわけで、キュリスさんとリヴィアさんの極秘会談を穏便に終わらせるための護衛シナリオです。
今のところセラエノと対決する雰囲気はなさそうですが、最後まで気を抜かずに任務を全うしましょう。
お家(ロンドン支部)に帰るまでが護衛です!
なお、今回はリヴィアさんに直接意見できる機会でもあるので、主張がある方は思う存分ぶつけましょう!
リプレイ公開中 納品日時 2018/06/21 18:54
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【相談卓】
最終発言2018/06/08 22:35:18 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/06/21 05:45:38