本部
【白刃】天使の歔欷
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 6~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/10/21 19:00
- 完成予定
- 2015/10/30 19:00
掲示板
-
【相談】ペガサスと天使討伐隊
最終発言2015/10/21 13:49:47 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/10/20 20:30:38
オープニング
●H.O.P.E.
「……老害共が、好き放題に言ってくれる」
H.O.P.E.会長ジャスティン・バートレットが会議室から出た瞬間、幻想蝶より現れた彼の英雄アマデウス・ヴィシャスが忌々しげに言い放った。
「こらこらアマデウス、あまり人を悪く言うものではないよ」
老紳士は苦笑を浮かべて相棒を諌める。「高官のお怒りも尤もだ」と。
愚神『アンゼルム』、通称『白銀の騎士(シルバーナイト)』。
H.O.P.E.指定要注意愚神の一人。
広大なドロップゾーンを支配しており、既に数万人単位の被害を出している。
H.O.P.E.は過去三度に渡る討伐作戦を行ったが、いずれも失敗──
つい先ほど、その件について政府高官達から「ありがたいお言葉」を頂いたところだ。
「過度な出撃はいたずらに不安を煽る故と戦力を小出しにさせられてこそいたものの、我々が成果を出せなかったのは事実だからね」
廊下を歩きながらH.O.P.E.会長は言う。「けれど」と続けた。英雄が見やるその横顔は、眼差しは、凛と前を見据えていて。
「ようやく委任を貰えた。本格的に動ける。──直ちにエージェント召集を」
傍らの部下に指示を出し、それから、ジャスティンは小さく息を吐いた。窓から見やる、空。
「……既に手遅れでなければいいんだけどね」
その呟きは、増してゆく慌しさに掻き消される。
●ドロップゾーン深部
アンゼルムは退屈していた。
この山を制圧して数か月──周辺のライヴス吸収は一通り終わり、次なる土地に動く時期がやって来たのだが、どうも興が乗らない。
かつての世界では、ほんの数ヶ月もあれば全域を支配できたものだが、この世界では──正確には時期を同じくして複数の世界でも──イレギュラーが現れた。能力者だ。
ようやっと本格的な戦いができる。そんな期待も束の間、奴らときたら勝機があるとは思えない戦力を小出しにしてくるのみで。弱者をいたぶるのも飽き飽きだ。
「つまらない」
「ならば一つ、提案して差し上げましょう」
それは、突如としてアンゼルムの前に現れた。異形の男。アンゼルムは眉根を寄せる。
「愚神商人か。そのいけ好かない名前は控えたらどうなんだ?」
アンゼルムは『それ』の存在を知っていた。とは言え、その名前と、それが愚神であることしか知らないのであるが。
「商売とは心のやり取り。尊い行為なのですよ、アンゼルムさん」
「……どうでもいい。それよりも『提案』だ」
わざわざこんな所にまで来て何の用か、美貌の騎士の眼差しは問う。
「手っ取り早い、それでいて素敵な方法ですよ。貴方が望むモノも、あるいは得られるかもしれません」
愚神商人の表情は読めない。立てられた人差し指。その名の通り、まるでセールストークの如く並べられる言葉。
「へぇ」
それを聞き終えたアンゼルムは、その口元を醜く歪める。
流石は商人を名乗るだけある。彼の『提案』は、アンゼルムには実に魅力的に思えた──。
●従魔討伐
生駒山のふもとに観光向けの小さな遊園地があった。隣に建つ大きな観光ホテルのために建てられたもので、ホテルに飽きた子供たちの気を紛らわすための小さなメリーゴーランド、ゴーカートに展望台、上下運動をしながらくるくる回るであろうパステルカラーの太ったペガサスの乗り物、そして、夏場には水遊びができる小川があった。しかし、今、遊園地には人影は無い。季節はずれの小川も水が流れておらず、秋の冷たい風に枯れかけた背の高い雑草を揺らしていた。
「……それで、ヴィランはどこだ?」
停まったペガサスの尻を蹴ってミュシャ・ラインハルト(az0004)はコンクリートで固められた小川の上に降り立った。高く縛った茶色の髪が大きく揺れる。
「今回の相手は従魔だよ。ヴィランじゃない。しかも、H.O.P.E.からの仲間がもうすぐ来るはずだから独断専行は良くないな」
その後ろから、マントを羽織った青年──エルナー・ノヴァ(az0004hero001)が背中のバックパックを背負いなおしながら、少し困った笑みを浮かべて歩いて来た。
「誰が来るんだ?」
「H.O.P.E.の仲間だよ。僕たちの役目はここに出没する従魔の討伐だ。ここでは複数の従魔が確認されている」
曇天の下、枯れた小川を眺めながらミュシャは呟いた。
「……つまらない」
そのピンと張った背中を、その背に負うものを、彼女の英雄は黙って少し細めた緑の瞳で見つめた。しかし、復讐に囚われた彼女はそんな彼の眼差しになど気付かないのだった。
「きゃあ」
その声は子供たちの歓声によく似ていた。
「きゃあ、きゃあ」
複数の子供がはしゃぐ声だ。けれども、それはこんなに平坦なものだっただろうか。ばたばたと何かが落ちてきた。
「──前言撤回だ。これは随分……」
彼女の言葉に、同じく眉をひそめて険しい表情を浮かべたエルナーの指先が幻想蝶に伸びる。ミュシャの声が一段と低くなり殺気が膨らむ。
「胸糞悪いゴミクズどもめ」
ムクドリのような群れが雨だれのように空から降り注ぐ。羽音と共にきゃあと泣いて。それは小さな天使の姿をしていた。空には天使を吐く一体の大きな醜悪に太ったペガサスの姿。恐らくデクリオ級従魔。従魔は、およそ一人分のライヴスを食い尽くすとレベル1以上に認定される。
誰も居ない遊園地。外れたペガサスを支えていた支柱が風に揺られてキイと鳴った。
解説
先行したミュシャたちを助け、従魔を殲滅してください。この辺りは先のアンゼルムとの戦いでずっと人が居ないのですが、従魔たちを放っておけばライヴスを得るために市街地に進攻していくでしょう。どちらも通常攻撃が効きますが、空を飛んでいるので落下する天使型に気をつけながら遊具に登るなどして攻撃をしてください。ミュシャは協調性が低い性格ですが、戦闘には慣れているので皆さんの作戦に大体従った(沿った)行動を取ります。
ステージ:外回り螺旋階段付の6m塔型展望台を中心にした小さな遊園地。
南に3mの入場門(電源有、鍵は預かっている)、門と塔の間に水遊び場(水はない)
西に生駒山を背にした八台の1コインゴーカート乗り場
東に高さ5m24名乗りのメリーゴーランド
北にペガサスの乗り物(一台分外れている)、柱を中心にのろのろと地上から上下4m~2mに回りながら動く。
デクリオ級従魔:一体。空洞の両目を持つ歪なペガサスの姿をしている。口から内包する天使型従魔を吐く。空を飛び蹄で攻撃を仕掛けてくるが、遊具の名残か攻撃はパターン化している。上空で天使型を吐き、下降して攻撃後上昇、の繰り返し。高さは様々。基本的には塔の周りを回るように動くが、状況によってコースは変わる。
ミーレス級天使型従魔:15cm、15体ほどの白目の天使の姿をした従魔。硬く、ペガサス型の口から吐き出され突撃した後、またペガサスの目から口に戻り、また吐き出される。
マスターより
今回、ミュシャとエルナーを担当させて頂きました。
PCの皆様を魅力的に見せるキャラクターになるよう、またミュシャたち自身も魅力が持てるよう、頑張ります。
よろしくお願いいたします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2015/10/29 17:14
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【相談】ペガサスと天使討伐隊
最終発言2015/10/21 13:49:47 -
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