本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/03/16 19:00
- 完成予定
- 2018/03/30 19:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
相談卓
最終発言2018/03/16 13:19:03 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/03/12 00:51:19
オープニング
●善性愚神の生みの親
アルターリソース・エンタープライズ本社。巨大プラントがキロ平米単位で広がり、その中心には天を衝くかのようにビルが数棟立っている。その威容は、まるで城塞だ。
そのビルの、屋上にほど近い一室にヘイシズは居を構えていた。朝には雑誌から古書までさまざまな文献を読み漁り、昼には社内会議や渉外活動に参加し、夜には屋上に立って夜景を見下ろし黙想する。それが彼の生活サイクルであったが、それ以外にも彼は好んでやる事があった。
「……また作っているのですか?」
ヘイシズにあてがわれた秘書は、呆れたように呟く。デスクの上にずらりと並ぶ砂時計。シンプルなモノから、夜光塗料の塗られた砂が入っていたり、銀製のフレームを宛がわれたもの、フレームも砂も全て金色に輝く砂時計まである。秘書の言葉はどこ吹く風、ヘイシズは巨躯に似合わぬ器用な手つきで硝子容器に砂を流し込んでいる。
「砂時計は人間の英知の結晶だ。そうは思わないか」
「はあ」
秘書は首を傾げる。ヘイシズは容器を掲げると、差し込む太陽の光を砂に浴びせた。砂の一粒一粒が、星のように瞬いている。
「上から下へと砂が落ちる。こんな単純な動作で、砂時計は時を可視化しているのだ」
ヘイシズは語り始めた。秘書は書類を抱えたまま立ちっぱなしだ。
「時を可視化する必要があるのは、人類が過去と未来、そして現在を具体的に思考しようとするからだ。過去に何があったのか、未来には何が待っているのか。それゆえ今はどのような状況に置かれているのか。それを思考するためには、時がここに無ければならない」
手元を机へと戻すと、ヘイシズはフレームを組み立て始めた。慣れた手捌きである。
「要するに、全ての形而上的思考の原点はここに在ると言っても過言ではないのだ。この世界は“ある”のではなく、“あり続けている”。それを人類が理解した時に神が生まれ、科学もまた生まれたのだよ」
「はぁ……」
秘書は首を振る。哲学なんぞはどうでもよく、さっさと本題に入ってほしかった。
「それで、どういった要件です?」
話の腰を折られたヘイシズは仏頂面になってしまった。眉間に軽く皺を寄せつつ、彼は秘書に命じる。
「そろそろ学びを再開したいのだよ。H.O.P.E.に手配をしてほしい」
出来上がった砂時計をデスクに置いた。ジルコンサンドが、さらさらと下へ落ちていく。
●そうだ京都行こう
かくて、ヘイシズは東京海上支部へと現れた。雪娘やいめ達による交流用――あるいは軟禁用の――スペースが用意されて動揺が走る中、“善性愚神”の首魁が顔を出したとあって更に混乱が深まった。京都旅行のガイドをしてくれと直々に依頼を下してきたのだから、もうわけがわからない。本部は一人のエージェントに場を繋ぐよう頼み、愚神の「そうだ京都行こう」に付き合う酔狂なメンバーを捜し始めたのだった。
「君が私のガイドを務めてくれるのか」
応接間に通されたヘイシズは、向かい合って座る童顔の女性――澪河 青藍(az0063)の表情を窺った。ネクタイの結び目を締め直しながら、彼女は鋭い眼でヘイシズを見据える。
「違いますよ。……私はここでの応対までが役割です。もうすぐ皆さん来ますから、どうぞその方達と旅巡りはなさってください」
「普通は本部側の人間がそういう立場に当たるのではないかな」
ヘイシズが顎に手を当てながらもっともらしい事を言う。青藍はむっとした顔で応えた。
「あなたのせいでみんながてんてこ舞いなんですよ。……そもそも、何でスーツなんだお前」
スーツを着込んだヘイシズを眺めてぼそりと付け足す。しかし、ヘイシズの猫耳はそれを聞き逃さなかった。
「元々このような顔だから皆の気を引くのは予想の付く事だ。せめて身なりでも君達の常識に合わせておこうと考えたのだが、何か問題でもあったかな」
「そうですか。せめて愚神だとバレんように気を付けてくださいよ」
獅子顔のせいで思考が掴みづらい。青藍は軽く身を揺すり、苛立ちを軽く露わにしながらさらに尋ねた。
「で、何でわざわざ京都なんです」
よく聞いた。とばかりにヘイシズは青藍へと身を乗り出した。
「歴史に名を刻み、歴史をよく伝えている都市の一つだからだ。私は君達の世界のルーツに興味があるのだよ」
「ルーツ……?」
「そうだ。他者を尊び敬うに欠かせぬのは、他者の歩んできた道を理解しようとすることだ。人間ならば、その者の歩んだ人生を理解する。国ならば、国の歴史を理解する」
ヘイシズの言葉に熱がこもる。雄弁に語るその姿は、衆目を前にした為政者のようだ。
「人類ならば、世界の歴史を理解しなければならない。学ばなければならぬことは数多だ」
「……じゃあ、貴方を尊敬するには何を学べばよいのです?」
青藍は嫌味ったらしく尋ねる。ヘイシズは目を丸くすると、肩を竦めてソファへともたれ掛かった。
「そこが困りどころなのだ。私達の歩んできた道を説明しようにも、裏付ける史料が存在しないのでね。何を言っても君達は私達を信じようとはしないだろう」
やがて、君達がやってくる。青藍は君達の方に振り返ると、疲れた顔で席を立った。
「じゃあ、後はよろしくお願いします」
解説
解説
目標 ヘイシズに京都観光させる
NPC
ヘイシズ
黒獅子の頭を持つ愚神。“善性愚神”という言葉を編み出し、彼らを率いる首魁。厳格な雰囲気を湛える一方で、どこか人を食ったような態度も覗かせる。人類の歴史や文化に対して強い興味がある様子。また、その実力は未知数。
開始地点
・京都のどこか(プレイングに応じて決めます)
日程
・一日~二日(プレイングに応じますがこれ以上長くはなりません)
TIPS
・行く場所を増やし過ぎると描写しきれません。相談などで三、四程度に絞る事を推奨します。
・修学旅行で行くような寺社仏閣やら見せてあげると喜ぶ。
・食事処に連れていくのもあり。ちなみに、別に肉しか食べないわけではない。
・基本は京都市内でお願いします。天橋立とか見に行ってもいいですけども。
・ヘイシズを見た人々は彼を「英雄」だと考える事でしょう。
・旅費はヘイシズが持ってくれます。
マスターより
MSから
影絵企我です。
そうだ京都行こう。
この際だし色々聞いてみてもいいでしょう。ではよろしくお願いします。
わからない事は質問してください。
リプレイ公開中 納品日時 2018/03/21 20:27
参加者
掲示板
-
相談卓
最終発言2018/03/16 13:19:03 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/03/12 00:51:19