本部
【記憶の本】銀の鍵と白い子供
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 5人 / 4~8人
- 英雄
- 5人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/01/21 12:00
- 完成予定
- 2018/01/30 12:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2018/01/20 20:07:07 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/01/21 11:16:21
オープニング
●
「ぜったい怒られちゃう……」
やだなあと溜息を吐いたのは年の頃十歳かそこらの子供だった。
くりくりと大きな瞳にも、いかにも柔らかそうな肌や髪にも色素がなく、細い手足も相まって愛らしくも儚げな容姿から性別を判断するのは難しい。
「バレない内になんとかしなくちゃ……」
子供は鞄の中から鍵束を取り出し、銀色の鍵の数を数えて肩を落とす。その数十二個。
「あーもうやだやだやだ! 誰か手伝ってくれないかなあ」
などと宙に向かって言っても無意味な事は自分がよくわかっている。
子供は鍵を一つ選んで鍵穴に差し込む。
くるりと回して開いた先はどこかの倉庫らしき白い床天井に壁一面に並ぶ引き出しと言った作りの部屋だった。
中には先客が一人。にやにや笑いながら引き出しの中身を漁っている中年の男だ。
「もう! 教えた以上の事に使っちゃダメだよって言ったのに!」
突然の闖入者が誰か悟った男が何か言う前に、子供は何処からともなく現れた長柄の武器を突き刺す。
形そのものは農業用のフォークに似ている。鳥の脚のようなデザインで動物の頭が付いている。
しかも動物の頭が口を開き、傷口を更に食い破って男の体の中を食い荒らし始めたではないか。
「あが……っぎ、ぁ……お、おゆ、るし……」
「許さないよ。僕はきちんとご褒美をあげるしお礼もするけど、僕との約束を破る奴は大嫌い」
男が血泡を吹いて倒れると、子供は男を貪られるに任せ、床に落ちた本を開く。
「いらない記憶ばっかり。こんなの送ったら怒られちゃうよ」
子供は鍵を本の背表紙に当てる。
するとそこに鍵穴が現れて、鍵を差し入れて回すと本の中からバラバラと文字のような物がこぼれ始めた。それは床に触れる前に跡形もなく消えて行く。
本から落ちる物がなくなると、本に差し込んだ鍵も跡形もなく消え去る。
「まだ十一個もあるんだよね……はぁ……がんばろう……」
子供は武器を引き抜くと、無残な男の遺体には目もくれず鍵を扉に当てる。
その扉に鍵穴などなかったはずだが、鍵は鍵穴に差し込まれる。
回して開けば高級品に溢れた屋敷の部屋と、若い男が子供の前に現れた。
●
「以上が予知の内容です。またこの予知に出て来た男性と思しき人物の情報も発見しています」
職員が端末を操作して、謎の窃盗事件の記事とその窃盗事件の犯人が判明したと言う記事、そして警察が捜査のために公開した顔写真を表示する。
「男性は現在行方不明ですが、予知を見る限り数日後に倉庫に現れるでしょう」
そして謎の子供―――おそらく愚神であろう―――もそこに現れる。
子供の事も気になるが、最初は男が、次に子供が手にした『本』と『鍵』が引っ掛かる。
「別の任務の報告書を呼んだのですが、そこでも『本』と『鍵』が重要な物として扱われています」
それは人の記憶を奪う『本』と、その本が納められた『図書館』に繋がる鍵を巡る事件。
記憶を奪った『本』はリンカー達が持ち帰り、現在も解析が続いていると言う。
「予知に出た『本』が同じ物であるとしたら、子供が持っていた『銀の鍵』は本に奪われた記憶を取り戻す、まさに『鍵』となるかもしれません」
もしその通りであれば、今現在も奪われたまま戻っていない『本』の中の記憶を持ち主に返す事ができる。
しかしその前に大きな問題があった。
「この子供の持つ鍵を手に入れなければなりませんが、愚神と思われる相手の持ち物を手に入れる訳です。戦闘になる可能性は高いでしょう」
そうなのだ。予知の中で鍵の使い方は見る事ができたが、鍵は子供の持ち物だ。
記憶を奪う『本』とこの子供に関りがあるとしたら、鍵を譲ってくれと言って「はいどうぞ」となる訳がない。
「接触できるチャンスは二つ。最初は倉庫、これはとある町の銀行の金庫であると判明していますが、そこに予め潜んでおいて接触する。次は子供が男性を殺した後に訪れたと思われる屋敷。これもどこの屋敷か判明しています。そこで待ち受けるのです」
ちなみに場所は判明しているが入る許可はこれから取ると言う。
「銀行の方は事情を話せば協力して頂けると思いますが、次の屋敷の方が個人宅でありますし、殺された男性が窃盗を働いていたのを考えるとこちらも叩けば埃が出る身かもしれません」
許可が取れる可能性は低い。屋敷に行くなら強硬手段が必要になるかも知れない。
「それと、これは少々賭けと言うか突飛な方法ではありますが……」
職員が躊躇いがちに口にしたのは『子供に交渉を持ち掛ける』事であった。
「どうもこの子供は人に『本』を渡し、何かを……予知で言っていた内容から考えるに『記憶』の収拾を手伝わせているようです」
しかし『約束を破った』事に気付いた子供が『本』を回収しに現れ、制裁として命を奪った。
予知の言葉から推測するに、この子供は『約束』に従って行動している節がある。
何らかの交渉材料を提示する事ができれば、その『褒美やお礼』として『鍵』を貰えるのではないかと。
解説
今回のシナリオは行動によっては戦闘が発生しない場合がありますが、戦闘の有無で報酬は変わりません
●目的
・男性二人のどちらかの生存
・子供から『銀の鍵』を入手する。もしくは鍵か本か子供の詳しい情報を得る(PL情報)
●状況
・倉庫(金庫):
入るタイミングは自由だが遅くとも男性が殺された直後に突入しなければ子供は次のターゲットの所に行ってしまうので接触できない(シナリオ失敗)
予め潜む場合金庫内に人が入れる大きさのコンテナを設置してもらえる
金庫内の品物は全て移動済
広さは縦横3スクエア、高さ2スクエアで戦闘するには手狭
・屋敷:
屋敷で子供を待ち受ける場合は不法侵入になる
男性は予知の通り二階の寝室でのんびり酒を飲んでいる
どの部屋も広さは戦闘に支障ない程度
●敵
『謎の子供』×1
愚神である可能性が高いが能力は不明
・「不気味な武器」:
鳥の脚のようなデザインで人体を食い荒らす動物の頭が二つ付いている。それ以外の性能は不明
●PL情報
オープニングに記載されている物以外PCは知らないものとして扱って下さい
・『本』
記された人物の記憶を『本』に閉じ込め奪う事が出来る
・銀の鍵
『本』と二つ一組になっている
扉に使うと『鍵』と対になった『本』がある場所に繋がり、『本』に使えば本に記載された内容(記憶)を破棄する事が可能
破棄された内容(記憶)はその持ち主の元に自動的に戻る
『本』の中の『記憶』を破棄するだけなら本と対になった鍵でなくてもいい
・謎の子供
実の所本と一緒に対象者がいたのでついでに制裁しただけで、本が手に入るなら制裁はどうでもいい模様
戦闘になった場合ある程度ダメージを受けると第三者が介入し逃走する
鍵や情報を入手するなら逃走そのものを発生しないようにするか、逃走前に済ませなければならない
マスターより
あけましておめでとうございます。茶茸です。
雪が積もってます。毎年の事とは言え雪かきが億劫です。
今回のシナリオはガチで戦闘してもよし、戦闘を避けるために頭をひねってもよし、目的さえ果たせば後は割と自由なシナリオです。
別シナリオ「忘れたい? 忘れていい?」や「隠された歴史(シリアスな意味ではない)」に関係はありますが、知らなくてもあまり問題はないので気軽に参加して下さい。
リプレイ公開中 納品日時 2018/02/06 17:02
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相談卓
最終発言2018/01/20 20:07:07 -
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最終発言2018/01/21 11:16:21