本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/12/25 12:00
- 完成予定
- 2018/01/08 12:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/12/23 07:42:13 -
ウォルター先生に質問
最終発言2017/12/24 21:34:49 -
トール対策室
最終発言2017/12/23 15:43:20
オープニング
●マーシナリー
「お前か。我々の所領を荒らしている無所属のリンカーというのは!」
迷彩服の上から真紅の外套を纏った一人の男に対峙し、白装束の男女三人はめいめいの武器を向けた。フランベルジュを肩に担ぐと、男――ダスティンはニヤリと笑う。
「まあな。勘弁してくれや。リンカーになっちまったからって、契約切られて仕事がねえんだ。黙って飯なりなんなり置いてってくれりゃ悪いようにはしねえよ」
「ふざけるな。自分の立場が分かっているのか!」
先頭に立つ男が目を剥いて吼える。南アメリカ随一の勢力を誇るラグナロクの所属員達が、揃って一人のリンカーに弄ばれているとあっては話にならない。ダスティンはへらへら嗤うと、三人に向かって手招きする。
「何だよ。達者なのは口だけか?」
「くっ……」
槍を構えた男がダスティンに突っ込もうとする。刹那、視界の奥で何かが閃き、男は手で顔を庇う。
「だっせえなぁ! ただの豆鉄砲だぜ、それ!」
ダスティンは一気に間合いを縮めると、男に向かって渾身のコンビネーションを見舞う。身を庇う暇もなく全身をズタズタに切り裂かれた男は、声もなくその場に崩れ落ちる。
「はい、一人。どうする? まだやるか?」
フランベルジュが燃え上がり、刃についた血を焦がしていく。ダスティンは目を爛々と輝かせ、剣を霞に構えて女を見据える。
「くそっ! 私達を舐めるな、野良犬が!」
大剣を頭上で振り回すと、女は刃を脇に構えてダスティンへと間合いを詰めていく。
「俺が野良犬か。なら、お前達は只の飼い犬だなぁ!」
ダスティンが叫んだ瞬間、地面からピアノ線が持ち上がり、駆ける女の脚を捉えて転ばせた。体勢を整える間もなく、ダスティンの繰り出した刃が女の眼を抉る。絹を裂く悲鳴が一帯に響き、彼女は叫びながら地面を転げ回った。その隙にトールは刃を振り上げ、もう一方の眼も潰す。
「キャンキャン泣くなよ。眼ぐらい機械に替えりゃいいだろ。……なぁ? そう思うだろ」
あっという間に仲間が無残な姿を晒し、残された青年は縮み上がった。銃を構えるが、震えに震えて狙いが定まらない。ダスティンは剣を真っ直ぐに構えると、一気に間合いを詰めた。
「うわああああっ!」
青年はめくらめっぽう引き金を引く。乱れ飛ぶ銃弾をライヴス纏わせた剣で弾き落とし、ダスティンは袈裟懸けに青年を切りつけた。波打つ刃は青年の肩をずたずたに引き裂く。青年は天を仰ぎ、喉を絞って悲鳴を上げた。ダスティンは青年の喉を捉えて宙に突き上げると、にやにや嗤ってその顔を覗き込む。
「せーぎのみかたさまよぉ、所詮はそんなもんか。てめーらの意志ってのは、全身ぶっさかれて、目ん玉繰り抜かれて、挙句肩をちょっとやられたくらいで萎えるもんか? つまんねー奴らだな、マジで!」
「やめて……どうか、どうかお願いします」
「……だせえなあ。マジだせえ」
ダスティンは喉を絞め、青年を一気に落とした。共鳴が解け、英雄もまたその場に崩れ落ちる。剣を高く掲げると、その刃に炎のライヴスを纏わせる。
「とっととくたばれ」
刃は英雄の心臓を貫き、消滅させた。
時同じくして茂みが鳴り、奥から四人の迷彩を着た男女が現れる。帽子を目深に被った背高な女、筋骨逞しい双子の男、狙撃銃を持て余した、女とも見間違いそうなほど華奢な少年。ダスティンは英雄を失い意識も失くした男の鞄を探ると、中から缶詰めを取り出す。
「よくやったなお前ら。今日はまともな飯が食えるぜ」
「……先に隊長が食べてくださいよ。最近何も食べていないのでは?」
双子の片方がダスティンに尋ねる。ダスティンは肩を竦めると、共鳴を解いた。隣には深紅のローブを纏った赤髪の女が立つ。
「いいんだよ。俺は能力者だぜ。一週間くらい泥水啜れりゃ生きてける。なあ、ファーラ」
『私はそろそろ栄養を取る事を勧めたいが……君がそう言うのではな』
「ですが……」
「能力者が非能力者を養うとはね。奇妙なものを見たよ」
六人がそんなやり取りを繰り広げていると、どこからともなく少年の声が響いた。ダスティンとファーラは素早く共鳴すると、剣を構える。しかし声の主は姿を現さないまま、ダスティンに尋ねた。
「僕は君の強さを気に入ったよ。……どうだい。君は傭兵なんだろう? 僕に雇われてみる気はないかい?」
「何だと?」
ダスティンは油断なく中段に構えたまま、声のする方を睨む。やがて彼は口端を歪め、低く笑う。
「雇うってんなら雇われてやろうさ。……けど俺は高えぞ? 何てったって四人のコブ付きなんだからな」
●その背に負うは
「ちょっと止まれや!」
調査のためにジャングルをひた走る君達の頭上から突如声が響く。上空で何かが閃いたかと思うと、太い枝が次々にエージェント達の目の前に降ってきた。いくら怪我をしないとはいえ、押し潰されてはたまらない。慌てて足を止め、君達は現れた一人の男に目を向ける。
「よう……こないだは世話になったな」
トールだ。トールが現れたからには、またろくでもない事があるに違いない。君達は目配せし、以心伝心で隊を二つに分けた。片方は素早くその場から散り、もう片方はそのままこの場に踏み止まる。トールはそんな君達を見渡し、いつものようにすかした笑みを浮かべる。
「そう険しい顔すんなや。別に今日は悪巧みも、なーんもねえ。ただお前らが近くに来てるって話だから、ちょっとそのツラ拝みに来てやっただけのことだ。まあやろうってんなら俺はやぶさかじゃないけどな、もちろん」
いくらチンピラのように振舞おうと、トールが食わせ者である事実は既にH.O.P.E.内に知れ渡っている。君達は一層警戒心を強めてトールを睨んでいた。一方のトールは口を尖らす。
「だから、そんな顔すんなよ。俺はちょっと話がしたくなっただけだ。お前等の事をもう少し知りたくなった」
トールは積み上げた丸太の上に腰掛けると、懐から煙草を取り出し一服を始めてしまう。
「なあ。お前らにはお前らの守ってるもんが見えてるか」
突然トールが始めた哲学問答に、君達は顔を見合わせる。
「守るってのは要するに、背にするって事だ。背にしたもんはどうしたって見る事は出来ねえ。だから正義の味方ってのはやらかしやがる」
「……なあ。どうしてかわかるかよ。お前等には」
解説
メイン トールと戦うなり話するなりして時間稼ぎする
サブ トールさえも気付いていない本心を言い当てる
BOSS
ケントゥリオ級愚神トール
野蛮を絵に描いたような性格ながら、一筋縄ではいかない賢将の一面も覗かせる男。薔薇園の会談から幾度となくエージェントと激突した結果、何やら思うところが出来た様子。
●ステータス
特設ページを参照の事
●スキル
トールハンマー
近接物理、範囲1。[防御した相手の生命力を10減少させる]
ライトニング
遠隔物理、射程30、範囲1。
[回避された場合、敵の回避を半分にしてもう一度判定を行わせる。この効果で与える最大ダメージは5]
メギンギョルズ
[イニシアティブなどの能力を向上させる]
(愚神としての真の姿を現す)
●武器
フランベルク(PL情報)
トールがリンカーだった頃に使用していた長剣。RGWとしての改造が施されている。
FIELD
・森の中の少々開けた地点。広さは10×10sqほど。
・異常現象まみれのアマゾン熱帯雨林の中では珍しく平穏な環境の地点。
TIPS(PL情報)
・ダスティン=トールであるが、それをPC情報とするには工夫が必要。簡単には喋らない。
・トールに質問した際にどんな返答が帰ってくるかについては、ウォルター・ドルイットが質問板である程度予想してくれる。
・今回トールは単騎で来ている。ある程度ダメージが蓄積したら愚神化して撤退する。
・トールはバルドルの主義主張は心底くだらないと考えている。
→だがバルドルの事はそれなりに尊重している。
マスターより
小僧の思い出で腹筋ぶち壊された影絵企我です。
ともあれ、今回は消化不良になってしまったかもしれないお茶会会談の続きみたいなものです。前回の戦いで守る強さを見せつけた皆さんに対して尋ねてみたい事があるようです。応えるかどうかは自由です。黙って剣を取らせるのもアリです。いずれにせよ、今回はそれなりの真剣さを見せてくれることでしょう。
ちなみにトールの声のイメージは武士道だったり俺の翼だったりする人です。
ではよろしくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2018/01/05 13:22
参加者
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/12/23 07:42:13 -
ウォルター先生に質問
最終発言2017/12/24 21:34:49 -
トール対策室
最終発言2017/12/23 15:43:20