本部

戦闘

本好きよ、集え

秋雨

形態
ショート
難易度
やや易しい
参加費
1,000
参加人数
能力者
6人 / 4~6人
英雄
6人 / 0~6人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2017/11/23 07:30
完成予定
2017/12/02 07:30

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オープニング

●ひっそりと
 東京都某所。住宅街の中に一軒の小さな館がある。外観は洋風な作りのそこは不思議と余所余所しさを感じさせない。
 扉には『open』の札がかけられているが、一目見ただけでは何を営んでいるのかわからない。窓を覗きこむのも不審者じみていて憚られる。
 カフェか、雑貨屋か。はたまた全く違うものか。
 そうして興味を持った何人かは、ドアノブにそっと手をかけるのだ。
「こんにちは。ここは図書館ですので、お静かにお願いします」
 明るい室内。大きな本棚。少し入ったところには広めの階段があり、開けた二階にも本棚が並べられている様子が見える。
「初めての方ですね。何の施設かわからずに最初は驚かれる方が多いんです。もし本がお好きでしたら、どうぞ好きな本をお読みください」
 入口脇のカウンターにいる女性はそう告げて、来客者に微笑んだ。
 隠れたように佇む図書館。騒動が起きるのはもう少し後のことーー。

●図書館のとある朝
「おはようございまうぎゃっ!?」
 図書館の扉を開けた司書は、額に走った衝撃に軽くのけぞった。何かの当たった額を押さえて座り込み、小さく唸る。
 痛い。なんか角が刺さった気がする。とても痛い。
「もーなんなの、よ……」
 溜息を一つ付いて顔を上げた司書。その目は真ん丸に見開かれた。

 本が、浮いている。

 それも一冊だけではない。何冊も、しかも縦横無尽に飛び回っている。
「え? ……えっ?」
 思わず眼鏡をとって目をこする。眼鏡のレンズも袖で軽く拭いて掛け直すが、やはり変わらない。
 司書を務めるだけあって、本は好きだ。もちろん想像も好きだ。魔法が使えたら、なんて思ったこともある。けれど自分はそんなもの使えない。
 つまるところ、と彼女の脳内に弾き出された一つの答え。
「……ぃゃぁぁああああああお化けえええええ!!!!!!! ポルターガイストおおぉぉぉぉおぉ!!!!!!!!」
 朝の閑静な住宅街に、扉の勢いよく開けられる音と悲鳴が響いた。

●頼みの綱
「イマーゴ級従魔ですね。数は大体となりますが……一階につき七、八体といったところでしょうか。正確に数えようにも、本棚などに隠れられてしまって難しかったそうです」
 職員は書類に視線を落としつつ、淡々と説明を続ける。
「場所は図書館同種施設。本を依代としており、大したスピードは出せないようです。しかし対象目がけて突っ込んでくるとの情報が入っています。皆さんにはこれらを討伐していただきます」
 ここで能力者たちの中からちらほらと首を傾げる者がいた。図書館じゃないのか、と呟かれた声に職員は一度書類から目を離してそちらを見ると、別の書類へ目を移した。
「図書館同種施設と図書館は違うそうですよ。図書館というものは私営が認められていませんので、個人で似たようなものを経営する場合は図書館同種施設というものになります。ええと……コーヒーなどの飲み物とお菓子を楽しみつつ、蔵書を閲覧するということをこの施設ではしているみたいですね。法律の関係で施設外への貸し出しはしていないそうです」
 職員は見ていた書類を置き、手元のリモコンを押してプロジェクターを起動させた。白い壁にいくつかの写真が映される。
「これは施設の中の写真です。そこまで広さはありませんが、本棚が並んでいるため死角となる部分はいくつか存在しています。本棚の横を通り過ぎたら頭にクリティカルヒット、なんてことにならないよう気をつけてくださいね。そういった死角への対処を含め、施設や備品にどれだけ損害を与えず、かつ浮遊する敵へどう攻撃を当てるかが重要になるでしょう」
 そう告げられたところでプロジェクターの光が消える。職員はリモコンを机に置くと、ぐるりと一同を見渡した。
「施設の責任者からはある程度の被害は致し方がない、施設内の安全が確保されることこそ第一優先と言っていただいています。しかし住宅街の中にある施設だということ、地域住民の憩いの場にもなっていることから最低限の被害に収めることが望ましいです。討伐が終わったら司書の方が飲み物を用意してくださるそうなので、英雄と共にゆっくりと読書をするのも良いと思いますよ」

解説

●目的
 本に憑依したイマーゴ級従魔の討伐

●敵情報
・イマーゴ級従魔×十四体(一階と二階でちょうど半分ずつ)
 図書館の本に憑依した従魔。ポルターガイストよろしく室内を飛び回る。
 回避に強いが命中は低い。また攻撃力もさほどない。
 対象に向かって突進行動、対象に逃亡された際追いかけまわすなどの行動が見られる。

●施設
 OP内『●ひっそりと』で公開されている外観・内装はその後のプロジェクターで投映された画像によってPC情報になっているものとする。
 さらに同投映内容から、窓は一フロアに四ヶ所(部屋の四隅)のみ。二階も同位置に窓があると読み取っていることとする。一階と二階はOPに描写された階段一つのみで繋がっているものとし、一階から二階全体を見渡すことはできない。

●一階
本棚と本棚の間がやや広めに取られている。入り口付近は机や椅子などが置かれているが、飲み食いは主にここで行われるため比較的広い場所となっている。

●二階
一階に比べて本棚と本棚の間が狭い。こちらは飲食禁止のため一階のような広めの空間はなく、壁と本棚の間や通路に一人用のソファが点在している。

●状況
 施設敷地内(出入り口扉前)からリプレイではスタート。能力者たちのタイミングで突入するため、何かの準備をすることは可能。

●備考
 従魔を倒すと依代とした本はそのまま自然落下する。床に散らばることになるのでカウンターに置いておくくらいはしておくと良い。
 司書から出される飲み物は、希望がなければアールグレイの紅茶が出される。他にも一般的なものは大抵出せる。

マスターより

 初めまして、秋雨と申します。
 ファンタジーなら魔法のよう。現実世界ではただのホラー、ポルターガイストですね。司書さんが当たったのはそこまで重くない本のようですが、物によっては命に関わります。高い場所から物をとる際はご注意下さい。
 司書の方には「こんな本はあるか?」など尋ねることも可能です。このシナリオは戦闘と言いつつ日常よりなので(そのはずです)気楽にご参加ください。質問等あれば質問卓にてお問い合わせくださいませ。
 当方、不安と緊張でいっぱいです。それ以上に楽しみとわくわくで溢れそうです。若輩者ですがよろしくお願いいたします。

関連NPC

  • エージェント
    四月一日 志恵az0102
    アイアンパンク|24才|女性|命中適性

リプレイ公開中 納品日時 2017/12/01 15:36

参加者

  • 『赤斑紋』を宿す君の隣で
    木霊・C・リュカaa0068
    人間|31才|男性|攻撃
  • 断罪者
    凛道aa0068hero002
    英雄|23才|男性|カオ
  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076
    人間|10才|女性|攻撃
  • 全てを最期まで見つめる銀
    ユエリャン・李aa0076hero002
    英雄|28才|?|シャド
  • 太公望
    御神 恭也aa0127
    人間|19才|男性|攻撃
  • 非リアの神様
    伊邪那美aa0127hero001
    英雄|8才|女性|ドレ
  • 乱狼
    加賀谷 ゆらaa0651
    人間|24才|女性|命中
  • 切れ者
    シド aa0651hero001
    英雄|25才|男性|ソフィ
  • 共に歩みだす
    皆月 若葉aa0778
    人間|20才|男性|命中
  • 大切がいっぱい
    ピピ・ストレッロaa0778hero002
    英雄|10才|?|バト
  • ガンホー!
    乙橘 徹aa5409
    機械|17才|男性|生命
  • 智を吸収する者
    ハニー・ジュレaa5409hero001
    英雄|8才|男性|バト

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