本部
【爻】水槽のアムネシア
- 形態
- シリーズEX(続編)
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
- 1,800
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/11/11 12:00
- 完成予定
- 2017/11/25 12:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/11/11 00:57:47 -
質問卓!
最終発言2017/11/09 02:41:56 -
相談卓!
最終発言2017/11/10 23:43:35
オープニング
●A.褪せた薔薇
「ここを、見つけるなんて、本当に優秀、ですね」
苦しそうに息を吐くのは、床まで届く真っ直ぐな混じりけの無い緑の髪を持つ小さな愚神であった。
一メートルもない背丈、やせた手足の少年のような姿。
「お前の特技が催眠だとわかれば、怖いものはない」
ぶっきらぼうに告げたのは共鳴したミュシャ・ラインハルトだ。彼女は自分の花を刻んだ剣を忌々しい愚神──ヌルへと向けた。
「そうです。僕は、催眠しか使えない、非力な、傍観者ですよ」
少年ははかなげな笑みを浮かべたが、それはミュシャの神経を逆なでするだけだった。
「貴方は、僕を倒して、いいんですか?」
彼の言葉にミュシャは冷たい瞳で愚神を見下ろす。
「命乞いは聞かない」
しかし、彼は困ったような笑みを浮かべた。
「命乞い、なのでしょうか。僕は取引を持ち掛けているんです。貴方は以前、英雄が催眠によって邪英化のような状態で暴れた日のことを覚えているでしょう。
──あの日、操られていた貴方たちは人類から罰を受けることは無かった。愚神の力で操られていた貴女は罰せられない」
いつの間にか、ミュシャの剣先は下がっていた。
そして、こういう時には必ず彼女へ警告を発するはずのエルナーの声も無かった。
「どうですか、もう一度。貴方が私の催眠を受け入れれば、英雄の記憶の無い状態で貴方は。
──憎い彼ら、ヴィランを殺せるのです」
●B.それは刈り取るべきなのか
──ふわふわ、ふわふわと……透明な水槽の中で褪せた薔薇が浮かんでいる。部屋の振動で揺れるそれの下で眠るのは”彼”が誓約を交わした”能力者”だ。
「……どうです?」
小さく小首を傾げて、非力な少年に似た姿のヌルはエルナー・ノヴァに問いかけた。
「あれが貴方の契約者。貴方はあの心弱い娘を喰らうことができる」
水槽の中で眠るミュシャ。
その水槽の前でエルナーは眠る彼女を見上げる。
……ヌルとの取引を承諾したミュシャは足下から出現した円柱の水槽に囚われ、代わりに共鳴の解けたエルナーがヌルの前に立っていた。
エルナーは言葉を失い、ただそれを見ていた。
「……僕は、彼女を──」
「支えていた、のは刹那の命だけですね。それが人間です。彼女の思考は──」
ひ弱なヌルは心底困ったようにエルナーへと語り掛けた。
「──どうしますか? 『勇者』エルナー」
●花に抗う
──ふわふわ、ふわふわ……花弁と一緒に動くのは彼女の長い茶色の髪。
何度も何度も水槽の厚い壁を叩いていたミュシャは、己の無力さに膝を折った。
水の中のミュシャは眠ってなど居なかった。円筒形の水槽の中で自分を絡めとろうとする薔薇に抵抗しながら何度も英雄へと訴えかけていた。
けれども、それはエルナーには見えない。
彼にはミュシャは……恐ろしい取引に頷いた彼女は愚神に囚われて眠っているように見えているようだった。
──怖い。
暴かれた恐ろしい願望を否定することができない。
それは、エルナーにだけは隠したいと思っていた。
以前なら、以前の強い自分だったら、きっと鼻で笑って……それを堂々とエルナーの前でも口走っただろう。『ヴィランを殺せるなら』──と。
けれども、今の彼女は他のH.O.P.E.のエージェントたちのように、自分も前に向かって動いているように師でもある英雄へ見せたかった。
そして、陽の当たるところでたくさんの人々と交わしたたくさんの言葉。その中で生まれたパートナーへの想い。
「エルナー……」
名前を呼ぶことすら恐ろしく、そんな彼女の前で当のエルナーはただ無言で立ち尽くしていた。
●C.ただ、歌う
壊れた屋根の隙間から夕陽が差し込む廃墟の中で、一人の女性が歌っていた。
歌う彼女の名前アデリナのリーナ。相棒のクリフと共鳴した状態ではあったが、姿はリーナに近かった。
歌うのは彼女たちの曲『エヴェイユ』。
『夢が叶って良かったですね、リーナ』
ヌルの声にリーナは歌いながら微かに頷く。
『いつまでも、彼と一緒に歌っていたい──素敵な願いです』
同時に、ヌルはリーナへと聞こえない声でクリフに囁いた。
『満足ですか、クリフ』
姿の見えない彼は頷いた。
『貴方の願い、いつまでもリーナを守り、一緒に居たい──もう少しですね。もう少しすればもっと完璧に叶えることができます』
廃墟にはリーナの声だけが響いていた。
解説
ほぼPL情報です
【爻】延長戦シナリオは一日内の出来事です
●目的:幻影世界からの脱出、もしくは定住
能力者と英雄は既にヌルの幻影世界へ囚われています
能力者がヌルを拒否するか、英雄がヌルの申し出を拒絶すれば抜け出すことはできます
このストーリーでは「拒否せず定住」を選択できます
●プレイングについて
下記のプレイングをお願い致します
A.能力者が英雄へ見せたくないと思っている姿、主張
※能力者がヌルの甘言に惑わされる、もしくは完全に催眠下
B.Aに対する英雄の反応
C.能力者と英雄、それぞれの反応と選択(食い違っても構いません)
Cまで選択した後なら他のPCから干渉を受けることができます
ただし、その場合はプレイングで互いの名前を書き干渉OKと一筆お願い致します
※NG項目がある場合は明記してください
※ABCに邪英化RPを含めてもOK
※定住したPCはリプレイスメント化(邪英化したと思い込んでいる催眠状態)になります
※三作目にリリースされる予定の【爻】ヌル戦のシナリオに参加しない場合は
リプレイスメント化したエージェントがいるとだけ書かれ、具体的に【爻】ヌル戦には描写されません
●リーナ&クリフ戦
中堅程度のドレッドノート
定住を選択しなかったPCのみ
●幻影世界 ※催眠によって誘われた世界
能力者が英雄に見せたくないと思っている姿・主張が現れる世界
いつの間にか迷い込んでおり、それがドロップゾーンなのかVR世界なのかはわからない
ヌルと能力者の取引、もしくは誘惑を英雄は見ているが、英雄が見ていることを能力者は知らない(と英雄は思っている)
ヌルは「こんな能力者は捨てて貴方が主になりましょう」「仲間になりましょう」等誘う
ヌルの拒絶・受け入れを選択する所でこのシナリオは終わりますが、
それが叶うかどうかはプレイング次第です
リプレイスメント・ファイルをお持ちの方は記録されている邪英化PCを出すことができます
マスターより
このシナリオはMS個人のシリーズシナリオ延長戦です。
延長戦ですが、未参加のPC様も参加できます。
心情RPがメインであり愚神ヌルを倒すことがシリーズの最終目的になります。
『【爻】水槽のアムネシア』はヌルに囚われたエージェント、
後日に公開予定の『【爻】水に咲くガランサス』(6名EXシナリオ)は
近い状況でヌルに囚われたふりをするエージェントのシナリオです。
どちらも爻ヌル戦シナリオに参加しなくても、一日の終わりに解放されます。
宜しくお願い致します。
※『【爻】水に咲くガランサス』(6名EXシナリオ)は12日頃公開を予定しております。
こちらは『【爻】水槽のアムネシア』と同時刻のシナリオとなり、
『【爻】水槽のアムネシア』にご参加の方は『【爻】水に咲くガランサス』への参加はできません。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2017/11/27 19:59
参加者
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/11/11 00:57:47 -
質問卓!
最終発言2017/11/09 02:41:56 -
相談卓!
最終発言2017/11/10 23:43:35