本部

戦闘

自称英雄の後始末

岩岡志摩

形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
能力者
1人 / 4~8人
英雄
1人 / 0~8人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/11/07 15:00
完成予定
2015/11/16 15:00

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オープニング

●夜討ち朝駆け?
 その夜、とある事務所が2か所立て続けに襲撃を受けた。
 襲撃者は覆面で顔を隠し、いずれも対立する組織を思わせる服を着て、一般人とは思えぬ身体能力で暴れまわり、去って行った。
「『青服』の野郎、なめた真似しやがって……」
 周囲で呻き声を上げ、救急車へ搬送されていく手勢の赤服を前に、包帯姿のボスが無事だった手下に命じた。
「おい、今すぐ増援を集める依頼を出して来い!」
 手下は依頼先を聞くと仰天した。
「H.O.P.E.!? そんな依頼受ける筈がありませんよ!」
「誰が正直に依頼を出すと言った。中身はうまく誤魔化すさ。名目は『街の環境調整』だ!」
 一方、もう片方の事務所でも、灰神楽が立つ忙しさで青服姿の怪我人達を治療する医療関係者の活動を尻目に、無事だった頭領が凄味のある笑みを浮かべ、手下に命じる。
「能力者の手駒を自分達ばかり持ってると思うなよ『赤服』。今すぐ手下を集める依頼を出して来い」
 そしてこちらも依頼先がH.O.P.E.と分かり、やはり手下から猛反対される。
「なあに、H.O.P.E.はあちこち依頼が多くてろくに内容なんて見てやしない。書類さえしっかりしてれば大丈夫さ。名目は『街の清掃活動』だ」
 実はこの2か所の事務所は互いに対立する組織のもので、お互い襲撃者が相手の組織の刺客、それも常人離れした動きから能力者と判断。
 一般人では歯が立たないので手勢のうち能力者を報復に差し向けようとしたが、現在出せるのは5人程度と心もとない。
 そこで両者は増援を募る依頼を適度に誤魔化しH.O.P.E.に提出した。
 名目は『街の環境調整』と『街の清掃活動』。ともに同じ場所が指定されている。
 夜明けとともに指定場所で双方が乱闘を起こすようだが、H.O.P.E.はそんな組織の誤魔化しには騙されない。
 H.O.P.E.は依頼を無視して、全員を捕縛すべく、まず先遣隊を派遣して、指定場所の周辺道路の封鎖や一般人の避難誘導に動いたが、一部で謎の男の妨害を受けた。
「俺様の英雄譚を邪魔するんじゃねえ」

●自作自演の英雄譚
「先遣隊より騒動鎮圧の依頼が入りました。現在までに把握できた状況をお知らせします」
 担当官は手元にある資料を淡々と読み上げる。
「前日、勢力圏が近く、縄張り争いをしている2つの裏社会組織の事務所がそれぞれ襲撃を受けました。正式名称はあるようですが、以前からこれらの組織は制服から『赤服』『青服』と呼称してますので、それで通しましょう。両方とも建物は半壊。病院送りになった人達も出ましたが、死傷者はいません。別働隊が病院で治療を受けている組織の人への聞き込みなどを行ったところ、襲撃者は対立する組織員の服を着ていたとのことです。お互いに相手から襲撃を受けたと思い込んだようですが、常人離れした動きから、刺客は能力者と判断し、手勢を集める為、もっともらしい依頼の名でそれぞれH.O.P.E.へ依頼を出したそうです」
 なお依頼内容だが、『赤服』の名目は『街の環境調整への協力』。『青服』は『街の清掃活動への協力』。場所と時間はともに同じ場所、同じ時刻が指定されている。
 担当官が手元の機械を起動させると、目の前に地図が映し出された。
「その指定場所ですが、この交差点です。この交差点を通って次の襲撃が来るという匿名の密告もほぼ同じタイミングで両方の事務所に届いており、それならばと両方ともここで迎撃する予定で、指定場所にした模様です。私達は当初両方の依頼は無視して、潰しあいが終わるまで被害が出ない様、事前に交差点に至る道を先遣隊が封鎖し、周囲の人々も避難を完了させようとしたのですが、何度も妨害が入り、支障をきたしました。その妨害者がこの男です」
 スクリーンには、その妨害者らしき者の姿が映し出された。
「これは避難誘導に向かった先遣隊が撮影したものです。先遣隊はこの男に撃退されました。そしてここからが問題ですが、別働隊がこの男の写真を病院送りにされた人達に見せたところ、覆面と服を除けばこの男と一致するとの証言が相次ぎました。また、密告があった時、組織が録音した声と撮影時に記録できた声も一致しました。つまり今回の騒動はこの男が原因です」
 どうして男はそのような行動をしたのか。それを担当官は「推測ですが」と前置きし説明する。
「別働隊が聞き出せた男の発言などから、この男は故意に二つの組織を争わせ、H.O.P.E.も手を出せない状況の中、颯爽と登場して騒動を鎮圧し、英雄として人々の称賛を浴びたかったようです。先遣隊が人々を避難させようと動いた時も『俺様を称賛する観客を逃がすんじゃねえ』と妨害に来たので、称賛欲求は間違いなくあるでしょう」
 自作自演もいいところだが、現状ではこの迷惑な男のせいで、周辺道路の封鎖と避難も満足に行えない為、H.O.P.E.は方針を変更した。
 全員逮捕することに変わりはないが、乱入男の行動が読みにくい為、あえて両方の組織からの依頼を受けこれを利用する。
 それぞれの名目に協力するふりをした能力者を両方に送り込み、乱闘の中で両方の組織の能力者、そして乱入するであろうこの男を捕縛し、被害拡大を防ぐ。
 なお命令を出した組織のボスや一般組織員達の逮捕など、事後の組織殲滅の実務は別働隊が行うとの事だった。
「面倒な依頼になりますが、どうかよろしくお願いします」
 担当官は頭を下げた。

解説

●目標
 被害拡大の阻止及び騒動鎮圧

●登場
 来田菊
 自称英雄だがヴィランと認定。身長190cmと大柄。性格は粗暴で自己顕示欲が強く短慮。今回の騒動を引き起こした結果どうなるかまでは想像できてない。事務所襲撃やH.O.P.E.先遣隊の行動妨害時の証言などから拳や蹴りを武器とする近接系の戦いを好み、周囲への被害などお構いなしで暴れる模様。この男も逮捕対象に指定されています。
(PL情報:形勢不利になると「お前らを試したんだよ。合格だ。道化役も大変だぜ」と取り繕って逃げようとします)

 組織の能力者達
 全部で10名。5対5で殴り合う予定。俗称『赤服』の者は赤系統の服を、『青服』の者は青系統の服を着ているので識別は可能。双方ともに武器はなし。全員逮捕対象なので逃がしたり死なせない様注意。

●状況
 指定場所は大通りの道二つが直角に交わる交差点上の広い空間。幅20m、奥行き20mの道路上で殴り合う予定。障害物なし。周囲は高層建築物が屹立している。道路封鎖や人々の避難はH.O.P.E.別働隊の手で完了済み。来田菊はどこかに身を潜めているが頃合を見て両方に襲い掛かる模様。
(PL情報:皆様が現場到着時には既に殴り合いが始まり、来田も乱入しています)

●付記
 H.O.P.E.より、11人分の捕縛用具と、それぞれの組織員を示す服が人数分貸与されています。申請すれば無線機も借用は可能。別働隊を呼べば無力化した人達を運んでくれます。

マスターより

 岩岡志摩と申します。ご覧下さりありがとうございます。
 面倒な依頼ですが、これ以上被害が出さずに騒動を治めて下さい。
 相手は能力者ですが、専用武器はありませんので重傷を負う事はありません。お気軽にご参加ください。
 そしてこのはた迷惑な自称英雄に言いたい事などがあれば、思い切りぶつけて下さい。

参加受付中 プレイング締切日時 2015/11/07 15:00


参加にはSC1,000が必要です。

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