本部
【幻灯(番外2)】舌切
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 6~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/09/27 19:00
- 完成予定
- 2017/10/11 19:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
相談卓
最終発言2017/09/27 00:26:35 -
質問卓
最終発言2017/09/24 19:51:05 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/09/27 04:16:13
オープニング
※当シナリオは現在展開しております【幻灯】の番外ストーリーとなります。シリーズ本編に参加されているPC様は参加不可となっておりますので、その旨ご了承いただけますようお願いいたします。
●暗中にて
H.O.P.E.東京海上支部の一室をあてがわれた、ブランコ岬対策本部。
ここでは、ブラジルの東端部を活動範囲として近海の防衛を担うジョアンペソア支部からの要請を受け、ブランコ岬の灯台に出現している怪現象――ドロップゾーンと思しき鏡面体への対応を行っている。
「今、鏡面体の中にジュリア・イトウとウチの連中10組がいます。そこに来てジャンク海賊団ですか……」
対策本部長を任された中年エージェントが息をついた。
『先頃、我がジョアンペソア支部に正式な声明が出ました。せいぜい舌先でつつきあおうと』
同時中継で繋がれたジョアンペソア支部より支部長が言う。
この男こそは“天鎚”の異名を持つ最強クラスのソフィスビショップ。そして先の海賊によるブランコ岬襲撃に際して、数で大きく劣るH.O.P.E.の戦線を支えた指揮官である。
そしてジャンク海賊団とは、カリブ海を本拠とするヴィランズであり、奪い、盗み、遊ぶを信条として掲げるという、まさに「ならず者」集団なのである。
「ただのふざけた連中だと思ってましたが、質が悪いことに存外よくまとまってるようですな」
支部長は静かにうなずき。
『私の能力が11秒保つものならば、あれほどの遅れはとらずにすんだのですが』
本部長はかぶりを振って悔いる支部長を止め、言葉を引き取った。
「支部長の10秒があってこそ、あれ以上押し込まれずにすんだんです。……それよりも交渉のほうですね。ウチの連中にも困ったもんですが」
海賊との戦いの中でエージェントたちが選んだ道、それはジャンク海賊団の先鋒として灯台奪取を目論んだ女海賊ラウラ・マリア・日日(タチゴリ)・ブラジレイロとの交渉だった。
『いえ、結果的に賢明な判断だったかと。あのままではいずれ増援が海岸に到達していました。あの女海賊の部下とは段違いの能力を持つヴィランどもが』
「それもまた頭が痛いことで。そういや海賊さんのほうからはなんて言ってきてるんです?」
本部長に問われた支部長は渋い顔で。
『鏡面体のゾーンルーラーとの交渉権が欲しいとのことですが……H.O.P.E.がそれを認めるはずはないと知っているはず。裏にまだなにか隠しているのでしょう』
「あのとき船団を退かせたのも、その“なにか”との兼ね合いですかね」
ここでいくら語ろうと、答は出ない。
「結局、行ってみるしかないってことですな」
『はい。海賊団の抑えはジョアンペソア支部が。インカ支部を除く近隣支部からの援軍がそろそろ到着するはずですので』
本部長は深いため息を漏らし、目頭を揉んだ。
「インカ支部はギアナ方面のバックアップもありますか。やれやれ。あっちもこっちも、煙たくてたまりませんな」
●ラウラ・マリア
『商談とのことだが、君の舌先は切先ほどよく動くのか?』
内に在る契約英雄ジオヴァーナの皮肉を含めた言葉に、ラウラ・マリアは肩を大げさにすくめてみせた。
「どうせカリブから交渉役が来るんだろ。丸投げだよ」
H.O.P.E.のエージェントに持ちかけられた交渉を自己判断で承諾した彼女だが、実はその後すぐに本拠から通信が入っていた。H.O.P.E.と商談を行うゆえ一度退けと。
『ならば君が行く意味はあるまい。いや、むしろなぜ上は私たちの同席を許す? 私たちが“光”を熱望していることは知っているだろうに』
彼女の手下どもは今、海賊団の隠し拠点のひとつで療養中だ。ある意味で人質をとっていることに等しいわけだが……それにしても、だ。
“光”のために自分たちがH.O.P.E.へ寝返る可能性を、カリブの連中は本当に考えていないのか?
「商談の相手がH.O.P.E.だけじゃないからね。揉めたら多分、裏切ってる暇なんざないだろうよ」
そしてラウラ・マリアはある名をジオヴァーナへ告げた。
『あの男――こんなところに流れてきていたのか!』
一対多ならばこちらのフィールドだが。一対一になればあの男のひとり舞台できりきり舞いを演じさせられることになる。これは未定ならず、確定だ。
「どっちにしても、これ以上失くさなくていいように立ち回んないとねぇ」
●第三の男
「南米は湿っぽくていけないな。空気が重い」
黒く光る細面を傾げ、男は麻のスーツについた皺を指先で伸ばした。
「商談なんて柄じゃないんだけどね。まあ、どんな形であれ壊れるのは目に見えてるからさ。どうしようか、ハンドラー?」
高速艇の激しく揺れる舳先に危なげなく立ち、海原の向こうを見やる彼の内より、厳かに老いた声音が漏れ出した。
『神の意を裏切るがよい。マイボーイ』
「ふぅん。だったら殺すしかないな。神様はいつだって愛と救いを語るんだろう? 昔はあなたもそう伝えてきたはずなのにね」
男の皮肉な言葉へ、老いた声は過ぎるほど真摯に返した。
『拙僧は聞きたいのだよ。黙して語られぬ神の御言葉を。神にこの身を捧げるだけでそれが成らぬのであれば御意を穢し、御愛をにじってでも』
狂信の熱に浮かされたその声に応えず、男はスーツの内ポケットから黒くくすんだメギンギョルズの束を抜き出し、解いた。
「誰が敵になるか、味方になるか。できればみんな敵になってくれるといいね。僕は強い子と遊びたいんだ」
●タンカー
ブランコ岬より300メートル離れた海上。
そこに一隻のタンカーが浮かんでいた。
本来運ぶべき石油をすべて抜かれた巨体は大きく揺れているが、甲板にはビスで止められた円卓と椅子とが用意され、そこに着くべき者たちを待っている。
H.O.P.E.の代表、ジャンク海賊団の代表、そして第三の男。すべてがそろったとき、この劇の幕は開く。
悲劇となるか喜劇となるかは――見てのお帰りだ。
解説
●依頼
1.海賊団および第三の男を相手に、「鏡面体の管理権をH.O.P.E.が担う」ことを交渉してください。
2.交渉の間、極秘裏に攻め寄せる謎の集団を抑えてください。
●交渉について
・ジャンク海賊団側はジオヴァーナと共鳴したラウラ・マリア、交渉人、護衛役×3の計5組が参加。交渉の主旨は「H.O.P.E.のドロップゾーン独占への糾弾と撤退要求/ゾーンルーラーとの交渉の必要性(その適任は“民間人”である自分たちだとの主張)」。
・ラウラ・マリアは一貫してドロップゾーンへ突入したいことを主張。
・第三の男は同じく共鳴状態ですがひとりで参加。交渉の主旨は「ドロップゾーンの速やかな殲滅/H.O.P.E.への情報共有要請(ドロップゾーンはH.O.P.E.に一任)/ジャンク海賊団への不信/ラウラ・マリアへの勧誘」。
・交渉の結果次第でラウラ・マリアか第三の男か、もしくはその両方が敵となります(戦闘は起こりません)。
●謎の集団について
・先陣は交渉の場を占拠しようとする海賊(これについてはPCが予測していてかまいません)。
・海賊はALブーツを装備したドレッドノートとジャックポットの混成(レベルはまちまち)×10。
・3ラウンド後、それを後ろから襲って壊滅させ、さらにこちらへ攻め寄せてくる魚人(デクリオ級/三叉槍装備/レベル15までのドレッドノートのアクティブスキル使用)×30。
・魚人は移動力20。海に潜ってからの奇襲を得意とします。
●備考
・時系列は『【幻灯】虹の橋を渡って』が進行中の昼間です。
・交渉担当と対集団戦担当に分かれて事に当たってください(人数割に注意!)。
・対集団戦にのぞむエージェントには、装備の上につけられる特製のALブーツが貸与されます。
・魚人を壊滅させる必要はありません。交渉が終了するまでタンカーを守りきれば勝利です。
マスターより
お疲れ様です。電気石八生です。
当シナリオは【幻灯】の番外2本めとなります。
前回の結果を受けて、今回は交渉。加えて謎の魚人との戦闘が起こります。構図は少々複雑ですが、ここを越えることで【幻灯】のクライマックスの景色がひとつ明らかとなります。
ご参加いただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2017/10/03 16:03
参加者
掲示板
-
相談卓
最終発言2017/09/27 00:26:35 -
質問卓
最終発言2017/09/24 19:51:05 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/09/27 04:16:13