本部
テディベアと逃避行
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/09/17 19:00
- 完成予定
- 2017/09/26 19:00
掲示板
-
救助作戦相談卓
最終発言2017/09/17 16:06:50 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/09/15 18:43:50
オープニング
●プロローグ
「この場所に射撃屋が店を出している」
昼間から開いている小さなバー。平凡な顔立ちの男は酒を飲みながら隣の男の言葉を聞いていた。
「そこでゲームをする。レベルは最難関。あんたの腕ならできるだろう。景品を受け取り、その店まで来てくれ。射撃屋に話は通してある」
「ああ」
「なんとしても景品を受け取ってくれ。まあ、あり得ないほど高いレベルのゲームだ。あんた以外、誰もクリアできないさ。そうだ。受け取ったらおやじも殺しておいてくれ」
「ああ」
「万が一、先客に渡ったら」
「殺して奪うだけだ」
男はそう言うと店を出た。
●挑発に乗るのはやめましょう
「はー、久しぶりの休みー。潮風が気持ちいい。嫌なことなんてみーんな流れちゃうわ」
大きく伸びをするレター・インレット。ロンドン警視庁の刑事は本日休業である。
「嫌なことなんてあるの? あなた」
ジェンナ・ユキ・タカネが言う。こちらもお休み中のロンドン警視庁の刑事。2人はリンカーと英雄の関係でもある。今、短い休みをもらって海の町を旅行中だ。
「失礼ね。あたしにだって嫌なことの1つや2つ……って知ってるでしょ。最近マンチェスターから来たあいつ」
レターはうんざりした顔をした。
「何が気に入らないんだか、態度悪いったら。なにあれ」
「態度なら私にだって悪いわ」
「じゃ、気にしてないわけ?」
「まさか。マンホールにヒール引っ掛けて転べって思ってるわ」
平然と言うユキ。新しく来た同僚とうまくいっていないのはユキもレターも一緒だ。
「忘れましょ。今日明日ぐらい」
「賛成」
町をぶらぶらしながら海へと向かうユキとレター。流石、観光地だけあって屋台が沢山出ている。
「やあやあ、そこのお嬢さん。どうだい。土産話にやってかない?」
声をかけてきたのは射的屋のおやじさん。
「射撃?」
ユキは銃を手に取った。なかなか本格的だ。
「自分の腕考えなさいって」
レターが言う。ユキはロンドン警視庁で認められているほどの腕前である。レターは大人気ないからやめろと言っているのだ。
「ちょっとやってみなって。女の人には難しいだろうけど」
(げ。このバカ)
レターの予想通り、銃から手を離しかけたユキの動きがぴたりと止まる。わざとではないだろうが、ユキをやる気にさせるには十分だった。無言で料金を払うユキにレターがため息をつく。こんなことするより海でのんびりしたいのに。
「どのレベルにします? 初級、中級、上級、最難関があるよ。初級がいいんじゃないかな。女の人には」
いちいち余計なことを言ってくるおやじである。
「中級にしたら? 景品の髪留め可愛い」
「最難関」
「いや、止めたほうがいいって。景品が」
「最難関」
「がっかりしないでよ。お嬢さん」
おやじはにやにや笑いながらルールを説明した。
「スタート!」
ぱん! ぱん! ぱん!
無表情に次々と引き金を引く。
ちゃららっちゃら~
パーフェクトのファンファーレが鳴り響いた。ギャラリーはもちろん、おやじまで唖然としている。
(本気出したよ。このひとは)
レターは脱落した。この負けず嫌いめ。
「いや、まさか女のひととは」
女、女としつこい男である。
「はい。景品ですよ! おめでとう!!」
「え」
手渡されたのは巨大なテディベア。
「だーから止めたでしょうが。これから海行くのにそんなでっかい毛玉抱えてどうする気? ホテルに置いてきなさいよ。あたしは先に海行ってるから」
「ここからどのくらいあると思ってるのよ」
そう言いつつ、ユキはテディベアを抱えるとタクシーを捕まえた。
●こういう時のカンはよく当たる
ユキたちは寝られればいいやと安宿を取った。場所が悪い。すぐ裏がいかにも怪しげな連中の巣窟といった場所である。まあ、そんなところが怖くてリンカーだの刑事だのは務まらない。タクシーを降りて平然と歩く。あと少しでホテルといったところでユキははたと止まった。
(耳の縫い目だけ、なんか粗い気が)
よく見ようと顔を近づけると見知らぬ男に呼び止められた。振り向くユキ。
「そのクマだが」
男は静かに言った。
「お譲りいただけないだろうか」
どうぞと言いかけてユキは男をじっと見た。ごく普通の男だ。中肉中背で服装もこれといった特徴がない。どこにでもいそうな、会ったことさえ忘れるような――
「構わないだろう? ただのクマのぬいぐるみだ」
男の口調が粘着性を帯びだした。ぞろっと肌が粟立つ。
「すみませんが」
ユキは首を振った。
「気に入っていますので」
「いくらで譲る?」
男は表情を崩さす言った。ユキも表情を崩さない。
「気に入ったものを手放す気はありません」
「そうか」
「!」
ユキは男を突き飛ばした。刃が空を切る。間一髪ナイフの一撃を逃れたユキはテディベアを抱えて裏路地へ飛び込んだ。狭く入り組んだ路地をジグザグに走る。
パン!
乾いた音共 に近くのゴミ箱が吹っ飛んだ。
(冗談でしょ)
今のは紛れもなく銃撃だ。ユキは振り向きもせず、近くの廃ビルへ飛び込んだ。元々は雑貨屋だったのだろうか。棚やらレジやらはそのままだ。すばやく物陰に隠れる。
「あんた」
スマートフォンを操作しながらテディベアへとつぶやく。あの男は確かにこのクマが欲しいと言った。
「何者なわけ?」
パン!
スマートフォンがユキの手を離れて床を滑る。ユキの手から血が滴った。
「いい腕じゃない」
ユキは吐き捨てるとテディベアを引き寄せた。
●嫌な予感は当たるもの
「サイレン?」
レターが砂浜で寝転びながら言った。近くでパトカーのサイレンがなっていた。
「銀行強盗でもあったのかしら?」
「いや、殺しらしい」
さっき知り合ったばかりの男がスマートフォンをぶらぶらさせて言う。
「殺し?」
「近くにいたやつから連絡来た。屋台の親父が殺されたって」
「物騒ね」
ここまで来て殺人に当たるとは。
「射撃屋だってさ。射撃屋が銃で撃たれるなんてなんとも」
「射撃屋? まさか、あの通りでやってた?」
「らしいな。なに? やったことあるの?」
「ちょっとごめん」
なんだろう。嫌な予感がする。ユキに電話をかけた。
(出ない)
「ごめん、ちょっと用事ができちゃった」
相手の返事も聞かずに走り出す。走りながら現地警察に電話をかける。
「もしもし。ロンドン警視庁のレター・インレットです。射撃屋の事件でお話があります」
射撃屋の親父の遺体を見て、傷の特殊性から犯人がリンカーと気づくまで後30分。ユキのスマートフォンから彼女の居場所を特定するまでそれから5分。
その後すぐ、HOPEに依頼がかかった。
GSPが示す廃ビルを調査せよ。
解説
●目的
廃ビルの調査
・行方不明の刑事はいるか
・射撃屋殺しの犯人がいるか
*PL情報
刑事も犯人も廃ビル内。刑事は保護、犯人は確保すること。
●登場人物
グロウヴ・バタフライ(ヴィラン)*PL情報
・フリーの殺し屋兼運び屋。武器はリボルバー「バルイネインST00」、ザミェルザーチダガー、九陽神弓。ライヴスゴーグルを装着。使用可能スキルはライヴスシールド、一閃、ライヴスブロー。バランスよく戦えるオールラウンダータイプ。切り替えが早く、機転も利く。欠点は獲物をいたぶるように追いつめて殺しを楽しむところ。
現在は刑事を追って廃ビルへ。
ジェンナ・ユキ・タカネ(行方不明の刑事)
・リンカーで刑事。休暇中に偶々訪れた射撃屋でゲームクリアし、景品のテディベアをもらう。その後、命を狙われる。テディベアの秘密に気づいたようだが……。
現在は廃ビルのどこかに身を隠している。既に何発か銃弾を受けており、重傷(PL情報)
レター・インレット
・ユキの英雄で同僚。射撃屋のおやじが殺された事件をヴィランがらみと気づき、ユキの危機を察知する。場所的に自分は間に合わないと判断。HOPEに依頼をかける。
射撃屋のおやじ
・何者かに最難関レベルのゲームクリア者にテディベアを渡すよう依頼される。本来渡すはずの男ではなく、偶然先にクリアしてしまったユキに渡してしまう。用済みでバタフライに殺された。
●現場
寂れた繁華街にある廃ビル。1階、2階は雑貨屋で棚はそのまま。3階はレストランでテーブル、イス、厨房はそのまま。いずれも食材や商品はない。全てのインフラは止められている。
マスターより
こんにちは。落合陽子です。
最近、ヴィランから逃げ回る話が多いような……気のせいです。街って色々な顔があって面白いですね。表通りはあんなに華やかで綺麗なのに、通りひとつ奥に入るとがらっと雰囲気が違って大人の街になったり、一般人は関わらない方がいいような場所になったり。
さて、今回もいつものようにあれこれ書きましたが、要は廃ビルに隠れているけが人の保護とそれを追っているヴィラン確保の依頼です。廃ビルなので多少破壊しても問題ないですが、近隣に迷惑になるような行為はNGですよ。
ではよろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2017/09/25 20:24
参加者
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救助作戦相談卓
最終発言2017/09/17 16:06:50 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/09/15 18:43:50