本部
ジャムド・フィンガーズ・バトル
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/09/05 22:00
- 完成予定
- 2017/09/16 22:00
このシナリオは2日間納期が延長されています。
掲示板
-
【相談卓】ハンデバトル
最終発言2017/09/04 13:09:03 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/09/03 00:41:10
オープニング
●都市を蝕むDZ
「先ほどロンドン支部より、緊急性が高いと判断された増援要請を受けました」
そう切り出した佐藤 信一(az0082)は、この日東京海上支部にいたエージェントを会議室に集め、真剣な表情でプロジェクターを起動する。
「襲撃されたのはオランダの都市・アルメールの市街地です。ここは海を陸地に変えた干拓地の一部であり、首都・アムステルダムから距離が近く、国内では比較的人口が多い都市になります」
信一は続けて、ロンドン支部からの情報を読み上げる。
「愚神が現れたのが、現地時間で昨日の21:00ごろ。突如として町中に出現した愚神は、そのままドーム状かつ外から不可視のドロップゾーンを展開し、町の一部を取り込みました。すぐさま現地のエージェントで数十名の討伐隊が派遣されましたが、いまだドロップゾーンは健在とのことです」
エージェントが集合したのは朝の8:00ごろ。日本とオランダとの時差がおよそ7時間であり、この時点で愚神出現から4時間ほどが経過している。現地は深夜だが、ドロップゾーンの範囲外にいた市民の避難は何とか終わせたらしい。
しかし、範囲内に取り残された一般人や、愚神討伐に向かったエージェントからの連絡は途絶えたまま。経過した時間からして、討伐隊が全滅したと考えるのが妥当だろう。
「事前情報がこの程度しかないのは申し訳ありませんが、状況からしてゾーンルーラーは相当な力を有していると推測されます。くれぐれも用心してください」
緊張した表情を隠さないまま、信一はロンドン支部に座標設定をしたワープゲートへとエージェントたちを案内した。
●予想外の戦場
「ふん、また招かれざる来訪者、か」
アルメールドロップゾーンに突入して、わずか数分。
エージェントたちは、額に浮かぶ脂汗とゆがむ表情筋を抑えることができなかった。
「私の眼前を何度も飛び交い、耳障りな音をまき散らすだけの羽虫が」
しかし、視線の先にいる異空間の主は、そんなエージェントたちを睥睨し吐き捨てる。
見た目は長身ながらシルエットが細い、ともすれば痩せぎすと言えそうなほどの肉体はどこか頼りない。しかし、その身から噴出する膨大なライヴスのおかげか、彼の纏う雰囲気は傲慢な言動を補って余りある威圧感を伴っている。
出会ってから変わらない不機嫌そうな顔は、元々がそうなのかエージェントの介入が原因かは定かではない。
いずれにせよ、エージェントと彼の愚神――ゾーンルーラーたる男が徹底的に反発しあう存在だということは確かだ。
「ただライヴスを捧げるだけなら見逃してやったものを、本当に愚かな生物よ」
本来あった都市の姿を塗り替え、地球ではないどこかの崩壊した都市の中を、ゆっくりとした歩調で歩く愚神。
そこかしこで残り火が爆ぜ、建物だっただろう瓦礫が散乱する景色を自然なものとしながら、愚神は大仰に口を開く。
「死ぬ前に教えてやろう! 私の名はファチュ、ッ!?!?」
噛んだ。
「いっひゃ!? き、きひゃまらのひわざ、ぁっ!?!?」
動揺したファチュ(仮)は右足をエージェントへ一歩踏みだし、転がっている大きな瓦礫に小指をぶつける。
「~っ! ~~っ!!」
そして、ぶつけた足をかばうように抱え込み、声にならない声をあげて片足で飛び跳ねながらもだえるファチュ(仮)。
その姿はどう言い繕っても滑稽な上、完全に隙だらけ。
本来ならエージェントたちが見逃すはずはない。
が、エージェントは動けなかった。
――何せ、彼らもまた彼の愚神のことを笑えないのだから。
剣や長柄武器などを持つ者は、利き手親指に走る激痛によって、武器を握り振り回す力が弱まっていた。
弓や銃などを持つ者は、利き手人差し指を蝕む腫れと痛みで、弦や引き金を絞るごとに痛苦を伴っていた。
敵の攻撃を防ぎあるいは躱すのが得意な者は、両足の親指や小指に突き抜ける鋭痛で、防御や回避の衝撃を足でこらえることが難しくなっていた。
そう。
このドロップゾーンに足を踏み入れた者は、漏れなく全員が『突き指』となる。
それが、この世界のゾーンルールだったのだ。
「っ! わ、わたひはファフュテロ! きひゃまらをほうむうもろろらら!」
舌の噛み痕から血を出すドジっこ愚神・ファステロは、それでも何とか見得を切りきった。『貴様らを葬る者の名だ』、と言いたかったらしい彼の目はすでに涙目だったが。
しかし、とエージェントたちは内心で悪態を飲み込む。
一見すると地味なゾーンルールだが、その実戦闘における妨害効果はかなり高い。何せ、自分たちが確立した戦闘スタイルを確実に阻害する場所の指が潰され続けるのだ。自然と攻撃は威力が乗らず、防御や回避は動きが雑になる。
だからだろう、最初の討伐隊は今も従魔に手こずり、苦戦を強いられている。エージェントたちがくるまでに何とか一般人の救助と護衛をし、生き残ったのは喜ばしいことだが、そろそろ限界が近いのは明らかだった。
今も従魔を引きつけてくれている彼らから、元凶の愚神討伐を任されたエージェントたちは、ファステロに負けない剣幕で敵を睨みつける。
「ひゅくぞ! ひゃみゅしどみょぉ!! づぁっ!?!?」
『行くぞ! 羽虫ども!!』と啖呵を切ってエージェントを指さそうとしたファステロは、またまた近くにあった瓦礫に手の指を強打し自爆する。
もはややっすいコントなノリのファステロに、誰かが怒りのままに叫んだ。
――テメェのおっちょこちょいに大勢の人間を巻き込んでんじゃねぇ!!
ここのゾーンルールは、どう考えてもファステロの気質が原因だと察したが故に。
解説
●目標
愚神の早期討伐
●登場
ファステロ…ケントゥリオ級愚神。長身細身の成人男性で、仏頂面と我の強さが特徴。体格に見合わない膂力を発揮するパワーファイターだが、日常的に突き指してしまううっかりさん。展開したDZは彼の影響が色濃く現れている。
能力…物攻↑↑↑、物防・回避・生命力↑、魔法・特殊抵抗↓、移動・イニシアチブ↓↓
スキル
・モウダウン…射程0、範囲3、範囲物理、物攻+200、命中-100、ライヴスで生成した巨大長剣による薙ぎ払い、命中→2D6sq後退
・ヘヴィスロウ…射程1~20、単体物理、物攻+100、命中-50、ライヴスで生成した巨大球体の投擲、対抗判定(物攻vs物防)勝利→BS衝撃
・アースウェーブ…射程0、範囲25、範囲魔法、魔攻-100、命中+100、ライヴスで生成した巨大鎚による地震+衝撃波、対抗判定(命中vs回避)勝利→DZ効果+50%(1d6ラウンド)
●DZ内部
アルメールとは違う、どこかの崩壊した都市。元は建築物だった瓦礫が障害物となって散乱し、足場はやや悪い。無事な建物がほとんどないため、隠れる場所は皆無。
DZ内にいた一般人は先遣隊に保護されるも、『突き指』や従魔襲撃で身動きがとれない。長時間の連戦を余儀なくされた先遣隊も同様。彼らは現在DZの端に移動し、PCと愚神のいる地点からは離れた場所で今も従魔と戦闘中。
●ゾーンルール
ファーストフェーズごとに1人ずつ1d6判定。両手両足の指が『突き指』状態となり当該ラウンド中は特定ステータスのいずれか1つが30%低下。効果は重複しない。BS回復スキル・アイテムにより解消可能だが、次ラウンドには再判定がかかる。
1d6判定一覧
『1』→物魔攻撃
『2』→物魔防御
『3』→命中
『4』→回避
『5』→移動
『6』→イニシアチブ
●その他
敵もゾーンルールが適用されるが、ファステロのみ効果なし(『突き指』への慣れから)。
マスターより
直訳すると『Jammed finger=突き指』です。つまり、今回の戦闘において敵を含む全員が手足に『突き指』を負って戦闘をすることになります。
『突き指』と書くとあまり大したことがないように思えますが、『局所的な酷い捻挫』と書けばすごい痛そうじゃないですか? 当然、そんな状態で激しい運動(戦闘)をしても普段通りの力など出せません。そうしたことから、PCは一部の能力値が減少した状態で戦うことになります。
その上で、疲弊した先遣隊や一般人を助けるためには、できるだけ迅速な討伐が望ましいです。条件は厳しいですが、なるべく救助も意識しましょう。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2017/09/15 19:47
参加者
掲示板
-
【相談卓】ハンデバトル
最終発言2017/09/04 13:09:03 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/09/03 00:41:10