本部
WD~その覚悟を問う~
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~10人
- 英雄
- 7人 / 0~10人
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 4日
- 締切
- 2017/08/01 19:00
- 完成予定
- 2017/08/10 19:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/08/01 17:12:52 -
【相談卓】ゲームに勝利せよ!
最終発言2017/08/01 18:29:45
オープニング
● 闇のゲームをしよう
君たちは冷たい風を頬で感じて目を覚ます。
初夏にはありえない湿った風。そして土の香り。
それが指し示す状況を君たちは一瞬で理解することになる。
地下だった。
君たちはコンクリートで四方を覆った謎の部屋に詰め込まれていた。。
なおかつ硬い椅子に縛り付けられており、その椅子の上で固定されている、鎖とベルトでがっちり体が固定され、自由に動かせるのは首と指先だけ。
もはや何が何だか分からない君たちはじたばたともがき、苦しむことだろう。
そんなリンカー全員が目覚めた時、部屋の中央にあるモニターに映像が灯された。
そこには真っ白な仮面をかぶった男が映し出され、君たちに状況を告げてくる、極めて簡素な言葉で、極めて落ち着き払った言葉で。
その男は言った。これから全員が生きては返れないゲームを行ってもらうと。
こちらの目的は、自分が生きるために誰かを犠牲にしたという意識をお前たちに植え付けるための行動だと。
男は語った。
「まずは、ゲームで使うアイテムを紹介しよう」
そうして彼は、左手首のバングル。右手首のあたりに括り付けられているコントローラーを示して告げる。
コントローラーは投票装置。
自分だけに見える小さなディスプレイがついていて。そこに全員の名前が表示されている。
その中から一人を選択して投票することによって。
その人を助けることができる。
そんなゲームだと。
「ただし、ゲームというからには全員が助かるわけではありません」
そう告げて、男はさらに細かいルール説明に入って行った。
● 脱出ゲームのルール説明。
ゲームは下記の手順で行われます。
1 一人五分程度、生きなければならない理由をみんなに訴えかけてください。
2 投票タイムがやってきたならこのメンバーの中で自分以外の誰かを選んでください。投票数が八割超えた人間が解放されます。
3 解放された人間はこの部屋から出るか、誰か一人を助けることを選択してください。
助ける場合は、左手のバングルを助けたい人の椅子にかざしてください。するとその人間が解放されます。これは自分の『命の価値』の回数だけ行うことができます。
大抵の場合、あなたの命の価値は一です。
この数字は〇になることがあり、〇になると。あなたが死にます。
この数字を確認する方法はありません。
つまり、バングルの効果で誰かを救っても、あなたが死ぬ可能性があります。
4 そして一番重要なルール。繋がれた人間の数はカウントされており、一定数を下回るとこの部屋全体がロックされ毒ガスが流れ始めて全員が死にます。
そして最後に注意点。
注意 もうお気づきかと思いますが、あなたと契約している能力者、もしくは英雄の姿がここにはありません、彼らは人質で命一つ分です。
契約している英雄、もしくは能力者の命を一つ差し出せば、ここに座っている誰かの命を一つ余分に救うことができます。
その説明を一通り聞いて春香が叫んだ。
「こんな、命を弄ぶようなことして!」
その言葉に仮面の男は淡々と言葉を返す。
「命を弄んでいるのはあなたですよ。春香。他の人もです」
男は告げる。
「命の重みを考えたことがありますか? やすやすと自分の命を捧げ誰かの命を救うと口にしたことがある者は、きっと命の重みを考えたことがないのでしょう。」
● 裏側
そのコンクリートでうちつけられた部屋というのは実は西大寺邸のガレージで。そこを改装したお部屋だった。
一行は西大寺邸リビングにて事の次第を見守っている。
その部屋の中央に座っているのはerisu。この茶番の仕掛け人である遙華はお仕事で席を外していた。
いや直視できないのかもしれない、こんな野蛮なことを自分が仕掛けた、それが直視で着ないのだとしたら、それはとんでもない覚悟不足だ。
春香に怒られるかもしれない。
「これから、戦うのは。人外の理を持ってる、本当のあくまよ」
やんわりした口調で、熱に浮かされたようにぽわぽわとerisuは告げる。しかし。
erisuの言葉には芯があった。
「こういうこともあるかもしれない。の。らら。それに」
erisuは皆を見渡してさらに告げる。
「自分の大切な人を一番優先したいと思うことは素敵なこと。だから。私はここで自分の命を大切にできる人が一番カッコいいと思うの」
全員がerisuを複雑な表情で見つめる。
事の発端は少し前に遡る。
春香と遙華のやり取りからこれは始まった。
春香は突然言い出したのだ。
ガデンツァの懐に潜り込むために、自身の体内に情報端末を埋め込んだうえで、ガデンツァに捕まりたいという無茶苦茶なことを。
「冗談を言うのはやめて!!」
遙華は叫んだ。
本当はその前にいくらかやり取りがあったのだ。女の子が肌に傷をつけちゃいけないわ。とか。法律で禁止されてるのよ。とか。
私は友達にそんなことできない。とか。
でも春香は引き下がらなかった。まるで自分が犠牲になればガデンツァを倒せるとでも言わんばかりに食い下がる。
だから遙華は春香に怒鳴ってしまったのだ。
「あなたの英雄願望なって知らないわ、私はそんなことしない」
「だったら遙華は、今この瞬間も、犠牲になり続けてる誰かの事を放っておけっていうの?」
「それは……」
「私が助けられるなら、みんな助けたい。助けたいんだよ! 何でその気持ちもわかってくれないの?」
その日から春香と遙華は口をきいていない。
表向きの原因は遙華が春香を殴ってしまったからだった、グーで春香を吹っ飛ばしたらしい。
でも本当の理由は、もうケンカしたくないからだろう。
口を開けばたぶん、終わっていないこの問題を蒸し返してしまう気がするから。
だから遙華はこんな無茶苦茶な場面を用意した。
自分の命より優先するべきものなんてない。
あったとしてもそれはきっと手の届く範囲の人間のために優先すべきであって。名前も知らない誰かのために命を投げ出すなんて間違ってる。
そう伝えたかったから。
解説
目標 このゲームに勝利すること。~~下記PL情報~~
まずこのゲーム、本当に犠牲者が出るわけではないので安心してください。
では次に具体的な解説にうつっていきますね。
このゲーム。参加できるのは、リンカーか能力者どちらか片方とします。
参加しなかった残り片方はモニターからゲーム会場を確認できます。
皆さんは基本的には、いきたい理由を強く訴えて生き残るように頑張ってみてください。
ただ、やはりルールが存在すれば生じるのがゲーム要素。ちょちょいと周囲の裏をかいて生き残ろうとする人も出るでしょうか。
そこは好きにプレイイングをかいてみてください。
単純に残酷なゲームを楽しんでもいいですし。自分の旨のうちをさらけ出すお話としていただいてもいいです。
こちらのゲーム終了条件ですが三つあります。
1 投票数が全員1となった場合。
2 バングルの数字以上に、誰かを助けようとする者二人以上現れた場合。
3 シークレット
ではでは、
~~~~上記PL情報~~~~
● 春香の生きたい理由
さっそくゲームが始まった。
自分がいきたい理由アピールをする時間が始まった。
トップバッターは春香。
けれど、春香はアピールタイムの時間、その半分を黙ったままで過ごした。
そしてようやく口を開いたときには、春香はこう、告げたのだ。
「私は、もう満足してます」
erisuの爪がカリカリと床を削る。
「わたしは、故郷も奪還したし。家族もいないし。友達ともこの前ケンカしちゃって。だからもう大切なものなんて何もないんだ。だからみんなを優先するよ。このゲームって、一定数は絶対死ぬけど。一定数は絶対生きれるんだよね? だったら私、死ぬ方の一定数でいいよ? みんなのほうが、生きてたほうが。沢山の人を救えると思う」
そう言って春香は顔を伏せて最後に告げた。
「私は、自分の人生満足してるから」
その瞬間、無情にも時間切れのアラートがなった。
マスターより
今回のイメージは嘘をつくあのゲームですね。一度ゲーム要素が強いシナリオ出してみたかったんですが。ルール考えるの楽しいので今後も出したいなと思ってます。
それではよろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2017/08/09 19:05
参加者
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/08/01 17:12:52 -
【相談卓】ゲームに勝利せよ!
最終発言2017/08/01 18:29:45