本部
【ドミネーター】悲劇
- 形態
- シリーズEX(続編)
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,800
- 参加人数
-
- 能力者
- 15人 / 4~15人
- 英雄
- 15人 / 0~15人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/06/28 19:00
- 完成予定
- 2017/07/07 19:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/06/28 17:44:31 -
相談卓
最終発言2017/06/28 17:08:15
オープニング
●
朝の十時頃に電話が鳴った。昨日、坂山は眠れない夜を過ごしたが目は最高に冴えていた。この電話はH.O.P.Eの通信室に置かれている公式の機械にかかってきていた。
受話器を取る手がたじろいだ。コール音が耳障りで、数を重ねるごとに心臓の鼓動を速めた。
「もしもし……」
相手が誰だかは分かっていた。
「答えを聞かせてもらおう」
昨日散々考えてきた言葉を、今言う時だ。何度も何度も頭の中で復唱してきた言葉。
あの取引を、自ら引き受けようとしてくれたエージェントもいた。坂山はその気持ちだけ受け取ることにした。もしドミネーターの要求を飲めば、事実上の敗北を意味する。ドミネーターが調子に乗らないためにも、仲間の情報を与える訳にはいかなかった。
「いいわ。私を狙いなさいよ」
相応の覚悟はしていた。今まで散々な目に遭ってきた連中だ。今さら何をされたところで驚きはしない。
「ほお、強気に出たね。以前通信機にかけた時は弱っているように見えたが」
「あんたが間抜けなのよ。半月以上も間をあければ、その間に精神なんて簡単に回復するわ。残念だったわね」
「そうか。じゃあシナリオはこう動く訳だな」
「言っておくけど、今更どんな手で攻めてきたとしても怯まないわよ。今度は私の故郷でも襲うのかしら? それともまた偽りの恋人でも送る? 残念だけど二番煎じは通用しないわよ」
決して弱い所を見せてはいけない。坂山はしかし――どこかに不安があった、それを悟られないように一生懸命に、声が震えないように強がってみせた。電話だから好都合だ。
相手には顔が見えない。
「へえ」
坂山にも、相手の顔は見えていない。
「ありがとう、僕を煽ってくれて。あんたを壊す時の楽しみが増したよ。試合を諦めた奴を屈服、殺した所で意味なんかあるものか」
電話の向こう側から、気色悪い音が聞こえた。
「私を殺しにくるんでしょ?」
嫌な予感がした。
「勿論だ。最終的に君を殺すが、その過程で誰を殺そうがそれは僕の勝手だね」
「ああ、分かったわ。私の家族を今度は狙う訳ね。でもやめといた方がいいわ、私の家族は警察とよく繋がっているの。あんな大きな組織を相手にしたら痛い目を見るわよ。それとも私の友達を狙うのかしら? また高梨を狙う?」
心の中に蔓延していく嫌な予感を振り払うために、饒舌になるしかなかった。
「これはどうかな」
今度は端末が鳴った。端末はノボルが持っていて、強引にその手から奪うとメッセージが届いていた。数十枚の写真が添付されている。そこに写っていた被写体に、坂山は受話器を落とした。
「待ってよ……」
受話器から、甲高いフランメスの笑い声が聞こえてきた。
「坂山、これは何……?」
ノボルの質問に答える前に、坂山は受話器に向かって怒鳴った。
「ルール違反よ! 私を狙うんでしょうが!」
「言っただろう? その過程で誰を殺そうがそれは僕の勝手だって」
「……絶対アンタを地獄送りにしてやるわよッ! 地獄なんて生温いかしら。生まれてきた事を後悔させてやる!」
「おお、怖いね。怖いねえ」
坂山が吠える度フランメスの調子が上がっていった。
「今から二十分以内に、これから送る場所に来れば人質は無事だ。だが遅刻すると五分毎に一人ずつ死んでいく。今からスタートだよ、準備はできたかな」
受話器を叩きつけるように机の上に放り投げて、鞄も持たずに扉から出ていった。手に端末を握り締めて一人、目的地へと駆ける。
「坂山待て!」
スチャースの声を聞こうともしなかった。
「ノボル、一刻も早くエージェント達に伝えろ。どう見てもこれは坂山を誘き出すための罠だ」
「わ、分かった。スチャースはどうするの?」
「私にはGPS機能がついている。坂山を追うから、私の後を追ってきてくれればいい」
「うん……。さっきの写真、誰だったのかな」
写真にはノボルと変わらないくらいの年齢の子供たちが写っていた。卒業アルバムに掲載するための写真に似ていて、皆がそれぞれの笑顔だった。
「おそらく坂山の生徒だ」
ノボルは乾いた喉を潤すように水を飲んでから、スチャースが坂山を追いかけた後にエージェント達を招集した。
――
さあ、エージェント諸君。
君達は半ば賢い選択をしたとも言えるだろうね。実際、坂山という女は足手まといだっただろう。
戦闘力なんて皆無、それで全く経験のないテロ対策のリーダーをして、いつも我々に先手を取られる。その度に尊い命が犠牲になっているね。
坂山がいなくなれば自動的に誰かがリベレーターのリーダーになる。
その方が、君達にとってはいいだろうね? 無能の足手まとい女を差し出すことで我々とようやく互角の戦いになるのだから。
これは君達の為を思って言っているよ。今回は見捨てた方がいい。
それでも助けに来るというなら、君達は愚か者だ。
――
解説
●目的
人質達の解放、エネミーの撃破。
●拠点
今回舞台となるのはドミネーターの拠点の一つ。ビルの五階にあって、その階層を借りている会社の取締役を脅迫して強引に五階を占領していた。
広いオフィスに二つの空間がある。五階に止まるエレベーターを降りると左右に扉があり、右側は拷問部屋で、悪臭が漂う。左側は会議室などに使われる。
坂山の生徒達は拷問部屋に捕えられていて、十九歳の元生徒が椅子に縛られている。カーテンと窓は完全に閉めきられている。
●死の予兆
坂山はタクシーを使って現地まで急行するが、到着すると現地で待機していたドミネーターの隊員数名に身柄を拘束されビルの中に連れ込まれる。スチャースはビルの中に入らず、出入り口付近でエージェントを待つ。
坂山を探すが、ビルのどこを探しても彼女の姿は見当たらない。フランメスは別の場所に監禁しているエージェント達に告げる。
まるでエージェント達を挑発するようにフランメスは監禁した場所を言う。
監禁先では坂山は幻覚の薬剤を注射されており、仲間が従魔に見える効果を受けている。
●監禁先
下水道の中に拠点を作っている彼らは坂山をそこに監禁している。武器や端末は奪われている。
身体の自由はあるため自分で脱走を図ろうとするが、一人で脱出しようとすれば死は免れないだろう。
●敵
リユーゼ、クノウ、ブラック・ディラーの登場。
他に、拳銃を使う一般隊員が二人エージェント達を襲う。
新たな愚神「ジェシー・リン」も登場。女性の姿をするこの愚神は、他の愚神の体組織一部でも発見ができれば瞬時に能力をコピーする能力を持っている。ジェシーは戦闘になるようならば逃亡を真っ先に企てる。
●第二の取引
フランメスは、チャールズを差し出せば坂山の命は保証するとエージェントに取引を持ちかける。
同時に斎藤を解放すればクノウ、ブラックディラー、リユーゼの内一人を殺害するという。
マスターより
※当MSはアドリヴ成分が多めです。
このシナリオで一旦ドミネーターは一段落します。
が、ドミネーターが崩壊した訳じゃない。一段落する間にチャールズや斎藤など個人に迫るシナリオをその間に出していこうと考えてます。
次ドミネーターが動くまでに情報を多く仕入れましょう。今はまだ情報不足……それで一方的に攻撃を受けている。これではアンフェアです。
もしかしたらこのシナリオでリーダーが変わるかもしれません。もしそうなった場合は、よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2017/07/06 18:52
参加者
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/06/28 17:44:31 -
相談卓
最終発言2017/06/28 17:08:15